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青森といえば何だろう? 青森観光前に知りたい基礎知識
本州最北端に位置し、自然や文化・歴史など魅力豊かな青森県。それでは「青森といえば」何を頭に思い浮かべるでしょうか。今回は、青森県を代表する観光スポットやお祭り、特産品などをピックアップし、青森の魅力をたっぷりとご紹介していきます。
目次
1. 青森といえば?
本州最北端に位置する青森県。三方を海に囲まれた自然豊かな県で、歴史や文化を感じる青森市をはじめ、県下随一の港町である八戸、北海道への玄関口として見所満載の津軽半島・五所川原、江戸時代の城下町として栄えた弘前、絶景とグルメが楽しめる下北半島、渓流や湖に美しい山麓を有する十和田・八甲田など、エリアごとに多彩な魅力に溢れているのが特徴です。
また、青森ねぶたまつりや弘前ねぷた祭りなどの夏祭りは世界的にも有名で、開催期間中は国内外から多くの観光客が訪れます。りんごやにんにくなどの農産物や大間のマグロをはじめとする海産物なども有名で、青森ならではのグルメを堪能することも可能です。
2. 青森の観光スポットといえば
青森には雄大な自然が作り出す美しい観光名所や、魅力あふれる歴史スポットが数多くあります。その中でもおすすめの観光スポットをご紹介します。
奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)
<出典:写真AC>
東北地方を代表する景勝地のひとつ「奥入瀬渓流」。十和田湖北岸の子ノ口から焼山まで約14キロに渡って続く緑豊かな渓流で、国の特別名勝および天然記念物に指定されています。
水の透明度が極めて高い奥入瀬渓流は、滝が連続する上流域と激しい流れが続く中流域、ゆるやかな流れが特徴の下流域の3つに分けられていて、周辺には希少な苔類が多く見られるのも特徴です。「阿修羅の流れ」や「三乱の流れ(さみだれのながれ)」、「雲井の滝」、「白糸の滝」など見どころスポットを巡りながら渓流散策を楽しむのがおすすめ。自然に癒されながらゆったりとした時間を楽しむことができます。
十和田湖(とわだこ)
<出典:写真AC>
奥入瀬渓流の源流にあたる十和田湖。周囲が46キロあり、青森を代表する新緑や紅葉の名所としても有名です。
湖畔には遊歩道「乙女の歩道」もあり散策を楽しむこともできます。おすすめは、10m以上もの透明度を誇る湖をカナディアンカヌーで2時間かけて進む「十和田湖カヌーツアー」。ガイドのサポートで初心者でも安心して参加することができ、十和田湖の美しい自然を思う存分楽しむことができます。もっと気軽に楽しみたいという方には十和田湖遊覧船を利用するという方法も。約50分のクルーズで恵比寿大黒島や甲島、鎧島などの十和田湖の見どころを巡ることができます。
弘前城
<出典:写真AC>
津軽氏の居城として1611年(慶長16年)に築かれた弘前城。
創建当時は5層の天守閣を備えていましたが、1627年に落雷が原因の火事で焼失し、現在も残る3層の天守は1810年に再建されました。2014年からは100年ぶりの大修理が行われていて、本丸東側の石垣修理に加えて天守が本丸中央部へ70mほど移動。このビックプロジェクトの完了は2025年以降になると言われています。
弘前城の周辺には桜の名所としても有名な弘前公園があり、春の桜祭りや冬の雪灯篭まつりなどのイベントも人気です。
八甲田
<出典:写真AC>
青森県の中央部にまたがる山岳地帯・八甲田。山々の連なりといくつもの湿原を見ることができる青森屈指の自然スポットで、絶好のドライブスポットとしても人気です。
焼山からスタートして、八甲田・十和田ゴールドライン、城ヶ倉大橋、八甲田ゴールドライン、田代平湿原を巡って焼山に戻るコースなら、八甲田山麓の絶景スポットを余すことなく楽しむことができておすすめです。
3. 青森のお祭りといえば
青森には、国指定の重要無形民俗文化財に指定されている祭りも多く、国内外から大勢の観光客が訪れます。ここからは青森を代表する5つの祭りをピックアップ。その魅力を詳しく紹介していきます。青森を訪れる際には、祭りの開催期間に合わせるのもおすすめです。
