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ミズバショウが咲き誇る春(6月)の尾瀬を歩く
<TOP画像:観光ぐんま写真館提供>
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
尾瀬シリーズの2本目の記事です。2023年は尾瀬に5回訪問しました。2回目の尾瀬は6月上旬に訪問しましたが、ゴールデンウィーク(以後GW)に訪問した時とはまったく違う世界になっていました。
歌にも歌われ語り継がれている尾瀬の代名詞・ミズバショウが咲き誇る尾瀬。ほとんどの山小屋が5月中旬から営業を始めます。雪解けも進み、活動範囲も広範囲になります。ゴールデンウイーク(以下、GW)は尾瀬ヶ原の散策に終わりましたが、今回は尾瀬ヶ原、三条ノ滝、尾瀬沼へ朝から一気に歩いてきました。
どんな風景が目に飛び込んできたのか...。ぜひご覧ください。
目次
- 春の尾瀬
- 尾瀬1日目【2023年6月2日】
- 尾瀬2日目【2023年6月3日】
- 尾瀬3日目【2023年6月4日】
- 尾瀬4日目【2023年6月5日】
- ミズバショウの群生地情報
- 歩荷(ぼっか)さんを紹介します!
- 春の尾瀬の感想と注意点
春の尾瀬
GWの尾瀬は長い冬が終わる時期に当たりますので、まだまだ雪の中です。
そう考えると尾瀬の春はGW明けの5月中旬~6月いっぱいまでになります。
この時期は尾瀬の代名詞とも言えるミズバショウが見ごろを迎えます。「夏の思い出」という歌に『夏がくれば思い出す はるかな尾瀬 遠い空』という歌詞がありますね。この歌詞の中に『ミズバショウの花が咲いてる』というフレーズがありますが、あれ...夏の思い出なの...?と尾瀬を歩いていて感じました。二十四節気に当てはめると夏となる「立夏」は5月5日頃からになりますから、間違いではないのですが、尾瀬はまだまだ春の風景が広がっています。春の尾瀬はミズバショウを愛でる旅になりそうです。
<画像:観光ぐんま写真館提供>
尾瀬1日目【2023年6月2日】
【行程】
尾瀬第1駐車場===鳩待峠【13:05発】(標高1,591m)・・・(1時間/3.3km)・・・山ノ鼻(標高1,400m)・・・(40分/2.2km)・・・牛首分岐・・・(50分/2.3km)・・・ヨッピ吊橋・・・(20分/0.9km)・・・東電小屋【15:20着】(標高1,400m)<泊>
天候:土砂降りの雨
【13:05出発】GWに続き、尾瀬第1駐車場から乗合タクシーに乗って鳩待峠にやってきました。5月中旬~6月中旬までは尾瀬のベストシーズンになりますので、人数が集まれば乗合タクシー(ジャンボタクシー)が随時出発しますので便利です。前回は片品村のペンションに前泊しましたが、今回は前泊なしで鳩待峠にやってきました。
GWに尾瀬を訪問した時、初日は雨でした。そして今回も初日は雨。それも本降りです。登山道が渓流になっていました...。
GWの時は雪道と木道が交互にありましたが、さすがに今回は雪は解けていました。
ベストシーズンならではの木道の渋滞。ツアー客が前にいるとかなりゆっくりのペースで進みますので、対向する木道の空き具合を見ながら追い越していきます。
【13:40通過】鳩待峠から山ノ鼻までの間にはテンマ沢と呼ばれるミズバショウの群生地があります。
ここは熊の出没地点(熊鐘1つ目)でもありますので、通る時は熊よけの鐘を鳴らして進みます。これだけ人がいると熊も寄ってきませんが...。
山ノ鼻(標高1,400m)
【13:55通過】山ノ鼻に到着しました。先を急ぐのでトイレを済ませてすぐ出発します。
GWに来た時、このあたりは満面の水を蓄えていましたが、6月は緑豊かな湿原に変化していました。
