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南米エクアドルの新型コロナウイルスの状況と、日本に帰国するまで(2020年4月13日現在)
現在、急速に広まっている新型コロナウイルス。
エクアドル内で感染者が確認されたのは2月29日。それから1か月、生活は大きく変わってしまいました。
現在は日本に帰国した筆者ですが、この1か月でどのような変化がエクアドルに起きたかをお伝えします。
目次
- エクアドルで新型コロナウイルスの感染が初めて確認されるまで
- 翌日から規制!?
- エクアドルのロックダウン
- エクアドルから日本への帰国にあたり
- エクアドルの現状
- 最後に
- 新型コロナウイルスに関するその他の記事
エクアドルで新型コロナウイルスの感染が初めて確認されるまで
日本でも1月中に初の感染者が確認されるなど、アジアやヨーロッパで急激に拡がりをみせていた1〜2月頃、コロナウイルスの話題はエクアドルでも常にトップでした。
国内に、いつコロナウイルスが忍び寄るか分からないという心配・不安を巷では漏らしていました。
そして2月29日、ついに国内最大の都市グアヤキルにて、スペインから帰国したコロナウイルス感染者を確認。エクアドルも他人事ではなくなってしまったのです。
翌日から規制!?
3月11日、WHO(世界保健機関)によるパンデミック宣言があり、エクアドルでも、同時に翌日0時から学校の休校、大多数の集会が中止、娯楽施設の閉鎖など、規制がはじまりました。
3月14日午後、政府は外国人・エクアドル国民の入国禁止措置を翌日から順に実行すると発表。入国を禁止するという事は、離発着する国際線の大幅減便を意味します。
数日後に日本へ帰国する予定であった友人らは急遽変更。予定便を待たず3月15日または3月16日の利用可能な便でエクアドルを去る事になりました。
友人らが飛び去った次の日の3月17日、移動制限が更に厳しくなる連絡を午前中に受けました。私は首都キトに滞在中だったため、急いで居住する県まで戻りました。
エクアドルでは猶予期間はなく、多くの事が翌日から実行されます。結果、翌日3月18日から県外移動の禁止等....ロックダウン(都市封鎖)が始まりました。
エクアドルのロックダウン
<外出禁止令中>
エクアドルのロックダウンについて、主な内容を下記に紹介します。
- 国内線飛行機の運行中止
国内線全便欠航 - 公共交通機関の停止
首都の路面電車、バスの全面運行中止 - 県外移動の禁止
検問が至る所にあり。他県への移動原則不可。 - 商業施設の営業停止(食料・医療・金融・ライフライン等のみ除く)
レストランなども含め商売する店がほぼ営業中止。 - 車両通行制限(ナンバープレート末尾により制限)
週3または4回 →(変更)週2回 →(変更)週1回 - 夜間外出禁止令
禁止時間 21〜5時 →(変更)19〜5時 →(変更)14時〜5時 - 外出制限
下記以外外出不可
- 生活必需品および医薬品等の購入(1家族中1名のみ)
- 通院など
- 職場と自宅の往復
- 障害者、高齢者、病人等の看護等
- 緊急と認められる場合、および車両の燃料補給等
規制された町は静まりかえりました。
世界的にもいつまでコロナウイルスの猛威が続くか分からない事もあり、私も帰国する方向になりました。しかし、帰国には多くの障害がありました。
<通常時の車通り>
エクアドルから日本への帰国にあたり
<検問中の車両消毒>
帰国する為には、まず首都に行くための"県間の移動"、エクアドルから日本に戻る為の"国際線飛行機移動"が必要になります。
しかし説明したとおり、国内の「県外移動禁止」、「交通機関の停止」、「外出禁止令」、「国際線飛行機の麻痺」、更には経由地になる「第三国の出入国禁止や国境封鎖」など、全ての問題が解決しないと帰国不可能です。しかし問題に対し、沢山の人が支え・助けてくれました。
<検問中の検温>
県間移動
3月22日、公共交通機関停止のため、車両と県外移動許可証を手配してもらえました。他県に住む友人らと首都へ向かうため、外出可能な時間内で各方面に寄りながら移動完了しなくてはならず、常に時間との闘いでした。途中、通行許可証確認や車両消毒、搭乗者の検温や消毒が数か所で行われました。
エクアドルの友人らに対して、お別れの挨拶をしたかったのですが、訪問も含め規制され、残念ながら叶う事なく居住地を去りました。
国際線飛行機移動
<国際線キャンセルの嵐>
臨時的に運行再開したユナイテッド航空便の予約を、関係者のおかげで確保する事が出来ました。首都(キト)に到着した日の深夜にエクアドルを発つ予定でしたが、最初のキト~ヒューストン区間が15時間の遅延となり、翌日発になりました。
