野生のエゾシカやタンチョウに感動!釧路湿原と北のグルメ旅

雄大な湿原が広がる釧路市は、絶景・野生動物・グルメなどで、旅人を深く魅了する地です。釧路湿原の木道を歩くと、かたわらをエゾシカの群れが駆け抜けていきます。阿寒町周辺では野生のタンチョウの美しさに目を見張ります。涼しい初夏の釧路エリアをレンタカーでまわり、大自然を体感してきました。美味しい海の幸も見逃せません。

目次

雄大な釧路湿原を細岡展望台から眺める

釧路湿原の細岡展望台の案内板
<細岡展望台の案内板>

大自然に恵まれた釧路市を満喫するには、レンタカーでの移動が欠かせません。まず訪れたいのは、日本最大の湿原である釧路湿原をじっくり上から眺められる展望台です。

細岡展望台から眺めるみどり広がる釧路湿原
<細岡展望台から眺める釧路湿原>

釧路駅周辺から車で約40分のところにある「細岡展望台」は、湿原の東側から、蛇行する釧路川と広大な湿地の眺望を楽しめる場所。はるか遠くにそびえる、阿寒の山並みも絶景です。

展望台では、ボランティアガイドの方々が釧路湿原の広さや見どころを詳しく解説してくれます。実は広大な湿原にはエゾシカやタンチョウがあちこちに生息しており、ガイドさんたちは彼らが見える場所も把握しています。展望台にはフィールドスコープも持ち込まれており、その姿を覗かせてもらいました。大自然の中で活動する野生動物たちに感動。

釧路湿地帯にダイナミックな釧路川のカーブが見える
<ダイナミックな釧路川のカーブが迫力>

筆者は小型の双眼鏡を持参していたので、こちらも駆使してじっくり野生動物を眺めることができました。釧路川がダイナミックに蛇行しながら流れる様子もよく見えます。駐車場から展望台へ向かう森林の小道は、バードウォッチングにも最適。マイ双眼鏡をぜひ持っていきましょう!

展望台の駐車場には細岡ビジターズラウンジが隣接しており、写真の展示や喫茶メニュー、暖炉が素敵な休憩コーナーがあります。おみやげも販売されていますよ。

なお、ビジターズラウンジから徒歩約10分のところにはJR釧路湿原駅があり、夏季のみ釧網線が停車します。公共交通機関で細岡展望台へ訪れる方にはこちらが便利です。電車の本数が非常に少ないため、最新の時刻表をご確認くださいね。

細岡ビジターズラウンジ

  • 住所:北海道釧路郡釧路町字達古武22番地9
  • 電話番号:0154-40-4455
  • 定休日:年末年始
  • 営業時間:4~9月 9:00~18:00、10~3月 10:00~16:00
  • 公式サイト:細岡ビジターズラウンジ

釧路湿原の中を歩く

温根内ビジターセンターに続く木道
<温根内ビジターセンターと木道の起点>

広大な釧路湿原を上から眺めた後、自分の足で湿原の中を歩いてみたくなりますよね。温根内木道は、釧路湿原の西側に位置する散策コース。温根内ビジターセンターを起点とする3kmの木道は、湿原の中を歩ける唯一の歩道です。

ビジターセンター内の釧路湿原の成り立ちがわかるディスプレイ
<釧路湿原の成り立ちがわかるディスプレイ>

センターの館内には、釧路湿原の成り立ちや四季折々に見られる草花や動物を解説するディスプレイがあります。コインロッカーやトイレもあり、散策前の準備も安心です。

観察ポイント、大きな地図に自然伝言板の書き込み
<観察ポイントがわかる「自然伝言板」>

センターの中心部には、書き込み式の地図のボード「自然伝言板」があります。これは木道を散策した人が、道中で見た動物や野鳥について発見場所を自由に書き込める設備。木道へ出る前にここをチェックしておけば、お目当ての動物たちに出会える確率が高くなります。筆者も散策の後、書き込みました。

季節の花々に彩られる湿原

ハンノキ林の間を抜ける温根内木道
<ハンノキ林の間を抜ける温根内木道>

ビジターセンターから木道へ出ると、まずハンノキの林の中を歩きます。新緑の時期にはセンダイムシクイなどの野鳥の鳴き声がひっきりなしに響いており、たいへんにぎやかです。

木道のすぐ両脇を見ると、草地の間で水が太陽の光を反射しています。ここが広大な湿地であることを実感。自然にできた底なし沼の「やちまなこ」も点在しています。安全のため、そして自然を守るために、絶対に木道をはずれないようにしましょうね。

