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【新型コロナウイルス対策】国境封鎖で陸の孤島に!?コートジボワールの現状(2020年4月1日現在)

記事投稿日:2020/04/10最終更新日:2020/04/14

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カカオ生産で有名な西アフリカのコートジボワール(旧象牙海岸)は日本から飛行機を乗り継いで27時間、在留邦人も大使館や開発援助機関を中心に150人と少なく、皆さんにはあまり馴染みのない国かもしれません。

筆者が当地に住み始めて丸2年、初めての大きな試練がやってきました。今世界で猛威を振るっている新型コロナウイルスです。アフリカの保健衛生事情は非常に脆弱で、当地もその例外ではなく、人工呼吸器は国内に50台しかありません。そうした厳しい状況のなか、国が一丸となってコロナウイルスを封じ込めるために戦っている日常をお伝えします。

目次

コロナが発生!と思ったら、すぐに国境封鎖!?

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コートジボワールで初の感染者が確認されたのは、3月11日。初の感染者はイタリア旅行から帰国したコートジボワール人でした。コートジボワールは旧フランス植民地ということもありヨーロッパとの繋がりがとても強く、人や物資の往来が非常に多いため、国民の間でもコロナ感染者確認に対する驚きは特にありませんでした。一方、翌日にスーパーを覗くと、大量のアルコールジェルが!会社のビルに入る際にも、アルコールジェルの使用が義務づけられるなど、かなり迅速な対応が各所で取られていたものの、人々の間に混乱はなく、どことなく他人事の空気。当時、コロナウイルスは熱と湿度に弱いと信じられていたため、「高温多湿のコートジボワールではすぐに収束するだろう」と考えている人が多くいたせいかもしれません。

この雰囲気が一気に変わったのは、その数日後に新たな感染が確認されてから...。海外渡航歴のない感染者が、現地のフランス人学校で発見されたのです。街中でマスクを付ける人の数が一気に増え、3月16日には教育施設(学校や幼稚園など)、娯楽施設、映画館の閉鎖、スポーツイベントや50人以上を超える集会の禁止等が発表されました。同時に在住外国人に衝撃を与えたのは、「COVID-19の感染者が100人を超える国からの、コートジボワール人でない旅行者(永住居住者を除く)の入国禁止」という政府の決定でした。同日、旧宗主国であるフランスのマクロン大統領が非国籍保有者・非在住者のフランスへの入国の禁止、フランス国民の外出禁止を発表したことに呼応した対応とみられています。この時点で確認されていた感染者は9人と少なく見えますが、アフリカ各国は保健やインフラ整備が脆弱なため、超初期段階での封じ込めに躍起となっていました。

その後も感染爆発は起きないまま日々は過ぎましたが、外国からの帰国者の感染が相次いで発覚。3月22日の深夜より陸海空全ての国境において無期限で人の移動が停止、事実上の国境封鎖となりました。文字通り、陸の孤島です。当地に在住していた日本人の間にも緊張が走り、民間企業を始めとする多くの方々が日本へと帰国していきました。突然の国境封鎖により、家族とどれだけ続くかわからない間バラバラになってしまった人々も続出し、不安な日々が始まりました。

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翌23日の20時には共和国大統領により非常事態宣言(L'état d'urgence)が発令され、8項目の追加措置が発表されました。

追加措置には

  • (1)食堂とレストランの閉鎖(持ち帰りは営業可能)
  • (2)21時から5時までの夜間外出禁止
  • (3)都市間移動の禁止

などが含まれ、完全なロックダウン(都市封鎖)とはいかないものの、感染件数の多い首都アビジャンを隔離し封じ込める作戦が始まりました。夜間外出禁止により、スーパーマーケットや小売店も営業時間を縮め、また、公務員の就業時間も8時-14時に短縮。日本の丸の内にあたるオフィス街「Plateau地区」も人通りがほとんどなく、日中も閑散としています。

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欧米各国が導入しているロックダウン(都市封鎖と外出禁止)ですが、アフリカでは南アフリカやナイジェリアをはじめとした一部の国と都市でしか行われていません(4月1日現在)。都市での人口密集が顕著で感染のリスクが高いのになぜロックダウンに踏み切らないかというと、国民の多くがインフォーマルセクター(政府によって登録されていない、非公式の経済活動)に従事しており、外出禁止にすることで彼らの生計が絶たれ、貧困の拡大と社会不安につながる危険性が多分にあるためです。

