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きりたんぽって何? 語源や材料、作り方、秋田の有名店まで紹介
秋田の郷土料理である「きりたんぽ」について、聞いたことあるけど詳しいことは知らない、という人もいるのではないでしょうか?きりたんぽは、材料がお米のみという、コメどころ秋田ならではの潔い料理。鍋によし、焼いてよし、揚げてよしとアレンジしやすい上に、他の素材から出ただしやスープを吸い込み、旨味を逃しません。
今回は、そんな実力を秘めたきりたんぽについて、語源や材料、作り方、秋田の有名店まで、詳しく解説します。ぜひこの機会にきりたんぽの魅力を知ってくださいね。
目次
<2. 串に刺さったものは「きりたんぽ」ではない?~語源について~>
1. 「きりたんぽ」は秋田の郷土料理
きりたんぽは、200年以上の歴史があると言われている秋田の伝統的な郷土料理。炊き立てのご飯をすりこぎなどですりつぶし、杉の串に先端から「ちくわ」のように巻き付け、炭火で焼き上げるのが基本です。その発祥は秋田の中でも山深い地方である鹿角(かづの)市のあたり。もともとは、山仕事をする男性のために作られたおにぎりを、温め直すために、また、日持ちを良くするために、火であぶったことが始まりとされています。
そして、地元の比内地鶏と組み合わせて現在のきりたんぽ鍋のスタイルを作ったのは、お隣の大館市なのだそう。
きりたんぽは、新米が出回る秋から冬にかけて秋田県全域でよく作られますが、発祥の鹿角市、きりたんぽ鍋の本場の大館市では、特に生活に根付いた料理になっています。
2. 串に刺さったものは「きりたんぽ」ではない?~語源について~
さてこの「きりたんぽ」、考えてみると不思議な名前で、語源が気になりますよね。
まず、ご飯を串に巻き付けて焼いたものは、短い穂に似ているため、「たんぽ(=短穂)」と呼ばれるようになったのだそうです。一説には、綿を丸めて布などで包んだ、稽古用の小さな槍の「たんぽ槍」に形が似ているから、とも言われています。
さらに、それを鍋などに入れるために食べやすく切るようになりました。そう、これで「きり(切り)たんぽ」。つまり、「きりたんぽ=切り+たんぽ」だったわけです!
しかし、現在ではそのあたりはあいまいになり、串に刺さった状態のものも、切ったものも、総称して「きりたんぽ」と呼ばれています。
3. 「きりたんぽ」のいただき方
<出典元:写真AC>
きりたんぽのいただき方と言えば、やはり鍋が有名です。比内地鶏を使った奥深いスープの味わい、具だくさんの鍋は美味しいだけではなく、栄養価も抜群の秋田の名物です。
もう1つのおすすめは、焼いたきりたんぽ。味噌たんぽは、味噌にしょうゆ、砂糖、みりんなどを加えた甘辛いタレを塗り、表面を軽くあぶれば完成。タレの焦げ目が香ばしい逸品です。
はたまた、きりたんぽは油で揚げればおかきのような食感になります。この、揚げたきりたんぽは鍋に入れても良いですし、海苔を巻いて揚げればおつまみに、揚げてからきなこを振ればおやつにとアレンジが広がります。材料がご飯だけのシンプルな料理なので、工夫次第でさまざまなレシピが楽しめるのもきりたんぽの良いところです。
4. 「きりたんぽ」の作り方~基本のレシピ~
<出典元:写真AC>
きりたんぽは、コツさえつかめば自宅でも簡単に作ることができます。以下の基本レシピを参考に、ぜひおうちでもチャレンジしてみてくださいね!
材料
少し硬めに炊いたご飯 適量(1本のきりたんぽは、100g程度が作りやすい目安です)
作り方
- すり鉢にご飯を移し、すりこぎでつぶしていきます。このとき、ご飯は半分程度、粒を残します。つぶしすぎてネバネバにならないよう気をつけましょう
- 約100gのご飯を、杉の串(なければ割りばしで代用します)に巻きつけていきます。手に水をつけながら、上から下へ伸ばすようにしていくとやりやすくできます。先端を包み込むようにし、さらに全体は串を回しながら同じ太さになるようにしましょう。串の下のほう3㎝くらいは、持ちやすいように残しておきます
- フライパンで転がしながら焼きます。表面が乾いて、軽く焦げ目がついたら完成です!
