佐倉の観光ガイド~印旛沼やチューリップから美術館まで~

佐倉の観光ガイド~印旛沼やチューリップから美術館まで~

旅好きの人でも意外に見落としがちなのが、近場にあるスポットの隠れた魅力! 千葉県の佐倉は、まさにそんな穴場のひとつです。江戸時代の佐倉藩の面影を残す、関東エリアで最大級の城下町である上に、豊かな自然が残っており、グルメも豊富。さらにSNSにアップしたくなるようなフォトジェニックな場所も多く、見どころは驚くほど多彩です。

この記事では、そんな佐倉の魅力的な観光スポットやグルメについてたっぷり紹介します。

目次

<1. 観光で行く佐倉の魅力とは>

<2. 佐倉にきたら外せない花畑スポット>

<3. 城下町の面影を感じられる「佐倉武家屋敷」>

<4. 佐倉でおすすめのフォトジェニックスポット>

<5. 刀剣ブームで注目の美術館も>

<6. 佐倉のグルメスポット>

1. 観光で行く佐倉の魅力とは

千葉県の北部に位置する佐倉市は、東京から約40km、千葉市と成田空港からもそれぞれ約15kmと、抜群のアクセスの良さを誇ります。首都圏からの気軽な観光旅行先として人気ですが、近年は自然も多く暮らしやすい街として、都会からの移住者も急増するエリアになってきました。

佐倉を強く印象付けるのは、江戸時代からおかれた佐倉藩の城下町としての面影です。

市内には、江戸時代に築城され千葉県内で唯一、日本の百名城に指定されている佐倉城の城跡や、武家屋敷群が今も残り、当時の佐倉の隆盛を偲ばせます。現在、佐倉の城下町としての街並みは日本遺産に登録されているほか、国際観光モデル地区にも指定されています。

また、日本の歴史と文化を総合的に研究する全国的な拠点となる、国立歴史民俗博物館が置かれているのも佐倉市です。かつて蘭学や西洋医学の先進地でもあった佐倉は、日本有数の優れた文化都市のひとつと言えるでしょう。

そんなインテリジェンスな雰囲気がありつつ、一方で佐倉には豊かな自然が残されています。佐倉市の北部には、千葉県内最大の湖沼で、県立自然公園にも指定されている印旛沼(いんばぬま)があり、その周辺には、昔ながらの里山が今も広がる風景が残されています。また、気候が温暖な佐倉の各所では花畑を楽しむこともでき、佐倉市民はもとより、各地からの観光客の心を和ませています。

歴史・文化・自然が融合して作り上げる佐倉の魅力は、国内外からの観光客を惹きつけてやみません。

それでは、ここで東京方面から佐倉市への主なアクセスをご紹介しておきましょう。

電車

  • 京成本線 京成上野駅から京成佐倉駅 約60分
  • JR総武本線 東京駅から佐倉駅 約60分

自動車

  • 東関東自動車道 東京・箱崎ジャンクションから佐倉駅 約60分

2. 佐倉にきたら外せない花畑スポット

気候が温暖で、降水量も多い佐倉では、一面に花が咲く花畑スポットも観光のメインとして外せません。各スポットでは季節ごとに咲く花が変わりますので、年間を通してさまざまな花を楽しむことができるでしょう。ここでは佐倉の花畑スポットと、おすすめのシーズンを紹介します。

2.1 佐倉ふるさと広場

佐倉ふるさと広場

印旛沼の雄大な自然のもと、佐倉市民の憩いの場として開かれたのが佐倉ふるさと広場。この広場では、季節ごとにダイナミックに咲く花が満喫できます。春はチューリップ、夏はひまわり畑、そして秋のコスモスと、一面の花畑はいつ来ても見ごたえ抜群で、市民はもとより、多くの観光客も惹きつけています。

毎年3月下旬から4月中旬にかけて「チューリップフェスタ」が開催され、チューリップの掘り取り販売や飲食店の出店などが行われます。

また、そんな花々を引き立てるのが、庭園にそびえ立つ本格的なオランダ風の風車でしょう。江戸時代の佐倉藩では、蘭学の研究が盛んだったという経緯があり、今でも佐倉市とオランダは親しく交流をしています。

そんな佐倉の国際親善のシンボルでもあるこの風車は、オランダ人技師によって設計された本格的なもので、日本では数台しかない、本当に風力で回る風車のひとつです。この風車をバックにした花畑の様子は、まるで外国の風景写真のよう。