原の川上橋の手前からその先まで熊の出没地点(熊鐘2つ目)になります。鐘を鳴らして足早に進みます。
原の川上橋を渡ります。このあたりは拠水林(きょすいりん)と呼ばれる細長い林があります。
尾瀬ヶ原の上田代に出ました。鳩待峠から山ノ鼻までは木道が渋滞していましたが、尾瀬ヶ原に出ると意外にも静まり返っていました。あれだけいた団体はどこに行ったのだろう...。
振り返ると日本百名山の至仏山(しぶつさん)がうっすらと姿を現していました。雪解けがかなり進んでいますね。
逆さ燧(さかさひうち)のポイントに着きましたが、やはりこの雨模様では見ることができません。
上ノ大堀川橋です。しっかり設置されているのですが、高さがあるので渡る時、ちょっと怖かったです。
牛首分岐(標高1,400m)
【14:30通過】牛首分岐です。東電小屋にはここを左へ曲がり進みます。まっすぐ進むと竜宮を経由して見晴に至ります。
燧ヶ岳(ひうちがたけ)もうっすらと見えています。
GWに来た時は橋が架かっていなかった東電下ノ大堀橋を渡ります。このあたりも熊の出没地なので、熊鐘を鳴らして足早に進みます。(熊鐘3つ目)
★2024年は5月17日(金)から開通予定です。
GWには設置されていなかった鹿よけのフェンスです。尾瀬ヶ原には至る所に設置されていました。鹿はミズバショウを好んで食べるそうです。
【15:05通過】ヨッピ吊橋の分岐路です。この分岐をまっすぐ進むと東電小屋へ、右へ進むと竜宮へ至ります。
ヨッピ吊橋(標高1,400m)
ヨッピ吊橋です。結構、立派な吊り橋です。GW期間中はここも通行できませんでした。
★2024年は5月17日(金)から開通予定です。
ヨッピ吊橋を渡ると熊よけの鐘があります。(熊鐘4つ目)
東電小屋(標高1,400m)
【15:20着】東電小屋に到着です。ずぶ濡れだったので、乾燥室に直行しました。
★2024年は5月18日(土)から営業予定です。
尾瀬2日目【2023年6月3日】
【行程】
東電小屋【8:00発】(標高1,400m)・・・(30分/1km)・・・東電小屋分岐・・・(20分/0.5km)・・・赤田代・・・(1時間/1.5km)・・・三条ノ滝・・・(1時間/1.5km)・・・赤田代・・・(20分/0.5km)・・・東電小屋分岐・・・(15分/0.3km)・・・見晴・・・(2時間/5km)・・・沼尻平・・・(北岸コース50分/2.7km)・・・尾瀬沼東岸・・・(25分/1km)・・・三平下【16:00着】<泊>
天候:曇り⇒晴れ
【8:00発】東電小屋を出発します。昨日の土砂降りは上がりましたが、木道は濡れて滑りやすいので注意して進みます。
★2024年の東電小屋公衆トイレは5月18日(土)から利用可能です。
しばらく林の中の木道を進みます。森林浴が気持ちいい!
【8:10通過】東電尾瀬橋を渡ります。
★2024年は5月17日(金)から開通予定です。
【8:20通過】東電小屋分岐に出ました。左へ進むと赤田代(温泉小屋)、右へ進むと見晴へ至ります。
前日の雨で木道が水没していました。湿原を傷つけないように木道の水の浅いところを進みました。
赤田代(標高1,400m)
【8:35通過】赤田代に到着しました。左に温泉小屋があります。
★2024年は5月18日(土)から営業予定です。
温泉小屋の隣は元湯山荘ですが、2023年はクローズしていました。
最後に公衆トイレがあります。この先はしばらく公衆トイレがありません。赤田代から三条ノ滝へは往復約2時間、赤田代から御池への燧裏林道は約4時間トイレがありませんので、ここで必ず済ませましょう。この公衆トイレは入口で備え付けのスリッパに履き替えて利用します。三条ノ滝へ行くと靴がドロドロになる為です。
