昭和の国民的映画「男はつらいよ」の聖地!葛飾柴又の定番と本当の穴場をご紹介

映画やドラマ、アニメの聖地巡礼は旅や観光の楽しみのひとつですが、元祖映画の聖地と言えば、東京都葛飾区柴又。

昭和の国民的映画「男はつらいよ」の映画のロケ地としてあまりにも有名で、寅さん映画ゆかりの観光スポットがあります。定番の観光スポットに加えて知る人ぞ知る、本当の穴場スポットも含めて紹介していきましょう。

目次

葛飾柴又への行き方

柴又駅

寅さんの聖地「葛飾柴又駅」に行くには京成線の柴又駅に行きます。柴又駅は京成金町線の途中にある路線で、京成高砂駅と京成金町駅を結んでいる路線で、どちらから行っても2つめの中間駅が柴又駅です。

ホーム

行き方は、京成金町駅、もしくは高砂駅に行き、そこから京成金町線に乗ります。なお京成高砂の次に新柴又駅と言うのがありますが、これは最寄駅ではないので注意しましょう。

改札

どちらから行っても同じなので、行きと帰りに違う駅を経由しても楽しいかもしれません。別に聖地に合わせたわけではありませんが、ローカル色たっぷりの鉄道の旅が楽しめます。

葛飾柴又の魅力1. 駅前にある寅さんとさくらの像

柴又駅

柴又駅で降りて改札を出ると、有名な寅さん像がすぐに見えてきます。

寅さん像

寅さん像は1999年に観光客と地元商店会による募金により作られた銅像です。ここでは多くの観光客が記念撮影をしていますが、できれば銅像の足元を見ましょう。そこには「男はつらいよ」の山田洋次監督の手により、寅さんの故郷に対する思いが刻まれています。

さくらの像

寅さん像ができてから18年後の2017年に、妹のさくらの像が追加で完成しました。それまでは映画の終盤で寅さんが柴又から旅立つ前に振り返るシーンだけでしたが、ここに寅さんを追いかける桜のシーンが追加されました。

葛飾柴又の魅力2. 柴又帝釈天参道

帝釋天参道

映画で出てくるのは駅から帝釈天に向かう小さな参道です。柴又駅から帝釈天までの200mばかりの通りですが、「帝釋天参道」と書かれた参道には昭和の懐かしい雰囲気が残っています。

帝釋天参道

映画の聖地として盛り上がっていることもありますが、やはりここは柴又帝釈天の参道として、江戸時代の門前町の雰囲気が色ごく残っています。戦火を逃れた老舗店も多いため、街並みに軒を並べるお店の看板などに重みを感じます。

帝釋天参道

そして古い老舗に混じって映画の影響でできた新しいお店があり、常に活況づいている参道ですが、特ににぎやかなのは年に6回ある庚申の日でです。江戸時代、9代住職の日敬という人にまつわるエピソードがあり、江戸から多くの人が帝釈天の存在を知り、庚申の日に参拝客が増えたといいます。

渥美清石碑

どうしてもお店が気になる参道ですが、参道の中には意外なものを見つけました。参道の入り口あたりに、渥美清と書かれた石碑があります。寅さんを演じた渥美さんの名前とその横に寅さんの口上が山田洋次監督の直筆が刻まれています。

葛飾柴又の魅力3. 柴又帝釈天こと経栄山題経寺

経栄山題経寺

男はつらいよの映画でも重要な存在なのが柴又帝釈天です。笠智衆が「御前様」と呼ばれる住職を演じました。正式名称は経栄山題経寺という日蓮宗の仏教寺院です。

柴又帝釈天

柴又帝釈天は、1629(寛永6)年に開創されました。、禅那院日忠と題経院日栄のふたりの僧の手によるものです。ちなみに帝釋(釈)天とは仏教の守護神の天部のひとつで、ヒンドゥ教では雷神インドラ神と呼ばれるものです。日本には仏教伝来の頃から伝わっており、庚申(かのえさる)の日を縁日とするのが習わしです。

二天門

柴又帝釈天正面にある門は1896(明治29)年に建立された二天門です。平安時代作の二天(広目天、増長天)像がいて、大阪堺市にある日蓮宗寺院の妙国寺から寄贈されたと伝わります。

