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体感型で楽しむ「金沢21世紀美術館」徹底ガイド! 身近に感じるアートの世界
<冒頭画像:レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》
現代美術館として、観光客にはもちろん地元民からも愛されている「金沢21世紀美術館」。誰もがいつでも立ち寄れるような親しみやすさが魅力であり、ぐっと身近にアートを感じられる仕掛けがたくさんあります。
金沢の主要観光スポットが密集しているエリアにあり、兼六園や金沢城公園へも徒歩で行けるのも嬉しいポイント!
今回は、何度でも訪れても新しい発見がある金沢21世紀美術館の魅力に迫ります。
目次
<4. 金沢21世紀美術館といえば!「スイミング・プール(レアンドロ・エルリッヒ)」>
<5. 壁の両面には100種類の植物「緑の橋(パトリック・ブラン)」>
<6. 知らない人と会話できる「アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3(フロリアン・クラール)」>
<9. 「カラー・アクティヴィティ・ハウス(オラファー・エリアソン)」>
<10. 「ブルー・プラネット・スカイ(ジェームズ・タレル)」>
<12. 金沢21世紀美術館は企画展もユニーク! 「展覧会ゾーン」へ>
<13. カフェレストラン 「Fusion21」で地元の食材を堪能>
<14. 金沢21世紀美術館を楽しめる色んなシチュエーション>
1. 金沢21世紀美術館とは
2004年10月9日、金沢にオープンした現代美術館「金沢21世紀美術館」。今や金沢の代名詞にもなっており、国内外問わず多くの人々に愛されている人気スポットです。
<画像提供:金沢21世紀美術館>撮影:渡邉修
金沢21世紀美術館の特徴のひとつは、「体感型」であるということ。見て、触れて、感じて、誰もが自由気ままにアートを楽しめる空間になっています。
「まちに開かれた公園のような美術館」を建築コンセプトにしていることから、正面を設けておらず、4つあるどの入口からも入館可能です。
館内の外壁はすべてガラス張り。この外壁のおかげで館内に自然光が差し込み、屋内外に一体感が生まれ、不思議な解放感を味わうことができます。
美術館独特の息苦しさを感じず、ついつい時間を忘れてのんびりしてしまうのは、こういった建物の造りゆえなのでしょう。
また、館内をまわっていると、至る所に椅子を見かけます。歩き回って疲れた時にはいつでも休憩できるようにと配慮されたものだそうで、その心意気にもほっこり。
2. 2つのゾーンで構成されている金沢21世紀美術館
金沢21世紀美術館は、無料で楽しめる「交流ゾーン」と、有料の「展覧会ゾーン」に分かれています。下の地図で色の塗られていない部分が無料で楽しめる「交流ゾーン」、水色で塗られた部分が有料の「展覧会ゾーン」です。
<画像提供:金沢21世紀美術館>
美術館への入館自体(交流ゾーン)は無料なので、誰でも気軽に現代アートを楽しめるのが魅力です。特に交流ゾーンは、基本的に朝から夜までずっと空いているので、お散歩がてらふらりと訪れる人も多いのだとか。
展覧会ゾーンへの入場には、有料のチケットが必要です。大きさや形状がそれぞれ異なる展示室では、ユニークな企画展を多数実施しています。
展覧会ゾーンへ訪れる人の割合は、毎月平均すると入場者数の3分の1ほど。気軽に現代アートに触れたい方は交流ゾーンだけでも十分楽しめますが、有名な作品「スイミング・プール」や企画展も楽しみたい人は、有料のチケットを購入しましょう。
3. 金沢21世紀美術館を最大限に楽しむコツ
ここでは、金沢21世紀美術館を楽しむためのコツをお伝えしていきます。
おすすめの回り方とは
建物が丸く設計されているが故に、左右の方向感覚が鈍り、まるで迷路のように感じる館内。「どこからどのように回れば正確なの?」と思う人も多いかもしれません。でも大丈夫。回り方に正解はありません。自由気ままに、まずはぐるりと一周してみるのがおすすめ。どうしても迷ってしまう人は、壁にある案内や案内図を参考に回ってみてくださいね。
何度訪れても方向感覚を失ってしまうという人もいるのですが、いい意味で慣れないため、訪れるたびに違う印象を受けたり、新しい発見があったりするのがおもしろいです。
どの入口から入るのがおすすめ?