<スーパーでの入店待機>
そのため、食料を調達しに近場のスーパーマーケットへ訪問。スーパーの入店前には、指示通り各自間隔をあけて待機。その後、説明を受け入店。人数制限や営業時間の短縮が行われていました。
<人がいない空港内>
3月23日16:30発予定の便が更に3時間半遅延。その後、無事に飛行機は出発しました。大半の国際便が欠航のため、空港内はガラガラ、店もほぼ営業していませんでした。
経由地のアメリカでは、空港近くのホテルに一泊。日本へ3月25日に帰国しました。
エクアドルの現状
全感染者の7割が、国内最大都市(グアヤキル)を置くグアヤス県から確認されています。グアヤス県では医療保健・葬儀システムの崩壊、棺不足などから、遺体を路上に放置するような状況にまで発展してしまい、深刻な問題になってしまいました。
国内で感染者が確認されてから以下のように対策が変遷していきました。
2月29日
スペインからの帰国者(2月14日に帰国)からコロナウイルスが確認される
3月1日
検疫の強化
3月7日
「水際対策の抜本的強化に向けた新たな対策措置」決定(主に中国・韓国対象の内容)
- 入国拒否対象地域の不断の見直し
- 検疫の強化(14日間の隔離措置等)
- 航空機の到着の限定等
- 査証の制限等
3月11日
大統領が保健衛生の緊急事態宣言を発出
- 翌日0時よりコロナウイルス感染者上位国(中国・韓国・イタリア・フランス・スペイン・イラン)全旅行者の14日間自宅またはホテルの隔離措置の義務
- 国内全学校の休校措置の義務、大規模集会の開催延期・中止、国内要所での検疫等実施
3月14日
- 入国禁止措置
- 外国人の入国禁止(翌日0時より)
- 当国居住外国人・当国民の入国が禁止(3月17日 0時より)
- その他対策
- ガラパゴス入島規制
- 大規模行事、30人以上の集会の禁止
- 商業施設等の一部閉鎖(ジム・映画館・ショッピングモール等多数人が集まる商業施設の閉鎖)
- 公共交通施設の消毒等
3月16日
以下を除く国内における移動の制限(翌日6時から以下以外の移動禁止)
- 生活必需品及び医薬品等の購入
- 通院など
- 職場と自宅の往復
- 障害者、高齢者、病人等の看護等
- その他緊急と認められる場合、および車両の燃料補給等
3月17日
感染者数が100人を超える。緊急事態宣言が60日間継続するとの発表
- 国内線航空便の停止(翌日0時から)
- 県外移動の禁止(翌日0時から)
- 商業施設の営業停止(食料・医療・金融・ライフライン等を除く。本日から)
- 車両の通行制限:ナンバー末尾で制限(翌日5時から)
末尾が奇数は月・水・金・日曜、偶数は火・木・土曜に週3または4回通行可 - 夜間の外出禁止(毎日21時-5時までの間、外出禁止)
キト市対策:公共交通機関の停止、公共施設閉鎖、国内線閉鎖
3月20日
外出禁止令の時間変更(毎日19時-5時までの間、外出禁止。翌日から)
3月24日
感染者数が1,000人を超える。
外出禁止令の時間変更(毎日14時-5時までの間、外出禁止。翌日から)
3月27日
車両の通行制限:ナンバー末尾で制限変更(翌日から)
末尾が1,2,3は月・金曜、4,5,6は火・土曜、7,8,9は水・日曜、0は日・木曜に週2回通行可
4月1日
夜 エクアドル全土が日本の感染症危険情報レベル3へ引き上げされ、入国拒否対象国に追加となる
4月3日
車両の通行制限:ナンバー末尾で制限変更(4月6日から)
末尾が1,2は月曜、3,4は火曜、5,6は水曜、7,8は木曜、9,0は金曜に週1回通行可、土・日は自家用車通行禁止
4月4日
国内最大都市グアヤキルにて多数の遺体が路上に放置された様子をとらえたビデオに対し、副大統領が謝罪
4月9日
外出時のマスク着用が義務化。違反した場合罰金
4月13日
4月13日現在、感染者数は7,529人、死者は355人
最後に
<エクアドルの風景>
ロックダウンされていたエクアドルと比べると、日本に帰国をした当初は正直、拍子抜けしました。しかし、少しずつですが、日本も自粛や自主隔離を行う雰囲気になりつつあるのを感じます。
コロナウイルスの猛威に対して、まだ終わりが見えない状態ですが、少しでも早く終結し、いつかまたエクアドルに戻れる日が来るのを期待したいと思います。
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KITAMUCHO
- 南米 エクアドルのアマゾン地域に在住。元旅行会社スタッフ。昔バックパッカーで中南米やアジアを旅した経験をもつ30代女性です。