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海外のWi-Fi事情！ フリーWi-Fi使用時の注意点も確認
今やすっかり海外の旅の必需品になったスマホ。地図アプリや翻訳アプリ、SNSや検索サイトと、海外の旅にはスマホを使いたくなる場面がいっぱい。海外でスマホを使う方法はいくつかありますが、なかでも便利なのがWi-Fiを利用する方法です。
この記事では、海外でWi-Fiを利用する方法やその通信事情、またフリーWi-Fiの注意点などを紹介します。快適にWi-Fiを利用して、海外でもスマホを使ってみましょう。
目次
1. スマートフォンは海外で使える？
異国の街で道に迷ったとき、現地の人に言葉が伝わらないとき、SNSで日本の友人とつながりたいとき......。海外の旅でスマホが使えると便利な場面はたくさんあります。もちろん、日本で普段使っているスマホを海外でも使うことは可能。その方法は、主に次の3つです。
1つめは、海外で使える「SIMカード」を購入する方法。ネットの販売サイトや現地の空港などでSIMカードを手に入れ、スマホに普段挿入しているSIMカードと差し替えることで、海外でもネットに接続できるようになります。
＜出典：写真AC＞
SIMフリーあるいはSIMロックが解除されたスマホであれば使用可能。現地の回線に接続されるので、通信環境も良く、格安の料金でネットを使えます。容量や期間が決まったプリペイドタイプのため、使いすぎて請求がたくさん届いてしまうリスクがないのも安心です。また最近は、SIMカードの差し替えすら必要なく、端末上でSIMの切り替えができる「eSIM」も登場しています。
2つめは、「海外ローミング」を使用する方法。日本で普段契約しているキャリアを経由して、現地のキャリアに接続する方法なので、誰でも簡単に海外でネットを使えて便利。かつては高額請求につながることも多い海外ローミングでしたが、各キャリアが「海外パケット定額」のサービスを始め、今では定額料金で安心して使えるようになりました。
たとえば、NTTドコモの「パケットパック海外オプション」、auとUQ mobileの「世界データ定額」、ソフトバンクの「海外あんしん定額」なら、24時間980円程度（各プランの詳細は公式サイトをご確認ください）で海外ローミングが可能。さらに、ahamoや楽天モバイルなど、無料で海外ローミングができるブランドも現れています。
そして3つめは、「Wi-Fi」を使用する方法。この記事のメインになるテーマなので、次の章から詳しく紹介します。
2. 海外でWi-Fiを使う方法は？
海外でネットに接続したいとき、無線通信である「Wi-Fi」を使う方法があります。その使用方法は、主に次の2種類。どちらも気軽に利用できるので、それぞれ紹介します。
海外用のモバイルWi-Fiルーターを契約する
手軽にネットに接続できて、定額制の料金で安心して利用できるのが、海外用のモバイルWi-Fiルーターを契約する方法。グローバルWiFi、イモトのWiFi、WiFiBOXなど、多くの会社がWi-Fiルーターのレンタルサービスを提供しています。
その1番の良さは、誰でも簡単に海外でもネットに接続できること。出発前にWi-Fiルーターの申込みをした後、国内の空港カウンターやロッカーなどでルーターを受け取り、あとは現地でルーターの電源を入れて、スマホで専用のパスワードを入力するだけ。多くの会社は、日本人スタッフによるサポート体制も備えているので、いざというときも安心。また、1台のWi-Fiルーターに複数人が同時接続できるので、グループでの旅行にもぴったりです。
＜出典：写真AC＞
Wi-Fiルーターのレンタルは定額制の料金体系のため、高額の請求が届く心配もありません。渡航先や通信速度、データ通信量によって料金が定められ、自分に合ったプランを選ぶことができます。ここで一例として、グローバルWiFiでルーターをレンタルしたとき、料金はどのくらいかかるのか紹介します。
＜1日のレンタル料金・早割適用の場合＞（2023年4月15日時点）
【ハワイ】
- 4G・300MB/日......970円
- 4G・600MB/日......1,270円
- 4G・1.1GB/日......1,470円
- 4G・容量無制限......2,170円
- 5G・容量無制限......2,970円
【韓国】
- 4G・300MB/日......670円
- 4G・600MB/日......970円
- 4G・1.1GB/日......1,170円