木道のかたわらで群生するヒメカイウの白い花
<木道のかたわらで群生するヒメカイウ>

木道から周囲を眺めると、季節ごとに異なる湿原の草花が咲いています。筆者が訪れた5月末には、ヒメカイウ、シコタンキンポウゲ、ミツガシワ、ワタスゲなどを見ることができました。

ミズバショウを小型にしたようなヒメカイウは、白い紙をくるりと巻いたような苞が、緑の葉に映えて印象的。木道の両端で、群生する様子を見られましたよ。

湿地帯で咲く、白い星形の花が密集するミツガシワ
<星形の花が密集して咲くミツガシワ>

湿地帯の水辺に青空が映し出されている
<青空を映す湿原の水面>

白い星形の花が可憐なミツガシワも、初夏の湿原の代表格といえる花。木道から水面の見える部分に群生しており、水鏡に姿を映す様子が涼しげです。氷河期の生き残りとも呼ばれる多年草が、水中からすっと茎を伸ばして咲く姿に、清楚な姿からは想像できないほどの力強さを感じます。

野生のエゾシカの群れに遭遇

木道が左右に分岐する地点
<木道が分岐する地点を左に進む>

ビジターセンターから南へ歩いてきた木道は、やがて左右への分岐点にたどり着きます。左手に進むと、木道を約40分で一回りできるコースと、展望テラスを経て約1時間で一回りできるコースを、自由に選んで歩くことができます。筆者は1時間のコースを散策することにしました。しばらく歩いていくと...。

ハンノキの木陰のエゾシカが木の陰から見ている
<ハンノキの木陰のエゾシカたち。こちらを見ている>

ハンノキの木立の間に、エゾシカの群れを発見しました!

5、6頭はいるでしょうか、木道から観察する人間たちを警戒しながらも、黙々と草を食べています。体の大きいエゾシカは、草むらの中にいても大変目立ちます。北の大地の野生動物の風格は圧巻です。

草むらでもぐもぐと草を食べるエゾシカ
<もぐもぐと草を食べるエゾシカ>

この木道の近辺は、ビジターセンターの自然伝言板でもエゾシカの発見報告が複数書き込まれていた場所。まさに情報どおりに、エゾシカたちが姿を見せてくれました。小型の双眼鏡で観察したら、毛並みや長いまつげまでしっかり見えましたよ。背を向けて立ち去る時も、草を咥えたまま歩いていく様子に、旺盛な生命力を感じました。

青空の下、広がっている湿地帯
<どこまでも広がる広大な湿原>

ハンノキ林の一帯を通り抜け、木道を南東へ歩いていくと、ヨシやスゲが生い茂る景色になります。どこまでも続く広大な湿原の眺めに感動。まるで海外にいるみたい。

ヨシの先には、オオジュリンなどの野鳥が止まっている様子も見えます。野生生物をはぐくむ湿原の豊かさを実感する散策でした。おすすめです。

温根内ビジターセンター

  • 所在地:北海道阿寒郡鶴居村温根内
  • 電話番号:0154-65-2323
  • 休館日:火曜、年末年始(12/29~1/3)
  • 開館時間:4~10月 9:00~17:00、11~3月 9:00~16:00
  • 入館料:無料
  • 公式サイト:温根内ビジターセンター温根内木道

タンチョウに会いに阿寒町へ 野生のタンチョウに遭遇

休耕地で寄り添う野生の2羽のタンチョウ
<休耕地で寄り添う野生のタンチョウ>

細岡展望台からエゾシカやタンチョウの姿を確認し、温根内木道では間近でエゾシカの群れを見て、感動した筆者。こうなったらタンチョウも近くで見たいと思い、釧路市内にある2つのタンチョウの飼育施設に行くことにしました。「阿寒国際鶴センター【グルス】」と、「釧路市丹頂鶴自然公園」です。

レンタカーで阿寒町を走行していると、道路沿いの休耕地で、野生のタンチョウを発見しました。すらりと背の高いタンチョウの白と黒の配置が絶妙な羽は、遠くから見ても圧倒的な存在感です。これが野生のタンチョウの輝き...!

