公開日:
最終更新日:
【山口】錦帯橋と岩国城 驚異の木造5連アーチ橋をあらゆる角度から楽しもう!
「橋の観光名所」といえば、山口県の錦帯橋を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。木造5連アーチ橋の堂々たるシルエットを見ると、まるで江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。
日本が世界に誇るこの橋を「橋脚の下から」「橋の真ん中から」「山の上から」と、あらゆる角度から眺めてきました。さまざまな方向から楽しめるのも、錦帯橋の魅力です!
目次
アクセス:JR岩国駅からバスで約15分
錦帯橋があるのは山口県岩国市。JR岩国駅から、いわくにバス「錦帯橋」(錦帯橋バスセンター)方面行きに乗り、約15分で到着します。午前中は岩国駅から、1時間に3便が出発しています。また、防長交通バス「徳山駅」「高森」行きでも行くことができます。
<JR岩国駅のバス停。「いわくにバス」で錦帯橋へ出発>
バス停を降りたら、徒歩1分で錦川にかかる錦帯橋が見えてきます。壮大な5蓮アーチの木造橋に感動!
橋の入口の左側に歩いていき、そこからスマホやカメラを構えると、錦帯橋と一緒に対岸の横山の山頂にそびえる岩国城も写真に収めることができます。悠々とした眺めが印象的です。
<橋の入口の左側から見た錦帯橋の5連のアーチ。白丸の中が岩国城>
錦帯橋の歴史
三代岩国藩主の吉川広嘉が、錦川に錦帯橋を架けたのは江戸時代初期の1673年。幅200mの川に架かる五連アーチの橋は、藩政の中心地の横山地区と、錦川を挟んで広がる城下の地域を繋ぐ、重要なものでした。
初代の橋はすぐに流失しましたが、翌年の1674年にたちまち再建。以後、改良や補強、定期的な架け替えを重ねながら、錦帯橋は276年もの間両岸を繋ぎ続けました。
江戸時代中期には、錦帯橋は既に名勝として評判になっています。葛飾北斎や歌川広重が浮世絵に描いたことでも有名ですよね。
この奇跡の橋は、戦時中の不備に加え、1950年のキジア台風により残念ながら流出しました。しかし市民の熱意により、再度、木造の錦帯橋として1953年に甦りました。さらに2004年の架け替えを経て、現在に至ります。
世界で唯一、構造力学上も純粋な木造アーチ橋として、江戸時代から変わらない伝統の架橋工法で架けられた名橋。実際に目の前にすると、感動が湧き上がってきます...!
<江戸時代から受け継がれた技術の結晶の木橋>
錦川の河川敷へ。橋の下から錦帯橋を眺めよう
錦帯橋の入口のすぐ左手には、錦川の河川敷へ降りる階段が付いています。橋を渡る前に、まず下から錦帯橋を眺めてみましょう。
水面の近くから見上げる橋は、とにかく大きい!巨大なアーチ構造と、それが木材で出来ていることに、改めてびっくりします。「流されない橋を作る」という江戸時代の技術者と、それを受け継いできた岩国の人々の強い意志を感じました。
錦帯橋に使用されている木材はマツ、ケヤキ、ヒバなど6種類。組み上げられたアーチ部材のひとつひとつが美しく、橋脚の石垣や河床の石畳も端正です。
「これからこの橋の上を渡るのか」とワクワクしてきます。
いよいよ橋を渡ってみる
錦帯橋を下からじっくり眺めたら、いよいよ橋を渡ってみましょう。まず橋の入口で入橋券(往復のみ)を購入します。料金は大人(中学生以上)310円、小学生150円です。
錦帯橋は全長193.3m、幅5.0m。あの雄大なアーチを見ると「どうやって上ったり下ったりするの?」と一瞬思いますが、傾斜部分は階段になっています。足元に気を付けながら渡りましょう。木の橋を踏みしめる感覚に、心が躍ります。
アーチの頂上の部分から、錦川や対岸の横山を眺めるのは気分爽快!ヒノキで出来た欄干につかまりつつ、周囲を見渡すと、まるで自分が江戸時代の人間になったような気がしてきます。
弧を描く橋の影が川面に映る様子も、美しく壮大です。
対岸にたどり着くと錦帯橋の凄さをひしひしと感じます。木造アーチ橋の技術が、この長い距離を250年以上繋いできたのか...と。これからもずっと、大切に受け継がれていくことでしょう。
