いちごといえば、栃木?福岡?いえいえ群馬の「やよいひめ」もすごいんです。

やよいひめ

いちごといえば栃木県のとちおとめ、福岡県のあまおうなどが有名ですよね。

しかし近年は群馬県のいちごが注目を集めています。
そのブランド名とは「やよいひめ」

この記事では全国的知名度はまだそれほど高くはありませんが、群馬県を代表するいちご「やよいひめ」の凄い実力をお伝えします。

「へえ、そうだったの~」という驚きの事実もありますのでぜひお読みください。

目次

いちごといえば

いちごと聞いて浮かぶのは栃木県、福岡県などではないでしょうか。

いちご生産量ランクでは1位:栃木県、2位:福岡県、3位:熊本県でその後、愛知県、静岡県、長崎県、茨城県、千葉県、佐賀県、宮城県と続きます。

群馬県のいちご生産量は全国13位で生産量では他県に及びません。

しかしいちごにも業務用(冷凍、ケーキ用等)などいろいろな種類があり、生産量が多いからといって美味しいいちごばかりとはいえません。
生産者さんそれぞれがこだわりを持って努力と工夫を重ね、美味しいいちごを作っています。

群馬県やよいひめの特徴

それでは群馬県が誇るいちご、やよいひめの特徴をみていきましょう。

甘い

いちごの糖度は8~11度あたりで、甘いと言われているいちごでも平均糖度10度位です。

それに比べ、やよいひめの平均糖度は12度といわれています。

「食べチョクいちご博2024」でやよいひめは数々の賞を受賞しています。

>>食べチョクいちご博2024の情報はこちら

きれいな円錐形をしていて粒が大きい

「ひめ」といわれるだけあって姿の美しさも特徴です。

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一粒が大きいので、やよいひめを一口ほおばると「う~ん、いちごを食べてる~」と実感します。

明るい赤色

赤いのですが真っ赤ではなく明るい赤でややオレンジがかっています。女性からも「かわいい~」と人気なのだとか。

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果肉が硬めで傷みにくくスイーツ作りや輸送に適している

形が大きく美しいだけではなくしっかりした硬さがある為、ケーキの材料にも適し、発送する際も傷みにくく扱いやすいのも特徴です。

収穫期間が長い(12~5月)

いちごは12月~3月までが旬といわれていますが、やよいひめは5月まで収穫できます。

やよいひめと命名された理由も、3月(弥生)になっても美味しいいちごができるというところから来ています。

群馬県でも藤岡市がやよいひめの生産に一番向いている

群馬を代表するいちご、やよいひめ。
やよいひめは群馬県のいちご栽培面積の約8割を占めています。
群馬の各地で作られていますが、中でも藤岡市の生産が一番多いのです。

なぜなら藤岡市は晴天率が高く、日照量が多い土地でいちご栽培に向いているからです。

いちご生産には、光合成(光、水、二酸化炭素)がとても重要で、光をたっぷり浴びる環境は美味しいいちご作りに欠かせません。日照量が少ない地域でのいちご作りは人工的なライトをあてて光合成を促しているところもあるそうです。それだけ光合成は植物の育成に大事な役割を担っているのです。

全国的知名度はまだまだだが、有名ブランドのいちごと比べても・・・

2020年2月20日の読売新聞(群馬欄)に記事が掲載されています。
『群馬県の専門チームが、スーパーでやよいひめ(群馬産)と有名ブランドTとAの3種類のイチゴを購入し、味を分析した結果「甘さ」「うまみ」「コク」など「酸味」を除く7項目すべてで、他の2品種を上回った』と。
つまり、やよいひめは他のいちごブランドよりも甘く酸味がまろやかで、味が濃厚な美味しい品種であることがわかったそうです。

やよいひめはどのようにして生まれた?