完全に冷めてしまうと串から外しにくくなるので、粗熱が取れたら外しておきましょう。
ご飯と同じように冷凍保存ができますので、作り置きしておけば、好きな時にきりたんぽ鍋や焼きたんぽを楽しむことができますよ!
5. 「きりたんぽ鍋」におすすめの具材
<出典元:写真AC>
きりたんぽ鍋に欠かせない食材といえば、なんといっても「セリ」です。寒暖差の大きい秋田の山里で栽培されるセリは、冬が旬。シャキシャキとした歯ごたえと、鮮やかな緑色が食欲をそそります。セリは、あまり煮込まず、食べる直前にさっと火を通す程度にするのがコツ。
そして、実はセリの根(白い部分)を鍋の締めに入れるのが、きりたんぽ通の食べ方なんです。とはいえ、この根の部分は流通するときに切られてしまうのが一般的(残念)。なので、根まで味わえるのは、本場の秋田県で食べるときならではの特権と言えるかもしれません。秋田を訪れたら、ぜひ「セリの根」を入れた鍋も試してみてくださいね。
その他、きりたんぽ鍋には、ゴボウ、しらたき、まいたけ、ネギ、糸こんにゃくなどの具材がよく使われます。きりたんぽ鍋は、寄せ鍋のように色々な具材は投入せず、こうしたシンプルな具材で潔く楽しみましょう。ボリュームをもう少し出したいときは、豆腐や油揚げ、ぎんなんなどを加えるのもおすすめです。
また、きりたんぽ鍋のベースとなるだしには、やはり秋田の地鶏である比内地鶏のガラを使ったものがおすすめ。ご当地では、弱火で数時間、コトコトと煮込んだ比内地鶏のスープを使います。自宅で作るときは、一般の鶏肉や、鶏ガラスープを使っても十分美味しく作れます。
6. 「きりたんぽ」がおいしい秋田のお店
<出典元:写真AC>
ここでは、秋田県内できりたんぽが美味しいと評判の高いお店を選りすぐりで紹介します。現地に行かれるときには必ずチェックしていってくださいね!
秋田きりたんぽ屋
秋田駅から徒歩1分、数々のテレビ番組でも紹介されてきた秋田きりたんぽ屋。きりたんぽのみならず、秋田の郷土料理ならなんでも揃うと言っても良いほど、メニューが豊富です。看板メニューのきりたんぽは、店内で炭火を使い焼き上げた本格派。比内地鶏やきのこのだしが染みたスープとともに、これぞきりたんぽ鍋という味わいを楽しめるでしょう。
その他、比内地鶏のもつ煮、じゅんさい、はたはた(魚)の唐揚げや白子、だまこもち、しょっつる、稲庭うどん、いぶりがっこ(漬物)など、秋田の郷土料理もぜひ試してみてくださいね。
店内のテーマは、「マタギ(東北地方などで狩猟を生業とする集団)の家」。伝統的な狩猟や農業の道具が展示されており、古き秋田の風情が満点の店内も見どころのひとつです。
- 住所:秋田市中通2-7-6 緑屋駅前ビル 1F(秋田駅前本店)
- 公式サイト:秋田きりたんぽ屋
とっぴんぱらりのぷ
店内に入るとまず目に入るのが囲炉裏! この炭火を使って、遠火でじっくり素材を焼き上げるのが名物の原始焼き。比内地鶏や秋田牛、地元の鮮魚や新鮮な野菜はどれも焼くことで旨味がぎゅっと凝縮されます。そして、きりたんぽももちろんこの炭火で焼き上げます。比内地鶏を使ったスープで頂く鍋は、大根おろしを添えるのがこのお店の流儀。最後までさっぱりときりたんぽ鍋が頂けますよ。
このお店のもうひとつのお楽しみは、豊富に取り揃えられた秋田の地酒。コメどころ秋田は、日本酒の美味しさもピカイチ! 料理に合わせて、どんなお酒が良いか迷ったときは、お店の利き酒師にぜひ相談してみてくださいね。
ところで、店名の「とっぴんぱらりのぷ」。おまじないのようなこの言葉、実は昔話の最後の決まり文句「めでたしめでたし」を意味する、秋田独自の言い方なのです。美味しいお酒とお料理で、秋田の旅は、めでたしめでたしとなること間違いありません。
- 住所:秋田市千秋久保田町4-5 秋田駅前ビル 5F
- 公式サイト:とっぴんぱらりのぷ