- 4G・容量無制限......1,870円
- 5G・容量無制限......2,670円
ただし、紛失時の補償パックなどを付けると、オプション料金が追加されます。自分の旅のスタイルを踏まえて、ぴったりのプランで契約しましょう。
3. Wi-Fiスポットを利用する
海外でスマホを使いたいけど、お金はかけたくない......という人に最適なのは、フリーのWi-Fiスポットを利用する方法。ホテルやレストランなど、各所のフリーWi-Fiを利用することで、お金を一切かけることなくネットに接続することができます。
とくにアメリカやヨーロッパの国では、日本以上にフリーのWi-Fiスポットがたくさんあることが多いので便利。韓国や台湾、タイやシンガポールといったアジアの国でも、政府や自治体が提供するフリーWi-Fiが整備されているなど、各国とも年々Wi-Fiスポットは増えています。
また、空港などのWi-Fiは有料のこともありますが、クレジットカード決済などで簡単に利用できます。頻繁にネットを使わないのであれば、各所のWi-Fiスポットだけを利用する旅もいいでしょう。
4. 海外でのフリーWi-Fiの利用法
海外でのフリーWi-Fiの利用方法は、基本的に国内の場合と同じ。iPhoneでもAndroidでも、ホーム画面から「設定」を選択し、さらに「Wi-Fi」を選択。接続したいネットワーク名（SSID）をタップするだけで、Wi-Fiに接続できます。
この際、身元のわからないWi-Fiは絶対に避け、ホテルやレストランなど一定の信頼の置けるWi-Fiを選ぶことが大事。また、ネットワーク名をタップすると、パスワードの入力画面が現れることも。この場合、Wi-Fiを提供しているホテルやレストランにパスワードを聞いて、それを入力することで接続できます。
さらに、Wi-Fiに接続するために、メールアドレスや電話番号など個人情報の入力が必要なことも。この場合も、そのWi-Fiが信頼できるのか慎重に確認したうえで、入力しても問題ないか判断することが大切です。
このほか、30分や1時間といった時間制限を設けているWi-Fi、広告動画を見ることで接続可能になるWi-Fiなど、様々なタイプのフリーWi-Fiがあるので、接続のしやすさだけでなく、安全性を重視して、フリーWi-Fiを選ぶようにしましょう。
5. 国によって違うWi-Fi、インターネット通信事情
世界的なネット社会になった現在ですが、Wi-Fiやネットの通信事情は国によって様々。たとえばフリーWi-Fiも、アメリカやカナダのように気軽に利用できるスポットが多い国もあれば、ドイツやオーストラリアのようにスポットが少なく通信速度が遅い国もあります。またスイスでは、携帯電話のショートメール（SMS）で認証を得てから接続できるフリーWi-Fiが多く、旅行者にとってはちょっと特殊。さらに台湾も、アカウントを取得することで利用できるフリーWi-Fiが多いのが特徴です。
そして旅行者にとって最も難易度が高いのは、なんといっても中国。ネット規制によって、LINE、Facebook、Instagram、Twitter、Google、YouTubeなど、馴染み深いアプリやサービスがどれも利用できないのです。とくに旅先でも便利なGoogleマップやGoogle翻訳、LINEといったSNSが使えないのは困りもの。ただし、モバイルWi-Fiルーターをレンタルする際などに、仮想ネットワークであるVPN接続ができるプランを選ぶと、上記のアプリやサービスを含め、基本的には日本にいるときと同じようにネットを使えます。
このほか、日本人に人気の韓国は、Googleマップの情報が少ないため、NAVERマップやKakaoマップを代用すると便利。またヨーロッパの多くの国では、Yahoo!メールは使えるものの、Yahoo! JAPANを利用することができないことにも注意しましょう。
6. Wi-Fiを海外で使う場合の注意点
Wi-Fiを海外で利用するのは便利な反面、注意したい点もいくつかあります。そこで、とくに気をつけたい4つのポイントを紹介します。
＜出典：写真AC＞
1. データローミングはオフにしておく
まずは、高額なパケット料金を発生させないために、スマホの「設定」画面から、「データローミング」をオフにしておくこと。iPhoneの場合、「モバイルデータ通信」もオフにしておくと安心です。さらに、海外では電話の着信にも料金がかかるため、「機内モード」をオンにして、電話の機能を無効にするといいでしょう。
>>モバイルデータ通信について詳しく知りたい方はこちらの記事もお
