フランスの美しい宮殿7選! 世界遺産のヴェルサイユ宮殿など

ヴェルサイユ宮殿 フランス

芸術、歴史、伝統、豊かな自然美に恵まれたフランスは、その壮大な歴史と文化を映し出す数多くの美しい宮殿があることでも有名です。王家の華やかな生活や政治の中心地としての面影と、圧倒的な建築美は、訪れる人々を魅了することでしょう。

そこで今回の記事では、フランスにある有名な7つの宮殿を挙げて、それぞれの歴史と観光の魅力を詳しくご紹介します。

目次

<1. ヴェルサイユ宮殿>

<2. 小トリアノン宮殿(ヴェルサイユ宮殿の庭園内離宮)>

<3. 大トリアノン宮殿(ヴェルサイユ宮殿の庭園内離宮)>

<4. リュクサンブール宮殿>

<5. パレ・ロワイヤル>

<6. シャイヨー宮>

<7. エリゼ宮>

1. ヴェルサイユ宮殿

ヴェルサイユ宮殿
<出典元:写真AC

フランスの歴史と文化を象徴するヴェルサイユ宮殿。世界遺産にも登録されており、フランス王権の力と芸術が集約された場所として知られています。

ヴェルサイユ宮殿の歴史

ヴェルサイユ宮殿は、もともとはフランス国王13世が余暇を楽しむ狩猟用のロッジとして1624年に建てた、小規模なロッジだったそうです。

その後、ルイ14世が国王に即位すると、彼は1661年からフランスの建築家、ルイ・ル・ヴォーと庭師のアンドレ・ル・ノートルを招き、宮殿と庭園を現在のような壮大なスタイルに造り変えました。

ヴェルサイユ宮殿は、ルイ14世、15世、16世と3代の国王の主要な居住地となり、政治と文化の中心地として機能しました。フランスの絶対王政の力と富の象徴であり、王族と貴族の社交の場としても使用されていたヴェルサイユ宮殿でしたが、1789年にフランス革命が勃発すると、ルイ16世とマリー・アントワネットはヴェルサイユ宮殿から追放。革命後は宮殿内の多くの家具や芸術品が失われてしまいました。

ヴェルサイユ宮殿が歴史的な記念碑として復元され、博物館として一般公開されるようになったのは19世紀に入ってからのこと。第一次世界大戦の終結を記念するヴェルサイユ条約の締結など、多くの重要な歴史的イベントが宮殿を舞台に行われました。

ヴェルサイユ宮殿の観光

パリ市内の各駅からRER(高速郊外鉄道)を利用すれば40分ほどで訪れることができるヴェルサイユ宮殿。最寄りの「ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ駅」から宮殿までは徒歩10分ほどとアクセスの良さも魅力です。

ヴェルサイユ宮殿に入場するにはチケットが必須。事前に公式サイトからチケットを購入しておけば、当日スムーズに入場することができます。特に観光シーズンはチケット購入のために長蛇の列ができるため、事前購入は必須です。

ヴェルサイユ宮殿の鏡の間
<出典:写真AC

宮殿の内部には豪華な「鏡の間」、王と王妃の寝室、壮大なホールや礼拝堂など、華麗な装飾と歴史が息づく部屋が連なります。ルイ14世の時代の芸術作品や家具も展示されており、当時の宮殿生活を垣間見る貴重な体験ができるでしょう。

また、宮殿の庭園は広大な敷地に美しい花壇、壮大な噴水、彫刻などが配置されており、じっくり散策をしようと思ったらしっかり時間を確保しておく必要があります。春から夏にかけては噴水の付近で行われるショーや音楽イベントも必見です。

2. 小トリアノン宮殿(ヴェルサイユ宮殿の庭園内離宮)

小トリアノン宮殿
<出典:Shutterstock

ヴェルサイユ宮殿の中でも特に魅力的なスポットのひとつとして人気なのが、マリー・アントワネットの隠れ家でもあった離宮・小トリアノン宮殿です。

小トリアノン宮殿の歴史

小トリアノン宮殿は、1768年にフランス国王ルイ15世の命によって建設が始まり、1774年に完成しました。ルイ16世の妻であったマリー・アントワネットは、この宮殿を個人的な隠れ家として愛用し、窮屈な宮殿での生活から離れておだやかな時間を過ごしていたといわれています。

