

<TOP画像:名物ピンチョス「ヒルダ」とワイン>
「世界一の美食の都」と呼ばれる場所が、スペイン北部にあるのをご存じでしょうか。
美しい湾を抱く港町、サン・セバスティアン。2ヶ月のスペイン旅の中で、わたしがその豊かな食文化に何より魅了された街です。バルで一皿をつまみ、海風に吹かれながらお腹を休め、また次の店へ。
この記事では、気ままな「はしご酒」の中で見つけた名店バルと絶品メニュー、そして腹ごなしに巡った散歩ルートをご紹介します。
目次
- 食べ歩きが止まらない!サン・セバスティアンのバル文化
- 【バル】スペイン一と絶賛されるオムレツ「アントニオ・ブレバラ」
- 【バル】絶品海鮮ピンチョスならここ!活気あふれる「バル・スポルト」
- 【バル】元祖ピンチョスをワインで嗜む「ガンダリアス」
- 【バル】地元っ子激推し!出来立てを味わう「ボルダ・ベリ」
- 【バル】大衆的なイカリングサンド「ホアンチョ・タベルナ」
- 海風を感じながら巡る、おすすめ散歩コース
- 旧市街を抜けてすぐのオアシス「アルデルディ・エデル公園」
- 貝殻の形をした穏やかなビーチ「ラ・コンチャ海岸」
- 芝生から海を見下ろす邸宅「ミラマール宮殿」
- 街と海を見下ろす最高のパノラマ「モンテ・イゲルド展望台」
- さいごに
食べ歩きが止まらない!サン・セバスティアンのバル文化
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<サン・セバスティアンの街並み>
サン・セバスティアンには、一軒につき1~2個のピンチョスとお酒をさっと味わい、次の店へと移動する「チキテオ」という「はしご酒」の文化があります。
少しずついろいろな味をつまんで街を歩くこのスタイルは、食べるほどに食欲が湧いてくる不思議がありました。お腹の具合に合わせて軽いメニューやジュースを選ぶなど、自分のペースで楽しめるのも大きな魅力です。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
【バル】スペイン一と絶賛されるオムレツ「アントニオ・ブレバラ」
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<名物のトルティージャ(スパニッシュオムレツ)>
サン・セバスティアンに到着して早々、澄んだ朝の空気のなか、わたしが向かったのは「アントニオ・ブレバラ」。バスク料理の名店ですが、わたしの目当ては多くの食通が「スペインで一番」と絶賛するトルティージャ(スパニッシュオムレツ)です。
運ばれてきた一品を一口食べた瞬間、そのおいしさに衝撃が走りました。ただの具入りのオムレツではないのです。なんと全体の9割以上が具材。キャラメル風味の飴色玉ねぎにオリーブオイルが染みた、もちもちのじゃがいもと甘くとろけるネギ。それらが卵でふんわり包み込まれているのです。
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<切り分ける前のトルティージャ>
ふと外に目を向けると、テラス席でトルティージャを頬張る地元の男性が、通りがかった顔見知りと楽しげに挨拶を交わしていました。片手にタバコを持ち、その煙が差し込む朝日に揺れている。朝露に濡れた石畳や、柱の窪みに置かれたエスプレッソカップまでもが、まばゆい光に包まれていました。
どこを切り取っても絵になる光景ですが、彼らにとっては仕事前の何気ない日常なのだと思うと、たまらなく羨ましくなりました。わたしにとっては特別な旅のひととき。彼らは一瞬でトルティージャを平らげていたけど、それを横目に宝物のように、ちまちまと大切に味わいました。
【Antonio Bulebarra(アントニオ・ブレバラ)】
- 所在地:C. Mayor, 2, BAJO, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
- 電話:+34-943-187439
- 営業時間:9:00~23:30、金・土曜 9:00~00:30
- 定休日: 無し
【バル】絶品海鮮ピンチョスならここ!活気あふれる「バル・スポルト」
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<「バル・スポルト」の外観>
旧市街の中心に位置する「バル・スポルト」は、昼夜問わず客足が絶えない人気店。混雑を避けるなら午前中の訪問がおすすめです。ピーク前の店内には、朝のひとときをのんびり過ごす地元の常連客の姿がありました。
ここは海鮮系ピンチョスのバリエーションが豊富で、日本人旅行者にもファンが多いバル。ありがたいことに日本語メニューが用意されているうえ、店員さんが「ウニ!」「ハム!」とお茶目に日本語で声をかけてくれる気さくな雰囲気も魅力です。
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<店内に並ぶウニのピンチョス>
まず味わいたい名物は、ウニの旨味が凝縮された「Crema de erizo(クレマ・デ・エリソ)」。濃厚なスープ風の仕上がりで、贅沢なコクが広がります。
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<カニのクレープ>
