エクアドル流「年越し」と「カーニバル」水かけ祭の過ごし方

今年度もあとわずか。
エクアドルでは、12月に入るとキリスト教文化の為か一気にお休みモードです。

「仕事は二の次、家族の事や、楽しむ事が優先。」
それがエクアドル人ならではの習慣・考えなのです。

今回はエクアドルの「年越し」と年明けのビックイベント「カーニバル」をどのように過ごすのかご紹介いたします。

目次

エクアドルの年越しその1:アニョ・ビエホ(Año Viejo)

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エクアドルでは、年末またはその前の週くらいから、ゴミの紙や木で作られた等身大のお人形(モニゴテ/Monigote)が販売されます。人形がアニメのキャラクターだったり、その年に話題になった人だったり様々です。各家族、このモニゴテを買います。

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友人たちはこの人形を買い、アニョ・ビエホ(Año Viejo)と呼んでおりました。

なぜそのように呼ばれるかというと、スペイン語ではAño(年)、Viejo(古い)、つまり「旧年(行く年)」という意味を人形に込めて呼んでいるのです。

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職場でも仕事納めに一つ購入しました。

これをどうするかと言うと、まずは集まった人々はがアニョ・ビエホを踏んだり蹴ったりします。

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そしてボロボロになったアニョ・ビエホはガソリンをかけられた後、火を点けられ燃やされます。

実はこの行為には意味があるのです。名前が表す「アニョ・ビエホ(行く年)」を燃やす事で今年の様々な悪い事にお別れをし、新しい年を迎えようという願いが込められております。

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都市中心部ではあまり行われていませんが、住宅地では人々が良い年を迎える為、各々家の前で行っています。

エクアドルの年越しその2:泣き女(気狂いな未亡人/LocaViuda)

12月31日は大晦日。行く年を送り、来る年を迎える準備をします。この大晦日には、一風変わった人々が出現します。

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誰かというと、女装した男の人です。この方たちをロカ・ビウダ(Loca Viuda)つまり「気狂いな未亡人」と言います。

女装した人々がダンスを披露したり、同情を乞いたり、罵ったりしてお金を懇願します。(どの行為も冗談まじりですが、男性なので迫力があります。) 

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なぜかと言うと、先ほど出てきたようにアニョ・ビエホ(行く年)を死にゆく夫に例えており、彼女ら(?)は旦那が亡くなった未亡人です。そのような背景の設定として、未亡人が人々に慈悲を求める行為として路上に出現するのです。

この写真はロカ・ビウダ(Loca Viuda)達が下りて来いっ!と上を見上げています。行き交う車にお金をせびります。通る車という車、彼女ら(?)の餌食になっていました。

一見面白いパフォーマンスですが、文化として意味があり毎年行われています。

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エクアドルでは、その他の風習として、

  • 新年を表す鐘と共に12粒のぶどうを食べ、来る12か月(=12粒)の幸せを願う。
  • 新年を迎える際、幸せの象徴である"黄色の下着"を身に着けて新年を祝う。
  • 年明けと共に町の至る所で花火を打ち上げ、新年を祝う。

など、人々の間で実行されます。

ヨーロッパや他の南米と一部の習慣は同じです。縁起を担ぎ、翌年の幸せを願う事は世界中の人々やはり同じなんですね。

カルナバル(カーニバル)とは?

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お次は、年を明けた後の大きなイベント「カルナバル」。

カルナバルとは、別名【謝肉祭】。毎年2月~3月に頃あります。

4月の祝日である「イースター(復活祭)」。その46日前の水曜日(灰の水曜日)から前日(聖土曜日)までの期間。この間は、悔い改め・節制(食事の節制等)をし、自らを振り返る時期と宗教的にされています。

カルナバルとは、この肉の節制期間に入る前、肉に別れを告げるべく宴が、現在のどんちゃん騒ぎをする習慣になりました。(※イースターは、春分の日の後に迎えた最初の満月、そのあとの日曜日なので移動祝日です。毎年日付が変わります。)

