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ドイツのちっちゃなクリスマスマーケットをのんびり巡ってみた
2023年が幕開け。すでに今年を充実させるべく、皆さん突き進んでいらっしゃるであろう今、クリスマスマーケットの話題です!
ドイツのクリスマスマーケットといえばケルンなど大都市のを真っ先に思い浮かべますが、観光地ではない小さめクリスマスマーケットもなかなかに味があります。
ドイツ情報を満載した日本語フリーペーパー「NIPPONip(ニッポニップ)」では、こぢんまりしたクリスマスマーケットのハシゴを提案。そこで紹介されている通り、Erbach(エアバッハ)と、Michelstadt(ミヒェルシュタット)のクリスマスマーケットをハシゴしてきました!クリスマスマーケット巡りのポイントも挙げてみたので、次回の参考にしてくださいね。
目次
NIPPONipとはどんなフリーペーパー?
ちっちゃめクリスマスマーケットのモデルコースを参考にさせていただくのは、ドイツ各地で3ヶ月に1度配布されているフリーペーパー「NIPPONip」!ドイツを旅したり生活したりするのに役立つ情報や、ドイツで活躍するアーティストのインタビュー、サッカー、グルメなど、バラエティーに富んだテーマが盛り込まれています。
<日本のテイストが入った表紙がほっこり味わい深い>
現在配布されている66号で紹介されているのが、フランクフルトから車で1〜2時間のエアバッハと、そのお隣りの都市、ミヒェルシュタットのクリスマスマーケット。どちらも1時間ほどでサクッと回れてしまうほど、こぢんまりしていますが、地元感満載で、温かみある素朴な雰囲気を感じることができちゃいます。
ポイント1:開催日時をしっかりチェック
小さなクリスマスマーケットは、1〜2日しか開催されない、開催期間が長くても開くのは週末のみ、時間が短い...ということがあるので、必ずインターネット等で確認してから行きましょう。また、ドイツでは、クリスマスイブや当日はすでに終了しているところが多いので注意。クリスマスは、日本のお正月のように、お家で過ごすのが主流です。
エアバッハ
エアバッハ城や木組みの家々が印象的な町、エアバッハ。18世紀末、エアバッハ伯爵により確立された象牙彫刻の伝統が息づいており、ドイツ象牙博物館(Deutsches Elefenbein Museum)では、同地での象牙芸術の始まりから現代までのコレクションを年代順に紹介しています。
クリスマスマーケットが行われているのは、エアバッハ城(Schloss Erbach)のあるマルクト広場(Marktplatz)。エアバッハ城を背景に、メリーゴーランドやさまざまな屋台が立ち並んでおり、そのコントラストに目を奪われます。
<エアバッハ城が眼下のクリスマスマーケットを見守っているかのよう>
<屋台が主流だけど、山小屋ふうの建物があり、中で飲食できるのがグッド>
<庭に飾るアイテムたちがキュート。ガーデニング好きなドイツらしい!>
<オブジェがあしらわれたゴージャス屋台がひときわ人気だった>
<筆者がいちばん心浮きたったのが、このキラキラした大きな卵みたいなもの!>
<卵の正面に回り込むと、中に入れるようになっていた!が、目立ちすぎてちょっと恥ずかしい・笑>
終始興奮ぎみにあちらこちらに立ち寄りながら、ぐるっと制覇。日曜日なので混雑しているかなと思ったけれど、昼間だったせいか、ぶつかりあうことなく、のんびり見て回ることができました。
ポイント2:ゆっくり見るなら昼間に行くべし
昼間なら、人は適度にいるけれど混んでいないので、自分のペースでのんびり見られます。
しかし!ひとつ問題が!当たり前だけれど、昼間はイルミネーションが楽しめない(涙)。日が暮れてくれば、お城の入り口に松明が灯り、美しい光の天使"Erbacher Lichterengel"が広場に現れたり、もちろんクリスマスツリーなどもライトアップされるのに...。そして、オーケストラの演奏やクリスマスの朗読会などのプログラムも夕方から夜に行われるので、夕暮れ時が狙い目かもしれません。
ポイント3:とはいえ、イルミネーションを見るなら夜!
ドイツの冬は暗いので、17時前後にはイルミネーションが楽しめるはず。
<光の海になるはずのエアバッハ城の庭園がなんか寂しい>
<暗くなるまでエアバッハ城内のドイツ象牙博物館を見るのもいいかも>
<インスタ映えしそうなワッフルを食べて、次の目的地に向かいます>
エアバッハのイルミネーションに後ろ髪引かれながらも、お隣りの町、ミヒェルシュタットへ移動。約3kmなら歩いてもいいかと思ったけれど、なんせ寒いし、移動ルートは普通の道路で、とくに景色が楽しいわけでもないので、車や電車を使うのがベストです。
ポイント4:冬のドイツを侮るべからず。防寒はしっかり!