青森ねぶた祭
青森の夏祭りとして世界的にも有名なのが、毎年8月2日〜7日に開催される「青森ねぶた祭り」です。
「ラッセラー」の掛け声に合わせて武者人形や悪鬼、鳥獣などを形どった人形型のねぶたを曳きながら、扇子持ちや囃子方、跳人などが市内を練り歩くダイナミックな様子は圧巻! フランス、イタリア、ハワイ、ブラジル、中国など各国を代表する祭りにも派遣されたことがある青森ねぶた。伝統技術を継承する「ねぶた師」によって作り出されるねぶたは、その圧倒的な美しさで世界中の人々を魅了しています。
弘前ねぷたまつり
青森ねぶた祭りと並び青森県を代表する夏祭りとして有名なのが、国の重要無形民俗文化財に指定されている「弘前ねぷたまつり」。
毎年8月1日〜7日に開催され、三国志や水滸伝などの勇壮な武者絵である鏡絵や見送り絵など大小さまざまなねぷた約80台が、「ヤーヤドー」の熱い掛け声とともに弘前の街を練り歩きます。弘前ねぷたは扇型の「扇ねぷた」と「組ねぷた」の2種類があり、小型のねぷたから大型のねぷたが順番に曳かれ、最大9mを超える大型のねぷたを男衆が曳き歩く頃には、沿道の熱気も最高潮に。汗まみれになってねぷたを曳く曳き手の姿や勇壮なお囃子にも注目です。
八戸三社大祭
国の重要無形民俗文化財に指定されている「八戸三社大祭」は、約300年の歴史と伝統を誇る青森を代表するお祭りのひとつです。
八戸市内にある「龗神社(おがみじんじゃ)」と「長者山新羅神社(ちょうじゃさんしんらじんじゃ)」「神明宮(しんめいぐう)」の3つの神社による合同例祭で、2016年12月には、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」にも登録されています。三社の神輿行列は祭り一番の見どころで、神話や歌舞伎などを題材にした高さ10m、幅8mにもなる山車が27台も連なる様子は圧巻です。夜にはライトアップされた山車が運行し、昼とは違った幻想的な雰囲気に包まれます。
黒石よされ
徳島県徳島市の「阿波おどり」と岐阜県郡上市の「郡上おどり」と並び、日本三大流し踊りのひとつとして有名なのが、青森県の黒石市で毎年8月14日〜8月20日の6日間にわたって行われる「黒石よされ」です。
もともとは盆踊りの際に歌われる男女の恋の掛け合い唄だったそうで、その歴史は古く、今からおよそ500年〜600年前までさかのぼると言われています。「廻り踊り」「組踊り」「流し踊り」の3つの踊りで構成されていて、なかでも市内を踊りながら歩く踊り流しには、地元市民だけでなく県内外から多くの見物客が訪れるほどの人気です。流し踊りの途中では、曲の切替わりを合図に出場団体ごとの廻り踊りも始まり、踊りに加わる見物客もいて大変な賑わいを見せます。
弘前さくらまつり
日本随一の桜の名所として知られる弘前公園。江戸時代に建造され、国の重要文化財にも指定されている弘前城の周辺には、実に2,600本もの桜が植えられていて、満開の時期には訪れた人を圧倒する豪華絢爛の絶景が広がります。
<出典:写真AC>
本州最北端の青森に桜の開花が訪れるのは4月下旬ごろ。毎年その時期に合わせてゴールデンウィークあたりまで行われるのが「弘前さくらまつり」です。期間中は日没〜20時30分まで毎晩ライトアップイベントが実施され、夜桜の幻想的な景色を楽しむことも。四の丸エリアでは、津軽地方の伝統グルメ「生姜味噌おでん」や花見団子をはじめ、さまざまな屋台が出店されます。お化け屋敷や遊具エリアなどもあって、家族連れで楽しむことができるお祭りです。
4. 青森の名産品といえば
食の宝庫としても有名な青森県では、気候や風土、自然環境を生かしたさまざまな名産品が作られています。果物や農産物、海産物はバラエティ豊かな加工品にもなっているため、青森を訪れた際には名産品を使ったお土産を探してみましょう。
りんご、西洋なしなどの果物
<出典:写真AC>
青森の名産品と聞いて真っ先に思い浮かぶ果物と言えば、りんごではないでしょうか。
