沖縄そばって何?沖縄そばの種類や作り方、沖縄の有名店まで紹介

沖縄そば

沖縄のソウルフードといえば必ず名前が挙がる「沖縄そば」。そばでもラーメンでもうどんでもない沖縄ならではの麺料理として、地元はもちろん県外にも多くのファンがいます。

もしもまだ一度も食べたことがない、どんな味なのかちょっと興味があるというのなら、まずは「そもそも沖縄そばとはどんな食べ物なのか?」というところから知っていただきたい!

というわけで、今回は沖縄そばの歴史や地域による違い、具材によるバリエーション、沖縄で人気の名店、沖縄県以外で食べる方法まで、沖縄そばにまつわるあれこれについて詳しく紹介させてもらいます。

目次

<1. 沖縄そばとは>

<2. 沖縄そばの歴史~名称の「そば」は問題だとされた過去も?~>

<3. 沖縄そばの具材~三枚肉、かまぼこ、しょうがなど~>

<4. ソーキそばなど、沖縄そばのバリエーションいろいろ>

<5. 地域によって異なる沖縄そばの種類>

<6. 本場の沖縄そばはどこで食べられる?>

<7. 沖縄そばの作り方~基本となるレシピとは~>

<8. 沖縄そばがおいしい沖縄のお店>

<9. 沖縄以外で沖縄そばを食べるには>

1. 沖縄そばとは

沖縄そばは、沖縄では実に1日19~20万食も消費されているという郷土料理。麺は100%の小麦粉とかん水などで作られ、パッと見はうどんのようにも見えます。そう、沖縄そばにはそば粉は使われていません。スープは豚骨とカツオの合わせだしを主体とし、豚の三枚肉などがのっているのが基本です。

沖縄製麺協同組合では、「本場沖縄そば」について12もの項目からなる定義をしています。具体的には、沖縄県内で製造されたもの、手打ち式(風)のもの、加水量は小麦粉重量に対し34%~36%以下、熟成時間は30分以内、ゆで時間は約2分以内で十分可食状態であること、仕上げに油処理してあることなどがあげられます。

実際には沖縄そばも徐々に進化・変化をしているのですが、基本に忠実に作るならばこれらの細かい条件を満たす必要があるとされています。

2. 沖縄そばの歴史~名称の「そば」は問題だとされた過去も?~

沖縄そばの歴史は古く、もとをたどれば14~15世紀に中国から麺類が伝わったのが始まりとの説が有力です。ルーツは中国の支那そばから派生した「唐人そば」だと考えられています。やがて沖縄そばは琉球王国の宮廷料理として確立されていき、王族や貴族に食されるように。その後、沖縄の一般の人々の口に入るようになったのは明治時代からといわれています。

ところが沖縄の日本復帰から4年後の1976年、沖縄そばという名前に対して公正取引委員会からある通達が出されます。蕎麦粉を一切使用していない食べ物を「そば」と称するのは消費者の誤認を招くため、そばという呼び名は使用禁止にするとのお達しでした。

これに対し、沖縄生麺協同組合は、昔から「そば」(方言呼びでは「すば」)の名称で親しまれてきたという文化的背景などを説明。名称を存続させるための運動を展開しました。その結果、ついに公正取引委員会から特例として正式に「沖縄そば」の呼称認定を受けることとなったのです。

その認定を受けた日が1978年10月17日。このことをきっかけに、沖縄生麺協同組合は毎年10月17日を「沖縄そばの日」と制定しました。

3. 沖縄そばの具材~三枚肉、かまぼこ、しょうがなど~

沖縄そば ラフテー
<出典元:写真AC

沖縄そばの具材としてとても存在感がある豚の三枚肉は、肋骨の周囲に付いているばら肉と呼ばれる部位です。皮付きだと脂身と肉の三層になるので三枚肉と呼ばれます。沖縄にはこの三枚肉をじっくりと煮込み、醤油・泡盛・黒糖などで味付けしたラフテーという角煮に似た料理があります。沖縄そばにのせる三枚肉もこのラフテーが基本になっています。