ここから印旛沼を回るレンタサイクルの貸し出しもありますので、美しい花を眺めながら、のんびりサイクリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

2.2 佐倉ラベンダーランド

ラベンダーといえば通常は涼しい気候のところで育つと思われるハーブですが、ここでは千葉の気候でもラベンダーが育つように土壌が改良されており、現在は7000㎡もの広大な農園で3種類のラベンダーが計5,500株栽培されています。

花の見ごろは5月下旬~7月下旬まで。その中でも、特に最盛期となる毎年6月上旬~7月上旬までは「ラベンダーまつり」が開催されていて、園内は市民や観光客で活気づきます。鮮やかな一面の紫色、そしてどこまでもさわやかに香るラベンダーの香り、その幻想的な風景に癒されることでしょう。

売店となるテラスでは、ラベンダーを使ったソフトクリームやサイダーなど珍しいデザートを楽しめるほか、ラベンダーのアロマオイルを抽出する様子なども見学することができます。

3. 城下町の面影を感じられる「佐倉武家屋敷」

千葉県下最大の城下町、佐倉の武家屋敷は、関東地方で最も多く現存する武家屋敷群で、佐倉を代表する観光名所の1つです。武家屋敷群は、その周辺の生垣と土塁に囲まれた通りも含めて江戸時代の雰囲気を色濃く残しています。タイムスリップ感を楽しめる場所として、稀少な体験となるのではないでしょうか。

公開されている主な武家屋敷には、「旧河原家住宅」「旧但馬家住宅」「旧武居家住宅」の3棟があります。この3棟、実はそれぞれ財力や格式が異なる武家なので、よく見ると違いがわかります。比較しながら、江戸時代の藩士の暮らしぶりに想いをはせてみましょう。

なお、特別公開時を除き、通常は建物の外からの公開及び見学になります。

3.1 旧河原家住宅

建築年代は不明ですが、1800年代中ごろにはすでに完成していたとみられ、その建築様式から見て佐倉の武家屋敷群の中では最も古いものではないかといわれています。また、約300石(こく)の藩士の住宅で、武家屋敷群の中でもかなり大きな規模のものであり、屋敷の造りや調度品などに、格式の高さと武士の美意識を感じることができるでしょう。

3.2 旧但馬家住宅

1800年代に作られたとされる、約100石の藩士の住宅です。修復時に、旧所在地と同じ場所に復元されたため、建造物だけではなく、屋敷の裏手に菜園があるというような敷地の形状や、植栽の様子までが当時をしのばせる貴重なものとして現存しています。

休憩処としても利用できますので、散策に疲れたらぜひ立ち寄ってみてください。

3.3 旧武居家住宅

江戸時代後半に建てられたと思われる、約90石の藩士の住宅です。生活空間と接客のスペースを2列に分けた、比較的小規模な武家屋敷の作りがよくわかります。また、移築にともなって発見された武家屋敷の出土品が展示されていますので、武家屋敷や藩士の実態について、より詳しく学ぶことができるでしょう。

  • 住所:佐倉市宮小路町57
  • 開館時間:9:00~17:00
  • 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始(12月28日~1月4日)
  • HP:佐倉武家屋敷

4. 佐倉でおすすめのフォトジェニックスポット

佐倉には、思わずSNSにアップしたくなるような「映える」スポットがたくさんあります。ここでは、雰囲気の異なる3つのスポットを紹介します。ぜひお気に入りの場所で素敵な1枚を撮ってくださいね。

4.1 国立歴史民俗博物館

国立歴史民俗博物館
<出典元:写真AC

国立歴史民俗博物館は、「歴博」の愛称でも親しまれる日本最大級の博物館。古代から現代までの歴史学、考古学、民俗学の資料がおよそ1万点も展示されており、1日中過ごしても飽きることのない、佐倉屈指の観光名所です。

さて、「博物館がフォトジェニック?」と、ちょっと不思議に思われるかもしれませんが、実はここ、博物館としては珍しく、館内の写真撮影が可能なのです(一部エリアを除きます)。

巨大なゾウ(復元模型)、妖怪の展示、縄文時代に暮らす人々、再現された昭和の街並みなどを背景すると、ちょっと驚かれるような面白い写真が撮れますよ。きっとお気に入りの展示が見つかることでしょう。

