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マレーシアの新型コロナウイルス事情(2020年4月10日現在)
世界中で感染が拡大し続けている新型コロナウイルス 。今もなお各地で爆発的に広がり人々を恐怖のどん底に陥れています。
私は現在マレーシアに在住しています。一時は日本に帰国することも考えましたが、世界中どこにいても「安全な場所」はないので、マレーシアに留まることを決意しました。
今回は、マレーシアの4月10日現在のコロナ事情についてお届けしたいと思います。
目次
マレーシアのコロナ事情を時系列で
3月頭
マレーシアでコロナウイルスが爆発的に広がったのは、首都クアラルンプールのモスク(イスラム教礼拝所)で行われたイスラム教のイベントが原因でした。
国内外から1万6000人もの人が参加し、後に集団感染が発覚したそうです。イスラム教徒は集団礼拝の際、悪魔が入り込まないように信者が密着しながら礼拝を行います。このイベントでは更に4日間にわたり寝食を共にし、食事をする際も複数人で同じお皿を分け合って手づかみで食べていました。その結果クラスターが起きてしまいました。
そして最悪なことにこのイベントには多くの外国人や不法移民が参加していたため、参加者の追跡が難航し、更に感染が広がってしまったのです。
3月16日
ムヒディン首相が新型コロナウイルス対策について緊急の記者会見を行いました。そこで3月18日〜3月31日までのロックダウン(都市封鎖)が発表されました。
3月17日
買い込みする人が続出し、スーパーが大混雑。トイレットペーパー、卵が全く手に入らない状況でした。しかし、前日の首相の記者会見で「食糧や生活物資はたくさん在庫があるので焦らなくて大丈夫です!」とのアナウンスがあった通り、数日後にはちゃんと入荷されていました。
3月18日
ロックダウンが開始。
3月20日
ロックダウンの遵守率が60%と低いことから、警察に代わり軍隊が街中を取り締まることが決定。
3月25日
政府からの緊急会見でロックダウンが4月14日まで延長になると発表されました。
3月27日
私が住んでいるエリアで警察の注意を無視してジョギングを続けたとして、日本人4人を含む11人が逮捕されました。全員即日釈放されましたが、裁判で有罪判断を下された場合は約2万5000円の罰金または6カ月以内の禁錮刑、もしくはその両方が科される可能性があるそうです。
4月10日
政府からの緊急会見でロックダウンが4月28日まで延長になると発表されました。
ロックダウンとは
ロックダウンとは、一言で簡単にいうと『封じ込め』です。正式には活動制限令(Movement Control Order)といい、マレーシアではMCOと呼ばれています。
おそらく国によってロックダウンの内容が異なると思うのですが、マレーシアでは以下のルールがあります。
- マレーシア国籍、永住者以外の人に対するマレーシアへの入国禁止(就労ビザや学生ビザがあっても入ることはできません)
- マレーシア人の海外への渡航禁止
- ロックダウン以前にマレーシアに入国している外国人は宿泊しているホテルに継続して滞在することが認められる(もちろん観光、散策は禁止。宿泊客向けの食事提供はルームサービスに限られ、レストランやバーは営業禁止)
- 不要不急の政府機関や公共サービス、学校、大学、専門学校もすべて閉鎖(必要不可欠な銀行、ガソリンスタンド、公共交通機関、食料品販売店は営業を継続していますが、その他の民間企業、個人商店などは営業禁止で閉鎖)
- 飲食店はテイクアウト、デリバリーのみ8時〜20時までの間のみ営業可。店内で飲食することは禁止
- 自宅から10km圏外の外出禁止。あちこちで検問をしているので、外出する際は身分証、自宅の場所を証明できるもの(自分宛の郵便物や賃貸契約書など)を携帯すること
- スーパー、コンビニへの買い出しは原則1人のみ(混雑を避けるために入場制限がされており、入場の際は体温測定と消毒が必須)
- 緊急時以外、車に乗車していいのは運転手1人のみ(タクシーの場合は、運転手と乗客1人のみ)
- 州間の移動禁止
- 宗教的、スポーツ、社会的、文化的活動を含む全国的な大衆運動や集会の禁止(礼拝所も閉鎖)
- 外国人がマレーシアから自国に帰国する際は、大使館・警察から許可をもらうこと
我が家の窓から見える高速の風景です。週末の夜だというのに車は全く走っていません。
タクシーの中から街を撮影。普段は賑わっている通りですが、人が全くいません。
入場制限のためスーパーの前に長蛇の列。入場までに1時間くらいかかりました。
ロックダウン中の過ごし方
うちには3歳になる息子がいるので、基本的に息子中心のスケジュールで動いています。
気をつけているのは、規則正しい生活をすること。毎日休みだからといって毎日夜更かししていたら体調も崩してしまうので、基本的には朝7時起床、夜8時就寝を徹底しています。そして栄養のある食事をとること。家から出られない生活の楽しみは食事くらいしかないですよね・・・。外出先でお金を使わなくなった分、食費は少しだけ贅沢して好きなものを食べています(普段は買うのを躊躇してしまうお刺身とか・・・!)。
また、マレーシアはもともとデリバリー文化が日本より進んでいて、なんでもデリバリーできるので非常に助かっています。普段なかなかデリバリーしないようなお店などにチャレンジしてみたり、食を楽しんでいます。
あとは運動!家から出ないと運動不足になるので確実に太ります。ヨガやストレッチをしてみたり、家の中をひたすらウロウロ歩いたり・・・。大した運動量ではないですが、やらないよりはマシですよね。
最後に、せっかく時間が余るほどあるのだからこのロックダウンの期間に何かしら学ぶこと。ただ無駄にダラダラ時間を過ごすのはもったいないですよね。
私は得意な料理レシピを増やすこと、資産運用の勉強、英語の強化を目標にしています。このロックダウン中のテーマは「成長!!」。
最後に
現在、ロックダウン開始から24日が経過しました。最初のうちは外に出られない不便さと先の見えない不安でストレスを感じましたが、慣れとはすごいものですね。最近は日々家の中でできる小さな楽しみを見つけ、なんだかんだ一日一日あっという間に過ごしています。
今まで『マレーシアはとてものんびりな国民性で、何に対しても緩い』という印象を持っていました。しかし今回コロナウイルスに対してとても迅速かつ大胆な決断を下した政府、政府の指示にしっかり従い「stay at home」を遵守する国民、最前線で日々ウイルスと戦っている医療従事者の方達の姿をみて、マレーシアってなんて素晴らしい国なんだ・・・と感激しています。やる時はやる!これがマレーシアの本気なんですね。
日本はまだまだコロナウイルスへの危機感が低いと感じています。新型コロナウイルスはすぐそこにいるかもしれないと自覚しなければなりません。もし大切な人の命が奪われたら、二度と帰って来ないのですから・・・。
一日でも早く収束して、平和な日常が戻ってくることを祈っています。
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moco
- 2018年よりマレーシア、クアラルンプールに在住の一児のママです。グルメ、旅行、子育て、ビジネス、美容、金融など執筆ジャンルは多岐にわたり、フリーライターとして活動中。趣味は世界遺産巡りとお酒と・ホテル滞在記執筆。