一方で、ロックダウンとまでは行かないものの、高中所得者層が自宅勤務を開始したり、娯楽施設や地元食堂が閉鎖となったことで、多くの人が経済的に打撃を受けています。我が家では自宅の隣にいた果物売りのおばさんから買ったパイナップルとマンゴーが毎日食卓に上がっていましたが、私の購買力だけではお店の経営は維持できず、廃業もしくは移転を余儀なくされたようです...。

コートジボワールにおけるコロナウイルス予防方法

コロナウイルスの感染予防法については、政府や国際機関が非常に徹底した取り組みを実施しており、現在では建物に入る際に手洗いもしくはハンドジェルの使用を義務付けられています。私が居住するアパートなど限られた人しか出入りしない建物でも、政府からの指示を守って手洗い場が設けられています。こうした迅速かつ徹底した対応は、2014年に西アフリカで流行したエボラ出血熱の甚大な被害の記憶がトラウマとなっているからだそう。

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町中を歩いていてもマスクや薄手のゴム手袋を付けている人が多く見られます。マスクは日本で売られているような平面マスクではなく、立体マスクが多い印象。高級品なので品切れとはなっていないものの、50個で4,000円(3月22日時点)、ゴム手袋も1,500円と現地の人には手が伸びにくいお値段。

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買い溜めにもにじみ出る西アフリカ生活の特徴

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世界各国で混乱を引き起こした買い溜め騒動ですが、当地でも特定施設の閉鎖が発表された3月16日を皮切りに買い溜めを原因とする品薄が発生。夜間禁止令が発令されると、「ロックダウン(完全な外出禁止)も目前だ!」と、多くの人がスーパーに足を運びました。最初になくなったのはハンドジェルやハンドソープ。しかし品切れ状態はすぐに回復し、スーパーでは実演販売も行われるほどに。

次いで品切れ状態が続いているのは、長期保存ができるパスタやお米、小麦粉。現地の人々が買い溜めをしている品物の中でコートジボワールの特徴がよく現れているのが、パーム油、砂糖、そしてトマト缶やトマトペースト。野菜やお肉を固形ブイヨンとトマト缶で煮た郷土料理が多いことや、揚げバナナ(アロコ)が主食であることが原因のようです。

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現地で生産されているので供給が途切れる心配が少ない、鶏肉や卵まで品切れに・・・。

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上記の食材の多くが国内生産されており、また、貨物輸送が止まっていないこともあり、常に品切れ状態が続くことはありません(4月1日時点)。

人々の生活にも変化が...

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国民の多くがインフォーマルセクターに従事するコートジボワールでは、路上販売で生計を立てている人が多くいます。一般的に女性は食品(水や果物、ナッツなど)を扱い、男性は日用品(サングラスや充電ケーブルから、カーペットまで様々)を売り歩いています。渋滞が多い交差点などでは、車の合間を歩きながら商品を紹介しているのですが、そんな彼らが扱う商品にもコロナの影響が!ゴム手袋やマスク、ハンドジェルといった衛生用品から、手を洗う水を入れる蛇口付きタンクを扱うように。時流に合わせて臨機応変に商品を変える柔軟性には脱帽です。

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当地でも多くの企業が在宅勤務に切り替わったことで、テレコミュニケーションの機会が格段と増えました。「アフリカでテレコミュニケーションなんて可能なの?」という質問を受けますが、実は、アフリカの都市部においてはインターネットの普及がかなり進んでいます。また、在宅勤務や夜間外出を徹底するため、政府の指導により各通信会社も一時的な料金値下げをおこなっています。

筆者が毎週受けているフランス語の授業も、対面からオンライン授業に切り替わりました。先生も様々なアプリケーションや動画を用いてオンラインでの授業を充実させようと工夫をしてくれています。

まとめ

保健医療設備が脆弱なコートジボワールですが、過去の流行感染症の教訓から、政府と国民が一丸となってウイルスの封じ込めをしています。一方で、毎日のように新たな規則が発令されるため、在住外国人は情報収集に奔走中。限られた情報と物資、制限された動きの中、現地の友人や在住外国人仲間と助けあいながら、陸の孤島と化したコートジボワールでCOVID-19の収束を心待ちにしています。

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Saori K. Courtois
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