バスク名物のチャングロ(カニ)の身をクレープ生地で包んだ「Crepe de txangurro(クレペ・デ・チャングロ)」も外せない一品。やさしいクレープの食感と特製ソースがカニの旨味を引き立てています。
【BAR SPORT(バル・スポルト)】
- 所在地:Fermin Calbeton Kalea, 10, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
- 電話:+34-943-426888
- 営業時間:9:00~23:00、金曜 9:00~23:30、土曜 10:00~23:30、日曜 11:00~23:00
- 定休日:水曜
【バル】元祖ピンチョスをワインで嗜む「ガンダリアス」
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<「ガンダリアス」の外観>
「Gandarias(ガンダリアス)」は、質の高い肉料理とワインの品揃えで知られる老舗バル。カウンターの奥にはテーブル席もあり、はしご酒の途中で「少し座って落ち着きたい」というときにも頼れる一軒です。
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<ヒルダのピンチョス(左)>
ここへ来たら、まずはサン・セバスティアン発祥の「Gilda(ヒルダ)」を。青とうがらしの酢漬け、アンチョビ、オリーブを串に刺したシンプルなピンチョスです。いっぺんに頬張ると、きりっとした酸味とアンチョビの塩気がガツンと口いっぱいに広がり、ワインが進みます。
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<牛ヒレ肉とポテト>
ガッツリ味わいたいなら、香ばしく焼き上げた牛ヒレ肉とポテトを串に刺した「Brocheta de carne y patatas(ブロチェタ・デ・カルネ・イ・パタタス)」がおすすめ。ジューシーで満足感たっぷりのピンチョスです。
Gandarias(ガンダリアス)
- 所在地:31 de Agosto Kalea, 23, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
- 電話:+34-943-426362
- 営業時間:11:00~00:00
- 定休日:無し
【バル】地元っ子激推し!出来立てを味わう「ボルダ・ベリ」
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<「ボルダ・ベリ」の外観>
カウンターには料理を並べず、注文を受けてから調理する「温かいピンチョス」に特化した「ボルダ・ベリ」。壁の黒板メニューを指さしながら注文する店内は、活気に満ちていました。
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<羊乳チーズのリゾット(右)>
目当ては「Risotto de queso de Idiazabal(リゾット・デ・ケソ・デ・イディアサバル)」。直前に立ち寄ったカフェのお兄さんが「あそこのチーズリゾットは絶対に食べたほうがいい!」と熱く推してくれたメニューです。
一見すると普通のリゾットですが、一口食べてハッとしました。なんと使われているのはお米ではなく、米粒の形をしたパスタ。バスク特産の羊乳チーズの深いコクがありつつも、舌触りはさらりとして重くありません。地元っ子の言葉を信じて大正解だったと、夢中でするすると平らげてしまいました。
Borda Berri(ボルダ・ベリ)
- 所在地:Fermin Calbeton Kalea, 12, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
- 電話:+34-943-430342
- 営業時間:12:30~15:15、19:30~22:30 土曜 12:30~15:15、19:30~22:00
- 定休日: 日・月曜
【バル】大衆的なイカリングサンド「ホアンチョ・タベルナ」
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<「ホアンチョ・タベルナ」の外観>
地元の学生や常連客で賑わう「ホアンチョ・タベルナ」は、どこか食堂のような親しみやすさがある大衆的な一軒。手頃な価格でボリュームのあるボカディージョ(バゲットサンド)が名物です。
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<名物のボカディージョ>
わたしが注文したのは「Bocadillo de calamares(ボカディージョ・デ・カラマレス)」。軽やかな衣に包まれた柔らかいイカが、香ばしいバゲットと見事な一体感を生み出しています。
もともとマドリード発祥のB級グルメとして有名な一品ですが、豪快で無骨な本場のそれと比べると、ここのイカリングは重すぎず、バルを巡る合間でもすんなり収まる落ち着きがありました。
同じ料理でも街が変われば表情が変わる。スペインの細かな食文化の違いを肌で知るきっかけになったお店です。
Juantxo Taberna(ホアンチョ・タベルナ)
- 所在地:Enbeltran Kalea, 6, BAJO, 20003 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