小トリアノン宮殿の観光

小トリアノン宮殿は、建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルが設計を手掛け、ネオクラシカル様式の建築美が魅力です。内部はマリー・アントワネットの好みに合わせて装飾が施されており、彼女の個性と趣味が反映された空間が広がります。宮殿に隣接する庭園には、英国式庭園やロックガーデン、そしてマリー・アントワネットの命によってつくられた農村が広がります。

ベルサイユ宮殿の入場チケットに小トリアノン宮殿への入場も含まれており、ヴェルサイユ宮殿を訪れた際には、宮殿までの美しい散策路を楽しむのがおすすめです。

3. 大トリアノン宮殿(ヴェルサイユ宮殿の庭園内離宮)

大トリアノン宮殿
<出典:Shutterstock

小トリアノン宮殿と同じく、ヴェルサイユ宮殿の庭園の敷地内にある「大トリアノン宮殿」。ヴェルサイユ宮殿の離宮のひとつで、ヴェルサイユ宮殿を訪れた際には立ち寄っておきたいスポットです。

大トリアノン宮殿の歴史

大トリアノン宮殿は、ルイ14世の命によって造られた離宮で、愛人マントノン夫人と過ごすための別邸であったと言われています。フランス革命後にはナポレオン1世が住居として使用、現在保管されている調度品や内装などはその当時のものです。

大トリアノン宮殿の観光

ピンクの大理石が美しく映える柱廊が有名。現在はフランス共和国の首相官邸の一つとされ、国外からの要人をもてなすための迎賓館としても使われているそうです。

4. リュクサンブール宮殿

リュクサンブール宮殿
<出典元:写真AC

パリの中心部に位置するリュクサンブール宮殿は、フランスの元老院(上院)の議事堂として使用されており、政治的にも重要な役割を果たしています。

リュクサンブール宮殿の歴史

リュクサンブール宮殿は、もともとはサロモン・ド・ブロス設計でピネー=リュクサンブール公フランソワの邸宅として建てられたものです。それを、イタリアからフランス王室に嫁いできたルイ13世の母マリー・ド・メディシスの命によって、1614年~1639年にかけて改築が行われ、マリーの居城とされました。

内装は彼女が幼少期を過ごしたフィレンツェのメディチ家の「ピッティ宮殿」をモチーフとし、フランスの伝統的な建築様式とルネサンス様式とが見事に融合した宮殿になっています。

フランス革命では国に摂取され監獄として使用され、その後は権力を掌握したナポレオン・ボナパルトが居住地として使用。第二次世界大戦中はドイツ占領軍の空軍司令部が設置されるなど、たびたび歴史の重要な舞台となっています。

リュクサンブール宮殿の観光

リュクサンブール宮殿はフランス上院として使用されているため、原則は非公開です。ただし、毎年9月の第3土日に制定されている「ヨーロッパ文化遺産の日」には一般公開されます。

リュクサンブール宮殿は広大なリュクサンブール公園の中に位置しており、公園部分には立ち入ることが可能です。パリ市民や観光客にとって人気の憩いの場所で、広大な庭園には美しい花壇や噴水、彫像があり、リラックスした時間を過ごすことができるでしょう。

また、宮殿内にはリュクサンブール美術館も設置されており、特別展示が定期的に開催されていて、さまざまな時代や流派の芸術作品を鑑賞することができます。

5. パレ・ロワイヤル

パレ・ロワイヤル
<出典元:写真AC

パリ随一の観光地ルーヴル美術館。その前にそびえ立つシンメトリーの建物が「パレ・ロワイヤル」です。フランス語で「王の宮殿」を意味する通り、かつての王が暮らした場所として知られています。

パレ・ロワイヤルの歴史

パレ・ロワイヤルが建設されたのは1633年のこと。もともとはカトリック教会の枢機卿であったカルディナル・リシュリューのために建てられた住居で、当初は「パレ・カルディナル」と呼ばれていました。