「本多通り口(東口)」「柿木畠口(南口)」「市役所口(西口)」「広坂口(北口)」と、出入口が全部で4つある金沢21世紀美術館。どの入口から入っても同じように楽しめるのですが、入ってすぐに展覧会を楽しみたい人は、総合案内・チケット販売の窓口のある「本多通り口(東口)」から入るのがベストです。
鑑賞時間にはゆとりをもっておこう
金沢21世紀美術館を余すことなく堪能したいのであれば、ある程度の時間を確保しておくことをおすすめします。無料の交流ゾーンだけでも6つの恒久展示作品があり、他にも写真を撮りたくなるような作品も多く、これだけでも最低1時間はみておくとよいでしょう。これにプラスして企画展も楽しむのであれば、合計2~3時間ほど時間をとっておくことをおすすめします。
混雑しない時期や、入館者の少ない時間帯とは
朝イチと午後イチが特に混み合う館内。静かにゆっくりと作品を鑑賞したい人は、夕方以降がおすすめです。特に金曜日と土曜日は、展覧会ゾーンが20時までオープンしているので狙い目なのだとか。ライトアップも綺麗なので夜間ならではの魅力を楽しんで。
また、交流ゾーンだけの鑑賞でもよいのであれば、展覧会ゾーンの休館日である月曜日は人が少なく狙い目です。
チケットはWEBでの購入がおすすめ
人気で混み合いがちな金沢21世紀美術館では、平日にも関わらずチケット売り場に行列ができることも。特別展のみ、日時指定のWEBチケットをオンライン販売しているので、待つのが苦手な人やスムーズに見学したい人は、日時指定のWEBチケット購入が便利です。
なお、コレクション展については、当日券のみ窓口での販売になるので気をつけてくださいね。
コインロッカーを有効活用しよう
金沢21世紀美術館では、B4サイズを超える荷物は展示室内に持ち込むことができません。館内の4カ所に、コイン返却式の無料コインロッカーがあるので、そこに荷物を預けましょう。
スーツケース等の大きい荷物は、地下1階にある大きいサイズのコインロッカーの利用がおすすめです。ロッカーの空きがない場合や、ロッカーに入りきらない大きな荷物は、総合案内チケット販売所にて預かってもらえる場合も。困ったらスタッフに相談してみてくださいね。
4. 金沢21世紀美術館といえば!「スイミング・プール(レアンドロ・エルリッヒ)」
<レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年>
まずは金沢21世紀美術館の目玉でもある「スイミング・プール」を紹介します。レアンドロ・エルリッヒ作のスイミング・プールは、プールの中にいるかのような不思議な体験ができる作品です。
スイミング・プールへの入場は、事前予約または当日順番待ち受付システムにて予約が必須なので鑑賞したい人は要注意! 別途、展覧会チケットが必要なので、忘れずにWEBまたは窓口で購入しておきましょう。
なお、事前予約期間は、観覧希望日の1週間前の9時から前日の23時59分までになっています。
WEBで事前予約が取れなかった方は、「総合案内・販売チケット販売」にある当日順番待ち受付システムにて受付しましょう。画面には、現在の待ち人数や待ち時間も表示されているので、観覧の目安にもなります。
来館前や当日、順番待ち登録をすることにより、スマートフォンでリアルタイムの呼び出し状況を確認できるようになります。順番が近づいたらメールでお知らせが届くので、待ち時間を余すことなく楽しめるようになっているのが嬉しいポイント。上の写真のように、「総合案内・販売チケット販売」に設置してある画面でも順番の確認ができます。
順番が回ってきたら、展覧会チケットを持って展示室6へ行きましょう。展示室6が、スイミング・プール地下への入口です。
展示室6の階段を降りると、青々と光るお部屋が見えてきます。
<レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年>
その先に広がっているプールの内部です!
<レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年>
天候や時刻によって変わる水中の表情にぜひ注目してみてください。太陽の位置が高く天気の良い日は、きらきらと揺らめく水模様が映し出されてとっても綺麗です!
<レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年>
曇りの日は上の写真のように水模様は見えなくなるのですが、これはこれでまた違ったよさがあります。雨の日は水面に映る雨粒が美しく、天候によってくるくると変わる表情も見逃せません。
なお、展示替え作業やメンテナンスのために、「スイミング・プールの」地下部が入場不可になる時期があるので、注意してくださいね。
■2022年の入場不可期間:4月18日(月)~5月2日(月)、5月9日(月)~5月20日(金)、7月11日(月)~7月22日(金)、9月12日(月) ~9月30日(金)
■2023年の入場不可期間:3月6日(月)~3月31日(木) ※4月1日(金)以降は未定
「スイミング・プール」は、内部からだけでなくプールサイドからの鑑賞も楽しめます。水中に向かって手を振ってみると、中にいる人が振り返えしてくれることも。水面越しに人と出会い、交流が生まれるのも魅力です!
<レアンドロ・エルリッヒ《スイミング・プール》2004年>
かつてはプールサイドからの鑑賞は無料でしたが、2019年4月より有料ゾーン(展覧会チケットが必要)になっています。
5. 壁の両面には100種類の植物「緑の橋(パトリック・ブラン)」
<画像提供:金沢21世紀美術館〉パトリック・ブラン《緑の橋》2004年>
金沢の気候に適した約100種類の植物が壁に植えられた、パトリック・ブランの作品「緑の橋」は迫力満点。青々と生い茂った植物たちは、季節ごとに表情を変え、いつでも私たちを楽しませてくれます。
春はウツギやシャガ、夏はギボウシやアジサイ、秋はハギ、冬はツワブキなど、四季ごとに移りゆく姿にも注目です。
<パトリック・ブラン《緑の橋》2004年>
展覧会ゾーンに入れば、このトンネルをくぐることもできます。交流ゾーンでは、鑑賞のみ可能です。
6. 知らない人と会話できる「アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3(フロリアン・クラール)」
<フロリアン・クラール《アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3》2004年>
金沢21世紀美術館の建物を囲むようにして屋外に散らばっている、フロリアン・クラール作の作品「アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3」。ラッパのような形をした管は全部で12個あり、ペアになっていて、どこかの管とランダムに会話ができるようになっています。
<フロリアン・クラール《アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3》2004年>
声を出してみて初めて楽しむことができるので、積極的に管に向かって話しかけてみましょう。
管から「お〜い!」「もしも〜し!」「こんにちは〜」などと聞こえてきたら会話をするチャンス!どの管と繋がっているのかは、会話をしてからのお楽しみです。ふと顔をあげた時に、会話をしている相手が見つかるかもしれません。
7. 「雲を測る男」(ヤン・ファーブル)
<ヤン・ファーブル《雲を測る男》1998年>
金沢21世紀美術館の屋上にぽつんと立ちながら、どこか存在感を放っている「雲を測る男」。ヤン・ファーブルが制作したこちらの作品は、約60年前の1961年に公開された米国映画「終身犯」からインスピレーションを受け、双子の兄の死を思いながら制作されました。
今日と同じ空はありません。2度と同じものは見られないからこそ、その日の雲を作品と共にのんびり鑑賞してみませんか。
8. 球体のパビリオン「まる」
金沢21世紀美術館の新たなシンボルとして登場した球体パビリオン「まる」。開館10周年を記念して、2016年11月に屋外に設置されました。
大きなステンレスの鏡面の球が16個集まり、1つの「まる」になっています。その形は、見る人によっては空に浮かぶ雲に見えたり、ブドウに見えたり、トンボの目に見えたり......。感じ方はさまざまでおもしろい!