★2024年の赤田代公衆トイレは5月25日(土)から利用可能です。
まっすぐ進むと平滑ノ滝経由の三条ノ滝へ、右へ進むと段吉新道から裏燧林道を経由して御池へと至ります。
三条ノ滝へは登山道が一変します。木道は無くなり、本格的な登山道になります。地面もドロドロのぬかるみになります。長靴が必要だと言われるのも納得です。
さらに崖っぷちの登山道になります。初級者は登山経験者に同行してもらうことをオススメします。
平滑ノ滝(標高1,341m)
大きな岩を乗り越えながら、さらに階段を下ると不規則な鎖場があります。手と足の置き場に注意しながら下っていきます。三条ノ滝への途中に平滑ノ滝がありますが、特に看板も出ていなかったので気づかず素通りしてしまいました。この岩場の先に平滑ノ滝(ひらなめのたき)展望台があります。
いくつかの沢を渡ってアップダウンを繰り返します。
こんなの序の口です。新品の靴は一瞬にしてドロドロになります。防水でなければ靴の中が泥水でぐちゃぐちゃになります...。なので、赤田代の公衆トイレは入口でスリッパに履き替えなのです...。
足の置き場がない!意を決して泥の中を進みます(泣)。さらに足場に気を取られて転倒にも要注意です。僕も一回転倒してお尻がドロドロに...。尾瀬ヶ原を歩いている時、すれ違うハイカーから「木道の尾瀬なのにあの人どこを歩いてきたの?」と不思議な目で見られたのがとても恥ずかしかったです。
6月は雪解け水と梅雨時期の雨水で濁流になっていることがあります。
【9:35通過】三条ノ滝分岐を通過します。まっすぐ進むと三条ノ滝、右へ登ると、うさぎ田代経由で裏燧林道を通って御池へ至ります。
三条ノ滝展望台への怖いところ その1。
手すりのない、階段です。右側は崖っぷちです...。鎖も設置されています。階段を下りると全面水たまりの橋が。どうやって渡るの...。
左側から轟音が。三条ノ滝が見えてきました。
三条ノ滝展望台への怖いところ その2。
傾いた橋...。怖いよ~。
三条ノ滝展望台への怖いところ その3。
ほぼ垂直のハシゴ...。もう慣れました(笑)。
三条ノ滝(標高1,240m)
【9:45着】三条ノ滝展望台に到着。この時期の滝は水量も豊富な為、大瀑布でした。
★2024年の三条ノ滝展望台は5月25日(土)に開通予定です。
ダイナミックな三条ノ滝を動画でご覧ください!
<三条ノ滝【9:55発】...赤田代【10:55通過】...東電小屋分岐【11:25通過】>
※先程と同じ道なのでカットします。
【11:25通過】東電小屋分岐に戻ってきました。まっすぐ進むと見晴、右に進むと東電小屋、後ろは赤田代へ至ります。
尾瀬ヶ原の北西の湿原を横断します。視界が一気に開けるので気持ちよく歩くことができます。
見晴(標高1,400m)
【11:40着】見晴に到着しました。ここでランチタイムです。この頃になると昼食営業を行っている山小屋もあります。見晴は尾瀬で一番山小屋があるところです。山小屋が6軒、キャンプ場が1か所あります。
向かって左側手前に「尾瀬小屋」
★2024年は5月18日(土)から営業予定です。
左側奥に「第二長蔵小屋」
★2024年は5月25日(土)から営業予定です。
向かって右側手前に「弥四郎小屋」
★2024年は5月17日(金)から営業予定です。
続いて「桧枝岐小屋」。
★2024年は4月20日(土)から営業予定です。
右側奥に「原の小屋」。
★2024年は5月25日(土)から営業予定です。
キャンプ場サイドに「燧小屋」。※キャンプ場も併設
★2024年は4月27日(土)から営業予定です。
見晴休憩所と公衆トイレです。
★2024年の見晴公衆トイレは4月27日(土)から利用可能です。
