
公開日:
最終更新日:
青ヶ島への行き方は? 船やヘリコプターの概要、かかる料金など

東京の南に位置する青ヶ島(あおがしま)は、美しい自然に囲まれた島として有名ですが、アクセスが難しいため「上陸が難しい島」ともいわれています。
この記事では、青ヶ島の行き方について、船やヘリコプターの概要も含めて紹介します。青ヶ島の見どころや合わせて楽しみたい観光地も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 青ヶ島とは
<出典元:写真AC>
東京都にある青ヶ島は、人口が161人(令和6年10月1日現在)で、日本一人口が少ない村として知られています。島の位置は、東京から南へ358キロメートル、八丈島からは68キロメートル離れた場所。宮崎県とほぼ同じ緯度に位置しているものの、年間平均気温は年間を通して10度から25度程度で、東京や宮崎県よりもやや高い温暖な気候が特徴です。
しかし、標高が高い場所に集落があるため、八丈島などと比べると涼しかったりします。年間平均湿度は85%と、ほかの伊豆諸島の島と比べても高いという特徴があります。春の嵐や梅雨、秋の台風などには十分な警戒が必要です。
青ヶ島は豊かな自然に囲まれていることから、さまざまな観光スポットや島ならではの特産品が豊富です。また、アメリカの環境保護NGOの「One Green Planet」が発表した「死ぬまでに見るべき絶景13」に選出されたことで、海外からも注目を集めています。
2. 経由地:八丈島への行き方
<出典元:写真AC>
青ヶ島は本土からの直行便がないため、東京から青ヶ島へ行くには八丈島を経由することになります。
まずは東京から八丈島へ行く方法として、「船」と「飛行機」のそれぞれについて解説しましょう。
船:東京・竹芝桟橋から八丈島
東京から船で行く場合は、竹芝桟橋から1日1便毎日運行している東海汽船の大型客船を利用します。東京・竹芝から八丈島・底土港までの所要時間は、10時間20分程度です。
参考:大型客船(さるびあ丸)(東海汽船)
飛行機:羽田空港から八丈島
東京から飛行機で行く場合は、羽田空港から八丈島空港までの便を利用します。羽田空港から八丈島空港までの飛行機は1日3便毎日運行しており、所要時間は55分程度です。
3. 八丈島から青ヶ島への行き方
<出典元:写真AC>
八丈島から青島までは、「船」または「ヘリコプター」を利用して行きます。ここではそれぞれの行き方について解説します。
船:八丈島から青ヶ島
八丈島の底土または八重根港から青ヶ島の三宝港までは、伊豆諸島開発のくろしお丸を利用します。週4回から5回運航しており、所要時間は3時間程度です。天候不良などによる欠航もあり、就航率は50~60%とされています。
参考:八丈島⇔青ヶ島(伊豆諸島開発株式会社)
ヘリコプター:八丈島から青ヶ島
八丈島空港から青ヶ島ヘリポートまでは、東京愛らんどシャトルが運行するヘリコプターを利用します。1日1便毎日運行しており、所要時間は20分程度です。
参考:東京愛らんどシャトル
4. 青ヶ島へのヘリコプターの予約方法
<出典元:写真AC>
八丈島から青ヶ島へのヘリコプターは、電話または東京愛らんどシャトル公式サイトのいずれかで仮予約を行います。仮予約は搭乗の1か月前の12時から、搭乗日前日の16時まで(日曜日を除く)可能です。
仮予約の手続きが済んだら、現金またはクレジットカードで支払いを行います。支払期限は仮予約から3日後です。ただし、搭乗日前日の仮予約の場合は、前日24時までとなります。
5. ヘリコプター利用に関する注意点
ヘリコプターは、天候によっては欠航になる可能性があります。運航可否決定は、各便出発の1時間前に天候調査を行い、最終決定されます。
6. 青ヶ島のベストシーズンは?
