中米の楽園コスタリカの新型コロナウイルス対策(2020年5月10日現在)

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスですが、中米の楽園コスタリカでも例外ではありません。

本記事では、コスタリカ在住の筆者が中米の楽園コスタリカでのコロナウイルス下での生活の状況をレポートします。

目次

3月初旬:初感染者の確認

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コスタリカで初の新型コロナウイルスの感染を確認したのは3月6日、感染者は49歳の米国人女性でコスタリカに旅行中に発症。これが、コスタリカでの初感染の確認となりました。

ツーリスト大国のコスタリカは、アメリカ、ヨーロッパから毎年たくさんの観光客が訪れ、国の経済の多くの部分を環境業が支えています。観光シーズン真っ只中でのコロナウイルスの国内感染確認の知らせは、コスタリカの人々にとって非常に衝撃的でした。というのも、外国からの旅行中の観光客がまだまだ国内におり、多くの保菌者がコスタリカ中を巡っているのではないかと、観光地の多くの人が心配している毎日でした。また、多くの中南米人にとって、コロナウイルスは対岸の火事で、1月や2月はほとんど気にしていませんでしたが、感染者が出た時はついに自国にまでやってきた、という危機感が出ていました。

3月中旬:ついに緊急事態宣言発令

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3月16日コスタリカ政府は非常事態宣言を発令し、国境を封鎖。陸空海のいずれの手段でもコスタリカ国籍、居住権を持つ人以外は入国できないように措置を取りました。

この時点で、コロナウイルスによる死者は出ておらず、41名程度の感染が確認されていました。

初確認された3月6日から10日の短期間で、政府が非常事態宣言を発令し、その速さに多くの人が驚いた感じでした。

この時点で、感染の確認できているのが41名ながら、感染している可能性のある人が600人ほど報告されており、まだまだ爆発的に増加する危険性を封じ込めるために必要な対策ということでした。

それから、3日後の3月19日に国内で初のコロナウイルスによる死者が報道され、コスタリカ中がさらに一層緊迫した状況になりました。

映画館やジム、バーなどの人の密集する場所の営業は禁止され、レストランも許容収容人数の50%での営業が義務付けられました。ホテルはキャンセルが相次ぎ、人の姿がなくなり、休業せざるを得ない施設がたくさん出てきました。

公共施設、学校も臨時閉鎖、リモートでの仕事も奨励されるようになりました。

こうして政府の早急な対応や危機管理の良さもあり、コスタリカの人たちは気持ち的にすんなりと国の対策を受け入れ、協力しているようでした。

それでもまだまだ危機感のない人たちは、週末に都市部やモールに出かけ、人の密集する場所に出歩く様子が見られていました。

3月下旬:バケーションシーズン前の厳戒態勢

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3月23日の時点で、コスタリカ政府は、感染者が158名、感染可能者が1,400名、死者2名と発表しました。そして、いくつかの制限が追加されました。

というのも、4月には中南米で祝われる聖週間(スペイン語で、ラ・セマナ・サンタとも呼ばれる)は、多くの人のバケーションシーズンとなり、多くの人が旅行やビーチ、バカンスに出かけます。人の移動・密集が多くなれば、さらにパンデミックの危険が増すため、政府によりコスタリカ中の全てのビーチ、海水浴場の閉鎖、全ての教会及び宗教施設の閉鎖と関連行事の禁止、毎日午後10時から午前5時までの車での外出禁止の制限の措置がなされました。

そして、いろんな食料品店や商店で、入場制限がかけられ、銀行、役所、ATMなどでは、2メートルの距離をとって列に並ぶようにとの措置が取られるようになり、かなり徹底した決まりに多くの人が従って、規律を守っている様子が見られました。

しかし、この時点で、コロナウイルスについての情報、知識も十分ではなく、どれが真実なのか、何が事実なのか、これからどうなるのか、情報が錯綜し、はっきりしない状況のまま多くの人が不安を抱えている様子でした。