【12:40発】見晴を出発し、尾瀬沼に向けて進みます。
【13:00通過】見晴新道分岐を通過します。左に行くと見晴新道経由で燧ヶ岳へ、右に行くと尾瀬沼に至ります。
美しい渓谷を渡ります。しばらく木道と山道を交互に登っていきます。
途中の白砂峠(しらすなとうげ)までダラダラとした登り坂が続きます。
岩場もありますので、足元に注意して進みましょう。
白砂峠(標高1,680m)
【14:05通過】白砂峠(しらすなとうげ)を通過します。見晴から約1時間25分登ってきました。ここから一気に下ります。
白砂峠からの下り坂は岩場でかなり急な下り坂です。転倒しないように気をつけましょう。
白砂湿原(標高1,660m)
【14:10通過】坂を下ると白砂湿原に到着します。両側にミズバショウの群生地が広がり別天地です。
沼尻平(標高1,660m)
【14:30通過】白砂湿原を通り、さらに下ると沼尻平に到着です。ここで尾瀬沼と対面です。正面の建物は休憩所です。公衆トイレもあるのですが、GWは閉鎖していました。
★2024年の沼尻公衆トイレは6月1日(土)から利用可能です。
沼尻平は尾瀬沼の西端。白い雲が水面に映りこみ素晴らしい景色が広がります。
沼尻平から尾瀬沼北岸ルートを通り、尾瀬沼東岸を目指します。尾瀬沼は一周することができますが、初級者は尾瀬沼北岸ルートを通ることをおすすめします。尾瀬沼南岸ルートは危険な箇所があるので中級者以上となります。
尾瀬沼に沿って木道が整備されていて尾瀬沼から心地よい爽やかな風を受けながら進みます。
浅湖湿原(標高1,660m)
【15:10通過】浅湖湿原を通過します。この先にミズバショウの群生地があります。
【15:15通過】燧ヶ岳への登山道の分岐です。
大江湿原(標高1,660m)
広大な大江湿原に出ました。7月になると一面ニッコウキスゲが咲き誇ります。
【15:25通過】分岐点です。左へ進むと沼山峠、右へ進むと尾瀬沼東岸に至ります。
尾瀬沼東岸の山小屋への分岐点です。
尾瀬沼東岸(標高1,660m)
【15:30着】尾瀬沼東岸には尾瀬沼ビジターセンター、山小屋が2軒、キャンプ場が1か所あります。
尾瀬沼ビジターセンターです。ぜひ立ち寄って尾瀬の情報を収集しましょう。
開館時期は5月中旬から10月下旬(開館時期は無休)、開館時間は7:30から16:00です。
★2024年は5月11日(土)7:30から開館する予定です。
「長蔵小屋」です。
★2024年は5月18日(土)から営業予定です。
長蔵小屋に熊がいました。こんな熊なら出会いたいですね!
尾瀬沼東岸にはもう一軒山小屋があります。
★2024年は5月21日(火)から営業予定です。
★2024年の尾瀬沼公衆トイレは4月27日(土)から利用可能です。
引き続き、尾瀬沼の沼畔を歩きます。
途中、尾瀬沼越しに燧ヶ岳が見えました。
【16:00着】今日の宿泊地である「尾瀬沼山荘」に到着しました。尾瀬沼東岸になりますが、三平下に位置します。
★2024年は5月18日(月)から営業予定です。※毎週月曜日定休
★2024年の三平下公衆トイレは5月18日(土)から利用可能です。
尾瀬3日目【2023年6月4日】
【行程】
尾瀬沼山荘【8:00発】・・・(南岸コース1時間15分/1.3km)・・・沼尻平・・・(1時間50分/5km)・・・見晴・・・(30分/1.6km)・・・竜宮十字路・・・(30分/1.5km)・・・ヨッピ吊橋・・・(30分・1.5km)・・・竜宮十字路・・・(40分/2.2km)・・・牛首分岐・・・(40分/2.2km)・・・山ノ鼻【16:00着】<泊>
天候:快晴
早朝、尾瀬沼畔にて
【4:45】尾瀬沼に映り込んだ燧ヶ岳を見ることができました。早起きして良かった!