門をくぐった境内正面にあるのは帝釈堂で、入母屋造瓦葺で拝殿都内殿から構成されています。現在の拝殿は1929(昭和4)年、内殿は1915(大正4)年に完成したものです。

帝釈天の境内の中には意外なものがあります。瑞龍のマツと呼ばれる松で、柴又帝釈天開基と深いかかわりがあります。僧の日栄が柴又に来たときに松を見つけ。下に霊泉が沸いているのを見つけたので、庵を設けました。それが柴又帝釈天の始まりと言われています。

龍が天に上るかのようにまっすぐ上に伸び、そこから南北に出ていて、あたかも帝釈天を守護するように伸びていいます。

瑞龍のマツ

柴又帝釈天は彫刻が素晴らしいことでも有名です。優良ですばらしい彫刻が見られる「彫刻ギャラリー」があります。加藤寅之助ら10人の彫刻士が手がけたもので、1922(大正11)年から1934(昭和9)年にかけて10面を浮き彫りにした作品が見られます。浮彫の内容は法華経の中でも代表的な10の説話が選ばれて視覚的にわかるようになっています。

邃渓園

彫刻ギャラリーとセットで回れるのが大客殿と庭園です。大客殿は本堂の裏にある建物で、1929(昭和4)年に完成しました。入母屋造の瓦葺で、左右に細長く建てられているのが大きな特徴です。

その前に池泉式庭園が広がっており、邃渓園(すいけいえん)という名前で、1965(昭和40)念い永井楽山が設計して作庭されました。屋根付きの廊下から庭の様子がじっくりと見られます。

経栄山題経寺(柴又帝釈天)

葛飾柴又の魅力4. 葛飾区が管轄する山本亭 

山本亭

柴又帝釈天から寅さんの世界がじっくりと味わえる寅さん記念館に向かう途中に、葛飾区が管轄する山本亭があります。

山本亭

山本亭は、カメラ部品工場の山本工場を創立した山本栄之助の自宅だったところで、関東大震災がきっかけで葛飾柴又に住むようになりました。1988(昭和63)年に葛飾区が取得し、1991(平成3)年から一般公開したものです。

山本亭

山本亭は大正末期から昭和初期に増改築された二世帯住宅として貴重な調度品が残されています。そして庭園は米国の日本庭園専門誌「Sukiya Living(数寄屋リビング)ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の日本庭園のランキングで3位に入賞した実績があり、以降も900か所以上ある全国の庭園の中で常時10位以内の上位にランクインしています。

有料施設ですが、寅さん記念館と瀬戸で割引になるセット券があります。その他喫茶としての利用もできるなど、寅さんだけではない葛飾柴又の風情が堪能できます。

山本亭

  • 住所:東京都葛飾区柴又7丁目19-32
  • TEL:03-3657-8577
  • 公式サイト:山本亭

葛飾柴又の魅力5. 葛飾柴又寅さん記念館

葛飾柴又寅さん記念館

葛飾柴又寅さん記念館は、柴又の参道、柴又帝釈天と並んで寅さんの聖地としては欠かせないスポットです。館内は映画「男はつらいよ」シリーズの舞台が展示されています。視覚効果も素晴らしく、中に入ると寅さんの世界に紛れ込んだかのような錯覚を覚えます。

葛飾柴又寅さん記念館

映画で使われた舞台(松竹大船撮影所)と、寅さんの映像などが紹介されています。また実物の革鞄の展示や記念撮影などもできます。記念館は1997年に開館しましたが、3年に1度改装することになっており、最新では2022年4月にリニューアルオープンしています。

葛飾柴又寅さん記念館

葛飾柴又寅さん記念館と併設してあるのが、山田洋次ミュージアムです。男はつらいよの監督でである山田監督が手掛けたさまざまな映画についての展示品や映像作品があります。

葛飾柴又寅さん記念館

葛飾柴又の魅力6. 千葉県と行き来できる矢切の渡し

矢切の渡し

葛飾柴又の東側に流れている川は江戸川です。映画男はつらいよではオープニングや作品中に登場する江戸川には、矢切の渡しがあります。都内に唯一残っている渡し場は歌謡曲や小説の世界でも登場します。