群馬県産いちごとして最初に開発されたのは、アメリカの品種に「女峰」を掛け合わせた「とねほっぺ」。
大粒で綺麗な円錐形でしたが、糖度と果皮の弱さによってあまりヒットしませんでした。
とねほっぺの良いところを生かし、より高品質の高いいちごを作るべく、とねほっぺととちおとめを掛け合わせました。
この2つを交配しさらに選抜した株に再度とねほっぺを掛け合わせて精度を高め作られたのがやよいひめです。
2005年に品種登録されました。

やよいひめはいちご王者のとちおとめをさらに進化させて誕生したとも言えますね。

現在では、やよいひめは他県のいちご育種担当者からも高い評価を受けています。

佐賀県「いちごさん」埼玉県「あまりん」神奈川県「かなこまち」など、近年開発された新品種の親としてやよいひめが使われています。いちご業界ではやよいひめは既にブランド化しているといえるでしょう。

フルッティロッシのいちごとは

「食べチョクいちご博2024年度」において見事「甘みと酸味のバランス」部門の金賞に輝いたフルッティロッシ。

>>食べチョクいちご2024年度受賞作品はこちら

フルッティロッシは元々いちご農家ではなく、LPガス販売が本業という異業種からの参入です。

いちご栽培には重油が使われます。最近はガソリンスタンドの廃業、セルフ化によって燃料を配達する会社が減ってしまい困っているいちご農家が増えました。

フルッティロッシは、重油灯油よりも温室効果ガス排出を抑えられるLPガスというクリーンエネルギーをいちご作りに役立てることができたら・・・と思ったそうです。そしてかねてより農産物を自分たちの手で作りたいという思いもあり、自らいちご作りをやろうと決めたそうです。

フルッティロッシのめざすところは「人と地球に優しい農産物の生産」

フルッティロッシという名前の由来はイタリア語で「赤い果実」という意味です。

フルッティロッシの取り組み

これまでの農業の慣習、常識に囚われず、良いと思ったことをどんどん形にしていきました。

例えば、

  • 土は農業の基本。いちごの育成に最適な土をブレンドして作った。
  • IOT技術(※1)で、光合成を最大限に促進、自動環境制御により最適ないちご栽培を実現。
  • クリーンエネルギー(LPガス)使用で、重油灯油より15%温室効果ガス排出を削減。
  • 農薬だけに頼らず害虫を駆除する天敵農法(※2)の導入
  • 植物性酵素肥料で、健康で病害虫に強いいちご作り

など。

※1:IOT技術とは?

IoT(Internet of Things)技術とはモノをインターネットに接続して、生活や産業の効率化、利便性を高める技術を指す。IoT機器にはセンサーが搭載されており、感知したデータはインターネットを通じてクラウドやアプリケーションに蓄積され、このデータを活用することでさまざまな分野で効率化や問題解決が期待されている。

※2:天敵農法とは?

いちごにとって一番の敵は羽ダニ。一般的にはこの羽ダニを農薬で退治しているが、フルッティロッシでは羽ダニの天敵である別種のダニを入れて羽ダニを駆逐している。そのおかげで農薬の最小限に抑えることに成功した。

これらの斬新な取り組みによってフルッティロッシは令和5年群馬県の認定農業者「ぐんまエコファーマー」(※3)に認定されました。

※3「ぐんまエコファーマー」とは?

環境負荷に配慮して、土づくりと化学肥料・化学農薬の低減を一体的に行う生産活動や温室効果ガス排出量の削減を行う計画が群馬県より認められた業者に与えられる称号です。

摘みたてのいちごとスーパーなどで売っているいちごの違い

フルッティロッシが大切にしているのが「一番美味しいいちごを一番美味しい状態で食べてもらう」ということです。

当初、完熟したいちごを収穫して卸業者に納品しようとしたところ「これではだめだ」と言われたそうです。

スーパーなどで売られているいちごは流通事情により、納品して約3日後に店頭に並びます。ということは完熟しているいちごを納品しては店頭に並ぶ頃には熟度が過ぎているのです。かつ販売店はできるだけ長い期間売ることができる日持ちするいちごを求めるので、農家は熟す前のいちごを納品せざるをえないのです。