【8:00発】尾瀬沼沿いの尾瀬沼南岸ルートを進みます。天気が良ければ燧ヶ岳を眺めながら沼畔を進むことができます。
尾瀬沼南岸ルートは北岸ルートに比べてアップダウンが多く、尾瀬沼が迫ってくるような狭い道もあるため、歩行には注意が必要です。
登山道に何ヶ所かかかり木があり頭上注意の看板があります。頭をぶつけなくても、ザックが引っかかることがあるので要注意です。
写真で見るとそれほど狭いとは感じませんが、1人しか通れないところもあり、譲り合って離合します。
小沼湿原はミズバショウの群生地でした。木道の周りにはミズバショウが咲いていました。まもなく沼尻平に到着です。
沼尻平の手前から燧ヶ岳を見るといくつもの峰が重なって見えます。
【9:10着】沼尻平に到着しました。トイレはあるもののこの時は閉鎖していたので、見晴へ向かって素通りします。
昨日も通った白砂湿原です。天気が良かったので池塘に映り込む白い雲が印象的でした。
<白砂湿原【9:30通過】・・・白砂峠【9:40通過】・・・見晴(昼食)【10:55着】>※前日と同じ道なのでカットします。
【12:00発】見晴を出発します。正面に至仏山が見えています。
見晴から竜宮までは下田代と呼ばれています。
この下田代から見る尾瀬ヶ原が一番雄大だと僕は思います。
竜宮に沼尻川が横に流れています。ここが県境となり、手前が福島県、奥が群馬県になります。
沼尻川沿いの拠水林(きょすいりん)。奥に龍宮小屋が見えてきました。
竜宮十字路(標高1,400m)
【12:35通過】竜宮十字路で右へ曲がりヨッピ橋を目指します。尾瀬ヶ原の中央部を横断します。
尾瀬ヶ原を横断しているとまた違った角度で尾瀬を楽しむことができます。
中田代の木道をまっすぐ横断します。
沼尻川沿いの拠水林(きょすいりん)越しに見た燧ヶ岳。
【13:30折り返し】ヨッピ橋を押し返し竜宮十字路へ戻ります。
竜宮現象の出口(湧出点)です。ここは水が出てくるところです。
竜宮現象の入口(伏流点)です。ここから水が吸い込まれ、上記の湧出点に水が出ます。
鹿は尾瀬ヶ原の植物を食べてしまうので鹿柵があちこちに設置されています。
尾瀬ヶ原の南端に面してそびえる至仏山。
尾瀬ヶ原の北端に面してそびえる燧ヶ岳。
【15:05通過】牛首分岐を通過します。日帰りのハイカーが多いのか、午後遅い時間は急に人が少なくなります。
逆さ燧ポイントですが、風があったので水面に映り込む燧ヶ岳を見ることができませんでした。
【16:00着】本日の宿泊先は山ノ鼻の至仏山荘です。
★2024年は4月19日(月)から営業予定です。
尾瀬4日目【2023年6月5日】
【行程】
山ノ鼻【7:00発】・・・(植物研究見本園:大回り30分/1.1km)・・・山ノ鼻【7:25発】・・・(1時間10分/3.3km)・・・鳩待峠【8:30着】===尾瀬第1駐車場
早朝
【4:00】GWよりさらに早く東の空が白み始めます。早起きは三文の徳です。
【5:00】燧ヶ岳から朝日が昇ってきました。GWの時より左に太陽の位置がずれました。もう少し後になると燧ヶ岳の山頂から日が昇るのかな?
朝日を浴びた至仏山。至仏山は燧ヶ岳より森林限界が低く1,650mになります。
研究見本園
山ノ鼻には研究見本園と呼ばれる自然の庭園があります。ここは尾瀬保護事業の一環として昭和41年に整備され、尾瀬を代表する様々な植物を見ることができます。1周30分程度なので朝の散歩にはちょうどいいと思います。
少しアップダウンはあるものの、木道が整備されていますので、誰でも安心して楽しむことができます。
研究見本園から見た至仏山です。
研究見本園から見た燧ヶ岳です。
【7:25発】荷物を持って山ノ鼻を出発。鳩待峠まで登り坂を進みます。
山の川上橋を渡ると山ノ鼻とお別れです。登山道をよく見ていただくと電柱と電線が設置されているのに気がつきます。これは鳩待峠から山ノ鼻まで送電する電線です。なので、山ノ鼻の山小屋は電気が通っています。
大きな岩を避けるように木道が設置されています。
この階段の登りが意外ときついです。
至仏山が綺麗に見えています。右側の高いところが頂上(標高2,228m)、右側のこんもりしたところが小至仏山(標高2,162m)です。
最後の登り坂です。正面には鳩待峠休憩所が見えてきました。
【8:30着】鳩待峠に到着。この後、乗合バスに乗り尾瀬第1駐車場に戻りました。
ミズバショウの群生地
今回の尾瀬は広範囲を歩きました。ミズバショウの群生地は尾瀬ヶ原の『下の大堀川沿い』の群生地が有名ですが、あちこち歩いていると他にも群生地がありますのでご紹介します。標高や場所により、開花時期が少しずれています。訪問する際の参考にしてみてください。
テンマ沢(鳩待峠~見晴間)
鳩待峠から山ノ鼻に向かう途中、最初に出合うミズバショウの群生地です。
山ノ鼻(山ノ鼻~原の川上橋間)
尾瀬ヶ原:中田代(牛首分岐~東電ノ下大堀橋間)
尾瀬ヶ原:ヨシッ堀田代(ヨッピ吊橋~東電小屋間)
尾瀬ヶ原(東電小屋~東電尾瀬橋間)
尾瀬ヶ原(東電小屋分岐~見晴間)
白砂湿原
沼尻平
浅湖湿原
尾瀬沼東岸
尾瀬沼畔(尾瀬沼東岸~三平下間)
小沼湿原
尾瀬ヶ原:下の大堀川沿い(牛首分岐~竜宮十字路間)
【2023年6月4日撮影】下の大堀川沿いのミズバショウの群生地です。ここから至仏山をバックにミズバショウを...。咲いていません...。なぜ?山小屋で伺ったところ、この年は5月中旬の霜でミズバショウが枯れてしまったそうです。ミズバショウは霜が大敵なのだそうです。
<画像:観光ぐんま写真館提供>
本来ならこのようなミズバショウが咲き誇る風景を見ることができるのですが...。尾瀬を代表する風景です。
歩荷さんを紹介します!