矢切の渡し

片道200円(往復400円)で乗船できます。片道5分程度のクルージングですが、川面から柴又や対岸の松戸の風景が眺められる貴重な機会です。

矢切の渡し

船頭さんが船を動かしながら江戸っ子口調で、自由自在に独り言をつぶやくのが特徴です。往復はあらかじめ伝えてお金を払えば、対岸についても乗ったまま折り返してくれます。

葛飾柴又の魅力7. 穴場!柴又八幡神社

柴又八幡神社

柴又には意外な穴場が多くあります。柴又駅の西側、帝釈天の無い方にある柴又八幡神社は、ほぼ観光客が訪れない穴場スポットです。創建は不明ですが、柴又の鎮守として篤い崇敬を集めており、10月に行われる例祭では「柴又の三匹獅子舞」が奉納されます。柴又の三匹獅子舞は葛飾区の無形民族文化に指定されています。

柴又八幡神社

実は柴又八幡神社は島俣塚と呼ばれる古墳の上に創建されていて、社殿の下に石室があります。古墳からは埴輪の出土が確認されましたが、寅さんの帽子のようなモノをかぶっているという事で「寅さん埴輪」と名付けられました。

柴又八幡神社

柴又にはこのほかにも、知る人ぞ知る穴場があります。その人具が画像にある柴又駅の北側にあるおりつ地蔵尊です。おりつ地蔵は、昭和7年ごろの事件がきっかけで安置された地蔵で、他家へ養女に出したおりつが実家に戻されたことで、両親に虐待されて殺されたという悲しい事件が起こったことがきっかけです。

殺害後、両親は警察署に自首をしましたが、近所の人がおりつを哀れみ、地蔵尊を建立したそうです。現在の児童虐待にもつながるような事件がきっかけで立てられた地蔵尊はぜひ手を合わせておきたいところです。

柴又八幡神社

  • 住所: 東京都葛飾区柴又3丁目

葛飾柴又の名店8. 男はつらいよのロケ地!門前寅屋

門前寅屋

男はつらいよは柴又帝釈天の参道にある「とらや」という団子屋がメインのロケ地です。そしてその「とらや」のモデルとなったお店が門前寅屋さんです。

門前寅屋

そして柴又名物の草団子を食べることができるお店で、多くの人のサイン色紙が店内を飾っていました。

門前寅屋

店内には実際にロケで使った部屋や階段が保存されています。店の人に伝えれば自由に撮影できます。

門前寅屋・草団子

画像は門前寅屋さんの草団子です。草団子そのものだけ食べても旨味がありますが、どうしても味が薄く感じるので、一緒に添えられているあんことともに頂くとそのおいしさが相乗的に増幅されます。

門前寅屋

男はつらいよの古い映画のポスターが店内に並んでいます。寅さんの聖地に来たのならぜひ立ち寄りたいお店です。

門前寅屋

  • 住所:東京都葛飾区柴又7丁目7-5
  • TEL:03-3659-8111
  • 公式サイト:門前寅屋

葛飾柴又は寅さんを知らない若い世代も楽しめる昭和レトロ空間

葛飾柴又

葛飾柴又はリアルで男はつらいよの寅さん映画を知っている人にとっては非常に懐かしさを感じる昭和の雰囲気の頃の町です。しかし、寅さんをリアルで知らない若い世代が言っても存分に楽しめる街で、門前で好きなものを買ってみたり、寅さん記念館でレトロな昭和を追体験できるようになっています。

そして、できれば知る人ぞ知る柴又周辺にある穴場スポットにも足を運ぶと、柴又観光の思い出と知人友人へのお土産話に花が咲くことでしょう。

関連記事

東京」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『東京』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Ranking東京記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

万代正平

旅行が好きな旅人。日本国内は、北海道の網走、道東周辺から沖縄の八重山諸島・与那国島まで47都道府県すべて行ったことがあります。2020年2月までは毎年東南アジアに渡航しており、東南アジア10か国すべて訪問しました。海外では他にヨーロッパ(英国、ベルギー、アイルランド)アメリカ、中国、香港、マカオ、台湾、韓国への渡航経験があります。2020年春以降は、主に国内の旅行を中心に活動しています。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!