新型コロナに負けるな!微笑み合い支え合うジョージアの旧ソ連魂(2020年4月10日現在)

ジョージアでは、2020年2月下旬まで新型コロナウイルスの感染者は0でした。

しかし、2月下旬にイラン経由で帰国した男性が陽性であったことを皮切りに、あっという間に感染が広がり、2020年4月10日現在、214名の感染者、3名の死者が確認されています。

日本での感染者は4,768名ですから、なんとなく少ないような感覚になりますが、ジョージアの人口は約400万人ですから、人口あたりの患者数としては日本の約1.5倍という数になります。

このような状況を受け、ジョージアでは政治レベル・市民レベルで様々な取り組みが行われています。

その結果、日本をはじめ世界中の国々で感染者が増え続けているこの時期において、新規感染者数を少しずつ減らしていくことに成功しているということです。

規制や自粛に伴い大変なこともたくさんありますが、ジョージアの人々はどこかのびのびと、支え合いながら暮らしています。ソ連崩壊とその後の幾度とない政治的危機を乗り越えてきた人々の結束力と心の強さが、今回も発揮されているようです。

今回は、ジョージアに在住する私Mayu K.が、ジョージアの現状についてお伝えします。

目次

学校・職場・お店がクローズ

新型コロナウイルスの発生と感染拡大を受け、政府はいち早く全ての学校を休校とすることを決定。

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スーパーマーケットや食料品店と薬局を除く全ての店舗やオフィスにおける経済活動もほとんど行われていません。いつもならたくさんの買い物客で賑わう通りも、がらんとしています。

一部の人は在宅勤務に移行して仕事を続けていますし、生活インフラを支えている商店やスーパーの人はいつもどおり仕事を続けていますが、仕事が一切なくなってしまったという人もかなり多いようです。

また、街中のお店もすべてクローズしており、必需品の買い物も極力控えるようにと言われています。多くの人は自宅から最寄の食料品店やスーパーマーケットへ、週に1〜2回程度買い物に行っており、それ以外の時間はほとんど家の中で過ごしています。

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食料品や日用品を買うためにお店を利用する際にも、一度に入店できる人数が制限されています。1人出たら1人入る方式で、お店の外で待ちます。もちろん、その際も社会的距離(ソーシャルディスタンス=2m程度)を空けて待つことは忘れません。

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店員さんは全員マスクをしてお会計をしてくれています。中には、目からの感染も防げるよう、フェイスシールドをしている店員さんも見かけます。

夜間外出禁止令 - 違反者には罰金も

夜間の時間帯は外出禁止令が出されています。

21時から翌6時までの間に外に出ているところを見つかると、罰金として3,000ラリ(=約10万円)が課せられます。ジョージアの物価はだいたい日本の半分〜3分の1程度ですから、大金です。

また、日中も不要不急の外出や長距離の移動は避けるように指示されています。

外出する際には身分証明書を必ず携行する必要があり、外で警察官に求められれば、身分証明書を提示しなければいけません。その際、自宅からかなり離れていると判断されると、罰金となる可能性があるということです。

ジョージアには路線バスやミニバス、メトロがありますが、そのすべてが運行を中止しています。

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こちらのバス停はいつもならたくさんのミニバスとそれを待つ乗客で賑わっていますが、最近は閑散としています。

タクシーは一応営業していますが、一度に同乗できる人数に制限が設けられています。

このように、現在ジョージアにおいては外出や移動がほとんどできない状況が続いています。

首都ではATMから現金が消えた!?

驚くべき変化はまだあります。なんと、首都トビリシでは街中のATMから現金がどんどん撤去されているということです。

必要な支払いの際には、出来る限りキャッシュレス決済が推奨されています。お金は誰がどういう状況で触っているかわからないため、接触感染リスクを下げるためです。

ジョージアでは、国内の銀行が発行するキャッシュカードにはほとんど必ずデビットカード機能がついています。

給与支払いや年金の受け取りは銀行振り込みとされていますから、国民のほとんどがデビットカードを持っているということになります。

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お店側も、トビリシ市内では駄菓子屋のような小さな個人商店でも必ず、クレジットカードやデビットカードで決済できるターミナルを有しています。小さな機械に銀行のカードをかざすだけで支払いが完了するため、トビリシ市内で現金がなくて困るということはほとんどありません。

このような背景もあり、トビリシ市内ではATMから現金が出てこなくても、目立った混乱もなく買い物ができています。

「困ったときにはお互い様」

このように、感染拡大の防止のため様々な制約を受けながら、ジョージアの人々は暮らしています。

中には、仕事が中断となり、収入が全くなくなってしまった人も数多くいます。

しかし、ジョージア人の顔には常に笑みが浮かんでいます。困った人がいたら声を掛け合っていますし、経済的に厳しい人には近所の人が差し入れをしたりしています。政府からの支援は十分とは言えませんが、みんな「なんとかなる」と声を掛け合い、笑い合って暮らしています。

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ジョージアは、旧ソ連圏の国です。

社会主義は政治レベルでは綻び(ほころび)もありましたが、市民レベルで見ると、助け合いと思いやりの文化でもあります。

時代の激動を乗り越え、支え合って生きてきた人たちの強さと優しさが、今回の混乱の中でも秩序と支え合いをもたらしているように感じています。

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Mayu K.

東欧・ジョージア在住の新米ママ。縁もゆかりもない土地で家族3人楽しく暮らしています。学生時代から旅好きで、全大陸訪問経験あり(南極は上空を周遊しただけですが)。なかなか馴染みの少ないマイナー国のひとつですが、ジョージアの魅力がたくさん伝わればいいなと思っています!

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