ローマへ留学したのにレストラン通になりきれなかったのは、マンマの家庭料理が美味しすぎたから!

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ローマで自信を持って紹介できるレストランは、意外と少ない!?

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<ローマで珍しく外食した時の一枚 撮影:ゆうさん>

私は1年間ローマに留学していました。留学中、多くの友人が私を訪ねて遊びに来てくれたのですが、「いつもどこのレストランで食べてるの?」と聞かれたとき、いつも困ってしまいました。

というのも、出会ったお店の中で、自信を持って「ココめっちゃいいよ!」と紹介できるお店がとても少なかったのです。以前別の記事でご紹介したDa Otello(ダ・オテッロ)は、私自身も何回も訪れた、自信をもって紹介できる数少ないお店でした。

関連記事:ローマ・トラステヴェレの名店Da Otelloの10の魅力を徹底解説

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<美味しそうなリガトーニ 撮影:ゆうさん>

いま振り返ってみれば、もっと色々なレストランを見ておくべきだった気もしますが、当時の私が「知らなくてもいいや」と思ったのには理由があります。

それは、家庭で食べられている料理が世界一だから!

イタリア人が「マンマの料理は世界一だ!」と褒めるのは定番

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<果物屋さんでお買い物をするおばあちゃん 撮影:ゆうさん>

イタリアにおいて、お母さん、つまりマンマの料理というものは、まさに心そのものです。多くの友人は口を揃えて、「マンマの料理は世界一だ」と恥ずかしがることなく言います。イタリア料理において、立ち返るべきはマンマの料理であり、レストランやトラットリアなどでも「ここはマンマの味と同じだ」というのが最高の誉め言葉になります。

私たち日本人が「おふくろの味」と母の料理を称賛するのにも似ていますが、その評価は日本よりもずっと高いように感じます。

ホームステイ先の"ノンナ"の料理が最高過ぎた!

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<最高に美味しいノンナ手作りのナスとトマトソースのパスタ 撮影:ゆうさん>

さて、そんなイタリア・ローマで私がホームステイをしていたのは、老夫婦のご家庭。そしてそこのおばあちゃん(イタリア語でノンナ)の料理があまりにも最高だったのです!

初めてお世話になった日のディナーから私が帰国する日のランチまで、いつも私に絶品のイタリア料理を振舞ってくれました。シチリア出身のおばあちゃんは、トマトソースを基本とした料理を得意とし、息子や孫たちも、わざわざ彼女の料理を食べるために顔を見せに来るほど。

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<パプリカの肉詰め料理 撮影:ゆうさん>

私は孫のうちの1人と大親友で、週に何回も遊びに出かけていたのですが、しばしば「ホームステイしているうちにおばあちゃんの○○(ピッツァ、ラザニアなど)は絶対に食べた方がいい!レストランでは食べられない味だから。」と話してくれました。

孫がおばあちゃんの料理を自慢するなんて、もしかしたら日本ではあまり考えられないことかもしれません。

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撮影:ゆうさん

そんなイタリア人から見ても最高の料理を作るおばあちゃんの家にいるうちに、気づいたら市街地へ料理を食べに行くことはほとんどなくなっていました。そして、毎日昼と夜を家でしっかりと食べる「イタリア人っぽい」生活を過ごすことになったのです(笑)。

マンマやノンナの料理の好きなトコロ

では、そんなおばあちゃんの料理がどれほど素晴らしかったのか、魅力を紹介してみようと思います。

素朴な味

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撮影:ゆうさん

私は日本にいたときから、濃い味や脂っこいものがあまり好きではなく、進んで外食することはあまりない人間でした。

ローマにおいても外食の料理は私には少し濃い味付けで、そうでないお店を探すのになかなか苦労したものです。皆さんの中にも、同じ理由で"おうちご飯"の方が好きな方もおられるのではないでしょうか。

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撮影:ゆうさん

だからこそノンナが作る塩分控えめ、さっぱり素朴な味のイタリア料理は、私の好みに抜群に合っていたのです。シンプルなトマトのパスタであっても、60年の料理歴から導き出された彼女の完璧なパスタの塩加減・茹で加減、そしてソースの味付けバランスは、レストランでは再現し難いものでした。

食へのこだわりが強い

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<ノンナのお手製ジェノヴェーゼソースのパスタ 撮影:ゆうさん>

よく、「どんな素材を使っているか分からない」という理由から、外食が好きではない人もいます。ですが、せっかく海外に来たのに、その土地の料理を食べないで帰るのももったいないし、難しいところです。

その点ノンナの料理は、なんと子ども5人・孫6人全員の面倒をみてきた実績があります。ちなみにホームステイ先のノンナは、今でも2,3人の孫にほぼ毎日のように料理を作ってあげているとのこと。