他にはかまぼこ(油で揚げたもの)、しょうが(紅しょうが多い)、島ネギも三枚肉と一緒によくトッピングされます。

麺とスープにも言及しておきましょう。独特の麺は小麦と塩、かん水で作られ、仕上げに油処理を施すのが本格派とされています。油処理はゆでた後に油をまぶすのですが、これは冷蔵庫のない時代に保存性を高めるための工夫だったようです。しかし、最近は沖縄でも油処理をしていない麺を使った沖縄そばをよく見かけるようになっています。

さらに、戦前はかん水の代わりに木を燃やした木灰(もっかい)を水に浸した上澄みの灰汁(あく)を麺に混ぜ込んで使っていました。この製法で作った麺を使う「木灰そば」を今も出しているお店もあります。

スープは基本的に豚骨が効いているとこってり系、かつおだしが強めだとあっさり系になります。これに鶏、昆布、しいたけなどでうまみを加えているお店もあります。

4. ソーキそばなど、沖縄そばのバリエーションいろいろ

沖縄そばというと、「ソーキそば」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。中には同じものと思っている人もいるようですが、沖縄そばとソーキそばはのっている豚肉の種類が異なります。

ソーキは骨付きのあばら肉(スペアリブ)のことです。一般的な沖縄そばとソーキそばの違いは、三枚肉を使うかソーキを使うか。それ以外の麺やスープ、トッピング、味付けはほぼ同じです。ただし、ソーキそばにはかたい骨が付いたソーキを使う本ソーキそば、やわらかい骨が付いたソーキを使う軟骨ソーキそばがあります。

ソーキそば
<出典元:写真AC

他に三枚肉やソーキを炙った「炙り三枚肉そば」や「炙りソーキそば」も人気。豚足を使った「てびちそば」、豚のモツを使った「中味そば」というちょっと通好みの沖縄そばも沖縄ではよく食べられています。さらに、口当たりがなめらかでやわらかいゆし豆腐を使った「ゆし豆腐そば」、肉野菜炒めをのせた「野菜そば(肉そば)」も現地ではおなじみです。

もう1つ紹介したいのが、沖縄そばと同じ麺を使って作る「沖縄焼きそば」です。麺は沖縄そばと同じで、具材は豚肉や鶏肉、スパムと各種野菜など。味付けはしょうゆやウスターソース、塩など自由度が高く、お店や家庭ごとにいろいろな味が楽しめます。以前はケチャップもよく使われていて、こちらはナポリタンに似た味の変わり焼きそばです。

5. 地域によって異なる沖縄そばの種類

地域によって少しずつ特徴が異なるのも沖縄そばの面白さです。それぞれの違いをみてみましょう。

沖縄本島北部

麺は太めの平麺もしくは太縮れ平麺。スープはカツオだしが効いてしっかり濃い目なのが特徴です。お店によっては白濁スープも。具材は三枚肉の他、ソーキも好まれます。

沖縄本島中南部

中太の縮れ麺や細麺、手揉み、手打ちなどさまざまなタイプの麺が混在。スープもあっさりからこってりまでバリエーション豊かです。具材は三枚肉、ソーキ、かまぼこ、しょうが、ネギに加えて、薄焼き卵がのっていることも。

那覇

ストレートの細丸麺や細平麺が主流。スープはカツオや豚骨を使用した澄んだもの。本島北部や中南部よりあっさりめです。これぞ王道という沖縄そばが中心ですが、お店自体の数が多く、アレンジされた個性的なメニューもみられます。

宮古島

宮古島の沖縄そばは「宮古そば」と呼ばれています。ストレートの細い平麺、スープはあっさり系でほのかな甘さが感じられます。

具材は三枚肉、かまぼこ、ネギ、野菜などですが、かまぼこは薄く波打った形状のものがよく使われます。宮古そばには昔ながらの麺の下に具材を隠し、刻みネギだけのかけそばのように見せる盛り付け方があります。ただし、最近は通常の盛り付けをするお店が増えているようです。調味料としてカレー粉が置かれていることもあります。

宮古そば
<出典元:写真AC

八重山諸島

八重山エリアで食べられている沖縄そばは「八重山そば」と呼ばれます。ストレートの細い丸麺が多く、ウコンやクチナシ色素で黄色く着色されていることもあります。

スープは豚骨主体でほんのり甘みがあります。具材は三枚肉または醤油で似た豚の赤身肉、かまぼこを細切りにしてのせるのが特徴。しょうがはあまり使われません。さらに、食べる際に好みでヒバーチという香辛料を使うのも八重山そばならでは。

6. 本場の沖縄そばはどこで食べられる?

