蜷川実花さんの映像が彩るルーアン大聖堂の夜|フランス

現在ノルマンディー地方全域を舞台に「ノルマンディー印象派フェスティバル〜Normandie Impressionniste」が開催されています(開催期間2026年5月29日〜9月27日)。

巨匠クロード・モネ没後100周年にあたる今年は、モネが愛した「庭」がテーマです。視覚芸術、音楽、ダンス、映像など多岐にわたる現代アートで、モネへのオマージュが捧げられる画期的なエディションとなっています。

その核ともなるルーアン大聖堂のプロジェクションマッピングは、日本人アーティスト蜷川実花さんの作品。彼女の魅惑的な映像世界が、ノルマンディー首都の夜を華やかに彩ります。今回は現地の様子をご紹介、今年の夏はぜひルーアンへ!

目次

ノルマンディー印象派フェスティバルとは

ノルマンディー地方は印象派画家たちと縁の深い地です。

ルーアン大聖堂
<モネが連作を描いたルーアン大聖堂>

モネとノルマンディーのゆかり

クロード・モネにおいては、印象派のネーミングのきっかけとなった絵画「印象・日の出」をル・アーヴルで描き、「ルーアン大聖堂」を連作、「睡蓮」のジヴェルニー、オンフルール、エトルタなど、多くの場所を名画に残しています。

200万人が訪れた人気イベント

印象派画家たちは、当時においては、斬新な絵画技法と画期的なアプローチを駆使して、古典的な芸術界を革新した前衛的芸術グループです。

2年毎にノルマンディー地方で開催される『ノルマンディー印象派フェスティバル』印象派の遺産と現代アート双方を輝かせる地方イベントとしての地位を確立、前回の2024年は200万人以上の来場者を集めて、フランスの文化的景観においても際立った存在に成長しました。

モネへのオマージュとして

モネが理想郷を創ったジヴェルニーの自宅で1926年に亡くなってから100年の節目にあたる今年は、「有り得る庭〜Un possible jardin」というタイトルの下、モネへのオマージュが捧げられます。

全域で75イベントを開催

ジャポニズムの影響を受け、浮世絵を収集したモネと日本の親密性を踏まえ、フェスティバルには二人の日本人アーティスト、蜷川実花さん(ルーアン大聖堂プロジェクションマッピング)と中谷芙二子さん(オンフルール ペルソナリテ庭園「霧の彫刻」)が招聘されています。

フェスティバルの期間は2026年5月28日から9月27日、舞台はノルマンディー地方全域で75のイベントを予定しています。

全プログラムのリンクがあるサイトはこちらです。

>>ノルマンディー印象派フェスティバルの公式サイトはこちら

蜷川実花さんの映像ショーを体験

ルーアン大聖堂をスクリーンとしたプロジェクションマッピングは、毎回フェスティバルの目玉となる大好評イベント。

フランスでは、日本のポップアート旗手と注目されている蜷川実花さんは、果たしてどんな作品を見せてくれるのか?大聖堂前の石畳に腰掛けて、期待を胸に、日没から始まる初日のショーを体験しました。

ルーアン大聖堂で蜷川実花さんの映像ショー スタート 

作品名は「野生の開花と一瞬の中の永遠〜Floraison Sauvage & Eternity in a Moment」。日の丸を彷彿させるような赤い玉からスペクタクルが始まります。

ルーアン大聖堂の映像ショー 赤をメインのイルミネーション 

圧倒的な花々の存在感、色彩は鮮烈です。実花さんの描く世界は、華やかで美しいけれど、妖艶で不気味な感じもします。

ルーアン大聖堂の映像ショーに日本の繁華街が映し出される

鳥居の道を抜ければ、そこは日本の繁華街。スクリーンとなっているのが、由緒ある大聖堂なのだと思うと、どこか背徳的な気もしますが、ここは芸術表現に対しては常に最前線で寛大なフランス。私がこの国を敬愛する理由も、こんなところなんだなぁ。

日本を見据えた独自の近代的世界観を持つ日本人アーティストのフランスでの登板も、現地に住む日本人として本当に誇らしく思いました。

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蛇の目傘、金魚、ネオン街、招き猫、満月や夜桜など、日本のシンボルが次々と登場。

ルーアン大聖堂の映像ショーにモネの桜吹雪が映し出される

一瞬の日光の移り変わりを捉えるため、ルーアン大聖堂前のアトリエに幾つものキャンバスを並べ立て、早朝から日没まで17作も大聖堂を描いたモネ。一瞬にして散りゆく桜吹雪の映像は、日本文化を愛したモネへの最高のオマージュかもしれない。

ルーアン大聖堂の映像ショーにモネの庭の花が咲き誇る

実花さんがジヴェルニーのモネの庭で撮影した色とりどりの花々も、次々とスクリーンに咲き誇ります。

ルーアン大聖堂の映像ショーのフィナーレの紫ベースのライトアップ

光の粒が、まるで魂が昇天するように闇に溶けてショーが終了した時、会場は一瞬の静寂の後、観客から大きな拍手と「ブラボー!」の歓声が起こりました。

大聖堂のプロジェクションマッピングは、次いで別作品「最初の印象〜Première Impression」が上映され、2作品が繰り返してルーアンの夜を彩ります。

会場 Place de la Cathédrale

所在地:フランス 〒76000 ルーアン
開催期間:2026年5月29日~9月26日
入場料:無料
開始時間

  • 6月01日~28日:23:00〜(金・土曜のみ)
  • 7月01日~31日:23:00〜
  • 8月01日~15日:22:30〜
  • 8月16日~30日:22:00〜
  • 9月01日~26日:21:30〜 (金・土曜のみ)

