見学がもっと楽しくなる!「ローマのコロッセオ」にまつわる5つの豆知識

ローマ コロッセオの復元図

イタリア旅行でローマを訪ねたなら、絶対に外せないのが古代ローマ建築最高峰とされる世界遺産のコロッセオ。観光でも絶対外せないスポットの一つです。

ですが、コロッセオは一体どんな風に素晴らしいのか、詳しくご存知ですか?この記事では、知っておくとコロッセオの見学がグッと面白くなる、5つの豆知識について解説します。

※編集部註:写真は全てイメージです。クリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。
参考:クリエイティブコモンズライセンス公式サイト(外部サイトに遷移します)

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目次

はじめに. そもそもコロッセオとは何のための建物?

コロッセオ
Photo by Sam valadi「Colosseum - Rome - Italy」(CC BY 2.0)

コロッセオは西暦70年(72年という説もあります)に建築が始まり、西暦80年に完成した建物です。古代ローマ時代、皇帝ウェスパシアヌス(Vespasianus)の命によって造られたとされる円形闘技場でした。大きさは長径188mの楕円形で、その収容人数は驚きの8万人(文献により前後します)。

これは、現代の巨大スポーツスタジアムとほぼ同じ大きさです。ローマの街中にこの巨大な廃墟が堂々と建つ姿は圧倒的な迫力で、古代ローマの栄華と驚くべき建築技術の粋を今に伝えます。

1. コロッセオの構造と建設の意図について

コロッセオ
From Wikimedia Commons,Colosseum, Rome「Colosseum, Rome」Photo by Alex Proimos (CC BY 2.0)

コロッセオの構造は、地下、アリーナ、そして全4階の観客席になっています。まずはアリーナから。ここはまさに、見世物としての闘いが行われていた場所。現在この部分はほとんどが壊れていますが、一部半月型に再現されたアリーナを見ることができます。

当時のローマ市民にとって一番の娯楽はコロッセオでの刺激的な見世物、つまりそこで起こる「流血や死」でした。数々の映画の題材にも使われていますね。

ヴェスパシアヌス帝は、市民をこのような斬新な娯楽に没頭させ続けることで、反乱を抑える効果があると踏んだのです。プログラムは、午前中が猛獣と剣闘士との闘い、昼には罪人の処刑が行われ、午後はメインとなる剣闘士同士の闘いが組まれていました。

年間数千人もの剣闘士が、ここで命を落としました。

2. 地下の仕組みは、現代以上の演出効果?

Colosseum
<画像引用:Flickr

アリーナの地面が壊れてしまっているため分かりづらいかもしれませんが、コロッセオの中心部で剥き出しになっている部分が、本来の地下です。地下の詳しい構造は予約制の特別ガイドにて見学することができますが、実はこの地下の仕組みこそがコロッセオの醍醐味。ぜひ見て欲しい部分です。

かつて地下には猛獣たちの檻、剣闘士たちの待機場所がありました。そして、人々を楽しませるべく生み出された驚くべき仕掛けは、地下から猛獣や剣闘士をアリーナにせり上げる仕組みです。

ゾウやライオンなど巨大な猛獣の入った檻を地上に持ち上げる巻き上げ機、剣闘士を登場させる跳ね上げ式の出入り口など、なんと80機もの大掛かりな機械が仕組まれていました。地下からせり上げられ登場する猛獣や剣闘士の姿に、人々は興奮し熱狂したといいます。

現代のスポーツでは、選手たちは通路を通って登場しますが、2000年も前の剣闘士や猛獣たちの登場の方が、もしかするとより洗練された演出だったのかもしれません。

3. 観客席の緻密な設計と導線の秘密

コロッセオ
Photo by Sean MacEntee「The Colosseum」(CC BY 2.0)

そして、コロッセオの観客席は1階から4階に、アリーナをぐるりと囲むように配置されています。アリーナ部分と観客席の長径、短径の比率などには、なんと現代とほぼ同じ技術が使われているのだそうです。

我々がコンピューターを使って計算・設計しているものを当時は全て人力で行っていたこと、既にこのような高度な技術を習得していたことには、ただただ驚かされます。

身分によって観客席の階層が異なっていた?

1階の観客席には貴族階級、2階には騎士、3階には一般市民、最上階には市民権を持たない奴隷や女性の席が設けられました。実は、最上階への階段はわざと狭く造られており、奴隷たちの退場を遅らせることで身分の高い階級の退場をスムーズに行わせる工夫がなされていたのです。

この最上階も特別ガイドにて見学できるのですが、巨大なコロッセオを一望できる最上階の眺めは最高です。コロッセオを訪ねたら、ぜひここまで登ってみて下さい。

参考:コロッセオ地下&最上階ツアー(英語 外部サイトに遷移します)

4. 天幕の仕掛けにも驚きが!

今でこそオープンエアな状態しか残されていませんが、コロッセオの最上階には、ポールが立てられていた穴が残っています。このポールは、コロッセオの上部を覆うように日差し除けの幕を張るためのものでした。

この天幕の技術も実はとても高度なもので、太陽の動きに合わせ幕の位置を変えたり、現代の開閉式ドームよりも多機能だった、とさえいわれています。

5. アリーナに海を再現!?水を使った「模擬海戦」

コロッセオの復元図
From Wikimedia Commons,NaumaquiaenelColiseoRomano「English: Reconstruction drawing of Colosseum with naumachia (Nispi-Landi).」(public domain)

コロッセオで繰り広げられるものの中で人々が最も熱狂した見世物、それはなんと「模擬海戦」でした。文字通り、このアリーナ部分に海を見立てて水を張り実際に船を浮かべて海戦を再現してしまったのです。

古代ローマは、水を非常にうまく扱ったことで有名な都市。一説には現代のニューヨークよりも一人当たりの水の配分量が多かったという、驚きの調査結果もあるほど。

コロッセオにも水道橋や地下水路などを使って水が引き込まれ、なんとスタジアムに海を造り上げてしまったというのですから、その発想と技術力には脱帽せざるを得ません。

コロッセオを訪ねたら、当時の熱狂に思いを馳せてみては

さて、コロッセオの素晴らしさ、お分かりいただけましたでしょうか。2000年という途方も無い時を越えてここに集結された技術は、現代建築にも模倣されるほど高度なものでした。

スタジアム建築に必要な全ての技術を既に彼らが習得し、かつ並外れた演出センスによってコロッセオは連日熱狂の渦に包まれていたのです。そのようなことを知った上でコロッセオに立ってみると、当時の様子が鮮やかに蘇ってくるよう。ぜひ、想像力を働かせてコロッセオの見学に出かけてみて下さい。

基本情報

Googleマップ:

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【イタリアひとくちメモ】

イタリアには「すべての道はローマに通ず」と言われる悠久の歴史都市ローマだけでなく、ルネサンス文化が開花し、京都の姉妹都市でもある花の都フィレンツェ、ヨーロッパの流行の発信地、芸術の都ミラノ、こんな街は世界にここだけしかないオンリーワンの水上都市ヴェネツィアなど、とても一度では味わいつくせないほど魅力的な都市が目白押しです。イタリアへのツアーもたくさん用意されていますので、あなた好みの旅を探してみてくださいね。

<時間と費用>(目安)

  • 旅行日数:5~12日間
  • 飛行時間:約12時間(羽田/成田~ローマ)
  • ツアー費用:約69,800円~約490,000円

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