りんごの栽培は多くの手間がかかるのが特徴で、冬の枝切りからはじまって翌年秋の収穫まで、一年間ほとんど休むことなく作業が必要になります。にもかかわらず青森県の各地で広く栽培されていてその出荷量は全国の40%を占めるほどです。天候にも左右されやすく、大雨や台風の被害を受けることも少なくありません。そうした栽培過程の多くの困難を克服して生み出される青森のりんごには、生産者たちの知恵と技術、情熱がつまっています。
青森県の南部町、弘前市、三戸町、五戸町といった地域では、西洋梨の栽培も有名です。特に、南部町では日本でも珍しい「ゼネラル・レクラーク」と呼ばれる品種が栽培されていて、ジューシーでなめらかな口当たりと後味がさっぱりしたさわやかな甘みが特徴となっています。8月から12月にかけて収穫量のピークを迎えますが、ゼネラル・レクラークは生産量がそれほど多くないため、あまり市場に出回らない希少価値の高い西洋梨としてより人気です。
ごぼう、にんにくなどの農産物
<出典:写真AC>
夏に「ヤマセ」とよばれる冷たい風が吹く上北地域はごぼうが有名です。
秋から冬にかけては出荷量が特に多く、全国1位を誇ります。青森では長年ながいもを主力作物として育てていましたが、同じ畑で同じ野菜を繰り返し育てると土の栄養が偏ってしまうことから、その輪作作物としてごぼうをつくり、現在ではその作付面積を大きく広げているそうです。青森のごぼうは香りと風味、シャキシャキとした食感が特徴で、食物繊維や血糖値の上昇を抑える効果のある炭水化・イヌリンが豊富に含まれた健康食材としても注目されています。
一方、同じく青森の名産品として知られているにんにくは、国内生産量の実に7割という高いシェアを誇ります。なかでも「福地ホワイト」と呼ばれる品種はスパイシーな香りと甘みがあり、市場価値の高いにんにくです。独自に培った土壌づくり、栽培、管理、貯蔵の技術を持つ青森県では、1年を通して安定したにんにくの出荷を実現しています。
マグロ、ホタテなどの海産物
<出典:写真AC>
本州の最北端に位置する青森。津軽海峡、日本海、太平洋と3つの海に囲まれていて、一年を通して豊富な海産物が水揚げされています。その中でも、津軽海峡で吊り上げられ、大間漁港に水揚げされるマグロは「大間のマグロ」の名称でブランド化され、日本を代表する高級マグロとして人気です。
太平洋を大回遊して丸々と太ったクロマグロが津軽海峡に入るのは秋から冬にかけて。その頃には甘みのある質の良い脂がのった極上のマグロとなり、市場価値も上がります。
また、マグロと並ぶ青森を代表する海産物として人気なのがホタテです。主な水揚地は陸奥湾で、かご養殖、耳吊り養殖、地まきなどの漁法が一般的。ただし、養殖とはいっても人工的に餌を与えるわけではなく、陸奥湾で自然に発生した植物プランクトンなどを餌にしているのが特徴です。旬を迎える6月〜8月にかけては貝柱の厚みと旨さが増し、まろやかな甘みのある絶品のホタテをいただくことができます。
5. 青森の伝統料理といえば
海に囲まれ、緑豊かな森林や肥沃な大地にも恵まれた青森は、豊かな食材を生かした郷土料理が数多くあります。先人たちの知恵や地域の食文化に根ざした伝統料理は、青森を訪れた際にはぜひ食べておきたいものばかりです。
けいらん
けいらんは、中に餡子を入れて丸めて蒸しただんごに、昆布と椎茸でとった出汁を醤油で味付けしたものをかけた汁物のことで、主に青森の下北地方に伝わる伝統料理です。丸めただんごの形が卵(鶏卵)に見えることから「けいらん」と呼ばれています。
青森には、秋の稲刈りが終わって農作業がひと段落する11月に、近隣の人や親戚などを招いて一年の農作業を労って料理を振る舞う「秋仕舞い」を行う風習があり、けいらんはその際に作られる料理のひとつでした。現在では冠婚葬祭に欠かせない郷土料理として愛されていて、結婚式などの慶事のときには紅白に色をつけただんごを入れることもあります。
観光地の食事処などでもメニューに加えられていることが多いので、青森を訪れた際にはぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか。
じゃっぱ汁
