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これが今のブーム&常識!イタリアンミュージックの魅力を徹底解剖
アイキャッチ:Photo by Matty Adame on Unsplash
イタリアのポップミュージックって?
皆さんはイタリアの音楽というと、どういったイメージをお持ちでしょうか。イタリア音楽と言われた時に、真っ先に思いつくのはオペラやクラシック、ジャズ的な要素のあるジャンルではないでしょうか?
皆さんご存知の通り、楽譜などで使われるフォルティッシモやピアニッシモなどの記号はイタリア語に由来しています。そう言った意味では、いわゆる古典的な楽曲に焦点が合うのは当然かもしれません。
ですが、実はそれだけじゃないんです! 私たちが演歌だけを聴かないように、イタリア人も様々なジャンルの音楽を楽しみ、そして独自に発展させてきました。そんなイタリアのポップミュージックには、きっと皆さんが知らない魅力がたくさん詰まっています。
本記事ではローマで若者と過ごすことが多く、音楽の流行にはある程度敏感だった私が、2017年以降のイタリアンミュージック事情をご紹介いたします。
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2010年代のイタリアンミュージックの傾向
早速ですが、最近のイタリアでの音楽事情はどうなっているのでしょうか。一言でいえば、多様化が進んでいます! 特にロックやラップなど、若者に人気なジャンルにおいては、アメリカやイギリスなどの影響を受けながら、色々なタイプのミュージックが、人気ランキングの上位に登場するようになってきており、とても面白いです。
その中でも特に面白いのが、Fabio Rovazzi(ファビオ・ロヴァッツィ)という一人の若者が2016年に100万枚のCDを売り上げ、2017年以降も曲を出すたびに大ヒットしていることです。
彼はもともとFacebookページなどに面白動画を投稿することで一気に人気を集めた、音楽に関してはいわゆる素人。例えるなら大人気動画配信者が出した楽曲が、名だたる有名歌手をおさえてヒットしてしまうようなものです(※)。もちろんこれらの動きには賛否両論あるものの、こういった多様な動きも、イタリアンミュージックの面白いポイントだと考えています。
※註:Fabio RovazziのSNSアカウントは、2018年6月現在で「Instagram:150万人以上」「Facebookページ:54万人以上」「Youtubeチャンネル:120万人以上」と、絶大な人気です。
イタリア人と音楽の関係性
続いては、現在のイタリア人がどのように音楽と付き合っているか、どんな音楽が好まれているかなどを紹介しましょう。世界各国の音楽がお好きな方はぜひチェックを!
好き嫌いはハッキリ
Photo by Nicholas Gercken on Unsplash
これはイタリア人の気性によるものなのでしょうか。たとえば私が「この曲好きなんだよね」と挙げた曲に対し、「お!いいね俺も好きだよ!」と言う人と「うわ。そんなの聴かねーわ」と否定する人とでハッキリ分かれているような印象です。
なぜかは分かりませんが、割と嫌いな歌手の曲であっても、一応聴いてみてから嫌いと判断していることが多く、賛否両論になりやすいです。
日本とイタリアにおける人気の音楽の違い
Photo by Matty Adame on Unsplash
ところで、イタリアではどんなジャンルの音楽が人気になりやすいのでしょうか? もちろん音楽の嗜好は人それぞれなため、一概には定義しにくいところですが、いわゆる「クラブミュージック」のようなものでも、人々の間で流行りやすいという点はとても面白いです。
日本だと、クラブやディスコで流れるような曲はいわゆる「別の世界」の音楽で、なかなかとっつきにくかったりもしますが、イタリアでは、クラブで流れるような曲でも、普通にCMに採用されたり、街中で流れたり、YouTubeでとんでもない再生回数を叩き出したりしています。
英語・スペイン語の音楽も大人気
実はイタリア人、イタリア語以外の楽曲も非常によく鑑賞します。「俺イタリアの曲は聴かないから分かんないんだよね」とハッキリ言う人もいるくらいです。そういった人達が何を聞いているかというと、多くの場合、アメリカ、イギリス、そしてスペインで流行っている楽曲である場合が多いようです。
やはり日本に比べ、音楽の面でもグローバル化を感じさせる雰囲気が全体的に見受けられます。
日常で流れるイタリアンミュージックはどんなもの?
一方、テレビの番組やCMなどに起用される主題歌は、日本のものと同様、ポップで明るいものが多いです。街中で流れる楽曲、例えば道端の演奏者の選曲や、地下鉄などで小さい音でかかっている曲なども、やはり誰からも愛されやすいポップ調であることが多いです。
留学時にイタリアの各地で耳にした曲は、スペイン人歌手でありながら、イタリア語の楽曲を歌うAlvaro Soler(アルバロ・ソレール)のSofiaです。誰が聴いても分かりやすいリズムと歌詞が多くのファンを集め、2017年夏にはイタリア全国ツアーを成功させました。
出典:Alvaro Soler VEVO Youtubeチャンネルより
また、イタリアでは地下鉄などでイヤフォンをせずに動画を見ることはあまり問題ないので、若者などは友達とPVを見ながら口ずさんでいる姿が見受けられます。イタリア旅行では、そんな街の人々の姿に着目しても楽しいかもしれません。
私がオススメするイタリアンミュージックはコレ!