歩荷(ぼっか)さんは各山小屋へ荷物を運ぶポーターの役割を果たしています。車で荷物を運ぶことができない尾瀬はポーターが大活躍。時には100kgを超える荷物を背負って尾瀬を歩いています。歩荷さんを見かけたら邪魔にならないように道を開けてくださいね。歩荷さんの活躍はYouTubeチャンネルで紹介されています。登山道や木道の状態、花の開花情報等、尾瀬のシーズン中はほぼ毎日更新されていますので、ぜひチャンネル登録してご覧ください。
YouTube:Japanese Porter -尾瀬 歩荷-
見晴の桧枝岐小屋で歩荷の五十嵐さんに出会いました。ちょうど到着したところでこれから荷を下ろすところです。声をかけると気さくにポーズをとってくれました。
木道を歩いていると、ところどころ木道の外側にこのような足置きがあります。これは歩荷さんが荷物を背負ったまま座れるように設置されたものです。なので、ここで休憩を取るのはやめましょう。
春の尾瀬の感想と注意
感想
GWの尾瀬はたっぷりの水を含んだ水面と雪のコラボレーションを見ることができましたが、春の尾瀬はミズバショウを中心とした春の高山植物が咲き誇ります。
尾瀬ヶ原は青々とした緑に覆われ、たくさんのハイカーが木道を楽しそうに歩いています。この時期の朝焼けは燧ヶ岳から太陽が昇ってくるので、凛々しくそびえる燧ヶ岳と朝日のコラボレーションを見ることができます。ほとんどの山小屋が営業を開始するので、夜の尾瀬も人で賑わいます。また満天の星空を観ることができるのも尾瀬の醍醐味。東の空から昇ってくる天の川も見ることができますよ!
春の尾瀬で気をつけること
1. 熊
春になると森からツキノワグマが出没します。尾瀬はツキノワグマの生息地。ミズバショウの果穂(かすい)はツキノワグマの大好物です。ミズバショウの花が見ごろを迎える頃、ツキノワグマも活動を活発化させます。ミズバショウの群生地では花に気を取られ、ツキノワグマの接近に気がつかなかったということがないように気をつけましょう。
- 尾瀬保護財団の公式サイト(ツキノワグマとの共存)やビジターセンターで目撃情報を確認することができます
- 熊よけの鐘があるところでは大きな音で鳴らしましょう
- 自身のザックには熊よけの鈴を付けて自分の存在を知らせながら歩きましょう
- 朝夕の薄暗い時間帯、雨や霧の時は要注意です
2. ドロドロのぬかるんだ登山道
赤田代(温泉小屋)から三条ノ滝へ向かう登山道は常にドロドロのぬかるんだ地面が続きます。長靴を持参すれば良いのですが、無い場合は最低でもハイカットの防水登山靴を持っていきましょう。ぬかるみは道全体に広がり、逃げ道はありません。意を決して歩くと...。ズブズブと泥の中に靴が沈んでいきます。さらに滑りやすいのが特徴。
三条ノ滝はダイナミックでとても素晴らしいのですが、そこに至るまでのアクセスが最悪なので覚悟していきましょう。(燧ヶ岳登山道の見晴から頂上までの見晴新道もドロドロ道なので注意が必要です。)
3. 尾瀬ヶ原には日影がない