球体には、青空や雲が映し出されていたり、周りの建物が映し出されていたり......。16個の球体に映し出される景色は、ちょっとずつ違います。この不思議な鏡でぜひ記念撮影してみてくださいね。
外側を楽しんだあとは内側へ。内側からも自由に鑑賞できるようになっています。内側は、休憩スペースとして作られたのだとか。
内側に入ってみると、SF映画の世界のような異空間が広がっています。いくつもの丸いステンレスの天井に囲まれた、その異質な空間をぜひ体感してみてください。
9. 「カラー・アクティヴィティ・ハウス(オラファー・エリアソン)」
オラファー・エリアソン作の「カラー・アクティヴィティ・ハウス」は、屋外に展示された「色の三原色」を利用した作品です。
シアン、マゼンタ、イエローの色ガラスに壁が渦巻き状に入り組み、見る場所や、天気によって、異なる色や景色に出会えますよ。
10. 「ブルー・プラネット・スカイ(ジェームズ・タレル)」
ジェームズ・タレル作の「ブルー・プラネット・スカイ(通称「タレルの部屋」)」は、お部屋の天井部分が正方形に切り取られた空間で、刻々と変化する空を眺められる作品です。
室内にいながら、その日の天気や空、外気を肌で感じられる不思議な空間は、癒しスポットでもあり、のんびりとくつろいでいる人も多くみかけます。
11. あなたは自分を再生する(ピピロッティ・リスト)
ピピロッティ・リスト作の作品「あなたは自分を再生する」の設置場所は、なんと館内のトイレ! 男子トイレと女子トイレに1か所ずつに設置されているんです。
30cmの祭壇の中にクリスタルと美術館をモデルとしたオブジェが置かれており、トイレという日常の場にいながら、神秘的な世界を体験できるようになっています。
12. 金沢21世紀美術館は企画展もユニーク! 「展覧会ゾーン」へ
金沢21世紀美術館では、現代アートを軸に、年間を通して多種多様な展覧会が開催されています。
展覧会ゾーンの構成、回り方は?
展覧会ゾーンは、展示室が独立していくつもあるという、特殊な構成になっています。
企画展は、そのユニークな回遊性のある構造を生かした企画が多く、順番やペースに囚われずに自由気ままに鑑賞できるつくりになっています。そのため、回り方におすすめはなく、思い思いに回るのが展覧会ゾーンの楽しみ方です。
また、展覧会ゾーンの入り口は、企画展によって複数存在することも。迷ったらスタッフに確認してくださいね。
2022年5月8日(日)まで開催していた「コレクション展2 BLUE」をレポート
今回は、2022年5月8日(日)まで開催されていた「コレクション展2 BLUE」を紹介します。
金沢21世紀美術館には「スイミング・プール」「タレルの部屋」「L'Origine du monde」など「青」を基調にした作品が多いことから「コレクション展2 BLUE」の開催は、かねてより温められてきた企画なのだそう。
今回は念願叶って、「青」にちなんださまざまな作品が集められました。
金沢21世紀美術館のコレクションを中心としながら、絵画、彫刻、工芸、映像といった幅広いジャンルの作品を鑑賞でき、現代美術における「青」をさまざまな視点から楽しめるようになっていました。
<石田尚志《絵と窓の間》2018>
同じ「青」というテーマでも、たくさんの切り口と捉え方があることを教えてくれるこのコレクション展。「青」とは、光でも闇でもあり、そして生でもあり死でもありました。鑑賞していくうちに、どんどん「青」の世界に引き込まれていきます。
会期は2つに分かれており、前期と後期で異なる作家の作品を楽しめました。
<アニッシュ・カプーア《L'Origine du monde》2004>
金沢21世紀美術館に展示してある恒久展示作品も青の表現として仲間入りし、恒久展示作品に対する新たな視点も得られるようになっています。
上の写真は、アニッシュ・カプーア作の「L'Origine du monde」という作品です。コンクリートの壁面に、ポカンと大きく空いた楕円形は黒色に見えますが、実は濃紺。青い顔料で塗りつぶされており、知覚を刺激する作品となっています。