休耕地でエサを探す2羽のタンチョウ
<土の中のエサを探しながら歩く>

つがいと思われるタンチョウは、土の中を掘り返して、エサとなる昆虫などをひっきりなしに探していました。よく見ると長い首には泥が付いており、優美な姿に隠れた野生のたくましさを感じさせます。

この近辺では、他にも3羽のタンチョウの姿を見かけました。阿寒町の日常の景色の中で生きている、野生のタンチョウの美しさに見惚れましたよ。

阿寒国際ツルセンター【グルス】でタンチョウの親子に癒やされる

レンガ造りの阿寒国際ツルセンター【グルス】の入口
<阿寒国際ツルセンター【グルス】の入口>

釧路駅付近から車で40分ほどのところにある「阿寒国際ツルセンター【グルス】」は、タンチョウの保護と、生態や行動の研究と発信をする、タンチョウのための専門施設。「グルス」とはラテン語で「ツル」の意味です。

入口を彩るタンチョウのディスプレイが可愛いセンターの館内には、タンチョウたちの体の仕組みや暮らし方を詳しく説明する展示コーナーがあります。野外飼育場では、現在タンチョウ5羽とマナヅル1羽を飼育中。自然に近い状態で、タンチョウが活動する様子を見ることができます。

タンチョウヅルの親子、ヒナは黄色で小さいbr /><タンチョウヅルの親子。この時点でヒナは生後約一か月>

特に見入ってしまったのは、タンチョウの親子が暮らす飼育場です。ふわふわの黄色がかった羽毛をまとったヒナが、親鳥の後を元気いっぱいに追いかける様子が可愛すぎる!草むらや池の中で寄り添う親子の姿に、心が温まります。

タンポポの綿毛が多い中でタンチョウの親子がエサをついばむ
<寄り添う親子にタンポポの綿毛が似合う>

こちらの飼育場にいるのは、オスのアサヒとメスのソラ、そして2026年5月3日に生まれたヒナ。実はこのヒナは実子ではありません。

アサヒとソラの間には今年卵が生まれたものの、無精卵でした。身体の調整のため偽卵を抱いていたところ、別の施設(釧路市丹頂鶴自然公園)で抱卵中のペアが抱卵を放棄してしまったため、急遽アサヒとソラに代理でこの卵を抱いてもらい、無事にヒナが誕生したのです。

タンチョウヅルのヒナが水辺と草むらを歩いている様子
<元気いっぱいに駆け回るヒナ>

アサヒとソラはヒナを自分たちの子だと思い、ヒナもまた彼らを自分の親だと思っているそうです。まるで物語のような家族愛にますますほろりと来てしまいます。可愛いヒナがすくすく成長するよう、願わずにはいられません。

阿寒国際ツルセンター【グルス】

  • 所在地:北海道釧路市阿寒町上阿寒23線40番地
  • 電話番号:0154-66-4011
  • 休館日:無し
  • 開館時間:9:00~17:00
  • 入館料:大人(高校生以上)480円、小人(小・中学生)250円
  • 公式サイト:阿寒国際ツルセンター【グルス】

釧路市丹頂鶴自然公園でタンチョウのダンスに見入る

木造の釧路市丹頂鶴自然公園の入口
<釧路市丹頂鶴自然公園の入口>

次に向かったのは、グルスから車で15分ほどのところにある鶴丘の「釧路市丹頂鶴自然公園」。たんちょう釧路空港の近くにあり、旅行初日や最終日に訪れる場所としてもおすすめです。

ログハウス風の管理棟では、タンチョウの体の仕組みや成長過程がわかる展示があります。外に出ると、観覧通路に沿って放飼場がずらりと並んでおり、現在は約15羽のタンチョウたちを自然に近い状態で見ることができます。写真撮影がしやすいように、各放飼場のフェンスに可動式の小窓が付いているのも粋な配慮です。

タンチョウヅルのつがいが羽を広げている様子
<オスのドウサン(左)とメスのエムコのダンス>

こちらには複数のタンチョウのつがいが暮らしています。オスのドウサンとメスのエムコのペアが過ごす様子を見ていたら、突然ダイナミックなダンスを披露してくれて感激。この日は5月末だったので、「こんな時期にも求愛ダンスをすることがあるの?」とビックリしましたよ。

タンチョウのつがいがダンスしている
<踊りながら絆を深めるドウサンとエムコのペア>

飼育員の方にお聞きしたところ、この二羽は長く一緒にいるつがいで、タンチョウのペアは絆を深めるために冬以外にもダンスをすることがあるそうです。一度つがいになると一生を添い遂げるともいわれるタンチョウの、絆の強さを実感。大きな翼を広げてジャンプしながら踊る姿に、神々しさを感じました。