沖縄
<出典元:写真AC

沖縄には多くの沖縄そば専門店があります。観光客も含めて訪れる人の多い有名店の他、地元の人が日常使いしているような小さなお店の中にも隠れた名店が存在します。外観も古民家や琉球家屋を改築したお店から、スタイリッシュなカフェ風のお店、住宅街のいかにも地元民に愛されている雰囲気のお店までさまざまです。

専門店以外には、メニューにステーキ、カレー、各種定食などが並ぶような食堂、泡盛やオリオンビール、数々の沖縄料理が楽しめるような居酒屋に沖縄そばが置いてあることも。

それどころか、コンビニに沖縄限定の沖縄そばカップ麺が売られていたり、牛丼屋でも牛丼にプラスして沖縄そばが食べられたり、通常のお弁当屋さんで手ごろな値段の沖縄そばが買えたりもします。

というのも、沖縄そばは単体だけではなく、ごはんなどと一緒に食べる習慣もあるからです。お味噌汁をごはんにつけるように、沖縄そばを汁物感覚で食べる食べ方もおすすめです。

7. 沖縄そばの作り方~基本となるレシピとは~

コンビニに沖縄そばカップ麺が置いてあるのとは別に、沖縄のスーパーでは沖縄そばを作るための袋麺や乾麺もたくさん売られています。さらにそばだし、かまぼこ、三枚肉(ラフテー)、ソーキなども売っているので、それらを組み合わせて簡単に沖縄そばを作ることができます。

加えて、最近はこれらを沖縄県以外の人が通販で入手することも可能。東京や大阪ではスーパーやデパートで売っているところもあります。そこで、麺を手に入れて家で沖縄そばを作るためのレシピを紹介します。

【材料】(4人分)

沖縄そば麺(生)4玉

▼ラフテー

  • 豚バラブロック肉(できれば皮つき三枚肉)300g
  • 長ネギの青い部分 適量
  • 生姜 適量
  • 酒(または泡盛)1/4カップ
  • 醤油 1/4カップ
  • 砂糖(または黒糖)大さじ4
  • 水(茹で用) 適量

▼スープ

  • 塩 少々
  • しょうゆ 小さじ2
  • 和風顆粒だし 小さじ2
  • 鶏ガラスープの素 小さじ2
  • 水 1600ml

▼トッピング

  • かまぼこ(さつま揚げなどでも可) 適量
  • 紅しょうが 適量
  • 細ねぎ 適量

【作り方】

(1)ラフテーを作る

  1. 豚バラブロック肉を沸騰したお湯で茹で洗いします
  2. 茹であがったら肉が被るくらいの水に替えて、じっくり煮込みます
  3. 沸騰したら長ネギの青い部分、生姜の千切り、酒・醤油・砂糖を入れます
  4. そのまま弱火で1時間くらい煮詰めていきます(圧力鍋で時短も可能)

(2)スープを作る

  1. 水を沸かしながら調味料、だしの素を入れます
  2. 和風顆粒だしはかつお節でだしをとってもOK
  3. 鶏ガラスープの素は、豚骨スープの素などがあればそちらを使う

(3)麺を茹でて具材をトッピング

  1. 沸騰したお湯で麺を茹でる
  2. 温めたスープにゆでた麺を入れる
  3. ラフテー、薄切りにしたかまぼこ、紅しょうが、小口切りにした細ねぎをのせて完成

8. 沖縄そばがおいしい沖縄のお店

続いて、「やっぱり地元のお店で食べてみたい!」という人のために、沖縄のおいしいと評判の人気店を紹介します。機会があったら、シンプルでありながら奥の深い一杯を食べ比べてみてください。

金月(きんちち)そば

沖縄県産小麦を配合した自家製生麺を、7種類の魚節でとる天然だしのスープと組み合わせた沖縄そばを提供。希少な沖縄産小麦と国産小麦をブレンドし、みずから生麺を開発するという"新進気鋭"を感じさせるお店です。