元祖むらさき
きりたんぽ鍋の本場、大館市の中でも老舗として知られるのが元祖むらさき。ここのきりたんぽ鍋は、セリ、ごぼう、マイタケ、ネギ、比内地鶏といったシンプルな具材を使い、王道ともいえるきりたんぽ鍋を味わうことができます。大館では5月ごろまでしゃきしゃきの新鮮なセリを味わうことができます。特筆すべきはここのきりたんぽのサイズで、通常の2倍ほどの大きさがあり、比内地鶏のだしをたっぷりと吸い込みます。
きりたんぽ鍋を中心に、箸休めには比内地鶏やじゅんさい、馬刺しを使った秋田の郷土料理もつまんでみましょう。
これぞきりたんぽ鍋の教科書、とも言えるほどの正統派のきりたんぽ鍋を食べたいときは、ぜひ大館まで足を延ばしてみてください。
- 住所:大館市幸町12-9
- 公式サイト:元祖むらさき
喰処 北洲
秋田市随一の繁華街にあり、創業から60年を超える老舗郷土料理店が北洲です。歴史を思わせる店内は庶民的ながら雰囲気抜群。ここのきりたんぽは、なんと注文を受けてからご飯をすりつぶします。太い杉串の香りも残る、作りたてのきりたんぽはコクのあるだしの旨味をしっかり吸い込みます。
少しきりたんぽが溶け出してとろみも出たスープは、残さず飲み干したくなるほどの味わいですが、しつこさはありません。セリやマイタケなど、あっさりした具材との相性も抜群で、いくらでも食べられそうです。はたはた、じゅんさい、畑のキャビアと言われるとんぶりなど、秋田の数々の名産も勢ぞろい。種類豊富な地酒をおともに、秋田旅行で最上の一夜となること間違いありません。
- 住所:秋田市大町4-1-11
- 公式サイト:喰処 北洲
7. 秋田以外できりたんぽを食べるには
<出典元:写真AC>
秋田を代表する郷土料理のきりたんぽはぜひ本場で食べてみたいものですが、すぐに秋田に行けないという方のために、ご当地以外できりたんぽを食べる方法をご紹介します。
アンテナショップなどで買って食べる
手軽にご当地気分を味わえる場所といえば、各県のアンテナショップ。秋田県のアンテナショップ、「花まるっ秋田ふるさと館」があるのは、東京・有楽町。きりたんぽはもちろん、稲庭うどん、じゅんさいなど、秋田の名産品と地酒がずらりと並びます。
生のきりたんぽは真空パックされているので、買って帰ればすぐに秋田グルメを味わうことができます。鍋用のきりたんぽ、味噌ダレつきの焼きたんぽなど、お好みに合わせて選んでみてください。
通販できりたんぽを買って食べる
大手通販サイトや、秋田県のきりたんぽの店舗からお取り寄せが可能です。先ほど紹介した秋田きりたんぽ屋では、新米のシーズンに採れたてのお米を使ったきりたんぽセットを限定販売しています。また、元祖むらさきや、喰処北洲からも、本場の味を直接購入することができます。
さらに、秋田市、大館市、鹿角市などでは、ふるさと納税の返礼品としてきりたんぽを用意しています。この機会にぜひ、本場の味をお取り寄せして試してみてくださいね。
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自分で作って食べる
出来立て、と言う意味では、自分で作るきりたんぽにかなうものはありません! ご飯と割りばしがあればできてしまうきりたんぽ。この記事で紹介した簡単なレシピを参考に、今度のお休みには自作きりたんぽにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
秋田を代表する郷土料理のきりたんぽ。その由来や作り方などについて知っていれば、より楽しく食べられるでしょう。やはり1度は本場の味を試してみたいものです。秋田県へ観光にいらした際には、ぜひ食べてみてくださいね。
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