公開日:
最終更新日:
【イタリア】イワシモチーフで飾られた教会!?アマルフィ海岸・チェターラ「サン・ピエトロ教会」
アマルフィ海岸に位置する小さな町「チェターラ」。古くから漁師町として栄え、アンチョビの材料であるカタクチイワシやマグロで知られる海の町です。日本のテレビ番組 でも取り上げられ、カタクチイワシで作られる名産の「コラトゥーラ(魚醤)」も日本で知られるようになりました。
そんな海の町チェターラの教会は、外観から内部まで魚のモチーフがいっぱい! この町ならではの面白い教会をご紹介します。
目次
- チェターラ(Cetara)の町について
- チェターラにあるサン・ピエトロ教会(Chiesa di San Pietro Apostolo)
- 6月29日は聖人のためのお祭りが開催
- チェターラを訪ねるのにオススメの時期は6-8月!
- チェターラへのアクセス
チェターラ(Cetara)の町について
<撮影:La luce del Sud>
アマルフィは知っていても、チェターラという名前はまだ聞いたことがない方も多いかもしれません。チェターラは、南イタリアのアマルフィ海岸に位置する美しい漁師町です。
人口約2,100人 のこぢんまりとした町ですが、名産のコラトゥーラ(魚醤)や美しい海、そして今回ご紹介する教会など、小さな町に見所がぎゅっと凝縮されています。レストランや教会、ビーチなどは全て徒歩圏内にあるので、初めての人にも分かりやすく旅行者にも嬉しいつくり。
南イタリアの明るいイメージそのままの、カラフルな町並みやのんびりとした町の人々を眺めながら、散策を楽しめます。教会を見た後は、コラトゥーラを使ったパスタなど、美味しい魚介料理も味わうことができますよ。
※註:名産品・コラトゥーラの詳細はこちら!
チェターラにあるサン・ピエトロ教会(Chiesa di San Pietro Apostolo)
<撮影:La luce del Sud>
こちらは、チェターラの守護聖人「聖ピエトロ(San Pietro)」のための教会です。聖ピエトロはキリスト十二使徒の一人で、漁をしているときにキリストに声をかけられ弟子になった、という話が残されています。
彼自身が漁師だったため、漁師の守護聖人でもあります。この教会が初めて文献に登場するのは、988年までさかのぼります。その後何度も修復され、現在の外観はネオクラシック様式と後期バロック様式の装飾 になっています。
扉や説教台にカタクチイワシのモチーフが!
<撮影:La luce del Sud>
教会に入る前に、注目してほしいのが銅で作られた入り口の扉です。扉一面に小魚が泳ぎ、2人の使徒が縄で魚を捕らえている様子が描かれています。この扉は比較的新しい物ですが、全体に無数の魚が装飾された、漁師町・チェターラらしい扉になっています。
また内部にある説教台も扉と同じように、魚のモチーフで飾られています。知らないとスルーしてしまいがちですが、ちょっと立ち止まって見てみてくださいね。
"コラトゥーラ(魚醤)"づくりの模型
<撮影:La luce del Sud>
教会の中には聖人像や絵画などと一緒に、プレゼピオも飾られています。プレゼピオとは、イエス・キリストの誕生シーンを表現した模型のことです。基本的にはクリスマスの時期に飾られるものですが、教会などでは季節を問わず、常設してあるところもあります。
この教会でも、チェターラをイメージした町並みの中心に、キリスト誕生のシーンを表す人形が置かれています。その周りにはハトやネズミが駆け回っていたり、陽気に歌う民衆がいたりと、町の日常が細かく表現されています。
そんなプレゼピオを良く見てみると、端の方でコラトゥーラを作っているおじさんがいます。イタリアには様々なプレゼピオがありますが、コラトゥーラづくりをしているシーンが盛り込まれているのは、チェターラだけかもしれません。
プレゼピオは作り手や町によって、大きさやデザインが異なりそれぞれに工夫が凝らしてあるので、見比べるのも楽しいですよ。
サン・ピエトロ教会に入る際の注意
都市部や観光地の教会では、入場料が必要な場合や入口にスタッフがいることもありますが、チェターラの教会は地元の小さな教会。誰でも無料で入ることができますし、写真撮影も問題ありません。
ただし、神聖な場所であることには変わりないので、短パンやミニスカート、ノースリーブでの入場は避けましょう。夏に薄着でチェターラを訪ねた場合は、ショールなどの布を羽織るだけでもOKです。
サン・ピエトロ教会基本情報
- 住所:Via S. Giacomo, 84010 Cetara SA
- 公式サイト:教会の公式サイトはありませんが、チェターラ観光案内サイトの中で紹介されています。
- https://www.cetaraturistica.it/da-visitare/chiese/s-pietro-apostolo
6月29日は聖人のためのお祭りが開催
毎年6月29日には、チェターラの守護聖人である聖ピエトロのお祭りが開催されます。町にはイルミネーションが灯され、聖人を乗せたおみこしが町中を練り歩きます。夜には花火が盛大に打ち上げられ、町中が賑わいます。
この日は昼過ぎごろから混みはじめ、夜には花火を見る人々で歩くのも大変なほど混雑します。アマルフィ・サレルノ方面のバスやフェリーもかなり混みますので、この日にアマルフィ海岸を移動する場合は気をつけてくださいね。
【引用:Youtubeより】
チェターラを訪ねるのにオススメの時期は6-8月!
<撮影:La luce del Sud>
町が一番賑わうのは、なんといっても6-8月のバカンスシーズン。地元のイタリア人はもちろん、観光客も多く訪れビーチも満員になります。キラキラ輝く海を眺めながらジェラートを食べたり、テラス席のレストランでシーフードを満喫したり、楽しみ方は尽きません。
そのためバスは満員になることもしばしば。特に混み合うシーズン中は、時間に余裕を持ったスケジュールをおすすめします。
逆に9月-11月頃の秋から初冬にかけては、比較的気候もよく人も少なめ。ビーチで過ごすよりも、散策したり食事を楽しんだりしたいという人には、この時期の方がゆったりと過ごせます。南イタリアの気候やイベントについてより深く知るには、関連記事も参考にしてみてください。
【関連記事】
チェターラへのアクセス
チェターラには、陸海両方からアクセスできます。
1つ目はトラベルマール社(travelmar)が運営する、トラゲットと呼ばれるフェリー。数年前に、アマルフィ方面行の経由港としてチェターラも追加され、アクセスしやすくなりました。
海の景色を眺めながら移動できるのでおすすめですが、春~秋下旬(※)の間しか運行していません。冬は運行していないので注意してください。※運行開始日は年によって異なります。
2つ目はシータ社(SITA)が運営するバスでの移動。アマルフィ・サレルノ間を走っており、チェターラを経由します。そのため、夏はアマルフィ行きの観光客で混みあいます。特に土日祝などは満員で乗れない時もあるので、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
お魚の町チェターラを満喫しよう!
チェターラといえばコラトゥーラが有名になっていますが、個性的な町の教会も見逃せません。アマルフィに行く際は、チェターラの魚介料理と教会散策もプラスしてみてくださいね!
Rankingイタリア記事ランキング
-
La luce del Sud
- 人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。