錦帯橋
- 入橋料(往復のみ):大人(中学生以上)310円/小学生150円
※町側、山側どちらからでも入橋可
※錦帯橋入橋券、ロープウエー(往復)、岩国城のセット券あり - 営業時間:8:00~17:00(観光シーズン中は18:00まで/夏期は19:00まで)
※入橋は24時間可能。夜間は料金箱に料金を入れる。22:00に消灯 - アクセス:「錦帯橋バスセンター」から徒歩1分
- 公式サイト:銀帯橋
ロープウエーで岩国城へ
錦帯橋を実際に渡って、そのスケールの大きさを体感したら、次は山の上から錦帯橋全体を見てみましょう。橋の背後にそびえる横山(城山)には、岩国城の再建天守があります。この城山の尾根まで「岩国城ロープウエー」に乗って、気軽に行くことができるのです。
錦帯橋を渡ると、錦川の北には「吉香公園」が広がっています。ここは岩国藩主の居館「御土居(おどい)」があった場所で、現在も歴史的建造物が点在しています。
この公園の北側に、ロープウエーの山麓駅があります。ここから山頂駅までの乗車時間は3分です。
<ロープウエーで岩国城のある山頂へ。白丸の中が錦帯橋>
岩国城ロープウエー
- 料金(往復):大人(中学生以上)560円/小学生260円
※錦帯橋入橋券、ロープウエー(往復)、岩国城のセット券あり - 所要時間:山麓駅-山頂駅 約3分
- 営業時間:9:00~17:00(15分おきに発車)
※2022年1月11日(火)~31日(月)は運休 - 公式サイト:岩国城ロープウェー
山頂の天守から錦帯橋を眺める
山頂駅から岩国城までは徒歩5分。三層四階・桃山風南蛮造りの再建天守が見事です。下階よりも張り出した上階部分のフォルムが印象的で、見入ってしまいます。
もともとの岩国城天守は、1608年に初代岩国領主の吉川広家によって作られました。錦川を天然の外堀にして、標高約200mの地点に築かれた山城です。しかし築城後7年で、一国一城令により天守は破却。以後、山麓の御土居が藩政の中心になりました。
現在の天守の中には錦帯橋の精密模型や武具、甲冑が展示されています。
最上階からは、眼下の錦川と錦帯橋、さらに岩国市内を一望することができます。これが絶景です!
大きく蛇行する錦川の雄大な流れを見ると、岩国城が天然の要害であることがよく解ります。そして藩政の中心の御土居があった地域と、対岸を結ぶために、「流されない橋」として錦帯橋が必要だったことも強く実感できます。
上から眺める5蓮アーチの姿こそが、錦帯橋を架けた人々の熱意を如実に伝えているように思えてきます。
さらに遠方に目を凝らすと、岩国航空基地や岩国錦帯橋空港、瀬戸内海の島々や四国、宮島までもが一望できます。いつまでも眺めていたくなる、悠々とした景色です。
岩国城
- 料金(往復):大人(中学生以上)270円/小学生120円
※錦帯橋入橋券、ロープウエー(往復)、岩国城のセット券あり - 開館時間:9:00~16:45(入館16:30まで)
※2022年1月11日(火)~31日(月)は休館 - 公式サイト:岩国城
まとめ
江戸時代から変わらない貴重な技術で架けられた錦帯橋は、感動的な建造物です。以下の点も確認して、あらゆる角度から楽しんでくださいね。
- 錦帯橋を渡る際には入場料が必要です。どちらの河岸からも入橋できます
- バス停「錦帯橋」側から入橋する際は、橋の入口の左側に錦川の河川敷へ降りる階段があります
- まず下から錦帯橋を眺めると、壮大さを実感できます
- 橋には段差(階段)階段があります。歩きやすい靴で行きましょう
- 雨の日はすべりやすいので、足元にご注意ください
- 岩国城天守から錦帯橋の眺めると、さらに感動が増します
- 錦帯橋と岩国城を回る際には、錦帯橋・岩国城ロープウエー・岩国城の3つがセットになった割引チケットがお得です
それでは、唯一無二の名橋を体感する素敵な旅を!
関連記事
Ranking山口記事ランキング
-
朝茶
- ライター/英和・和英翻訳者。出版社に11年勤務後、2009年にシンガポールに転居。東南アジアの文化と料理にハマる。2013年に帰国した後は日本文化に改めて関心を深め、今はとにかく国内各地を旅したいです!