上の写真ではふざけている様にしか見えませんが、本来は大切な宗教の祝日です。

エクアドルのカーニバル

エクアドル内では、「アンバト(Ambato)」と「グアランダ(Guaranda)」がカーニバルの場所としては有名。盛大に催される2箇所をまずは紹介をします。

「アンバト」のカーニバル 

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2019年度は4日間にかけて開催されました。

期間中のピーク日は遊園地さながらの巨大な山車(だし)が行進します。前夜から場所取りをする人もいる程の人気パレードです。

カーニバルのテーマは「花」と「フルーツ」。

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期間中は、花とフルーツ、パンを利用した大きな壁画が教会に描かれました。

この時期はホテルの予約が取りづらく、料金が高騰しますので事前の予約をオススメ致します。

【行き方】

首都キトから:キトゥンベ・バスターミナル(Terminal Quitumbe)から約3時間

「グアランダ」のカーニバル

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グアランダのカーニバルは期間が長く、2019年度は2月の2週から3月のメイン時期までと、実に1か月近くお祭りしていました。華やかなパレードで、ピークの日には海外の有名なダンサーが踊りに来ます。

2019年度は、エクアドル人のメンバーを含む南米では有名なポップグループ【CNCO(シンコ)】のコンサートが行われました。

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【行き方】

首都キトから:キトゥンベ・バスターミナル(Terminal Quitumbe)から約5時間

ただし、この2箇所だけではなくエクアドル中で、カーニバルが開催されます。

各地を訪れると、大小様々なコンサートやパレード、水かけ祭の洗礼を受けます。この際、参加して楽しんでみてはいかがでしょうか♪

カーニバルを楽しもう!必要グッズ

カーニバル期間中は、町中至る場所が水かけ祭の戦地と化します。徹底的に応戦出来る準備をしましょう。

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攻撃用

  • 『泡スプレー』:エクアドルでは、「カリオカ」と呼びます。消えるのでシミにはなりませんが、攻撃を受けすぎると濡れます。期間中はどこでも販売。       
  • 『水鉄砲』:水が尽きても、補充すればよいので永遠に使用可能。遠方攻撃用。
  • 『水風船』:人によっては2階から、投げてきます。受けるとびしょびしょに濡れる。近距離・遠方攻撃用
  • 『カラーパウダー』:利用の有無は地域差があります。近くに詰め寄り、顔に塗りつけますが、その分自分も危険に晒される。近距離攻撃用。 

防御用

  • 『汚れてもよい服』:間違いなく必要。速乾服や防水服も要検討。
  • 『サングラス』:顔中に泡やパウダーをかけられると見えなくなるのであると便利。
  • 『ジップロック』:びしょ濡れになった際、いざとなったら貴重品を入れて守りましょう。

熱帯アマゾン地域でのカーニバルはと言うと

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私が暮らす熱帯アマゾン地域(モロナ・サンティアゴ県 マカス)でも、4日間にかけて盛大にカーニバルが開催されました。

熱帯アマゾン地域の特徴と言えば、山岳地帯に比べると全く寒くない。ここでは、遠慮・躊躇なく水や泡にまみれる事が可能な為、完全参加でカーニバルが体験出来ます。

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市中、パレードやミスコン、コンサートも開催されます。

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しかし、気を緩めてパレードやコンサートを見ていると、泡スプレー(カリオカ)や水鉄砲・水風船で攻撃を受けます。建物の上からもバケツで水をかけてくるので注意してください。

コンサート会場では、四方八方から泡・水攻撃に加え、後方からカラーパウダーで徹底的に仕掛けられました。  

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期間中メインの日には、昼間から川沿いで大規模なコンサート&水かけイベントが開催されました。大人も子供も、泡マシーンの前では皆はしゃぎまくりです。

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私はといえば、積極的にカーニバルに参加しました。川で何度も顔を洗いましたが、5分もかからず顔が真っ黒になりました。

この土地の人々はフレンドリー。誰かれ構わずアミーゴ(友達)であり、遊びを仕掛けてきます。

びしょ濡れになりつつも、めいっぱい楽しめるのが熱帯アマゾン流のカーニバル。是非、この時期に熱帯アマゾンでカーニバルを堪能してみてください。

【行き方】

首都キトから:キトゥンベ・バスターミナル(Terminal Quitumbe)から約8時間半

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KITAMUCHO

南米 エクアドルのアマゾン地域に在住。元旅行会社スタッフ。昔バックパッカーで中南米やアジアを旅した経験をもつ30代女性です。

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