4月上旬:バケーションシーズンに突入

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4月3日から始まる聖週間における車での外出禁止措置についてさらに追加の制限が発表され、人の動きが制限されました。日本でも行われているように、外出の自粛、不要不急の外出制限、そして、手洗い、消毒の徹底などが毎日報道され、商店などにも消毒液や水道が仮設されるようになりました。

しかし、この時期から、自粛疲れがみられるようになり、ビーチに侵入しサーフィンをしていた人が逮捕されたり、規制措置を守らずに罰金を科されるという報道がされることもありました。

4月中旬:生活に落ち着きが戻り始める

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3月ー4月上旬は、コロナウイルスに関する情報が錯綜し、正しい情報がどれなのかわからない混乱した状況でしたが、少しずつ正確な情報が行き届くようになりました。フェイクニュースも暴かれてゆき、国全体の生活や街に落ち着きが戻り始めました。

当初は、食糧や生活必需品の買い占めなどに走る人もいましたが、政府が生活の情報を流し、十分なだけの供給はあるという報道により、そうした事態も解消されていきました。

生活に関する不安はないながらも、感染者数は増加しつつあり、余談を許さない状況が続いていました。

観光業に携わる人が非常に多いコスタリカでは、失業率が急増したため、政府が給付金の支給を決定し、光熱費や家賃の援助などを実施することを決定しました。

それでも十分ではない場合、大家や地元のコミュニティーで食料品を分け合うことも行われ、レストランなどでは、無料で昼食をランチボックスにして提供するなど、地元の人同士での助け合いが行われるようになりました。

こうした状況下では、そして、さらに状況が極限にまで進むと、お金は意味をなさず、仲間や隣人、地域の人たちとの友情や良い関係がとても大事であることを多くの人が再認識しています。

スーパーに行くと、賞味期限間近のものや、地域の人が不要なものを、レジの近くに並べて、本当に必要な人たちが無料で持って帰られるようにしている非常に良心的な商店もあり、助け合いの精神が至る所で見られています。

4月下旬:国の一致団結・助け合いの成果が顕著に

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多くの人が自粛疲れがかなり顕著になっていますが、一方で、その自粛の成果が、政府の毎日の報告にはっきりとあらわれ、毎日新たな感染者が出てきていますが、毎日回復者の数が上回り、国内全体での感染者の数は減少傾向が出てきています。

厳しい生活・経済状況が続いていますが、国全体が力を合わせてコロナウイルスと戦っているのが結果に歴然と出て、国民の団結感がいっそう強くなっている様子です。

状況次第で、5月から少しづつ制限を解除していくことを政府が提案しているので、それにむけてさらに気を引き締めている状況が続いています。

隣国のパナマ、ニカラグアなどでは、感染者数が4桁、死者数が3桁と、コスタリカとは歴然の差が出ていることからも、コスタリカでは隣国からの感染の影響がないこと懸念し、また旅行者からの感染が再び広がらないために、国境や空港のオープンの時期はいまだに未定の状況です。

最後に

中米コスタリカはラテン気質の情熱の国ですが、同時に教育と医療が中南米の中では抜群に発展した国です。軍隊を持たない中立国ゆえ、軍備費がゼロ。その費用を教育と医療に当てています。

中米コスタリカが新型コロナウイルスの感染拡大抑止に成功を収めている。コスタリカ政府の素早い対応と中南米の他の国々よりも医療・保険制度・教育に多くの予算を費やしてきたことが、こうした事態において大きな意味を持つことが証明されています。

また、多くの人が外出自粛要請を守り、商店やビーチ、都市部、娯楽施設などへの外出が、8割以上減少。政府は感染拡大抑止について「直面する危機を国民が理解し、とても前向きな対応を取ったことによる」と評価していました。

大多数の国民が協力し助け合い、一致団結している現在のコスタリカです。

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多種多様な大自然と生きる国コスタリカに魅せられ在住4年目です。コスタリカの小さな田舎町に住み、大自然と またその大自然と共存する人々から、人生について多くのことを学んでいます。日本では見られない動物たち、また世界でも珍しい動植物がたくさん存在するここコスタリカで、大自然と動物たちと共に、ワクワクする毎日を送っています。小さな国ですが、見どころ満載のコスタリカの魅力をたくさんお伝えできればと思います。

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