自分のためというよりも、子どもたちに食べさせる食事に対して、なによりも気を遣っているのが、彼女の食へのこだわりです。

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<オリーブオイルも数が多すぎて迷ってしまいますが、彼女はいつも正しい風味のものを見つけ出します。 撮影:ゆうさん 出典:BUONO!ITALIA(ボーノ!イタリア)>

それを代表するエピソードを1つ。彼女はどんなに金欠の時であっても、食べ物には決して妥協せず、高いもの・良い素材のものだけを購入します。

私がホームステイをしていたとき、4月時点で既に7月分の家賃まで払い終わってしまっている状況で、いわば自転車操業のような状態でしたが、その時もただ料理を作るだけではなくて、良い素材を使っていたのが印象に残っています。

ノンナの手作りで、特に美味しかった料理

ここからは、私が1年間ホームステイしていた中で、特に美味しくて何回も作ってもらったイタリア料理を紹介します。今でももう一度食べたくなるものばかりですよ!

人生で一番美味しかったラザニア

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<写真はイメージです 出典:Pixabay(CC0)>

ノンナのラザニアは生クリームを一切使わずに、ラグソース(ミートソース)とマカロニの味だけで仕上げたシンプルな味! そのため食感はしっかりしていますが、噛めば噛むほど口の中にソースが広がります。

私の両親がイタリアに遊びに来たときも、ノンナはラザニアを振舞ってくれました。食べれば食べるほど口の中でソースとパスタ生地がからみあって、それはもう絶品でした。

トマトソースをかけたジューシーすぎるポルペッテ

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<撮影:ゆうさん 出典:BUONO!ITALIA(ボーノ!イタリア)>

ポルペッテは、いわゆる肉団子のようなもので、南イタリアではトマトソースをかけて食べるのが普通。ちなみにこの写真のものは、ポルペットーネといって、もう少し大きくスライスしたハンバーグのような形状をしています。

ローズマリーやオレガノなどのハーブの味がよく効いていて、噛めば噛むほど肉汁が出てきます。トマトソースの甘酸っぱさが絶妙に肉の風味を引き立たせます。

ちなみに、写真だとかなりざっくりした盛り付けになっていますが、この辺りも家庭ならでは。美しい盛り付けでないほうが、むしろ温かみがあるというものです。

ノンナと私を繋ぐトルテッリーニ

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<撮影:ゆうさん 出典:BUONO!ITALIA(ボーノ!イタリア)>

私がステイ先に来た最初の夜と、私が帰国する前の夜など、彼女と私を繋ぐ意味でも重要な意味を持つのがトルテッリーニです。この料理を一言で表すのであれば、ミニ・ラビオリスープでしょうか。小さいパスタの中にはお肉がぎっしりと詰まっていて、それを、鶏肉のブロードでじっくりと煮込みます。

この料理を最初の夜に振舞ってくれたのは「遠い日本から長い時間をかけて来たのだから、きっと温かくて身体に優しいものがふさわしいだろう」という心遣いから。レストランではなかなか食べられない上、日本でも見つけるのがかなり難しい料理であるため、ローマに早く戻って再びノンナのトルテッリーニを食べたいなぁと楽しみにしています。

マンマの味、ローマの伝統料理が楽しめることで有名なお店

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<ドロッとしたカルボナーラが特徴的! 撮影:ゆうさん>

さて、ここまでさんざんホームステイ先での美味しい料理の話をしてきました。では、実際にローマで観光をするときに家庭的なローマ料理を食べるには、どうしたらいいのでしょうか。

ローマの伝統料理を食べたい方にオススメなのが、ローマ・テルミニ駅近くのモンティ地区にある「オステリア・ラ・バッカ・ウンブリアーカ(Hosteria La Vacca M'briaca)」というお店。こちらは家庭料理に特化した様々な味が楽しめる上に、とてもリーズナブルで美味しいんです!

ちなみにローマやローマのあるラツィオ州の料理は、カルボナーラを例として味がちょっぴり濃いので、注意してくださいね。

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<フレッシュトマトのブルスケッタ 撮影:ゆうさん>

オステリア・ラ・バッカ・ウンブリアーカ(Hosteria La Vacca M'briaca) 基本情報

  • 住所:Via Urbana, 29, 00184 Roma RM, イタリア
  • アクセス:ローマ・テルミニ駅から徒歩10分程度
  • 平均予算:20ユーロ(2,600円)程度

イタリアへ行ったときはぜひ、マンマの味を堪能して!

イタリア旅行で各地を歩き回り、色んなイタリア料理を食べてなお、やはり「家庭の味に勝るものはないなあ」と感じてしまうのがすごいところ。

皆さんも、ホームステイではない形でイタリアを旅行するときは、マンマの料理体験に参加したり伝統料理が食べられるレストランに行ったりして、マンマの味を体験してみませんか。

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ゆうさん

イタリア・ローマ大学に1年留学。イタリア各地の魅力を学生ならではの視点から紹介できたらと思っております。南米一人旅を敢行するほど旅が大好きです!

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