筆者が訪れた日は昼間でもマイナスの気温で、とにかく寒いの一言。まれに暖かい日もあるけれど、とくに夜までいる場合は、帽子、手袋、ブーツなどしっかり防寒対策をしておきましょう。
ミヒェルシュタット
バロック様式の木組みの家々や、郵便切手のデザインにもなったゴシック様式の市庁舎など、中世の街並みが広がるミヒェルシュタット。ドイツ人のみならず、世界中から観光客がこの地を訪れます。
ドイツでも有数の美しいクリスマスマーケットとして、小さい都市ながら名前が挙がるのがミヒェルシュタット。旧市街に、飲食をはじめ、工芸品、生活用品など、100前後もの多彩な屋台が軒を連ねます。
まずは、1312年頃に牢獄として使われていたという盗賊の塔(Diebsturm)を通って、おもちゃの博物館を有する建物の中庭(Kellereihof)へ行くと、早速クリスマスピラミッド(Weihnachtspyramide)がお出迎え。3段すべてに木彫り人形が配されていて、ぐるぐる回っているさまが最高に愛らしい!終始ウィーーーンと鳴り響いてるモーター音まで可愛く思えてしまうほど。
<夜まで待って、ライトアップされたピラミッドを撮影。神秘的!>
<お人形たちの足元に敷かれた削り木も演出に一役買っています>
<屋台をはみ出すほどいっぱいいっぱいに陳列されてるカゴたち!>
ひとしきり、可愛い!を連発してふと我に返ると、中庭にはあまり屋台がなくてこんなものかなと思ったけれど、小道に入りブラウン通り(Braunstrasse)に出ると、道に沿って屋台がぽつぽつぽつと連なっているではありませんか!
案内図を見ると、マルクト広場(Marktplatz)を中心にぐるっと旧市街を回れるように屋台が出ている模様。ただでさえ素敵な旧市街に木造りの屋台が連なっているなんて、本当にメルヘンチック!自分がおとぎ話の世界にいるような不思議な感覚に陥ります。
<三角屋根の屋台のおそろいっぷりが、もはや愛おしい>
そしてハートをわしづかみにされたのが、要所要所に出てくる等身大の木彫り人形!少し歩くと、ひょこっと顔を出すかのようにたたずんでおり、写真を撮る手が止まりません。
イエス・キリスト誕生の場面を人形で表現するクリッぺ(Krippe)も、木彫りの人形でした。丸みを帯びたフォルムが優しい印象。
ひとしきり歩き回ったら、ちょっと休憩。赤ワインと複数のスパイスを混ぜて作るドイツの風物詩、グリューワインで体を温めつつ、日が暮れるのを待ちます。
<カレーソーセージとフライドポテトは、ドイツ屋台の定番中の定番>
<クリスマスカードを集めた小屋にもライトアップが施されています>
ポイント5:屋台フード、持ち帰れるものはおみやげに
たくさんの屋台フード、どれにしようか迷いますが、焼き栗、わたあめ、アーモンドなど持ち帰れるものはおみやげにしちゃいましょう。
ポイント6:寒いときはカフェなどに避難
イルミネーション待ちのとき、寒さや雨を防ぐなら、いったんカフェなどに入るのがおすすめ。体を温め、足の疲れを癒し、夜の部に備えましょう。
そうこうしているうちに、日が暮れてきました。市庁舎のあるマルクト広場は、メリーゴーランドやクリスマスツリー、マルクトの泉(Marktbrunnen)などもライトが灯り、柔らかな光りで満ちあふれています。
まとめ
クリスマスマーケットのハシゴ、慌ただしくなることを懸念しましたが、小さなマーケットなので移動時間を含めても、どちらもじっくり見て回ることができました。
いっぺんに巡ると、それぞれの違いがよくわかるのもいいですね。とはいえ大都市のクリスマスマーケットも捨てがたい...なんてときは、別日に近郊の小さなクリスマスマーケットを1つプラスしてみてはいかがでしょう?
※この記事の情報は、2022年12月の取材に基づくものです。
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大越理恵
- ドイツ生まれの日本人夫にくっついてドイツへ移住!したものの、何年住んでもドイツ語初級なフリーライター。おさんぽ旅が得意。街の匂いや雰囲気、ちょっと傾いた建物、へんてこな模様、かわいいマンホールのフタなどなど。果てしない寄り道をしながら見つけた、ドイツの風景や日常、あれこれをお届けします。