もちろんこの流通のしくみによって私たち消費者は安定した量をリーズナブルな価格で手に入れることができます。

ですからこのシステムはありがたいのですが、農産物の完熟度という観点から見ると上記のような現実があります。

フルッティロッシは「一番熟した時に収穫したいちごを食べてもらいたい」という思いがありますから、一般流通での販売をしていません。

基本的には直売です。昨年からECサイトでの販売を始めました。

朝収穫したいちごをその日に出荷するのですが、賞味期限は出荷から5日以内です。

見方によってはリスクと言えますが、一番美味しいいちごを一番美味しい状態で食べてもらいたいという思いが伝わってきます。

いちご摘み体験

フルッティロッシは2024年から道の駅「ららん藤岡」のそばにハウスを建て、直売といちご摘み体験を始めました。

こちらが2025年1月に実施されたいちご摘み体験ツアーの風景です。

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<ハウス内は清潔に保たれています>

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<高設栽培のため、立ったままいちごを摘むことができて体に優しい>

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畑の中でしゃがんで摘むいちご狩りの風景とは雰囲気がずいぶん違います。

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<フルッティロッシの特徴でもあるクリーンエネルギーによる地球に優しい農業>

ちなみに「いちご摘み体験」であり「いちご食べ放題」ではありません。

観光農園によくあるいちご食べ放題は楽しいものですが、食べ放題にするには当然それなりの品質(コスト)に抑えなければなりません。

フルッティロッシのいちごは高崎の高島屋内カフェや芸術劇場のカフェレストランで使われているブランドいちごですから、ひとつぶひとつぶが大切に育てられています。食べ放題のいちごとは別物です。

摘み取り体験では、食べ放題ではありませんが自分で摘んだいちごをお土産として持ち帰り(500g。約10~15粒位)できます。

また一番美味しい状態で収穫されたいちごの販売もしています。

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直売所で売っているいちご1パック1,500円。スーパーで売られている一般的ないちごより高いと感じるかもしれませんが、前述のように別物です。

やよいひめの平均糖度は他のいちごより高い12度位ですが、フルッティロッシではなんと糖度16度といういちごもあります。

高崎の高島屋内カフェで使われていることからもわかるように、贈答品としても愛されるまるで宝石のようないちごなのです。

>>フルッティロッシの公式サイトはこちら

美味しいいちごの選び方


いちごのへた付近まで赤く染まっていて、へたが青々としているものや、パッと見て色ツヤがよく、つぶつぶ(そう果)の間隔が離れているものを選ぶと良いそうです。

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日本のいちごは世界一

筆者はイタリアのローマに住んでいたことがあります。

市場で真っ赤ないちごを見つけ美味しそうなので買って食べたところ、あまりの酸っぱさに吐き出してしまった思い出があります。

考えてみれば日本でも昔のいちごは酸っぱくて、練乳や砂糖と牛乳を掛けて食べていましたね。

日本の品種改良の技術といちご生産者さんの努力と工夫はすごいです。

世界のいちご生産量ランキングでは、1位中国、2位アメリカ、3位トルコで、日本は11位だそうです。

でも味と品質レベルでは日本がダントツ1位だと思います。

大事なのは生産量の多さではないのです。

アジアでは日本のいちごが高値で買われていることからもわかります。

そしてフルッティロッシのように、古い慣習や常識に囚われず、美味しいいちごを作るためなら新しいことにもどんどんチャレンジする人たちも出てきています。

どうせいちごを食べるなら、地球に優しく人に優しいいちごを食べたいですよね。

群馬県が誇るいちご、やよいひめ。

あなたもぜひ食べてみてください。他のいちごとは違い5月まで美味しく食べられますよ。

阪急交通社グループのオンラインショッピングサイト「ホップスモール」でこのフルッティロッシのいちごを買うことができます。

ぜひ一度ホップスモールをのぞいてみてください。

>>ホップスモールへはこちらから

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2024年初めてやよいひめに出会った記事がこちら。ぜひお読みください。

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シンジーノ

3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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