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現代アートの祭典ヴェネチアビエンナーレとは?2017年の様子をレポート!

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記事投稿日:2018/04/22
最終更新日:2018/04/22

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ヴェネチアビエンナーレとは、2年に一度行われる現代アートの祭典のことです。

「ビエンナーレ(Biennale)」=「2年に一度」という意味があり、奇数年に行われています。私は以前から、いつかビエンナーレに行ってみたい......という気持ちがあったのですがなかなかチャンスがなく、2017年の今回、初めて見学にいくことができました!

目次:クリックで各項目に移動します

開催期間中の様子

ヴェネチアビエンナーレには、どんな人が来ているのでしょうか。

地元の方に聞いてみたところによると、アーティストはもちろん、アートディーラー、報道関係者、アートファン、アートにそれほど馴染みがない観光客の方々まで幅広いそうです。アートが日常に溶け込んでいるイタリアですので、地元の人も毎回楽しみにしているイベントだそうですよ。

ヴェネチアに到着するとヴァポレット(水上バス)や駅にもビエンナーレの広告が掲示されているので、街をあげての大イベントであることが分かりますね。

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水上バスのチケットもビエンナーレのデザインになっています。さすがにアートの祭典だけあって、チケットのデザインも洗練されています!

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「Salute」という駅で降りました。ここにはヴェネチアの観光人気スポットである「ペギー・グッゲンハイム コレクション」があります。まずはこちらを目指してみましょう。

まずは「ペギー・グッゲンハイム コレクション」へ

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小さめの美術館ですが、エントランスも雰囲気があって美意識が刺激されることと思います。

チケット売り場は、私が行ったときは少し行列になっていましたがテキパキと対応していただき、外国人観光客にも慣れている様子なので希望枚数を伝えるだけですんなり入場できました。

館内にはピカソをはじめ、ミロやポロック、マグリットなど近代画家のコレクションが充実しています。撮影もフラッシュ無しならOKなので、お気に入りの作品を写真に収めることも可能ですよ。でも、他のお客さんが鑑賞中のときは邪魔をしないよう、気をつけましょう。

こちらは常設の美術館ですので、ビエンナーレ以外の時期でも見学できます。期間限定の展示などもありますので、公式サイトで展示内容をチェックしてみましょう。現代アートの楽しいところは、好みに合わせて自由な感覚で解釈できるところ。「この作品を理解しよう」という気持ちで観るのではなく、直感的に「好き」「きらい」で良いのです。

ペギー・グッゲンハイム・コレクション基本情報

公式サイト:http://www.guggenheim-venice.it/inglese/default.html

※編集部より:当美術館は、ライターが挙げたアーティストのほか、ジョセフ・コーネル、デュシャン、サルバドール・ダリ、ジョルジュ・デ・キリコなどの作品も展示されています。キュビズム、シュルレアリスムがお好きな方はぜひ訪ねてみてください!

いよいよヴェネチアビエンナーレの展示を鑑賞!

そんな自由な気持ちで、いよいよビエンナーレの展示のうちのひとつを見てみましょう。ペギー・グッゲンハイム・コレクションからヴァポレットの船着き場に戻る途中にもアートを発見!ビエンナーレはヴェネチアの広範囲にわたり、様々なアーティストの展示が街のあちこちにされているのです。お目当てのアーティストがいるという方は、まず立て看板を見たり案内所で配布されているガイドブックを入手したり、ヴェネチアビエンナーレの公式サイトでアーティスト名を検索して、展示場所を確認してみましょう。

「JAN FABRE」(ヤン・ファーブル)の展示会場

同行者が以前からファンだった、という「JAN FABRE」(ヤン・ファーブル)の展示会場がさっそく目にとまりました。玉虫をビッシリと張ったスカルや、骨やガラスを使った作品が有名なベルギーのアーティストです。「ファーブル」というと聞いたことあるな、と思われた方も多いのではないでしょうか。そう、「ファーブル昆虫記」のジャン・アンリ・ファーブルのひ孫にあたるのです。なるほど、昆虫に惹かれるのはDNAなのかもしれませんね。「GLASS AND BONE SCULPTURES 1977~2017」と題された今回の展示。会場である「ABBAZIA DI SAN GREGORIO」(聖グレゴリオ修道院)に入るのは無料でした。

ちなみに会場によって入場料は違いますが、フリーパスで48時間使用できて30ユーロのチケットや、ガイド付きで150ユーロといったものまでいろいろと用意されています。観たい展示や移動の時間を考慮に入れたスケジュールを組みながら、お得なプランを選んでみてもいいかもしれませんね。

空間に足を踏みこんでまず目に飛び込んでくるのは、大きなタマオシコガネのオブジェ。「スカラベ」と言った方がイメージが湧きやすいかもしれません。古代エジプトなどで「太陽神」とされた甲虫の一種です。巨大なスカラベが中央に鎮座する様子はたしかに神々しさを感じます。