釧路市丹頂鶴自然公園

  • 所在地:北海道釧路市鶴丘112
  • 電話番号:0154-56-2219
  • 休園日:12月31日~1月3日
  • 開園時間:4月10日~10月14日 9:00~18:00、10月15日~4月9日 9:00~16:00
  • 入園料:大人(高校生以上)480円、小人(小・中学生)110円
  • 公式サイト:釧路市丹頂鶴自然公園

和商市場で釧路の海の美味しさを満喫

釧路の和商市場の海鮮がならぶ売り場
<和商市場の鮮魚店にずらりと並ぶ新鮮なネタ>

日本最大の湿原が広がる釧路市は、同時に全国トップクラスの漁獲量を誇る漁業の街。釧路に来たからには絶対に味わっておきたいのが、魚介を好きなだけ乗せて楽しむ「勝手丼」です。

釧路駅のすぐそばにある和商市場では、まずご飯を買い、鮮魚店で好きなネタを注文してオリジナルの海鮮丼作りを楽しめます。新鮮な魚介類をリーズナブルにたっぷり味わえるのが嬉しい!

和商市場の花咲ガニや大トロなどがはいった海鮮丼
<サクラマス、花咲ガニ、いくら、大トロ等が入った勝手丼。右はカニの味噌汁>

筆者は朝と昼の2回和商市場を訪れて、釧路産のサクラマスや紅鮭、にしん、いくら、ひらめ、北海道産の花咲ガニなどをどっさり乗せた勝手丼をいただきました。ご飯は茶碗1.5杯分で250円(サイズによって変わる)、魚介はこんなに乗せても1,600円ほどでした。とびきり美味しくて見た目も豪華な丼になり、大満足です。

カニのお味噌汁もお供に付けてみました。1杯220円と格安で、これまた嬉しい!

ラメの昆布締め、紅鮭、ニシン、中トロなどが入った勝手丼
<ヒラメの昆布締め、紅鮭、ニシン、中トロなどが入った勝手丼。昼に再訪>

注意すべき点は、和商市場の営業時間は8:00~17:00、日曜日は定休日ということです。週末を利用して釧路を訪れる旅行者は、土曜日のうちに和商市場へ足を運ぶことをおすすめします。

和商市場(わしょういちば)

  • 所在地:北海道釧路市黒金町13丁目25
  • 電話番号:0154-22-3226
  • 定休日:日曜
  • 営業時間:8:00~17:00
  • 公式サイト:和商市場

まとめ

日本最大の湿原と野生動物、美味しい海鮮など、多彩な魅力に満ちた釧路市。沖合を流れる寒流と霧のおかげで夏でも涼しく、避暑地としても最適です。以下の点をお心に留めながら、豊かな自然の恵みを楽しんでくださいね。

  • 大自然が見どころの釧路市の移動には、レンタカーの利用が最適です
  • 細岡展望台からは、広大な釧路湿原と阿寒の山並みを、湿原の東側から一望できます
  • 温根内木道は、温根内ビジターセンターを起点とする3kmの散策コース。湿原の中を歩ける唯一の木道です
  • 温根内ビジターセンターには、釧路湿原の成り立ちや、見られる動植物について解説する展示物があります。コインロッカーやトイレも利用できます
  • ビジターセンターの書き込み式の地図のボード「自然伝言板」は、木道の散策に出かける前に必見です
  • 温根内木道からは湿原の風景とともに、野生動物や四季折々の湿原の花も見られます
  • 阿寒国際ツルセンター【グルス】の館内には、タンチョウたちの体の仕組みや暮らし方を解説する展示があります。野外飼育場では、自然に近い状態でタンチョウが活動する様子を見られます
  • グルスの野外飼育場の一角には、2026年5月3日に生まれたタンチョウのヒナと、代理親のペアが暮らしています
  • 釧路市丹頂鶴自然公園では、約15羽のタンチョウたちを自然に近い状態で見られます。管理棟には、タンチョウの体の仕組みや成長過程がわかる展示があります
  • 和商市場では、まずご飯を買い求めてから、鮮魚店に並ぶ魚介を好きなだけ乗せる「勝手丼」が食べられます
  • 和商市場は日曜日が定休日となっています

それでは、壮大な自然に心を奪われる素敵な旅を!

※記事の情報は2026年6月現在のものです。最新情報は各施設の公式サイトをご確認ください。

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ASA24

ライター/英和・和英翻訳者。出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今はとにかく国内各地を旅したいです!
※ライター名を「朝茶」→「ASA24」に変更しました。

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