【四季と宿をめぐる旅】石川県〜温泉民宿 漁火と能登半島の海〜

夏休みといえば、どんなことに思いを巡らすでしょうか。筆者は小学生の時、父親の実家へ遊びに行ったことを鮮明に覚えています。なんだかアットホームで、心温まる子供の頃の記憶です。

そこで今回は、どこか懐かしくいつまでも思い出に残る宿泊体験をお届けします。お宿の名前は「温泉民宿 漁火」。能登半島にあるNHK朝ドラ『まれ』のロケ地にもなった民宿です。

目次

原風景の中で過ごす宿泊体験

能登半島

今回ご紹介する「温泉民宿 漁火」があるのは、能登半島の輪島市街から車で約15分ほど西に進んだ場所。街中とは打って変わって、断崖連なる海岸線や緑深い里山の風景が広がります。まさに"輪島の秘境"と言える場所です。

原風景の中で過ごす宿泊体験

この辺りには数世帯の家屋しかありません。実はかつて平家の落人が形成した集落で、とても長い歴史を誇っています。お宿の建物も300年近く前の古民家。小さな共同体の中で、協働しながら自給自足の生活を営み、今日に至っています。

温泉民宿 漁火

「温泉民宿 漁火」に宿泊する第一の魅力は、その共同体の暮らしに溶け込めるということ。時計を気にしない時間の流れや、皆で向かい合っていただくお食事、周囲の心洗われる景色など、シンプルながらとても満足度の高い宿泊を楽しめます。

まるでここで暮らす一員のように接してくれる下さん一家と、他の宿泊者とのちょっとした交流も楽しいひとときです。

心温まるおもてなしの数々

自給自足のごはん

そんな「温泉民宿 漁火」では、人情味豊かな心温まるおもてなしを満喫できるのが醍醐味です。リピーターさんに支持される理由があります。

例えばお食事は、基本的にすべて自給自足の食材を使用。日本海で獲れた魚をはじめ、自家製のお野菜を使ったおかずがずらりと並ぶのがポイントです!

ごはん

どれも素材の味を生かした程よい味付けとなっており、箸が止まらない美味しさ。隣の田んぼで育てた自家製米のふっくらご飯と一緒にいただけば、思わず笑みがこぼれます。

それにしてもお米も海鮮も全て自給自足でまかなっているとは驚きですね。一品の美味しさに加えて、ボリューム抜群の内容で、満足度も◎

お風呂

またお宿の名前にもある通り、お風呂もこだわりポイントの1つとなっています。実は、ここで温泉が湧いているわけではないものの、せっかくなら民宿で温泉に浸かってもらおうと、近くから源泉を宿まで運んできて、沸かしているのです。

すべすべとしたお湯は本当に気持ちよく、身体を芯から温めてくれます。手間暇を惜しまないこのスタイルこそ「温泉民宿 漁火」が長年愛され続けている理由かもしれませんね。

運が良ければ座敷童に会えるかも!?

囲炉裏

お宿を語る上で欠かせないのが、入口からすぐのところにある"囲炉裏"です。実は、この空間は「温泉民宿 漁火」の原点。火を囲みながら、宿泊したお客さん同士が交流する場として、ロビーの役割を担っています。

サイン

周囲には、能登の工芸品や、歴史を感じる民具などが並び、古き良き古民家の空間がそのまま残っているのが面白いです。中にはNHK朝ドラ『まれ』の主演・土屋太鳳さんのサインも飾られていました。

「座敷童子」が現れるというのは有名な話

そんなお宿を象徴する囲炉裏ですが、実はこの奥の部屋に「座敷童子」が現れるというのは有名な話。筆者が訪れた時も、見たことのあるというリピーターさんが、その時のことを教えてくれました。

もしかしたら、"幸運"という縁起の良いおもてなしを受けられるかもしれませんね。

感動的な能登の景色変化に出会う

日の入り

町から離れた場所にあり、日本海を見下ろすような断崖の上に立つ「温泉民宿 漁火」。そこには時計で仕切られた時間ではなく、日の出と日の入りに伴う緩やかな時間が流れています。

夕方、豪華な料理に舌鼓を打っていると、外には温かな光とともに、表情を変えていく日本海が。心洗われる1日が終わる瞬間に出会いました。

日の出

また日の出のタイミングも見逃せません。角方的に日の出そのものは見えないのですが、天気が良ければ、鮮やかな朝焼けが見られます。海がほのかに色づき、空が赤く染まる風景は、まさに1日の始まりを物語る時間。気持ちの良い朝の空気を感じながら外に出れば、きっとその感動的な瞬間に立ち尽くしてしまうはず。

いかがでしたでしょうか。今回は日本の原風景の中で癒しの滞在を楽しめる「温泉民宿 漁火」をご紹介しました。ぜひ一度、宿泊してみて下さい!きっとまた帰りたくなる故郷が一つ増えるかもしれません。

温泉民宿 漁火

  • 住所:石川県輪島市小池町小鵜入タの4
  • TEL : 0768-22-2410
  • 予算:1泊2食付き8,000円前後〜/人
  • 公式サイト:温泉民宿 漁火

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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