沖縄そばや軟骨ソーキそばの他に、厚揚げをトッピングし、煮込んだソーキは別皿で添えられる金月そば、坦々そばも看板メニュー。季節限定のメニューもあります。

      • 住所:沖縄県中頭郡読谷村喜名201 など
      • HP:金月そば

首里そば

首里そば
<出典元:写真AC

大中小のサイズが用意されている店名を冠した首里そばがメイン。麺はコシが強く存在感のある自家製の平打ち麺。透明感のあるスープは豚、カツオ節、島塩で作ったシンプルかつ優しい味。三枚肉と赤肉(ロース肉)、白かまぼこ、針しょうが、刻みネギがトッピングされ、全体に上品で風味豊かな一品に仕上がっています。

サイドメニューはじゅうしぃ(ジューシー、沖縄風炊き込みご飯)、煮付けなど。実店舗は連日行列が絶えないことで有名ですが、オンラインショップでお取り寄せの首里そばセットも販売中です。

  • 住所:沖縄県那覇市首里赤田町1-7
  • HP:首里そば

すーまぬめぇ

すーまぬめぇ
<出典元:写真AC

住宅街の一角の懐かしさを覚える風情が印象的な、古民家を改築した有名店。おすすめはすーまぬめぇスペシャルそば。三枚肉、ソーキ、てびちが全部のせされたまさに特別な一杯です。麺は細めのストレートな平麺。かつおベースに豚、鶏、昆布のうまみがプラスされたスープはあっさりとしていながら奥深い味。

スペシャル以外には沖縄そば、ソーキそば、てびちそばゆし豆腐そばなども。そばメニューにはフーチバー(よもぎの葉)が別皿のセットでついてきます。

  • 住所:那覇市国場40-1

なかむらそば

なかむらそば
<出典元:写真AC

恩納村の美しい海を眺めながら沖縄そばを食べられるオーシャンビューのお店。人気ナンバーワンはアーサそば。スープにたっぷりとアーサ(海藻)が入った一杯で、さらに麺やかまぼこにまでアーサを練り込んであります。肉は三枚肉、スープはカツオと豚肉のコクのある味わいで、アーサとよく合います。

他に沖縄そば、ソーキそば、オリジナルのなかむらそば、特大の三枚肉がのった三枚肉そば、夏季限定の冷やしつけ麺などがあり、メニューの充実ぶりも見逃せないポイントです。

9. 沖縄以外で沖縄そばを食べるには

「沖縄には今すぐ行けないけど、沖縄そばを今すぐ食べたい!」という人もいるでしょう。そんな人はどうすれば良いのか、最後に2つの方法を伝授しましょう。

沖縄料理屋に行って食べる

1つ目の方法はごく簡単。全国にある沖縄料理屋で食べる方法です。とくに東京や大阪などの都市部であれば、沖縄そばが食べられるお店はけっこうあります。

沖縄そば専門店や食堂よりは泡盛などを飲みながら沖縄料理が食べられる居酒屋系が多いのですが、居酒屋でも沖縄そばやソーキそばはよく提供されています。飲んだ後、締めにラーメンではなく沖縄そばを食べるのも一興。余談ですが、沖縄には「締めはステーキ」という文化があるそうです。

通販でお取り寄せして食べる

2つ目は沖縄そばの麺を買って自分で作る......のも良いのですが、沖縄の専門店から麺・スープ・具材のセットをお取り寄せすれば、もっとお手軽に本格的な沖縄そばを食べられます。

インターネットで検索すれば、いろいろなお店の沖縄そばやソーキそば(2~5食セットになったもの)が見つかるでしょう。沖縄そば専門店が販売しているものだけではなく、沖縄の土産店や食品会社が通販している沖縄そばセットもたくさんあります。これらはネットから注文して自宅にすぐに届き、作るのも簡単なのでとても人気。沖縄県外の人も、沖縄出身で今は別のところに住んでいるという人もよく利用しているようです。

歴史や地域による作り方や味の違いなどを知っていれば、沖縄そばを食べるときにちょっと違った角度からもその味を楽しめるのではないでしょうか。まだ沖縄そばを食べたことがないという人は、近くにあるかもしれない沖縄そばが食べられるお店を探してみてはどうでしょう。

そして何より、沖縄に観光で訪れた際には、ぜひ名店と呼ばれる専門店に足を運んで正真正銘、本物の沖縄そばを現地で食べてみてください。きっと独特の味わいに感動するはずです。

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