じゃっぱ汁は、寒い青森の冬に欠かせない郷土料理です。「じゃっぱ」というのは津軽弁で「雑把」のことで、魚の頭や内臓、骨などの普段は食べないようなところ、つまり魚の「アラ」のことを意味します。冬の寒さが厳しい青森では、その昔から冬の間も食べるものに困らないようにと干物や漬物などの保存食をつくっていました。そのなかでもタラやシャケの干物をつかって作られたのが「じゃっぱ汁」です。
作り方はとても簡単で、熱湯をかけて臭みを取ったタラと野菜を食べやすい大きさに切り、だし汁といっしょに鍋で煮込みます。アクが出なくなるまで煮込んだら、酒と味噌で味付けをして、たっぷりのネギを添えれば完成です。アラと一緒に大根や人参などの根菜類や木綿豆腐を入れても美味しく仕上がります。
アラからはタンパク質やカルシウムなどの栄養分もたくさん出るため、体を温めるだけでなく免疫力を高めることで寒い冬を乗りきることができる、先人たちの知恵が詰まった郷土料理なのです。
けの汁
<出典:写真AC>
けの汁は、主に津軽地方を中心に伝わる郷土料理で、「津軽の七草がゆ」とも言われています。「粥の汁(かゆのしる)」がなまって「けの汁(けのしる)」と呼ばれるようになったそうです。
けの汁は、1月15日の小正月に一年の無病息災を願っていただく精進料理で、大根や人参、ごぼうなどの根菜類と、ふきやわらび、ぜんまいといった山菜類に、油揚げ、凍み豆腐、こんにゃくなどを賽の目に刻んで煮込み、味噌や醤油で味付けをします。青森ではその昔、1月15日の小正月には年末年始を忙しく過ごしたお嫁さんが、実家に帰ってゆっくり休む日とされていて、その間に料理をしなくても済むように大鍋いっぱいの「けの汁」つくって里帰りをしたそうです。
入れる具材や切り方は家庭ごとに異なりますが、イワシの焼き干しと焼き昆布で出汁を取ったり、大豆をすりつぶしたずんだを入れるという特徴があります。
卵味噌
卵味噌もまた、津軽地方に伝わる郷土料理のひとつで、地元では風邪のときに食べたり、日本酒のアテとしても親しまれています。その名の通り卵と味噌を使った料理で、味噌と砂糖、お酒を混ぜた調味液の中に溶き卵を入れて混ぜ、半熟に固めるだけという手軽さが魅力です。
出来上がった卵味噌は、炊きたてご飯の上にそのまま乗せて食べたり、おにぎりの具として入れたり、お茶漬けにしたりというのが定番。また、意外にもトーストとの相性も抜群で、食パンに卵味噌をぬってチーズを乗せて焼くという食べ方もおすすめです。密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すれば1週間ほどは日持ちするため、多めにつくって常備しておくこともできます。
6. 青森の方言といえば
全国屈指の難解な方言として有名な青森弁。津軽弁、南部弁、下北弁と大きく分けて3つの種類に分類され、中でも津軽弁は特に強いなまりと独特な言い回しがあります。同じ青森県民でも、他の地域の人には通じない津軽弁もあるそうです。
では、ここからは実際に代表的な青森弁をいくつかご紹介していきます。青森を訪れた際には、お土産売り場などで地元の方の話す言葉にぜひ耳を傾けてみてくださいね。
「わどなは、いっつがけやぐだね!(私とあなたは、もう友だちだね!)」
※わ=私、な=あなた、けやぐ=友だち
「どさ?(どこにいくの?)」
※「どさ」は、どこさ(どこへ)の省略形です。青森弁の中でも津軽弁は特に言葉を短くする特徴があります。
「かちゃましい〜!(イライラする〜!)」
「けっぱれ!(がんばれ!)」
「~だっきゃ(〜だよね)」
「もっとけ(もっと食べて)」
「あずましゆっこだなぁ(気持ちがいい湯だなぁ)」
「どやへば(馬鹿言わないで)」
「うぬうぬど(慌てて)」
「こちゃこいへ(こっちへ来てください)」
いかがでしたか? 本州最北端の青森は、豊かな自然と歴史に溢れた魅力あふれるところです。この記事でご紹介した内容を参考にしながら、ぜひ青森を旅して、自分だけの「青森といえばコレ!」を見つけてみてくださいね。
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