※こちらの作品は、原則撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。
13. カフェレストラン 「Fusion21」で地元の食材を堪能
「総合案内・チケット販売」の前、交流ゾーンにあるカフェレストラン「Fusion21」。
こちらのレストランでは、加賀野菜をはじめ地元食材を取り入れた料理やデザートを味わえます。
店内は、白を基調としたスタイリッシュなしつらえに。一面ガラス張りになっており、「カラー・アクティヴィティ・ハウス」などの屋外展示も眺められ、優雅なひとときを過ごせます。
「美術館で第2の感動」をコンセプトに、レストランでもちょっとしたアートに触れてほしいとの想いが込められています。釣竿をイメージしたライトもアートのようです。
おすすめメニューは「フュージョンランチ(2,200円)」。前菜ブッフェ、そしてメイン料理がセットになったランチセットです。
前菜はブッフェ形式に。パレット型の器に自分で盛り付けていくので、キャンバスを描いているようなワクワク感を味わえますよ。
加賀野菜や地元の食材を中心にした野菜が盛り込まれており、堅豆腐や五郎島金時の大学芋、能登牛などが楽しめます。
パンは、金沢の高柳にある自社ベーカリー「Bakery&Cafe MAPLE HOUSE」で作った自家製です。
スープは季節によって変わるとのこと。今回は「カボチャのクリームスープ」でしたが、夏は冷製スープなどと、その時々によって変化します。
メイン料理は、2種類のパスタと能登豚ミートライスの中からチョイス可能。2種類あるパスタは、旬の食材を使って提供されるため、日替わりになっています。
この日いただいた「海老と春菊のオイルソースパスタ」は、ガーリックの香りが引き立ち、食材の旨味を存分に味わえる一品でした。
食後には人気の「金沢ぱふぇ(1,100円)」をいただきました。九谷焼の器に、五郎島金時の大学芋やチップス、金箔が盛られ、金沢らしい和風パフェになっています。
14. 金沢21世紀美術館を楽しめる色んなシチュエーション
金沢21世紀美術の楽しみ方は、一緒に訪れる人やシーンによって変わります。以下、シチュエーション別に楽しみ方を紹介。
子どもの美術館デビューに!子連れへの配慮も万全
金沢21世紀美術館は、育児でなかなか時間がとれない子育て世代でも来やすいように、子連れに優しい配慮がたくさんなされています。
館内はバリアフリーになっており、ベビーカーのまま回れるのも嬉しいポイント。ベビーカーの貸し出しも行っているので、負担も軽減されます。
一般的な美術館といえば静かなイメージがありますが、金沢21世紀美術館は、ワイワイガヤガヤといつでも賑やか。子どもの声もよく聞こえるので、気が楽です。
上の写真は、館内にある予約制の託児所です。生後3ヶ月から未就学児を預かってくれるので、子どもを気にせず美術鑑賞したい人におすすめ。
託児所には、知育玩具や絵本も揃い、ままごとや電車ごっこなどもできるおもちゃも豊富に揃っています。
金沢21世紀美術館を利用せずとも、周辺での観光やショッピングや食事など、お出かけの際に気軽に利用できるのも嬉しいですよね。
曜日や年齢によって異なりますが、1人60分500円~利用できます。
託児所の隣にある「キッズスタジオ」は、親子や子どもたちの憩いと遊びの場所。
子どもが主体となった作品制作や展覧会が行われたり、芸術体験ができるワークショップ・プログラムなどが定期的に行われています。
プログラムは月毎に変わりますが、「絵本を読もう」などのプログラムが特に人気なのだとか。予約が必要な場合もあるので、気になる人は公式サイトをチェックしてみてくださいね。
<フロリアン・クラール《アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3》2004年>
子どもたちに圧倒的な人気を誇る作品は「アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3」です。
