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ブラジル「新型コロナウイルス」対策の現状|家での過ごし方リポート(2020年4月4日現在)
私が住むサンパウロを取り上げて新型コロナウイルス対策の現状を説明いたします。サンパウロは、ブラジル初の感染者が出た都市であり、感染者数も死者数も国内最多です(ブラジル国内感染者数10,361人、死者445人。その内サンパウロ感染者数4,466人、死者260人/4月4日現在)。このような現状を踏まえ、サンパウロ市は3月21日から、サンパウロ州は、25日から2週間、外出禁止令が施行されています。
これにより生活に欠かせない業務以外は、全て閉鎖。この業務に携わらない人以外は在宅し、不要不急の外出を自粛するよう要請しています。生活に欠かせない業務とは、スーパー、薬局、銀行、ガソリンスタンド、ペットショップ、病院などで、レストラン、パン屋などはデリバリーのみ対応しています。
と言うわけで、私もこの約2週間、不要な外出はせず、在宅ワークをしています。
#FICA EM CASA(ステイホーム)。これが今、ブラジル人の合言葉です。問題は、いかに快適に家で過ごすか、これが大きな課題です。メディアでも家での快適な過ごし方がいろいろ紹介されていますが、ブラジルでの家での過ごし方実践例をここでご紹介します。
目次
在宅ワークの実践例
まずは在宅ワークをするにあたり、私が心がけていることをご紹介します。参考になるかどうか分かりませんが、この方法で、とりあえず2週間、ストレスにもならず無事過ごせました。
とにかく以前の生活リズムを維持します。起床、就寝、食事の時間は同じで、唯一変更(導入)したのは、出勤にかかっていた時間(30分)を体操に当てたことです。YouTubeを見ながら、ラジオ体操とストレッチ運動などを仕事の始業前と終業前にしています。仕事はダラダラしないこと、勤務時間以外には絶対しないこと、これを心掛けています。
今までは、私にとって、通勤時間が私の運動時間だったので、外出しないことにより、運動量ゼロになってしまいました。そこで、運動不足を解消するために始めたのが体操です。しかも四六時中、コンピューターの前で同じ姿勢を取っているし、椅子も職場のように快適なものではないので、肩や腰を直撃します。ストレッチ運動をするようになり、体がほぐれ、実は以前よりも体調良好だったりします。
自宅に居ながらにして、友達と交流する方法
ブラジル人は、外食、飲み会、パーティー、夜遊びが大好き。そういうものも自粛しなければならなくなりましたが、困った時こそ、それを突破するアイデアが生まれるもの。というわけで、自宅に居ながらにして、友達と遊ぶ方法とは?
バーチャル・ハッピーアワー。これは仲間同士が、お酒とおつまみを各自用意して、ハングアウトのようなオンラインミーティングアプリを通して飲み会をします。一度に数人とビデオカメラで繋がれるのがいいですよね。これに便乗して、カクテルをデリバリーするバーなども出てきたとか。
また、こういったアプリを利用して、バーチャル誕生日会なども流行っているそうです。また、お誕生日会と言えば、子供の誕生日を隣近所の人たちがベランダから祝ってあげるというのも、話題になっています。これもいくつか動画があげられていますが、決められた時間に一斉に隣近所が、お誕生日の歌を歌います。ただそれだけのことなのですが、窓越しで聞く、「○○ちゃん、お誕生日おめでとう!」というたくさんの祝福は、その子供にとって一生忘れられない誕生日になるのではないかと思います。
音楽フェス
音楽祭も活発に行われています。Facebook やInstagramなどのソーシャルメディアから見ることができます。その中でも大規模なのが、Festival Eu fico em casa やFestival online#tamojuntosなどで、参加アーティストらが各自、家から30分間のライブを配信します。前者のフェスティバルは数日連続で行われ、約60人ものミュージシャンが参加。後者のほうは、新聞社グローボが企画しているせいか、有名アーティストが参加しており、クオリティーも高いです。
リオの消防署
次の例は、外出を自粛している市民たちに少しでも喜んでもらおうと、リオの消防署が取り組んだもの。はしご車で50mもの高さのところまで上がって、リオ市内各地でトランペットを吹いています。バーハ・ダ・チジューカでのトム・ジョビンの曲を演奏している動画は、美しいリオの景色も相まって、胸にグッときました。拍手喝采が町中に鳴り響いていました。
鍋たたき
ブラジル人の抗議活動「鍋たたき」は、今回生まれたものではなく、ジルマ大統領の頃から馴染みのあるものですが、連日のように行われているのはここしばらくなかったので、久しぶりです。
新型コロナウイルス対策に全く消極的なブラジルのボルソナロ大統領の態度に、怒りを感じている国民が急増しています。外出禁止令がブラジル全国で施行される前から、大統領への不満を爆発させ、3月半ばから繰り返し、市民はベランダや窓から鍋を叩いて抗議しています。時間はだいたい夜8時半ごろ、一斉に鍋をたたいて「失せろ、ボルソナロ!」と叫び声があちこちから聞こえてきます。
まとめ
以上、ブラジルでの外出禁止令下での人々の過ごし方をリポートしました。4月4日現在では、州政府はまだ外出禁止令の延長に関する発表はしていませんが、外出が制限され、家でいる時間が長期化すればするほど、人々の不安は募り、ストレスも増えていきます。それでもみんな、少しでも快適に過ごせられるように、工夫して、この危機を一緒に乗り越えられるよう頑張っています。
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オシャラ
- ブラジル在住19年。今はサンパウロに住んでいます。現地ならではの旅情報を発信していけたらと思います。