【四季と宿をめぐる旅】岐阜県〜渡合温泉と緑豊かな付知峡〜

度合温泉

岐阜県の山奥、付知川の源流に佇む1軒の旅館。電気が通っていないことから、ランプの宿という愛称で親しまれている「渡合(どあい)温泉旅館(※以降、渡合温泉と省略)」です。

隔絶した自然と共に、いつまでも変わらない秘湯らしさを残すお宿は、多くのリピーターが足しげく通う場所。緑や清流に心洗われ、人のおもてなしに浸る、とっておきの旅をご紹介します。

目次

マイナスイオン漂う秘境の渓谷

付知峡

エメラルドブルーの神秘的な淵と、豪快に落ちる滝。中津川市の山間部に位置する「付知峡(つけちきょう)」は、岐阜県有数の景勝地として知られています。

付知峡

溢れるような緑と、連続する滝が生み出すマイナスイオン。夏でも涼しく、避暑地としても人気の高いハイキングスポットです。

リピーターの途絶えない山奥の秘湯宿

渡合温泉

付知峡から車で約1時間ほど。付知川の源流に佇む一軒のお宿が、今回ご紹介する「渡合温泉」です。

電波もなく、アクセスも容易ではありませんが、多くのリピーターに愛されています。

空

人気の理由を一言でまとめると、温かいおもてなしと、日常から解き放たれた時間を楽しめるから。

人情味と豊かな自然、その両方に触れられることが「渡合温泉」に泊まる醍醐味と言えます。

ランプ

また宿のいたるところには、趣あるランプが掲げられています。

電気が通っておらず、代わりにランプに明かりを灯すことから「ランプの宿」という愛称をもち、このスタイルを開業当初より守り抜いています。

移りゆく自然とともに。ランプとともに過ごす

お風呂

渓谷の一角にある「渡合温泉」。少し暗い浴室を、ほのかにランプの明かりが灯ります。

ゆらゆらと水面に映り込むランプと緑に癒されながら入浴しました。ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉はすべすべとして気持ちがいいです。

ランプ

日中は優しい緑に包まれて、自然に溶け込むようなランプの明かり。しかし夜になると、暗闇を照らす大切な光に変わっていきます。

ランプ

夕食後、宿のご主人からランプの使い方を教えていただいたあとは、夜が明けるまでランプとともに過ごす時間です。

このひとときは今や当たり前になった電気のある日常とは一線を画します。しかし、その不便さも贅沢と思ってしまうのは私だけでしょうか。

愛される理由はおもてなしとゲーム

懐石料理

お料理も渡合温泉の魅力の1つ。川魚や山菜を使ったご馳走がならび、顔の大きさほどになる「わらじ五平餅」が名物となっています。

まさに山川の恵みが詰まった懐石料理。隔絶したロケーションからは考えられない豪華さです。

渡合温泉

そしてリピーターがこぞって楽しみにしているのが、夕食後のゲームの時間。ユーモア溢れるご主人が、数々の遊びを教えてくれます。

空き缶でコンロを工作したり、もやい結びについて習ったり、ランプにつける火を自ら起こしたり、思わず夜まで夢中になって遊んでしまうはず。

遊びの時間

翌日の朝は、射的やアナログなゲームに興じます。景品があるので、気合が入りますね!そしていつのまにか、宿泊者同士の輪も深まっています。

豊かな自然の中でリフレッシュすると同時に、人の温かさを再確認できる「渡合温泉」。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

渡合温泉旅館

  • 住所:岐阜県中津川市加子母渡合
  • TEL : 090-1092-8588
  • 予算:1泊2食付き13,460円/人
  • 公式サイト:渡合温泉

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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