声を出したくなるその仕掛けが子どもたちの心に火をつけ、人気を集めているのでしょう。広場にある気軽さと、子どもがしゃがんで話すのにちょうどよい高さなのも、人気の理由のようです。
また、同じく屋外にあるLAR/ フェルナンド・ロメロ作のパビリオン「ラッピング」では、子どもが内部に入って遊ぶ姿もよく見かけます。
カップル、夫婦のデートコースに! 写真映えスポットが豊富
金沢21世紀美術には、デートで訪れるとさらに仲が深まりそうな作品もたくさんあります。
ずらりとならんだウサギ型の椅子「ラビットチェア」はSNSでも大人気。かわいい写真が撮れるスポットとして知られています。
カップルで向かい合いながら座って撮ると、仲が良さそうな写真が撮れるのでおすすめです。
<マイケル・リン《市民ギャラリー 2004.10.09 -2005.03.21》2004年>
交流ゾーンのちょっと奥まった場所にあるマイケル・リン作の「市民ギャラリー 2004.10.09-2005.03.21」は金沢らしさ満点。台湾出身の作者が金沢で加賀友禅を見て、それをモチーフにしながら壁に大胆で華やかな花模様を描きました。
ロッキングチェアにも同じ模様が描かれており、こちらも人気のフォトスポットになっています。
壁の向かい側には、「緑の橋」や「雲を測る男」が見えるので、椅子に座って作品を鑑賞できるのもうれしいポイント。作品の感想を言い合うなど、楽しい時間を過ごすことでカップルの仲も深まるかもしれません。
心のおもむくままに。一人でゆっくりアート鑑賞を
一人でのんびりアート鑑賞するのもおすすめ。天気の良い日はドロップチェアに座って読書をしたり、自分のお気に入りの場所をふらりと探したり、時間を忘れて気の向くままに過ごすのもひとつの楽しみ方です。
特に交流ゾーンは、誰でも気軽に楽しめるスペース。お散歩する中で、新しい発見があったり交流があったり、思わぬ宝物が拾えることも。日々忙しい人こそ、時間にとらわれずにのんびり一人で過ごすのもおすすめです。
展覧会ゾーンもしかりで、他の人のペースを気にせずゆっくりと作品を鑑賞するのであれば、一人の方が良いことも。
歩き疲れたら、交流ゾーンにあるアートライブラリーでひと休み。アートライブラリーでは、現代美術を中心とした美術雑誌をはじめ、建築やファッション、音楽やデザインなど多彩なジャンルの書籍を自由に閲覧できます。
展覧会関連の作品集なども置いてあるので、鑑賞して気になった作品や作家は、アートライブラリーで再びチェックしてみるのもよいですね。
白鳥の羽ばたきをイメージして作られたというスワンチェアは、とってもカラフル。一度座るとお尻が離れられなくなるほど、座り心地も抜群です。
アートライブラリーの奥には、作品集を見ながら勉強できるスペースも。美術系の学生さんの利用が多いそうですよ。
15. ミュージアムショップで現代アートを持ち帰ろう!
<画像提供:金沢21世紀美術館>
鑑賞し終わったあとは、金沢21世紀美術館を訪れた思い出に、お家に持ち帰れる現代アートとお土産探しを!
フェンスに囲われたミュージアムショップには、美術館オリジナルグッズをはじめ、全国から集められたユニークで遊び心あるグッズがずらりと並びます。
「トートバッグZUROKKING(3,300円)」は、金沢21世紀美術館ミュージアムショップのオリジナル。美術館のセンスがキラリと光り、大胆でハイセンスなそのデザインに心を撃たれます。
蚊帳と同じ素材でできているため、軽いのに丈夫というハイスペックさも魅力。図録入れとしてはもちろん、普段使いもできるほど使い勝手も抜群。持っているだけでセンスの良さが光るアイテムです。
にし茶屋街にある甘納豆専門店「甘納豆かわむら」が金沢21世紀美術館ミュージアムショップとコラボ。限定の「金沢だいず甘納豆(350円)」は、金沢土産にもおすすめです。
甘納豆かわむらの甘納豆の販売は、にし茶屋街にある本店以外ではここ金沢21世紀美術館ミュージアムショップと2店舗だけなので、とっても貴重なお土産なんですよ。
16. 金沢でもっとアート体験してみよう!