歴史好きの人には言うまでもなく、歴史に詳しくない人でも楽しめる工夫が満載の国立歴史民俗博物館。眺めていくだけで、いつの間にか日本の歴史と文化について詳しくなってしまうかもしれません。国立歴史民俗博物館は佐倉城址のすぐ近くなので、散策も兼ねて訪ねてみてください。

  • 住所:佐倉市城内町117
  • 開館時間:3月~9月 9:30~17:00/10月~2月 9:30~16:30
  • 休館日: 毎週月曜日、年末年始(12月27日~1月4日)
  • HP:国立歴史民俗博物館

4.2 ひよどり坂

ひよどり坂
<出典元:写真AC

武家屋敷群のほど近くにある全長およそ160mの「ひよどり坂」。ここは竹林の名所で江戸時代の雰囲気が漂う穴場の写真スポットとして、近年、国内はもちろん、海外からの観光客にも人気急上昇中です。

かつて侍がこの坂を通ったことから「サムライの古径(こみち)」とも呼ばれていますが、空を衝くように高く伸びる竹に囲まれた小径を歩けば、まさに時代劇のワンシーンに紛れ込んだよう。それもそのはず、ここの見事な竹林と竹垣に囲まれた景観は江戸時代からほとんど変わっていないのです。

竹林は、春から夏は緑がまぶしくさわやか、秋から冬ならしんとした静謐な空間となり、季節ごとに変わる顔を見せてくれます。ここが首都圏ということを思わず忘れてしまうような清々しさを感じられる、今見逃せないスポットです。

4.3 印旛沼サンセットヒルズ

印旛沼サンセットヒルズ
<出典元:写真AC

印旛沼を見下ろす絶景に恵まれており、さらに運がいいと富士山や東京スカイツリーまで見えることもある印旛沼サンセットヒルズは、ファミリーや仲間で楽しめるオートキャンプ場です。

また、「サンセット」の名前の通り、印旛沼の方向へゆっくりと沈んでいく夕日が眺められる絶好の観光スポットでもあります。水面に夕日が映る光景はとてもロマンチックでぜひ写真に収めたい光景です。そして夜になると今度は周囲の灯りが水面に映り、静かなひとときが訪れます。

材料や道具などをすべて現地で手配してくれる「手ぶらでバーベキュー」のプランもあるので、思い立ったらすぐに行けるのも嬉しいところ。さらに、なんとここは入場するだけなら駐車場も含めて無料なので、キャンプの下見や、今日はちょっと景色だけ見たい、なんていうことも気軽にできます。ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

5. 刀剣ブームで注目の美術館も

佐倉へ観光に来たら、ぜひ楽しんで頂きたいのがアート。ここでは、近年の刀剣ブームで一躍脚光を浴びているちょっと珍しい刀剣専門美術館と、佐倉の自然と融合した雄大な庭園美術館をご紹介します。

5.1 塚本美術館

塚本美術館は、日本刀専門美術館としては国内トップクラスの収蔵数を誇るユニークな美術館です。佐倉出身の実業家である故・塚本素山氏のコレクションを中心に設立され、所蔵されている刀身400点、鞘250点から約20点ずつ展示され、3か月ごとに入れ替えられます。

もともと刀剣は、一部のファンや外国人から愛好されていましたが、近年は人気アニメやゲームのテーマとして刀剣が扱われたことから、急速に一般の刀剣ファンが増加。その影響で、塚本美術館は小規模ながら遠方からの観光客も訪れるようになりました。

そしてこの美術館は、実は入場料が無料。これまで刀剣にはあまり関心がなかったという人も、気軽に立ち寄れるところが嬉しいですね。佐倉市立美術館に隣接していますので、併せて楽しんでみてはいかがでしょうか。

  • 住所:佐倉市裏新町1-4
  • 開館時間:10:00~16:00
  • 休館日: 土曜日(※第3土曜日を除く)、日曜日、月曜日、祝日、年末年始
  • HP:塚本美術館

5.2 DIC川村記念美術館

DIC川村記念美術館
<出典元:写真AC

佐倉市郊外、北総台地の広大な敷地に3万坪もの庭園を有する川村記念美術館は、DIC株式会社が収蔵してきた作品を展示している私立美術館です。20世紀の美術を中心とした粒ぞろいの作品が、戦後モダニズムの代表的建築家である海老原一郎の設計による美術館に収められています。

