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【フランス】ユニークな世界遺産の街「ル・アーヴル」を歩こう!

記事投稿日:2019/07/22最終更新日:2019/07/22

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パリから流れるセーヌ川が、大西洋に流れ込む河口にある港町ル・アーヴル。

世界遺産に登録されている「オーギュスト・ペレによる再建都市」は、多数の近代建築や現代アートに出会える街です。同時にここは、印象派絵画の発祥地。昔から、多くの芸術家達を魅了してきた、美しい空と海に出会える街でもあります。

そんな過去と未来が交差する街、ル・アーヴルの魅力をお伝えします。

目次

コンクリートの街並みが世界遺産

数ある世界遺産の中でも、ル・アーヴルのユニークさは、133ヘクタールにも及ぶコンクリートの街並み全体が、世界遺産だということです。

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第二次世界大戦末期の集中空爆で、廃墟となってしまった悲劇の街ル・アーヴル。

かつての街は、世界に名高い豊かな港町で、ブルジョアが集まる美しいバカンス地でした。戦後の厳しい条件下で、この街を早急に再生することは、当時のフランス政府にとって、最優先課題のひとつでした。

こうして、建築家オーギュスト・ペレの指揮の下に、当時はまだ未知の最新素材であった「鉄筋コンクリートを用いて街全体を再建する」という壮大な計画が実現したのです。

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世界遺産地区に建ち並ぶ集合住宅、市役所、商店街、教会、学校などの建物は、それぞれ大きさもデザインも、コンクリートの材質さえ異なるのに、不思議と統一感があります。それは、ペレの建築指針に従い、全ての建物が一定の規則にそって造られているからです。この街並みを「音楽的」と表現する人がいるほど、街全体が美しいハーモニーを奏でていて、不協和音が全くないのです。

ペレの最高傑作「サン・ジョセフ教会」

中心地のどこからでも目に付く、灯台のように高くそびえ立つ塔は、街のシンボル、サン・ジョセフ教会です。この建物は、戦争の犠牲者に捧げられています。

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ここは、必ず中に入ってみて下さい。教会内部には、107mの塔の側面にはめ込まれた色とりどりのステンドグラスから、光の洪水が降り注いでいます。ガラスの配色は、東西南北異なり、下側の色は濃く、上に近づくほど淡色になってゆき、てっぺんは透明です。まるで、浄化された魂が昇天してゆくかのようです。

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コンクリート内壁に反映する色彩のニュアンスは、太陽の位置や日差しの強さによって、絶えず変わっています。静寂の中、異次元のような癒しの空間を作っているのです。

印象派絵画の生まれた海岸

トラムウェイを挟んで対をなす、二つの高層住宅群は「海の扉~ポルト・オセアンヌ」と名付けられた、海から世界遺産地区への玄関です。その先には、印象派絵画の生まれた海岸が広がっています。

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川が海に融合するこの辺りの海岸沿いには、格別に美しい空模様が現れます。その空は、昔から多くの芸術家に、インスピレーションを与えてきました。

1872年、若きクロード・モネが「印象派」の名の由来となった絵「印象・日の出」を描いた場所は、ル・アーヴル港の正面あたり。すぐ傍に建つアンドレ・マルロー美術館は、地方都市最大の印象派コレクションを貯蔵しています。

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現在、海岸に常設されているいくつかの現代アート作品も、印象派の空の下、違和感なく風景に溶け合っています。

街の歴史が詰まった小石

散策の後は、地元で評判のサロン・ド・テ、マッゾォニ(Mazzoni)で、極上のお茶とお菓子はいかがですか?ここは、日仏カップル、クレモンさんと陽子さんのお店です。

お店の定番は「ガレ(小石)」という、ル・アーヴル海岸にころがっている小石そっくりのガトーです。

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これは、地元出身のクレモンさんの「街のアイデンティティが凝縮されたお菓子を作りたい」という、熱い想いから誕生しました。黒ゴマでコーティングされたホワイトチョコムースの小石を割ると、中から流れ出るピーカンナッツのプラリネ、コーヒー風味のビスキュイ、、、それらは古き良き時代に、遥かな大陸から港に運び込まれ、この街を繁栄に導いた立役者たち。

街の歴史が詰まった小石は、過去も未来も飛び越えてしまうほど美味しい!

Pâtisserie MAZZONI(Le Havre, France)

さいごに

まるでアートの展示会場にいるようなル・アーヴル散策、いかがでしたか?

加えてこの街には、ふたりの世界的建築家による、超モダンな市民施設があります。世界遺産「ブラジリア」のオスカー・ニーマイヤーの、文化施設「ヴォルカン」と、プリツカー賞受賞のジャン・ヌーベルの、複合プール「レ・バン・ド・ドック」です。

パリのサン・ラザール駅からル・アーヴル駅までは、電車で約2時間。

ユニークな世界遺産の街を、是非、一度訪ねてみて下さいね!

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原田さゆり
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記事投稿日:2019/07/22最終更新日:2019/07/22

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