- 電話:+34-943-427405
- 営業時間:9:00~23:00、金・土曜 9:00~00:00
- 定休日: 無し
海風を感じながら巡る、おすすめ散歩コース
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<サン・セバスティアンの街並み>
サン・セバスティアンは大きな街ではないので、どこへでも徒歩で移動できます。おいしいピンチョスでお腹がいっぱいになったら、腹ごなしのお散歩へ出かけるのがおすすめの流れです。
旧市街を抜けてすぐのオアシス「アルデルディ・エデル公園」
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<美しい公園内>
バルがひしめく旧市街を抜けてすぐ、壮麗な市役所の前に広がるのは「アルデルディ・エデル公園」。青い海とウルグル山を背景に、芝生や花壇が整えられ、レトロなメリーゴーランドが回っています。ベンチもあるので、ここでゆっくりと休むのもおすすめ。
Alderdi Eder Park(アルデルディ・エデル公園)
- 所在地:De Alderdi Eder Parkea, s/n, 20004 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
貝殻の形をした穏やかなビーチ「ラ・コンチャ海岸」
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<穏やかなビーチ>
公園から続く「ラ・コンチャ海岸」。「コンチャ」とはスペイン語で「貝殻」を意味し、その名の通り美しい弧を描くロングビーチが広がっています。湾の入り口にある小島のおかげで波はどこまでも穏やか。からっとした海風を浴びながら歩いていると、「ここでジェラートを食べたら最高だろうな」なんて雑念が。お腹を休めるための散歩だというのに、この街にいる限り食欲からは逃れられそうにありません。
ラ・コンチャ海岸
- 所在地:20007 ギプスコア スペイン
芝生から海を見下ろす邸宅「ミラマール宮殿」
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<宮殿と庭園>
ビーチ沿いの小高い丘へ向かうと見えてくるのは「ミラマール宮殿」。元王室の夏用別荘だったという英国風の建物の前には、海に向かって広がる芝生庭園が開放されています。潮風を感じながら、のんびり歩くのにぴったりの場所でした。
ミラマール宮殿
- 所在地:Palacio de Miramar, Paseo Miraconcha, 48, 20007 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
- 電話:+34-943-219022
- 開館時間:7:00~21:00
街と海を見下ろす最高のパノラマ「モンテ・イゲルド展望台」
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<古くから稼働しているケーブルカー>
さらに海岸の端まで歩けば、山頂へ向かうケーブルカー乗り場があります。木製のレトロな車両は、なんと1912年から動いているというから驚き。ガタゴトと音を立てて山道を登り、数分で山頂の「モンテ・イゲルド展望台」に到着しました。
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<山頂からの眺め>
こぢんまりとした場所ですが、ここからの眺めは格別。つるりと穏やかな海と、サンドベージュの建物がぎゅっと軒を連ねる街並みを一望できます。建物が低いためか、空がとても広く見えました。さきほどまで歩いていた「ラ・コンチャ海岸」は上から見ると、その名の通り貝殻の形をしているのがよく分かります。
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<サン・セバスティアンの街並み>
たっぷり歩いて心地よい風に吹かれているうちに、すっかりお腹もこなれてきました。「よし、これで次のバルの準備は万全」と、いそいそと賑やかな中心地へと戻りました。
目当ての店に滑り込み、冷えたグラスをあおる。さっきまでの静かな海風から一転、活気あふれるバルの熱気に包まれると、この街の食文化の波にすっぽりと呑み込まれていくようでした。
モンテ・イゲルド展望台
- 所在地:Itsasargi Pasealekua, 134, 20008 Donostia / San Sebastián, Gipuzkoa, スペイン
さいごに
スペイン観光といえば首都マドリードや、サグラダ・ファミリアのあるバルセロナが定番ですが、食と街歩きをじっくり堪能するならサン・セバスティアンがおすすめ。街自体がとてもコンパクトで移動しやすく、落ち着いた空気感のなかで自分のペースで巡れるのも嬉しいところです。
ぜひ少し足を伸ばして、この街ならではの豊かな食と風景を体験してみてください。
サン・セバスティアン
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maryo
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