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【自転車世界一周の旅】ペルーの天空の温泉と遺跡街道を駆ける

記事投稿日:2019/04/15最終更新日:2019/04/15

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マチュピチュ観光の拠点となるクスコ。そこからボリビアとの国境にあるユングヨの町まで伸びる高山地帯。今回は標高4,000mにある温泉と、インカ帝国の少しマイナーな遺跡を紹介。

  • 場所:ペルー クスコ~Baños Termales Aguas Calientes
  • 距離 :170km
  • 走行期間:10/5~10/9

目次

パン街道

標高3,400mにあるクスコの町は石畳と急坂に囲まれているので、自転車で抜け出すのは一苦労だ。階段の途中にある宿に宿泊した為、階段の上まで荷物を運びそこでパッキングする羽目になったが、町を抜ければ交通量は一気に減り、路側帯もあるので走りやすくなる。

クスコから20kmほど進んだころ、道の脇に民族衣装を着てパンを持った全長3mほどの女性のモニュメントがあらわれた。その両脇にはずらりとパン屋が並び、焼けたパンの香りがあたりを包み、呼び込みのおばさんがはたきを振って車に声をかけている。丁度いい具合にお昼の時間なので、自転車を止めてパンを購入。

顔ほどある巨大なパンを腹に収めて走りだす。

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500年の風格

急な坂を漕いでいると、畑や崖のふもとに遺跡が残っているのが目についた。保全作業もされずただ朽ちていくだけの遺跡群を進むと、石組みの関所、ルミコルカ遺跡が現れた。

石で組まれた壁は高さは約5m、幅は50m位はあるだろうか。元は水路だったのをインカ時代に一部を切断・加工して関所に変更したそうだ。その風貌は、守るべき神殿や居住区が無くなった今でも当時の役目を守り続け、侵入者を拒むかのように堂々とそびえている。

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荒城の羊

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ルミコルカ遺跡を過ぎると、道と並行して伸びる川の周りに畑が広がり、土を掘り起こしアドベと呼ばれる日干し煉瓦を作る集落などが続いている。

翌日にラクチ遺跡に到着。国道から段々畑の脇を通る細い道を進むと、遺跡の入り口がある。

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遺跡正面には高さ20mになるアガベで作られた神殿跡の塀が残り、奥には居住区や穀物庫の石組みが残っている。規模は小さいが、羊の群れが500年以上前の遺跡の中をあるいている姿は、観光客を呼び込む為に過剰に整備されて造り物に感じてしまう観光地よりも、朽ち果てながらも現在の空気に溶け込んでいるようで僕は好きである。

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食中毒かはたまた高山病か

クスコから走り出して3日目。朝から体調が思わしくない。

正露丸を飲んで走り出したが、動いたことで悪化し、吐き気と腹痛で動きが取れなくなる。意識がもうろうとしながら1時間半ほど走り、やっとの思いで小さな集落に辿り着いた。すぐにでもホテルに行きたいところだが、動く気力が無く、仕方なくセントロで休むことにした。

歩道に腰かけうつむいていると、町ゆく人々に「どうした?」と心配そうに声をかけられる。

屋台のおばちゃんは「そんな時はお腹を冷やしちゃだめよ。ここは寒いんだから」と自分の腹巻を指さしてアドバイスをくれたりもする。

中には、「そんな時はコカがいいぞ」と僕の為にコカの葉を一袋買ってきてプレゼントしてくれた人も。コカの葉には腹痛や下痢に効く成分があると言われている。アンデスの人々はコカの葉をガムのように咀嚼したり、お茶にして飲用したりと日常的に使用しているのだ。ペルーではコカの葉を使用することは違法ではない。

公園で休んでいても一向に楽になる気配はないので、無理やり体を動かし近くの宿に投宿。何度もトイレに駆け込んでいた為、3階の部屋に荷物を運ぶのに1時間かかり、全ての荷物を入れ終えたらそのままベッドに倒れこむ。この町の標高は3,300mと低く、高山病になる高さではないので、クスコ滞在時に食べた食事に、時間差で当たったのだろうか。

天空の温泉

翌日も引き続き調子がよくない為連泊し、3日目に80%ほど回復したので出発。5,000m峰の急峻な山脈の間に伸びる国道はゆっくりと標高を上げ、その横でプーノに向かう鉄道が汽笛を鳴らして走っていく。

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町を出てから2時間後、このコース最大の目的地露天風呂に到着。線路を挟んで隣接した温泉には宿泊施設が備わり、個室の部屋付きで30ソル、約1,000円だ。早速水着に着替え温泉へ。

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施設内で沸いた源泉は水路をつたって各温泉に流れていき、場所によって温度の変化があるので好みの温度に入ることができる。温水プールのようなぬるい温泉が多い中、ここの温泉は僕好みの42度以上の熱い湯で満たされた場所があったので、どっぷりとつかり旅の疲れを癒す。

露天風呂の他、湯船に栓をして溜めるタイプの個室風呂もあり、ここは少し狭いが壁で囲まれているため水着なしでも入れるので、日本人には嬉しいサービスだ。

そして夜は満天の星空を眺めながら、時間を気にすることなく満喫することもできるが、この日はあいにくの曇り空で星を見ることはできなかったのが残念。標高4,000m高地にある天然温泉で湯煙に包まれ、インカ時代の歴史に思いをはせロマンに浸る夜。長かったペルー旅の締めには最高の道であった。

天空の温泉

Baños Termales Aguas Calientes

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記事投稿日:2019/04/15最終更新日:2019/04/15

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