尾瀬には山小屋周辺以外、一切日陰がありません。林の中や拠水林の中では日陰ができますが、尾瀬ヶ原を縦断中は日陰がないと考えてください。休憩できるベンチは各所に配置されているのですが、屋根はありません。晴れると日差しがきついので、帽子や日焼け止めなどの対策をしっかり取りましょう。
4. 突然の雪
5月中は天候の急変で雪が降ることもあるそうです。近年は温暖化で降ることはほとんどないそうですが、靴滑り止めの準備はしておいた方がいいと思います。
乗合バス・乗合タクシーの最終便
鳩待峠から尾瀬第1駐車場までの乗合バス・乗合タクシーの最終便は鳩待峠を16:40に出発します。山ノ鼻から鳩待峠までは上り坂のため、1時間10分程度かかります。
尾瀬ヶ原の滞在時間の管理をしっかりと行わないと最終便に乗り遅れますので、ご注意ください。特に鳩待峠から日帰りで尾瀬ヶ原に行く場合は要注意です。
服装
春の尾瀬は晴れると日差しもまぶしく暖かい気候となります。晴れていれば長袖シャツに中厚手のパンツ、靴は登山靴で大丈夫です。帽子や日焼け止めなどの日差し対策も必要です。尾瀬は雨が多いので、上下セパレートの雨合羽は必需品です。また天候が崩れると肌寒くなるのでトレーナーやパーカーなども持っていきましょう。暑ければ脱ぐ、寒ければ着るが基本スタイルです。
持ち物
通常の荷物にプラス下記を用意すると便利です。
- 雨具
- レジャーシート
- 携帯トイレ
- 100円玉
- 大小ビニール袋(持ち手が付いた口を結べる非透明のもの)
- 口がチャックで閉まる厚手のビニール袋
- 帽子
- 日焼け止め
- サングラス
- ザックカバー
- ウェットティッシュ
- トイレットペーパーまたは水に溶けるティッシュペーパー
- ステンレスのコップ
- カメラなどの予備バッテリー
- スマートフォンの充電バッテリーと接続コード
- 非常食
- 常備薬
- 湿布などの救急用品など
- 虫よけスプレー
- 虫刺され薬
- カナビラ
- 熊よけ鈴
- ヘッドライト
- アイゼンやチェーンスパイクなどの滑り止め(尾瀬沼南側ルート、アヤメ平は6月中旬頃まで、燧ヶ岳登山は7月下旬頃まで必携)
【山小屋に宿泊する時は】
- バスタオル
- タオル
- 寝巻(スウェット上下など)
- 歯ブラシと歯磨き粉
- インナーシーツ(ほとんどの山小屋が清潔なシーツを用意していますが気になる方は)
- 保温タイプの水筒
- 粉末コーヒー、ティーバッグ、粉末スープなど
- はし、スプーン、フォーク、マドラーなど
- ミニランタンなど
- ミニ三脚
山小屋宿泊のすゝめ
『泊まらなければ見られない景色があります』
鳩待峠から尾瀬ヶ原へは日帰りも可能ですが、ぜひ山小屋に宿泊することをおすすめします。天気が良ければ夕焼け、朝焼け、満天の星空を楽しむことができます。
山小屋は徒歩でしか行くことができませんので、非日常の時間を過ごすことができ、静寂の世界を体感することができます。尾瀬の山小屋はお風呂に入ることができるのも特徴。
しっかり歩いた後は、お風呂で温まり、それぞれの山小屋で特徴ある食事を堪能することができます。また山小屋では夕食時に生ビールも飲むことができますよ!