続いては、イタリアの音楽を聴いたことがないという方向けに、実際にイタリアでたくさんのファンを獲得し、さらに非常に聴きやすいミュージシャンと楽曲をピックアップいたします。少しずつジャンルが異なるものを選んでみましたので、ぜひ視聴してみてください。
世界でも著名なイタリア歌手:Laura Pausini
出典:Warner Music Italy 公式 Youtubeチャンネルより
イタリアで1.2を争う知名度を持つ歌手として、Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ)を挙げないわけにはいきません。
力強い歌声とその美貌が魅力的ですが、なんと既に音楽活動を始めて25年、現在既に43歳というベテランの域。昨年流行したSimiliという曲は、女性の美しさを意識させるような歌詞が各所に散りばめられています。
イタリアラップ:J-AX&Fedez
出典:xEFedez VEVO Youtubeチャンネルより
最近のイタリアラップ界で飛ぶ鳥を落とす勢いなのがこの2人J-AX&Fedez。2015年まではそれぞれソロで活動し、その時点からかなりの数のファンがついていましたが、2人が組んで出した初の楽曲Vorrei ma non postoがYouTubeで1億6千万回再生の大ヒット。
歌われる悩みは主に若者特有のコト。「なんでもシェアしていいね!をもらわずにはいられないんだ」「また憂鬱な夏がやってくる」のような、PVの明るい雰囲気とはやや違った悩みを描いたのが特徴。2017年5月にはComunisti con Rolexというアルバムも出しました。
J-AXは比較的正統派のラッパー、Fedezはポップ的な要素を多分に含んだラッパーで、それぞれの特徴はかなり違うのですが、このアルバムではうまく調和されています。
ロック:Modà
出典:Modà 公式Youtubeチャンネルより
「1つくらいロック枠が必要だ!」と思い、ここで一つのバンドを紹介いたします。ミラノ出身メンバーで構成されたModàは、その「力強い。なのに、切ない」歌声と歌詞で人気を集めてきました。
その特徴はとにかく「愛」。いわゆる恋愛ものの楽曲をたくさん世に送り出しています。中でも彼ららしいのは、Piove ormai da tre giorniという楽曲。愛する人を、他の男に奪われてしまった男の切ない物語。PVを観ながら聴くと、なんだか胸が締め付けられる思いです。
イタリア音楽の大ベテラン:Vasco Rossi
出典:VascoRossiVEVO Youtubeチャンネルより
「Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッシ)」は、長年に渡ってイタリア音楽界のトップに君臨するまさにスター。1952年生まれのこの歌手は、一時期薬物中毒などで活動を休止していたこともあるものの、2017年の活動40周年記念ライブの際には、なんと22万枚のチケットが売れ、一つのコンサートでのチケット販売数世界一を記録したほど。
若者から50代まで本当にどの年代にもバランスよく愛され、楽曲についてあまり悪く言う人を私は見たことがありません。彼の最新曲の一つが、Come Nelle Favole。「僕と君で一緒に」という言葉が何度も繰り返されています。
期待の新人男性シンガー:Lele
出典:LeleOfficialVEVO Youtubeチャンネルより
最後に新人枠から、個人的に期待の歌手を一人。Leleはミュージシャンの祭典であるサンレモ音楽祭2017にも出場した実力者。惜しくもグランプリには届かなかったものの、その男性ながらも透き通るような美しくかつ悩ましい歌声は、今後多くの人を魅了していくはずです。
このOra maiという曲では、「愛する人が去ってしまったことへの辛さ」を歌いますが、それはModàのもつ特徴とはまた異なります。まだイタリアでもあまり認知されていない彼のこれからが楽しみです。
ここまでイタリアンミュージックについて解説してきましたが、ご興味を持っていただけたでしょうか。イタリアではバールや駅など様々なところで音楽が流れています。訪れる機会があれば、耳を澄まして、どんな音楽が流れているか聴いてみると楽しいこと間違いなし!
では、実際に、生でイタリアのミュージックを聴いてみるためには、どうすればよいでしょうか?
イタリアで開催されるライヴに行こう!
もし、イタリアの音楽についてさらに知りたい! CDだけじゃ我慢できない! と感じられたら、是非ライヴに直接足を運んでみることをオススメします。
出典:J-AX 公式Youtubeチャンネルより 先ほど紹介したJ-AXのライブ映像です。
イタリアのライヴは、日本のものよりもさらに一体感を感じられるのが醍醐味! 多くの若者がお金を貯めてライヴ会場に足を運んでいます。有名歌手になると約8万人収容可能なサッカースタジアムや、街で最も大きい広場などを一日貸し切るほど熱が入っています!
出典:VascoRossiVEVO Youtubeチャンネルより Vasco Rossiのライヴでは、一回に10万人以上が集まるほどの人気です。
イタリアで音楽鑑賞というと、どうしてもオペラなどの古典的なものが先行してしまいがちですが、ポップミュージックのライヴにもまた別の魅力や一体感があります。実際にその熱を肌で感じれば、一生忘れられない思い出になるはず!
皆さんもイタリア旅行中にイタリアンミュージックのライヴに参加して、素敵な時間を過ごしてみてください。
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ゆうさん
- イタリア・ローマ大学に1年留学。イタリア各地の魅力を学生ならではの視点から紹介できたらと思っております。南米一人旅を敢行するほど旅が大好きです!