青ヶ島観光で人気のシーズンは、大型連休がある4月や5月、夏休みや御盆期間の7月や8月、「カノープス」という珍しい星が見られる冬です。ただし、青ヶ島への行きやすさを考慮する場合は、海があまり荒れない4月から6月がベストシーズンといわれています。
とくに台風の影響を受けやすい9月や10月、風が強まる1月から3月は、船が着岸できない日が多くなりやすいため、来島が難しくなります。
7. 青ヶ島の見どころ
丸山と丸山遊歩道
<出典元:写真AC>
丸山とは、世界的にも珍しい、二重式カルデラの地形が特徴的な山です。噴火によって隆起した大小2つの旧火口がある内輪山で、くっきりと二重になっている様子を確認できます。丸山には規則正しい縞模様がついているのも特徴的で、これは椿の植林を行った際にできた模様です。
丸山を周る「丸山遊歩道」は、季節の草花や鳥たちに出会えるスポットで、ゆっくり歩いても20分から30分ほどで一周できます。低くなった外輪山のすき間のことを金太といい、すき間から見える太平洋は絶景です。
池之沢噴気孔群(ひんぎゃ)
<出典元:写真AC>
池之沢地区で多く見られる、地熱で熱せられた水蒸気が噴出する無数の穴のことを「池之沢噴気孔群」といい、島言葉では「ひんぎゃ」と呼ばれています。青ヶ島では電気がない時代に調理や暖房に地熱を利用するなど、昔から地熱を活用した生活が営まれてきました。
現在でも地熱を利用したサウナ施設の「村営ふれあいサウナ」や、地熱の蒸気で調理する「地熱釜」、島の名産品である「ひんぎゃの塩」を製造する「製塩事業所」など、さまざまな場所で地熱が活用されています。ひんぎゃから出る蒸気は雨水が地中で熱せられたもので、においや害はありません。
地熱釜では卵やじゃがいも、さつまいもなどの食材を蒸したり、くさややプリン、赤飯などの調理に活用されたりしています。
尾山展望公園からの眺め
<出典元:写真AC>
標高約400メートルの尾山展望公園からは、360度に広がる青ヶ島の絶景や広大な海の景色を楽しむことが可能です。丸山の二重式カルデラも上から見下ろせるほか、天気が良ければ八丈島がみえる場合もあります。
尾山展望公園の遊歩道の登り口までは、青ヶ島ヘリポートから徒歩45分程度、集落からは1キロメートル程度あり、登り口からは10分から15分程度で到着します。
昼間は青ヶ島全体の様子を楽しめるほか、夜間であれば照明や街灯がほぼないため満天の星空を楽しむことが可能です。ただし、夜間は暗く平衡感覚が鈍りやすいため、懐中電灯を必ず持参し、足元には十分気をつけましょう。
美しい星空観賞
<出典元:写真AC>
青ヶ島には夜間の照明や街灯がほとんどないため、尾山展望公園はもちろん、さまざまな場所で美しい星空を鑑賞できます。たとえば内輪山と外輪山に囲まれたカルデラの底にある池之沢は、星空を見上げるのに最適な「星空コロシアム」と呼ばれています。
また、村営ふれあいサウナでは、サウナを出たら地べたにゴロ寝した状態で外気浴をしながら星空を鑑賞することも可能です。ほかにも、ヘリポートや三宝港、「ジョウマン」と呼ばれる島の最北端部にある標高200メートルの崖の上なども、星空がきれいに見えるスポットとして親しまれています。青ヶ島なら「天の川」を見るという貴重な経験も可能です。
8. 青ヶ島と合わせて楽しみたい観光地
青ヶ島の周辺には、青ヶ島観光に合わせて訪れたい観光地や、青ヶ島に行けなかったときに楽しめる観光地もあります。
八丈島
<出典元:写真AC>
たとえば青ヶ島へ行く際に経由する八丈島では、温泉やレジャー、グルメなどを楽しめます。八丈島には温泉施設が7ヶ所あるため、美しい景色を眺めながら入浴できる露天風呂などを楽しむのもよいでしょう。また、底土海水浴場や乙千代ヶ浜(おっちょがはま)海水浴場で海水浴を楽しんだり、ダイビングや釣りを楽しむのもよいでしょう。
また、近海で捕った魚をヅケにして辛子と甘めのシャリで握った「島寿司」や、青ムロアジやトビウオの「くさや」、「明日菜の天ぷら」「八丈島牛乳」「八丈フルーツレモン」など、八丈島の郷土料理」や特産品を味わうのもおすすめです。
標高854メートルの八丈富士中腹にある「八丈富士ふれあい牧場」では、放牧された牛たちが草を食べながらのんびりと過ごす様子を見れるほか、春の大型連休と夏休み期間のみ限定で販売されるアイスクリームやプリンを味わうのもおすすめです。
ほかにも、東京にある島々のなかで最も高い「八丈富士」や、水田用水路として開拓した場所にできた「裏見ヶ滝」、硫黄成分が含まれている「硫黄沼」など、八丈島の豊かな自然を楽しめるスポットがたくさんあるので、ぜひ立ち寄ってみるとよいでしょう。
- 公式サイト:八丈島観光協会
御蔵島
<出典元:写真AC>
東京から船で八丈島へ行く際に八丈島の手前にある「御蔵島」は、豊かな自然が昔のまま残る美しい島で、島周辺は古くからイルカの生息地としても知られています。島周辺に生息しているのはミナミハンドウイルカで、野生のイルカを間近で観察できるウォッチングツアーも行われています。
イルカと一緒に泳げるドルフィンスイムも人気で、イルカの機嫌が良ければイルカの間近で泳ぐことも可能です。また、御蔵島港の近くにある「イルカの見える丘」では、運が良ければイルカの群れが見られるかもしれません。
- 公式サイト:御蔵島観光協会
三宅島
<出典元:写真AC>
御蔵島のすぐ近くに位置する三宅島では、豊かな自然のなかでトレッキングやバードウォッチング、ダイビングなど、さまざまなアクティビティが楽しめます。火山活動による自然の力を感じられるスポットも多く、たとえばダイビングでは海中の噴火の傷跡の様子やサンゴの群生などが見られます。
また、三宅島では伊勢海老やムロアジ、テングサ、金目鯛など島ならではの新鮮な海産物が豊富です。農産物では明日葉(あしたば)が特に有名で、明日葉茶や明日葉めんなどの加工品もお土産として人気があります。
- 公式サイト:三宅島観光協会
青ヶ島への行き方をはじめ、青ヶ島の見どころや周辺の観光スポットなどを紹介しました。青ヶ島での観光の際にぜひ役立ててください。
Ranking東京記事ランキング
-
旅の基本情報お届け部
- 旅が「楽しく」「お得に」「快適に」なる情報をお伝えします!