モロッコの新型コロナウイルス事情(2020年2月20日現在)

「新型コロナウイルスが心配だから、春のモロッコ旅行を迷っています」という方からメッセージをいただきました。

2020年2月20日現在、モロッコでは感染者が報告されていませんが、日本の状況、特にクルーズ船に関するニュースは、世界中に広く報道されています。

*編集部追記:
2020年3月4日現在、モロッコでも1名の感染者が確認されています。国別の感染者数は、下記厚生労働省のホームページをご確認ください。
>>>新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について

モロッコ、また日本からモロッコに行く際の経由地になるヨーロッパでは、日本人が海外旅行に行き、ウイルスに感染してしまうリスクよりも、日本人が海外旅行に行き、ウイルスを拡散してしまうリスクの方が心配されていると感じます。

2001年~2016年までモロッコ・マラケシュに在住し、2016年からはドイツ・ベルリンに在住する私宮本薫が、モロッコの新型コロナウイルス事情についてお伝えいたします。

2020年2月20日現在の情報に基づいた記事です。状況は日々変わりますので、記事は参考にとどめ、必ずご自身で確認の上、ご旅行ください。

>>>新型コロナウイルス感染症について詳しくはこちらから(厚生労働省)
>>>モロッコにおける入国者に対する新型コロナウイルス対策(在モロッコ日本国大使館)

目次:

モロッコの新型コロナウイルス事情と対策

モロッコでは、2016年に中国人の6ヶ月までの滞在ビザが免除されたため、観光客数が激増、2019年には15万人の中国人がモロッコを訪れました。年間50万人を目標にしており、2020年1月にモロッコのフラッグシップエアであるロイヤル・エア・モロッコの北京からカサブランカの直行便が就航したばかりです。ちなみに日本からモロッコへの観光客数は、年間3万人程度。直行便はありません。

昔からモロッコでは、中国人と日本人の区別がつかない人や日本は中国の一部だと思っている人が多く、アジア人は全て「シノワ(中国人)」と呼ばれて居ましたが、ここ数年の中国人の存在感は圧倒的。どこにいっても中国語が聞こえ、南部の田舎にも中華料理屋さんが開店、漢字の宣伝を見かけたりするようになっていました。

どこにいっても中国からのツアー客でいっぱいでしたが、新型コロナウイルス流行のため、2月3月で合計約5万人のキャンセルが予想されているそうです。利用客激減のため、上記の直行便の運行も一時的に休止されています。

また、国内の空港、港などの出入国ポイントでの健康チェックが開始されている他、武漢に滞在して居たモロッコ人はすでに救出され、国内の施設で20日間隔離されているそうです。

モロッコは、王国のため、今回のような大規模な緊急時には判断、対応が早いという利点があり、今までのところ、新型コロナウイルス対策はうまくいっているようです。

モロッコで流行しにくい要員としては、気温が高い、人混みが少なく、建物の密閉度が低い、エアコンの普及度が低いことが挙げられるかもしれません。今までも新型インフルエンザ、SARS、 MERSなどがモロッコで大流行したという例はありません。

モロッコの医療事情

モロッコでは、日本と同じレベルの医療は期待できません。日本語はもちろん、英語もほとんど通じません。外国人観光客などが大きな事故にあった場合、緊急移送付きの保険に入っていれば、医療レベルの高いヨーロッパの都市に運ばれ、治療を受けることが多いのですが、今回のウイルスの場合は、どのような対応になるかわかりません。

>>>モロッコの医療事情について詳しくはこちらから(外務省)

モロッコで感染する可能性よりも、心配なこと

モロッコでは、アジア人に対する差別意識を持っている人が多く、普段から「シノワ(中国人)」と囃し立て(はやしたて)たり、子供達が目を釣り上げる真似をしたり、石を投げるなどの嫌がらせがあります。新型コロナウイルスに関する報道が始まると、「シノワ・コロナ」と呼ばれたり、あからさまに避けられたりする例をいくつか聞きました。

また、人によっては人種差別をしてはいけないという前提がなかったり、衛生に関する基本的な常識がなかったりして手洗いをしない、大きな咳やくしゃみをされるなど、相手に悪気がなくても、居心地の悪い思いをする可能性があります。

より大きな問題としては、今後日本の感染者数が増えた場合、日本人が海外で感染する可能性よりも、日本人が海外で感染させる可能性の方が高くなるわけですから、過去2週間以内に日本に滞在した人に対する入国制限や隔離が始まる可能性があります。

実際、海外在住の日本人の間では、在住国に再入国できなくなったら困るので、イースター休暇に日本帰国するかどうか迷っている人もいます。

春休みに10日間のモロッコ旅行に行き、帰りはヨーロッパの都市経由で日本に帰国するはずが、経由国に入国できなくなったために帰りのフライトに乗れなくなった、などということのないように、少し様子を見てから予約したほうが良いかもしれません。旅行の際は、限度額無制限の海外旅行保険に入っていかれることをお勧めします。

参考サイト

*2020年2月20日現在の情報に基づいた記事です。状況は日々変わりますので、記事は参考にとどめ、必ずご自身で確認の上、ご旅行ください。

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宮本 薫

2001~2016までモロッコ・マラケシュ在住。2016~ドイツ・ベルリン在住。モロッコ雑貨の企画製造販売&セレクション、旅企画、ライター。

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