※6月の日の出は4:25前後、日の入りは18:55前後です。朝は4:00過ぎから東の空が白み始めます。
【山小屋での注意事項】
- 早めに到着した場合は荷物を預かってくれます
- チェックインは13:00前後、チェックアウトは8:00前後です
- 山小屋へは16:00までに到着するようにしましょう。山小屋によっては予約時点で16:00過ぎの到着を受け付けてくれないことがあります
- 入浴は15:30~19:00頃です
※原則、山小屋のお風呂での石鹸・シャンプー・リンスの使用はできません。コロナ禍で使える山小屋が増えていますが、持参したものの使用は避けてください。設置の石鹸は植物性のボディソープでした。洗面所には石鹸が常備されていますのでご安心ください - 山小屋のトイレは水洗・洋式がほとんどです。一部の山小屋ではトイレットペーパーを流すことができず、備え付けのゴミ箱へ入れるシステムを取っています
- 売店は19:00頃まで。ソフトドリンク、アルコール、菓子類や土産物など揃っています。売店で購入したゴミは引き取ってくれます
- 夕食は17:00~18:00、朝食は6:00~7:00です
- 消灯時間は21:00頃です
- 山小屋には暖房(ストーブ)がありますが、廊下は寒いこともあります。山小屋内で着込む上着を持参してください。なお、冷房はありません
山小屋のリンク集
【山ノ鼻地区】
【竜宮地区】
【見晴地区】
【ヨシッ堀田代】
【赤田代地区】
【尾瀬沼東岸】
【三平下】
公衆トイレ
鳩待峠、山ノ鼻、竜宮、見晴、東電小屋、赤田代、沼尻平、尾瀬沼東岸、三平下に公衆トイレがあります。有料です。100円玉をたくさん持参しましょう。
昼食
鳩待峠休憩所、山ノ鼻、見晴、尾瀬沼東岸の山小屋の一部で昼食を営業しています。山小屋では翌日のお弁当を受け付けているのでぜひ利用しましょう。
通信事情
尾瀬では携帯電話がほとんどのエリアで使用できません。山小屋および周辺では携帯電話が繋がります。なお、NTTドコモ、auは繋がりますが、ソフトバンクは繋がりにくいそうです。
Wi-Fiは山小屋内で利用できますが、通信速度がとても遅いので使えないと思ってください。パソコンやタブレットを持ち込んでも使いづらいと考えてください。
春の天気・気温
GW同様に天気が変わりやすいです。雨が降ると半日降り続くことがありますので、防水対策をしっかり行ってください。気温は晴れていれば暖かいですが、雨や雪が降るとぐっと気温が下がります。昼間は暖かくても朝晩は寒いです。朝焼け、夕焼け、星空を見に行く際はしっかり着込んで外に出ましょう。
尾瀬滞在中の注意点
- 尾瀬は自分で出したゴミは自身で持ち帰るのが基本。ペットボトルや食料をたくさん持参すると持ち帰りが大変です。当然少し高いですが、山小屋で購入することも可能です。ドリンク、アルコール、菓子類、カップ麺類など豊富に揃っています。山小屋で購入すると購入したものに限り、ゴミを受け取ってくれます。なお、山小屋にはゴミ箱がありません
- 雨はしっかり降ります。ザックカバーを付けていても雨に濡れ続けると防水機能が低下し、内部へ染み込むこともあります。ザック内の荷物もビニール袋などに小分けにして入れて防水対策をしましょう。特に財布。僕は防水対策が甘く、お札がザックの中で水没してしまいヨレヨレになってしまいました
- 持ち物に保温タイプの水筒と書いたのは、山小屋でお湯をもらえるからです(一部の山小屋は有料)。水筒にお湯を入れて、休憩ポイントで絶景を見ながら好きな粉末ドリンクや温かいスープなどを飲むのも楽しみのひとつです
- 尾瀬の水場は山小屋の屋外に設置されています。山から湧き出る天然の水です
- キャンプは指定地以外ではできません
- 尾瀬でも喫煙マナーを守りましょう。吸い殻は必ず携帯灰皿を持参して、帰宅してから処理しましょう。また尾瀬では焚き火は禁止です。コンロも周囲の方々に迷惑にならない場所で使用しましょう
- 湿原には入ってはいけません。木道や登山道から外れてはいけません。また湿原や川にコインを投げ入れるのもいけません。お金は募金箱に入れましょう。
- 木道は右側通行です。登山道では上りが優先です
- 尾瀬には病院がありません。救護所もありません。救急車も呼べません。常備薬は余裕をもって持参しましょう
- 尾瀬の生態系を維持し、自然景観を保つために、動物を捕まえたり、植物を採取することは法律で禁止されています
- 至仏山や燧ヶ岳の登山には携帯トイレを持参しましょう。尾瀬ヶ原の散策でも念のため携帯トイレを持参することをおすすめします
- ストックには木道や登山道を傷めないためにもゴム製のキャップを付けましょう
- ペットを連れての入山は禁止です
- 尾瀬の山小屋には各部屋または廊下にコンセントが設置されています。譲り合って使いましょう
尾瀬情報サイト リンク集
※当記事は2023年6月2日から6月5日まで訪問した時のものです
※2024年の最新情報は尾瀬保護財団公式サイトにてご確認ください
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。