ツインタワーが特徴的な美術館の内部は、美術鑑賞をしやすくするための工夫が各所に凝らされ、快適にアートを楽しむことができます。また、庭園の敷地内には散策路や池なども整備されており、野鳥がのんびり飛び交うほど緑が豊かです。ここでは、散策も1つの観光となるでしょう。

DIC川村記念美術館は、これらの「作品」「建築」「自然」の3つの要素を調和させた美術館として、他に類を見ない規模と内容を誇ります。四季が織りなす庭園の美しい景色ととともに、ゆっくりアートを楽しむ一日を過ごしてみてください。

  • 住所:佐倉市坂戸631
  • 開館時間:9:30~17:00
  • 休館日: 月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日に休館)、年末年始
  • HP:DIC川村記念美術館

6. 佐倉のグルメスポット

見どころが多い佐倉では、美味しいグルメスポットにも事欠きません。観光のあとには、ぜひ佐倉グルメも味わって帰りたいですね。佐倉で人気の、絶対外さない3店舗を紹介します。

6.1 中国料理マンダリンキャップ

佐倉で中華料理と言えば、真っ先に名前が挙がる人気店です。ユーカリが丘駅直結で、観光客にとってはアクセスも抜群。ここではカニやエビ、あわびなどの高級食材も比較的リーズナブルに味わうことができるほか、海鮮そば、五目焼きそば、タンタンメンなど、各種麺料理も大好評。締めには杏仁豆腐やココナツミルクなどのデザートも忘れずに。ホテル内のレストランなので、落ち着いたムードの中でゆっくり食事をすることができます。

店内は少人数向けのテーブルからグループ向けの個室まで用意されており、さまざまなシーンに対応することができます。味、コスパ、雰囲気、どれをとっても満足すること間違いないでしょう。

  • 住所:佐倉市ユーカリが丘4-8-1
  • 営業時間:ランチ 11:30~14:30(L.O.14:00)/ディナー 17:30~21:30(L.O.20:30)
  • 定休日:第2・第4水曜日
  • HP:中国料理マンダリンキャップ

6.2 レストランさくら

前項でご紹介した、国立歴史民俗博物館に併設されている「レストランさくら」。広大な歴史民俗博物館は見学するのに時間がかかる上に、博物館の周辺にはお店が少ないため、このレストランさくらは大変便利です。

おすすめは博物館らしい「古代米」を使用したカレーライス。その他、定食、かつ丼、ピラフ、ホットドックなど、しっかりしたご飯から軽食まで取り揃えられています。

また、あんみつやコーヒーなどの喫茶メニューもありますので、博物館見学に疲れたら、ちょっと休憩するのにも使いやすいですね。博物館の開館時間に合わせ、夕方までのご利用になる点にご注意ください。

  • 住所:佐倉市城内町117
  • 営業時間:3月~9月 10:00~16:30(L.O.16:00)/10月~2月 10:00~16:00(L.O.15:30)
  • 定休日:毎週月曜日、年末年始(12月27日~1月4日)
  • HP:レストランさくら

6.3 房州屋

佐倉で観光を楽しんだあと、地元の老舗で食事をしたいな。そんなときにぴったりのお店が、そば処房州屋本店です。創業から100年を超える老舗の房州屋の店構えは、風情ある日本家屋の一軒家。窓の格子と白壁が印象的です。また店内も外観と同様に、レトロ感漂うしっとりとした雰囲気で、黒く光る柱や梁が歴史を感じさせるたたずまい。

こちらで頂くお蕎麦の中で、一番人気は佐倉で採れる山芋を使ったとろろそば。また、佐倉七福神そばは、各種の天ぷらやかまぼこ、お餅など具沢山で大満足のボリューム感です。佐倉の歴史とともに歩んできたお蕎麦屋さんの味をぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

  • 住所:佐倉市新町233

東京からは電車やバス、車のどれを使っても1時間程度の通勤圏内にありながら、自然・歴史・観光・グルメと楽しみが盛りだくさんの佐倉。季節を問わず楽しむことができ、日帰り旅行でも十分に楽しめる穴場のエリアです。こちらの情報を参考に、今度のお休みにぜひ出かけてみてはいかかでしょうか。

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