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【ポーランド】花柄で彩られた可愛すぎるザリピエ村
古都クラクフから東へ約80km、車で約1時間半。畑が広がる中にある小さな村ザリピエは、花柄で溢れ"世界で一番カラフルな村"ともいわれる可愛らしい場所です。家の外、中だけでなく井戸やフェンスなどいたるところにペイントされており、年に一度はコンテストも開催されています。今回はこのザリピエ村をご紹介したいと思います。
目次
博物館でザリピエ村が花柄になった理由を知る
ザリピエ村を訪れて、まず最初に向かってほしいのが博物館"Zagroda Felicji Curyłowej w Zalipiu"。ここではザリピエ村で実際に使われていた3軒を見学できます。ガイドツアーなので、しっかりとザリピエの歴史を学ぶことができます。
まず1軒目は、黄色の家。こちらはザリピエを"花柄の村"にした生みの親Felicja Curyło(フェリツィア)さんのお宅。一歩足を踏み入れると家中隅々までカラフルな花柄で彩られています。壁や天井だけでなく、テーブルなどの家具、食器や調理器具、何もかもが花柄!こちらはキッチン。
19世紀の終わり、彼女はススで黒く汚れてしまった壁に、白でシンプルな模様を描きました。スス汚れは誰もが頭を悩ませていましたが、壁全てを塗り替えるにはお金がかかる。そんな時、彼女のこの水玉模様のアイディアは画期的でした。
水玉模様は、花柄に進化し、後に色を使ってカラフルになっていきました。
ベッドはもちろん、宗教画にも花柄が描かれています。
手作りの民族衣装。ポーランドの民族衣装は地域によって違いはありますが、花柄の刺繍がされていることが多いです。
天井に吊るされている飾りや、クローゼットの上に飾られている花は色紙で作られていて、このトナカイの飾りは松ぼっくりで作られています。
2軒目は水色の家。こちらはStefania Łączyńska(ステファニア)さんのお宅。
外壁からもお分かりの通り、最初の家よりも淡い色合いでメルヘン。
玄関を入ってすぐ、水色とピンクの壁にビビッドカラーの扉がおしゃれ。
キッチンも、色合いが淡いと印象が変わりますね。ザリピエではステンシルは使用せず全て手描き。人のまねをせず個性を生かして自分の家を彩っています。
食器棚は、切り絵でデコレーションされており、天井から吊るされたシルバーの飾りはアルミホイルや、チョコレートの包み紙で作られているそう。
決して裕福ではない中、あるもので美しく家を飾る努力が感じられます。
奥に少し見えているのは農機具や、食品を保存しておく場所。昔の人の知恵や、それぞれの使い方もガイドさんが教えてくださいます。
彼女は、花柄だけでなく天使の絵も好んでよく描いていたそうで、たくさん飾られていました。
博物館で見学できる最後の家は、これまで紹介した2軒とは違い質素なもの。
茅葺き屋根の小さな家で、玄関を入るとすぐに家畜の部屋。
人のスペースは、キッチンと寝る場所が少し。床板はありません。家畜と一緒にたくさんの家族と身を寄せ合って暮らしていたそうです。
また、博物館の一角では村の画家たちの作品が展示されていました。モチーフにしている花は同じでも、色合いや配置など個性が出て、どれも魅力的で味があります。
博物館 Zagroda Felicji Curyłowej w Zalipiu
- 住所:Zalipie135, 33-210 Olesno
- 休館日:月曜
- 入館料:10pln
- 公式サイト: 博物館Zagroda Felicji Curylowej w Zalipiu
ペイント体験もできる文化センター
もうひとつ訪れてほしいのは文化センター"Dom Malarek" こちらでは、年に1回コンテストが開催されています。
ここでも、ペイントの歴史や文化を知ることができ、ザリピエ村の家々、画家たちの作品が紹介されており、作品をお土産として購入することも可能です。また、予約すればアートワークショップに参加し、自分で作品を作ることもできます!
庭も広く、一休みするにもいい場所で、一角にはカラフルに彩られた養蜂箱もありました。
文化センター Dom Malarek
- 住所:Zalipie 128A, 33-263 Zalipie k Dabrowy Tarn
- 休館日:土・日曜
- 入場料:無料
- 公式サイト:文化センター Dom Malarek
教会や消防署まで?!
村の教会、聖ヨゼフ教会。外見からは想像できないほど、内装はザリピエ仕様になっています。
壁や柱、祭壇やイエス様の周りも花柄。
このすぐ近くにある消防署までもが、花柄です!
聖ヨゼフ教会 Kościół św. Józefa
- 住所:33-263 Zalipie
民家にお邪魔します
ザリピエ村はすべての家が花柄でデコレーションされているわけではありません。花柄の家や見どころを紹介した地図を参考に散策すると効率がよいかもしれません。民家は、お土産屋さんになっているところも多く、観光客を快く招いてくださる方々もいらっしゃいます。
インスタ映えスポットやグッズを用意されていたり、いろいろお話を聞かせてくださいます。
犬小屋、自転車、植木鉢、アンテナなど目につくものは全て花柄!
さいごに
ザリピエまでは、ミニバスや電車でも訪れることができますが、本数が少なく不便なので、できればレンタカーなど車で訪れることをおすすめします。また、小さな村ですので、レストランやスーパーなどもありません。飲み物と軽食など持参すると安心です。ご紹介した見どころをぐるっとまわって約4km。(民家は村内に点在)
観光地から少し足をのばして、可愛い村を訪れてみてはいかがでしょうか?
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EliilE
- 結婚を機に2010年よりポーランド、クラクフ在住。文化の違いや言葉の壁にぶつかりながらも子育奮闘中!
趣味はカフェ巡りと旅行。まだまだ知られていないポーランドの魅力をお伝えします!