金沢はアートの街と言われるほど、現代アートをはじめ、伝統文化や歴史に触れられる美術館や博物館が多く点在します。古さと新しさの共存こそが金沢の魅力でもあり、金沢の美しさでもあるのです。そんな金沢の美を、ぜひアートを介して感じてみてください。
金沢21世紀美術館から徒歩5分ほどの場所には、2020年6月にオープンしたばかりの現代美術館「KAMU KANAZAWA」があります。現在も作品や展示場所が日々増え続けており、周遊型で楽しめるのが特徴です。
金沢21世紀美術館でも紹介したスイミング・プールの作者、レアンドロ・エルリッヒの作品も常設で展示されており、大変話題を呼んでいます。
金沢21世紀美術館から徒歩6分ほどの場所にある「石川県立美術館」もおすすめ。加賀の伝統工芸品が集結しており、古九谷や加賀蒔絵などが展示されています。古いものから近現代美術まで幅広く鑑賞できるのが魅力です。
17. 金沢21世紀美術館へのアクセス
最後に、金沢21世紀美術館へのアクセスを紹介します。
金沢21世紀美術館の最寄りのバス停は「広坂・21世紀美術館」で、JR金沢駅バスターミナル東口から路線バスに乗って10分~20分ほどかかります。
路線バスの種類は2種類。
北鉄バスであれば、JR金沢駅バスターミナル東口にある3番か7番乗り場よりバスに乗って10分ほど。城下まち金沢周遊バスであれば、JR金沢駅バスターミナル東口にある6番乗り場よりバスに乗って20分ほどでバス停「広坂・21世紀美術館」に到着します。
バスを降りて、すぐ目の前にある横断歩道を渡った先に金沢21世紀美術館があるので、迷うことはないでしょう。
18. 金沢21世紀美術館の基本情報
偶発的でありながら、ある意味必然的ともいえる出会いや体験を、アートを介して楽しめる金沢21世紀美術館。訪れた時の気候や一緒に訪れた人によって、印象が変わることもあるので、何度訪れても楽しめるのが魅力です。
でも、その体験や楽しさを生かすも殺すも自分次第。現代アートのおもしろさをいかにキャッチし、アクションをおこせるかがキーとなってきます。それができれば、楽しさや刺激をより得られ、心が動く体験ができるはずです。
それでは、金沢21世紀美術館に関する基本情報です。
- 住所:石川県金沢市広坂1-2-1
- 電話番号:076-220-2800
- 開館時間:
展覧会ゾーン 10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
交流ゾーン 9:00〜22:00 ※各施設の開室時間はそれぞれ異なる。 - 休館日:
展覧会ゾーン 月曜日(休日の場合は直後の平日)、年末年始
交流ゾーン 年末年始 ※各施設の休室日は展覧会ゾーンに準ずる - 駐車場:有料(322台収容)
- 車でのアクセス:
北陸自動車道 金沢西ICから 約20分、金沢東ICから 約20分、金沢森本ICから 約25分 - バスでのアクセス:
路線バス・JR金沢駅バスターミナル 兼六園口(東口)3番、7番乗り場よりバスにて約10分→「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」にて下車すぐ
路線バス・JR金沢駅バスターミナル 兼六園口8〜10番乗り場よりバスにて約10分→「香林坊(アトリオ前)」下車→徒歩約5分
まちバス(土・日・祝日のみ運行)・JR金沢駅バスターミナル東口5番乗り場から約20分→「金沢21世紀美術館・兼六園(真弓坂口)」にて下車すぐ
城下まち金沢周遊バス・JR金沢駅バスターミナル東口6番乗り場から約20分→「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」にて下車すぐ - 飛行機でのアクセス:小松空港から金沢駅まで、リムジンバスで約55分→金沢駅より各バスに乗換え
- 公式サイト:金沢21世紀美術館
※この記事は2022年2月に取材した内容に基づいています。期間限定の情報もありますので、最新情報は公式サイトをご確認ください
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土屋香奈
- 女子旅専門のトラベルフォトライター。編集者、フォトグラファー、ディレクターなどとしても多岐に渡り活動中。地元金沢では、いしかわ観光特使を委嘱。旅番組のテレビ出演も多数。