世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。ポーランドは欧州各国の中で、いち早く国境封鎖にふみきりました。

3月4日に最初の感染者が確認されてから、次々と対策措置を打ち出しており、

12日からは保育園から大学まで休校が決定、

映画館、博物館、劇場や図書館なども閉鎖され、

13日には15日からの国境封鎖、特例を除く外国人の入国禁止の宣言。

海外から入国した人は14日間の自宅隔離（専用アプリで自撮りをして送信するか、警察の抜き打ち訪問あり）。

営業制限も始まり、スーパー、薬局、クリーニング以外の店舗の営業停止、飲食店もデリバリー・持ち帰り以外は営業不可となっています。

仕事も多くがテレワークに切り替わり、公共交通機関の運行も大幅に減便、乗客の定員も座席数の半分までに限定。

さらに、24日からは外出制限（通勤、生活必需品の買出し、犬の散歩、ボランティア、通院はOK）も加わり、3人以上での集まりの禁止、違反の罰則もだんだんと厳しくなってきています。

ポーランドのクラクフに在住する私EliilEが、ポーランドの現状をお伝えします。

目次

• ポーランド、クラクフの街の様子
• ポーランドでも起きた買い占め騒動
• ピンチをチャンスに！あらゆることがオンラインで可能に
• 新型コロナウイルスに関するその他の記事

ポーランド、クラクフの街の様子

街の様子も以前とは全く違います。毎年この時期はイースターマーケットが開かれ、地元民、観光客で賑わっていたクラクフの中央広場は、人気がなく静まり返っています。

警備の車が不要な外出をしている人たちがいないか見回り、スピーカー付の車両で"外出をしないでください"と呼びかけています。

天気の良い週末は、買い物ついでに散歩をするような人たちもちらほらみかけますが、基本的には、皆よく決まりを守っている印象です。

買い物の際は、1.5ｍの距離を保ち、小さな店舗は入店人数制限や、小窓からの販売に切り替え、レジにはプラスチック製の衝立（ついたて）が設置され、店員さんは手袋を装着、買い物かごも頻繁に消毒され、支払いはキャッシュレスのカード払いが推奨されています。

ポーランドでも起きた買い占め騒動

日本で、トイレットペーパーなどの買い占めが問題になっていましたが、ポーランドでも数日後同じ現象が起こりました！

トイレットペーパー、ティッシュなどの紙製品は一時売り場から姿を消し（現在は通常通り購入できます）、アルコール消毒やハンドソープも売り切れが続出。

マスク文化のないポーランドでも、薬局やインターネット販売であっという間にマスクが完売。街中でマスク姿のポーランド人を見かけることも増えてきました。

医療現場ではマスクや防護服が圧倒的に不足しており、ボランティアでマスクや防護服の制作が始まっています。

ピンチをチャンスに！あらゆることがオンラインで可能に

ボランティアといえば、新型コロナウイルスの影響を一番受けやすい高齢者を守るために、買い物や犬の散歩の代行や、医療現場への食事のデリバリーなどの活動も行われています。

大変な時ですが、こんな状況を逆手にとって新しい試みも続々とスタートしています！

教育は既にオンライン授業が開始されていて、テレビでの教育番組も放送開始が予定されています。

劇場は早くから閉鎖されましたが、劇、オペラ、オーケストラなどの有料･無料配信が行われたり、博物館はオンラインでバーチャルツアー、ジムやフィットネスクラブなども続々とオンラインレッスンが始まっています！

遠隔医療もとても便利で、電話やオンラインで診察、メールで処方箋の受け取りが可能！栄養士による栄養指導や、心理カウンセラーのカウンセリングなども受けられます。

役所での手続きもほとんどがオンラインで可能、休校に伴い親が育児休暇を申請する場合の育児手当も、休校決定と同時にオンラインで手続きが可能でした。

規制改正が急がれる国会の会議はもちろん、投票までもがオンラインで行われています！

今回の出来事で、ポーランドのIT化、仕事の速さには驚かされることばかり！3月26日現在、これらの制限は4月11日まで続く予定ですが、更に延期されるかもしれません。一刻も早くこの新型コロナウイルスの感染が終息し、日常生活が戻ることを切に願っています。