1642年にリシュリューが亡くなると、遺言によってルイ13世に譲られ、フランス王室の所有となったため「パレ・ロワイヤル」と改名されましたが、その翌年にルイ13世が死去。宮殿には、王妃アンヌ・ドートリッシュとまだ当時5歳だったルイ14世が移り住みます。

しかし、ルイ14世がヴェルサイユ宮殿に移ってからは、パレ・ロワイヤルはルイ14世の弟のオルレアン公の所有となり、荒廃した時代を過ごします。

パレ・ロワイヤルが変貌を遂げるのは、ルイ16世の時代に入ってからのこと。1784年に5代オルレアン公のフィリップ・ドルレアンが中庭の回廊を改装し、ショッピングモールに変えたのです。以降はレストランや店が周辺に並ぶようになり、パリ最大の繁華街として賑わいました。

パレ・ロワイヤルはまた、フランス革命の火種を切る舞台となった場所でもあり、革命後も多くの政治的な集会がここで開催され、政治的・社会的な活動の中心地でありつづけました。19世紀に入ると、パレ・ロワイヤルの周囲にはアーケードが建設され、ショッピングと娯楽の中心地として栄えていったのです。

パレ・ロワイヤルの観光

現在のパレ・ロワイヤルは国務院(最高裁判所)として使われているので、建物の中は原則立ち入り禁止となっています。しかし、中庭にある庭園は、都会の喧騒から離れた静かなオアシスとして、緑豊かな木々、整備された花壇、美しい噴水が訪れる人々を魅了しています。

また、パレ・ロワイヤルのアーケードは、現在も高級ブティック、レストラン、カフェが並び、ショッピングや食事を楽しむのに最適です。

6. シャイヨー宮

シャイヨー宮
<出典元:写真AC

パリの西部、セーヌ川沿いに位置するシャイヨー宮。丘の上に建つ白い外観は、パリを訪れた人の多くが一度は目にしたことがあるはずです。

シャイヨー宮の歴史

シャイヨーの丘には、もともと「トロカデロ宮」がありました。1878年のパリ万国博覧会の時に建てられた、大きなコンサートホールを有するアラブ風の建物でしたが、当時のパリ市民からの評判は決して良いものではありませんでした。そこで、1937年に再びパリ万国博覧会が開催されることになった際に、すべてを取り壊し、現在のシャイヨー宮が建てられたのです。

設計を手掛けたのは、ルイ=イポリット・ボワロー、ジャック・カリュ、レオン・アゼマといった建築士たち。テラスを中央にして大きく翼を広げたように建つ新古典主義建築の建物は圧巻の美しさで、現在も訪れた人々を魅了しています。

シャイヨー宮の観光

シャイヨー宮は、パリでは珍しい小高い丘の上に位置しており、パリ市内を見下ろすことができる絶景スポットとしても人気です。特に、シャイヨー宮前の広々としたテラスからは、エッフェル塔やシャン・ド・マルス公園を見ることができます。

また、トロカデロ庭園からは、エッフェル塔とセーヌ川を見ることができ、絶好のフォトスポットとしても人気です。

7. エリゼ宮

パリ中心部の高級ブティックが並ぶフォーブール・サントノレ通りに位置するエリゼ宮は、フランス共和国大統領の公邸として使われています。

エリゼ宮の歴史

エリゼ宮は、フランスの貴族エヴルー伯爵ルイ・アンリ・ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュのために1718年に建てられた宮殿で、かつては、ポンパドール夫人やナポレオンの皇后ジョゼフィーヌが住んでいたことでも有名です。1873年からは、大統領官邸として使われています。

エリゼ宮の観光

エリゼ宮の内部は原則一般公開はされておらず、特定の公開日にのみ見ることができます。普段はフランス国営憲兵隊所属フランス共和国親衛隊の衛兵によって厳重な警備がされており、宮殿脇のエリゼ通りから鉄格子越しにその様子を眺めるしかできません。

フランスにはこのようにたくさんの美しい宮殿があります。一般公開が制限されているところもありますので、事前に公開日をチェックしてぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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