バラ園での写真展 in ル・グラン・ケヴィリー

実花さんの作品の余韻に浸りたい方は、撮影された写真が野外展示されている公園、ルーアン郊外ル・グラン・ケヴィリーのバラ園を訪ねてみましょう。

バラ園での写真展|ル・グラン・ケヴィリー バラと看板

グラン・ケヴィリー市役所に隣接する敷地に16000株もの薔薇が植えられているバラ園は、市民の憩いの場で入場無料。実花さんの大型パネル写真が園内のあちこちに飾られ、本物の薔薇と美しく競い咲いています。

会場:La Roseraie de Grand-Quevilly

  • 所在地:36B Rue Adolphe Thiers, 76120 Le Grand-Quevilly, フランス
  • 開催期間:5月26日~8月30日
  • 開園時間:8:00~21:00
  • 入場料:無料

その他、ルーアン市内でのイベント

ルーアンの街では、下記の場所でも、フェスイベントが開催されています。印象派絵画からモダンアートまで、自分好みのアートを探してみましょう。

ルーアン美術館 特別展「雨の中で描く、生きる、夢見る〜Sous la pluie, peindre, vivre et rêver」

18世紀後半から現代の気候変動問題に至るまで、雨に関する作品を集めた展示会。モネ、ピサロ、カイユボットなどの雨の風景が楽しい。ルーアン美術館は、多数の印象派作品を所有しているので、常設展の印象派作品もぜひご覧下さい。

Musée des Beaux-Arts

  • 開催期間:2026年4月11日~9月20日
  • 開館時間:10:00~18:00
  • 休館日:火曜
  • 入場料:常設展 入場無料、特別展 10€

DRIFT ドリフト「草原、空中庭園〜Meadow, jardin suspendu」

自然現象から得た発想でテクノロジーを駆使した作品を創作するアムステルダム拠点のステュディオ・ドリフトによるアート作品。天井から吊るされた機械仕掛けの花々が生み出す幻想的世界。

Église Sainte-Croix-des-Pelletiers

  • 開催期間:2026年6~8月 水~日曜、2026年9月:土・日曜  
  • 開催時間:14:00~19:00
  • 入場料:無料

Janaina Tschäpe ヤナイナ・チャペ絵画展

水や植物からインスピレーションを得たドイツ・ブラジル人画家の感覚的絵画展。

  • 会場:Aître Saint-Maclou
  • 開催期間:2026年5月29日~9月27日
  • 開催時間:14:00~19:00
  • 閉館日:月曜
  • 入場料:無料

Sarah Moon サラ・ムーン写真展「自然から〜D'après nature」

庭園を探究するフランス人写真家の写真展。写真センターと植物園で開催。

Centre photographique Rouen Normandie

  • 開催期間:2026年5月30日~9月26日
  • 開催時間:14:00~19:00
  • 閉館日:日・月曜
  • 入場料:無料

Pavillon du Jardin des Plantes

  • 開催期間:2026年5月30日~8月2日
  • 開催時間:14:00~19:00
  • 閉館日:月・火曜
  • 入場料:無料

Aître Saint-Maclou

  • 開催期間:2026年5月29日〜9月27日
  • 開催時間:14:00〜19:00
  • 閉館日:月曜
  • 入場料:無料

ルーアン美術館

※詳細は公式サイトでご確認ください

ルーアンの街の見どころ

最後にルーアンの街について、簡単にご紹介しておきます。パリから流れ出たセーヌ川が海に合流するまでの中間点あたりに位置するルーアンは、歴史ある古都でノルマンディー地方の首都です。

古都を感じるルーアンの街並み

「百の釣鐘の街」と称されるように沢山の教会があり、歴史的建造物や木枠の見えた民家が並ぶ美しさは、街全体が美術館のようだと讃えられています。中心街がコンパクトにまとまっているので散策しやすく、文化施設も商店街もレストランも充実していて、旅行者にとって魅力的な街です。

ジャンヌ・ダルクの石碑

聖少女ジャンヌ・ダルクの終焉の地であり、毎年5月にジャンヌ・ダルク祭が開催されています。彼女の物語や縁の場所は、過去にたびこふれで紹介していますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。

>>過去記事:フランス北西部の街「ルーアン」でジャンヌ・ダルクに想いを馳せる はこちら

    パリからルーアンへは、サン・ラザール駅からル・アーヴル駅行き電車に乗って約1時間。日帰りも可能ですが、この夏はぜひ宿泊して、蜷川実花さんのプロジェクションマッピングを楽しんで、ルーアンの街を満喫してくださいね。

    >>ルーアン観光局の公式サイトはこちら

    ※ルーアン観光局は大聖堂の正面、モネが連作画を描いた建物の地上階にあります。

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