2. モバイルWi-Fiルーターはバッテリー切れに注意
モバイルWi-Fiルーターを利用するとき、気をつけたいのはバッテリー切れ。とくに複数人で接続した場合、バッテリーの消耗も早くなります。そのため、大容量のモバイルバッテリーがあると安心。Wi-Fiルーターのレンタルサービスでは、オプションでモバイルバッテリーも一緒にレンタルできて便利です。
3. フリーWi-Fiはセキュリティ面に注意
フリーWi-Fiを利用するときに気をつけたいのは、セキュリティ面が脆弱なWi-Fiも多いこと。誰でも自由に接続できるので、悪意を持った誰かによって通信内容を盗み取られるリスクがあるのです。できるかぎりパスワードが設定されているWi-Fiを選び、パスポートやクレジットカードなどの個人情報の入力は避けることが大切です。
4. 通信が安定しないこともある
海外のWi-Fiは、通信が安定しないことがあるのにも注意。とくに、多くの人が同時に接続するフリーWi-Fiは、通信速度が遅く、快適にネットを使えないこともよくあります。ちょっとした検索ならまだしも、SNSに動画をアップロードしたいときなどは不便。Wi-Fiを快適に使うなら、モバイルWi-Fiルーターをレンタルする方がいいでしょう。
7. 海外でWi-Fiが使える場所
海外でフリーWi-Fiを使いたいとき、どこへ行けば利用できるのでしょうか。そこで、フリーWi-Fiが使えるケースが多い場所を紹介します。
空港
たくさんの旅行客が行き交う空港は、フリーWi-Fiを使えることが多い場所。現地の空港に着いて、ホテルまでの行き方を確認したいときなども安心です。ただし、時間制限を設けている空港や有料の空港もあるので要注意。また、個人情報を盗み取る目的で、空港のWi-Fiとよく似た偽のWi-Fiが設置されていることもあるので、くれぐれも気をつけましょう。
交通機関
鉄道やバスといった交通機関でも、最近はフリーWi-Fiを使えることが増えています。移動中に、次の目的地の情報を調べたいときも便利。ただフリーWi-Fiとはいえ、メールアドレスや電話番号を登録することで利用できるようになる交通機関も多いのが特徴。また、地下鉄のフリーWi-Fiも増えていますが、通信が安定しないこともよくあります。
ホテル
旅行客にとって利便性が高いのは、ホテルのフリーWi-Fi。宿泊客であれば自由に使えることが多いので、1日の終わりにネットを楽しみたいときも大丈夫。基本的にはパスワードの入力が必要ですが、ホテルのフロントですぐに教えてもらえます。ただし、格安ホテルやゲストハウスの場合、部屋ではWi-Fiがつながらず、ロビーでしか使えないこともあるので、予約する際にWi-Fi情報を確認するようにしましょう。
カフェやレストラン
マクドナルドやスターバックスといったチェーン店はもちろん、個人経営のカフェやレストランでも、最近はフリーWi-Fiが使えます。パスワードの入力が必要なことが多いので、注文するときなどに店員の方に聞くようにしましょう。また、受け取ったレシートにパスワードが記載されていることも。混雑しているときなどは、通信速度が遅くなることもあります。
有名な観光スポットや公共施設
フリーWi-Fiを使える意外な場所が、有名な観光スポット。たとえばハワイなら、ワイキキの街中やカピオラニ公園、アラモアナセンターなど、旅行客が多く訪れるスポットにフリーWi-Fiが設置されています。街の広場でフリーWi-Fiが使えることもあるので、道に迷って地図アプリを開きたいときも便利。このほか、美術館や博物館、図書館といった公共施設でも、フリーWi-Fiをよく使えます。
海外でWi-Fiを利用してスマホを使うことで、旅の楽しみ方は新たに広がります。翻訳アプリで現地の人と会話を楽しんでみたり、SNSで友達にリアルタイムで写真を送ってみたり、スマホを旅にどう活かすかはあなた次第。フリーWi-Fiの安全性には気をつけて、海外でもスマホを使ってみましょう。スマホを活用すると、思いがけない感動にも出会えるかもしれませんよ。
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手塚 大貴
- 沢木耕太郎氏の『深夜特急』がきっかけで、アジアやヨーロッパ、南米など世界各地をひとり旅。オリンピックやサッカーワールドカップなど、スポーツ観戦の旅も好き。実は世界遺産検定マイスター。旅エッセイやコラムも得意としています。
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