連載特集 全8回「旅するギタリスト」村治 佳織さんの音楽とめぐる情熱のスペイン

インタビューに答える村治佳織さん

#ギターと私、ときどき旅

Muraji Kaori

治 佳織

profile

世界的クラシック・ギタリスト。10歳から日本ギター界の第一人者・福田進一氏に師事し、15歳でCD デビュー。高校卒業後、フランス・パリへの音楽留学を経て、ソロ活動を開始した。2025年にゲーム音楽に向き合った新境地のニューアルバム「エターナル・ファンタジー」をリリース。各地で意欲的にリサイタルを開催しつつ、CM、テレビなど各メディアでも幅広く活躍している。

国内はもとより海外での演奏経験が豊富なうえ、
プライベートでも旅好きだという村治佳織さん。
中でも、特別な思い入れがあるスペイン各都市の思い出を
語っていただきます。

スペイン代表サッカーチームの優勝パレードに集まる人々
▲スペイン代表サッカーチームの
優勝パレードにて。

敬愛する作曲家との絆が息づく 村治佳織の第二の故郷

そもそも現代のクラシック・ギターはスペイン発祥で、今も伝統芸能であるフラメンコに欠かせない楽器としても知られています。村治さんが深くスペインとつながるきっかけとなったのが、この国の作曲家ホアキン・ロドリーゴさんの曲だったそう。「小学校高学年の時、その憂いのある旋律に惹かれ、スペインの歴史や文化などを通じて曲のイメージを膨らませました」

中学生の時、コンクールでロドリーゴさんの曲を演奏して優勝。パリ留学前にはロドリーゴさんの作品集である自身4枚目のアルバム『パストラル』をリリースしました。「それまで、周りの大人の意見に従って一生懸命弾くことで精いっぱいだった私が、自分の思いや考えをより強く込めることができたのがこのアルバムです。

柱の陰から顔をのぞかせる村治佳織さん

ロドリーゴ氏のご自宅でギターを演奏する村治佳織さん
▲ロドリーゴ氏のご自宅にて。

物心つく前から私にとっては身近だったクラシック・ギターが、同級生や周囲の人には必ずしも馴染み深いものではないと感じ、『もっと知ってほしい、大好きなロドリーゴさんの曲をいろんな人に聞いてもらいたい』という思いで選曲・録音しました」このアルバムが結んだ縁でスペインを訪れてから20年以上。村治さんは、スペイン各地で多くの時間を過ごしてきました。「私はいわゆる"チャキチャキ"の東京・下町育ち。若い頃から、音楽留学で訪れたパリの鼻濁音が特徴的な柔らかいフランス語の響きより、タンタンタン! という小気味よいスペイン語のリズムのほうが性に合っていると感じていました」音楽家ならでは感性で、今では第二の故郷となったスペインとの相性のよさも感じているそうです。

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