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【アフリカ・タンザニア】新型コロナウイルスの状況(2020年4月6日現在)
今年に入ってからあっという間に世界中に広まってしまった新型コロナウイルス。日本では緊急事態宣言が出されることとなりましたね。
こちら東アフリカのタンザニアでは今どんな状況なのか、タンザニア在住の私Miyuki Metaが、4月6日現在のダルエスサラーム市の様子をお伝えしたいと思います。
目次
タンザニアの状況は?
タンザニアで最初にコロナ患者が確認されたのは、3月16日(月)です。デンマークやスウェーデンに渡航していたタンザニア人女性が、北部のアルーシャ州でコロナと確定されました。
タンザニアでは中国での状況を鑑みて、2月以降大学病院を中心として、コロナ感染が発生した場合の備えを始めていました。ダルエスサラーム市に検体を検査する機関をもうけ、政府管轄下の病院をコロナ患者の収容先として使っています。
<緑の多い観光都市アルーシャ>
4月6日現在で、24名の感染者、死亡者1名、完治者3名となっています。ほとんどがヨーロッパやアメリカなどに渡航歴がある人で、外国人よりタンザニア人の感染者が多くなっています。
今のところ、北のアルーシャ、北西部ムワンザ、ザンジバル島、ダルエスサラームの4都市で確認されています。学校はすべて閉校、仕事は通常通りです。
<現在入国制限措置のあるニエレレ国際空港>
人々の反応は?お金のこと、仕事のこと、そして色んな噂が、、、
政府はラジオやテレビ、新聞、携帯を通して、
- よく手洗いをすること
- 人との接触を最低限にすること
- 1mの距離を保つこと
- 人ごみに行かないこと
- もし症状があればすく保健所に連絡するように
と警告を発しています。大規模な集会なども行わないよう奨められました。
国外からの飛行機の便も少なくなっており、入国者は特定の施設で14日間の自費隔離措置が取られています。市民がよく使うバスも、定員が制限されました。いつもなら人がドアからはみ出すくらい乗せられるだけ乗せるバスが、座席の数だけの人しか乗れないというルールができました。
<いつも定員オーバーのバスも、立ち乗りが禁止に>
自ら自宅待機をする人もいますが、ほとんどは普段通り仕事に行っています。本当にはがゆいのですが、休んで自宅待機という選択肢を取れる人たちが少ないのが現状です。
その日暮らしをする人々の多いアフリカで仕事に行くなと言うのは、その日は何も食べず家族を養うなと言うのも同然になります。コロナも怖いけれど、お金がないのも命がかかってくる、それならば罹るか分からないコロナよりも生活するためのお金を稼ぎに行く...。そんなとても切ない選択をしているのです。
政府が補償できれば一番いいのですが、生活保障は存在しませんし、それを当てにすることができません。人々はそれを知っていて、権威に頼らず自分たちで日々精一杯の暮らしをしています。
<日銭稼ぎの人が多い>
また教育的な問題なのですが、先を計画してお金や物を貯めておく、という発想がもともとありません。万が一に備えて、ちょっとずつでも蓄えておくという考えがないのです。あったらあるだけ使ってしまうという習慣が根付いてしまっています。その反面、工夫してあるものでやっていく能力が高いのですが...これはうらやましい能力です。
タンザニアではインターネットを使える人が限られていますので、手に入れられる情報も限られています。ラジオや新聞、そして人づてに聞くことが主となります。田舎に行けば行くほど最新の情報を手に入れるのは難しくなりますし、根も葉もない噂が先行してしまうことも多くあります。
噂を信じてしまう、というのは心配な点です。コロナにかかると子どもが出来なくなる、コロナはアメリカが中国に送ったものだ、マスクなんてなくても感染しない...などなど、色んな噂が出ています。皆がよく確かめて、こうしたすべての言葉を信じないで、自分の歩みを理性的に考慮してくれることを願ってやみません。
これから
4月2週目はキリスト教の復活祭で、一般的に大きな行事が計画される時期です。コロナを受けて自粛する人々も多いと思いますが、この休暇の後にどうなるか、気を付けて見ていきたいと思います。
いつ収束するか分からないという先が見えない状態ですから、日に日に不安がつのってストレスが増えてしまいますよね。そんな中ですが、筆者もここタンザニアで穏やかな心を保って、皆で協力し合って頑張りたいと思います!日本の皆さんの状況も、早く良くなることを願っています。
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