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ふと天井を見ると......鳩がいっぱい??と思いきや、それも作品です。リアリティがありつつガラスの艶と色が非現実。

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部屋ごとにテーマがあり、それぞれの部屋に合った作品展示がされています。どの作品もガラスを効果的に使っており、中にはわざとガラスを割った状態で展示してある作品もありました。本物の動物の骨の標本を使って展示されているので、自然が作り出した造形美を感じることもできます。中には少しグロテスクなものもありますが、命のあるもの最後は骨になる、ということまで考えさせられるシーンも。

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絵画とはまた別のおもしろさを感じることができますね。空間として作品を見せられることによって、想像力が刺激されます。

「DAMIEN HIRST」(ダミアン・ハースト)の展示会場

続いては「SANTA MARIA DELLA SALUTE」を通り過ぎて、お隣の「PUNTA DELLA DOGANA」で開催されている、私が最も楽しみにしていたアーティスト「DAMIEN HIRST」(ダミアン・ハースト)の展示会場に向かいます。ちなみに、「PUNTA DELLA DOGANA」の修復は安藤忠雄氏が指揮をとっており、モダンで洗練された空間になっています。
ダミアン・ハーストは"世界でもっとも高額で取引される現代アーティストのうちの一人"と言われていますので、名前を知らずとも彼の作品に見覚えがある、という方は多いかもしれません。ダイヤモンドを散りばめたスカルの作品は120億円の価値があると評価されています(ちなみに制作費は33億円!) 。
今回のテーマも壮大です。「TREASURES FROM THE WRECK OF THE UNBELIEVABLE(沈没船からの信じがたい宝物)」と題された展示。会場に入ってまず飛び込んでくるのは、巨大なマヤ遺跡の盤面で「CALENDAR STONE」と題されています。ついさっきまで海底に沈んでいたかのような珊瑚や貝殻が、盤面に張りついている状態で展示されています。

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スケールが桁違いですね!一度作ったブロンズ像を加工して海底に沈め、「ダイバーが見つけた」かのような写真も一緒に展示してあります。そのリアリティーを目の当たりにすると「あれ?これはもしかして本当に海の底から拾ってきたものなのかも...」という、不思議な錯覚に囚われます。観るものを圧倒する、作り込まれた「ウソの世界」の迫力を感じました。

360度どこから観ても、細部まで丁寧に作り込まれているのです。

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一緒に展示されている物は、黄金の指輪や耳飾り、刀剣など。

そんな中に、有名なロボットの黄金フィギュアやアニメキャラクターのブロンズ像が混ざっているため、「そうだった、ウソの世界だったんだ」と現実に引き戻される不思議な感覚を味わうことができます。それでもあまりの精巧な作り、豪華絢爛な世界観にまた違う展示を観ていると「いや、でもコレは本当に沈没船から拾ってきたものなのでは......」と再び沈没船の世界に入ってしまうのです。まさにテーマ通り「信じられないほどの宝物」なのです。脳の中に繰り返し刺激を与えてくるダミアン・ハーストワールド!

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ダミアン・ハーストの作品でぜひ鑑賞して欲しい「HYDRA AND KALI」

見逃せないポイントが多すぎる展示ですが、ぜひチェックしてほしいのがこちらの「HYDRA AND KALI」です。装飾(と呼んでいいのかもためらわれますが)が施される前のブロンズ像と、装飾が施されたあとのブロンズ像。そして発見の瞬間の写真も一緒に展示されています。

ビフォー&アフター的な鑑賞ができるので、シンプルにおもしろいです。

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「コレがアレになって、アレを海に沈めて写真を撮って、引き上げた状態が今ここ......」と、ここへ来てようやく頭の中が整理されるのです。現代のアイコンをちりばめたことで、「これはウソの世界」とは納得できない混乱状態になるほど、圧倒的な迫力。

このためだけにヴェネチアに来たとしても満足できる、と言えるほど、魅力ある展示でした。ダミアン・ハーストの存在を知っていた方も知っていなかった方も楽しめる素晴らしい展示だと思いますので、今後鑑賞できる機会があればぜひ、訪ねてみてください。

旅行のタイミングが合うなら、ぜひヴェネチアビエンナーレへ!

現代アートがお好きな方もそうでない方も、ビエンナーレ開催期間はぜひ、ヴェネチア観光のプランに組み込んでみてはいかがでしょうか。一生の「語れる思い出」が手に入りますよ。私は今回が初めてのビエンナーレ参加でしたが、半日ぐらいの鑑賞時間ではとても足りませんでした。次回はもっとヴェネチアでの滞在時間を長めにとって、くまなく巡りたいというのが反省点です。とても大規模でゴージャスなラインナップなので、アート好きな方は特に時間配分にご注意を!

撮影:yukaco

ヴェネチアビエンナーレ

■イタリア名:Biennale di Venezia
■公式サイト:http://www.labiennale.org/it

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