日本各地の名山と秘湯を紹介するコラム【山と秘湯をめぐる】。登山の後に素晴らしい温泉でリフレッシュできる旅を、多くの方に気軽に楽しんでもらえるような内容をお届けします。

第2回目は、最果ての百名山・羅臼岳と緑が映える岩尾別温泉をご紹介！世界遺産の自然を育む名山とそのふもとにある秘湯の魅力を存分にお伝えします。

目次

• 一度は登りたい憧れの山・知床最高峰「羅臼岳」
• 羅臼岳のコース概要と魅力
• 緑が映える極上の野湯「岩尾別温泉 三段の湯」
• オシンコシンの滝で湯上がり後のクールダウン

一度は登りたい憧れの山・知床最高峰「羅臼岳」

世界自然遺産に選ばれている知床。手つかずの自然が残る希少な場所です。北海道の中でも最果てと言えるエリアにあり、多くの旅人の憧れの地となっています。

そんな知床の最高峰が「羅臼岳（らうすだけ、標高1,661m）」です。歩行時間が長く中級者向きの山ですが、半島の西・ウトロ側から登る岩尾別温泉コースは多くの登山愛好家で賑わいます。標準タイムは往復約8時間〜9時間です。

羅臼岳の標高は2,000mに満たないものの、高緯度にあるため本州の標高3,000m級に匹敵する気候帯。流氷の海から高山帯までひと続きとなっていることが、知床のポテンシャルの高さを物語っています。

知床ではヒグマに遭遇する確率がゼロではないため、クマ対策が必須！熊鈴に加えて、熊スプレーなども準備しておくことをおすすめします。

羅臼岳のコース概要と魅力

羅臼岳には、岩尾別温泉コースと羅臼温泉コースの2つがあります。羅臼コースはかなりタフな道の上、ヒグマの遭遇確率が上がるので、岩尾別温泉コースがおすすめ。登山者の9割以上がこちらを利用します。

前半は静かな樹林帯を進み、極楽平まで来ると羅臼岳を一望。大沢入口から谷筋を登り切ると、羅臼平に到着します。天気が良ければ、国後島のパノラマが見事です。

羅臼平からは、スリリングな高度感のある稜線を進みます。7月から8月にかけては高山植物が咲き誇り、振り返ると硫黄山まで続く知床連山の壮大な山並みを一望できます。知床の頂点に近づいていることを実感できる瞬間です。

山頂では知床五湖やオホーツク海の海岸線を俯瞰できます。天気が良ければ、一生忘れることのない絶景に出会えますよ。

羅臼岳

• 住所：北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町・斜里郡斜里町遠音別村
• TEL：0152-23-3131（斜里町役場商工観光課）
• 公式サイト：羅臼岳

緑が映える極上の野湯「岩尾別温泉 三段の湯」

下山後すぐに温泉に浸かれることも、羅臼岳登山の魅力の一つです。登山口である岩尾別温泉には「秘境知床の宿 地の涯（はて）」というホテルがあり、その近くに野湯が湧いています。

「岩尾別温泉 三段の湯」という名前の通り、階段状に設けられた浴槽が特徴です。泉質はナトリウム・カルシウム - 塩化物・炭酸水素塩泉（低張性中性高温泉）。癖の少ないサッパリとした肌触りで、登山後の入浴にもってこいの気持ち良さです。

なんと言っても魅力は、手つかずの樹林に囲まれたロケーション。樹林の緑が湯船に映り込み、波紋を生みながら注がれていく様子は、生命力がほとばしる知床ならではの風情を感じさせます。

肩まで浸かって、全身の疲れを思いっきり取りましょう！なお脱衣所等はないため、その点だけ注意。野湯が苦手という方は、ホテルの日帰り入浴を利用することをおすすめします。

岩尾別温泉 三段の湯

• 住所：北海道斜里郡斜里町遠音別村
• 営業時間：24時間
• TEL：0152-24-2331（秘境知床の宿 地の涯）
• 公式サイト：岩尾別温泉 三段の湯

オシンコシンの滝で湯上がり後のクールダウン

入浴後のとっておきの楽しみが、滝でのクールダウンです。岩尾別温泉から車で30分弱、ウトロの町の南には、オシンコシンの滝という大きな滝があります。

滝の中ほどまで階段を上ると、マイナスイオンに癒され、轟音に耳を傾けながら滝を鑑賞することが可能です。岩尾別温泉からオシンコシンの滝とはしごをすれば、温まった身体を良い感じにクールダウンできますよ！

やや中級者向けの内容ですが、ぜひ知床で夏の大冒険を満喫してみてください。

オシンコシンの滝

• 住所：北海道斜里郡斜里町ウトロ西
• 営業時間：24時間
• TEL：0152-22-2125（知床斜里町観光協会）
• 公式サイト：オシンコシンの滝　

山と秘湯をめぐるシリーズ

• 【山と秘湯をめぐる】岐阜県〜高山植物が咲く乗鞍岳と癒しの奥飛騨温泉郷〜

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