白壁の町並みが美しい山口県の柳井の魅力を紹介します!

金魚

江戸時代に瀬戸内の商業都市として栄えた山口県の柳井。現在も駅から北側には白壁通りとして、当時の姿を残しています。美しい白壁に加えて、金魚提灯などの民俗文化や歴史が息づいています。

今回は、急げば半日でも回れる柳井の魅力・見どころを紹介しましょう。

目次

柳井へのアクセス方法

柳井駅

柳井へのアクセスは、山陽本線の柳井駅が最も便利。新幹線が停車する徳山駅から岩国方面へ、7駅のところに柳井駅があります。また、柳井駅から柳井の見どころまでは徒歩10分くらいです。

飛行機を利用する場合は、岩国錦帯橋空港からアクセスバスで、岩国駅を経由します。岩国駅から徳山方面へ、柳井駅までは8駅です。

柳井駅

さらに四国の松山の三津浜港から柳井港までフェリーが運航しています。2時間30分をかけた、のどかな瀬戸内の船旅。柳井港からは柳井駅までは山陽本線で1駅です。またバスも柳井駅と柳井港をはじめ、各方面に向かう路線バスが運行しています。

そのほか車の場合は、山陽自動車道の玖珂I.Cから20分ほどで柳井の町に到着。見どころの周辺には観光客向けの駐車場が複数あるので安心です。

柳井の魅力1:金魚提灯が並ぶ伝統的保存地区

白壁

柳井の見どころは白壁の街並みです。江戸時代に商港都市として栄えた柳井には、当時の商家が現在も残りました。

柳井は明治以降も終戦後まで栄えていましたが、地理的な条件により新幹線や山陽自動車道といった大動脈が柳井を通じなかったため、高度経済成長の波に乗れませんでした。その結果古い町並みが残ります。

現在白壁の街並は、重要伝統的建造物群保存地区(じゅうようでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく)に指定されています。

しらかべ学遊館

柳井には「金魚提灯」と郷土民芸品があり、白壁の街並みにいつもぶら下がっています。柳井の金魚提灯は、幕末のころに境屋の熊谷林三郎が考案したと伝わり、青森の弘前にあった金魚ねぶたからヒントを得て作られました。

その際に、柳井の伝統的織物で使用した柳井縞の染料や、竹ひご、 和紙などを使って製作。毎年8月13日には「柳井金魚提灯まつり」が行われ、白壁の街並みや柳井市内に明かりがつけられた金魚が登場します。

さらに、柳井の伝統や文化について勉強できる空間が、しらかべ学遊館。白壁の街並みに面しているので、ぜひ立ち寄ってみましょう。

柳井市 古市金屋 伝統的建造物群保存地区

柳井の魅力2:「柳井」発祥の井戸

湘江庵

「柳井」という地名の発祥となる場所が、白壁の町並みの近くにあります。曹洞宗・湘江庵(しょうこうあん)の境内にあるのが、柳の木と井戸。これには次の伝説があります。

6世紀の29代天皇・欽明(きんめい)の時代、その皇子で後に31代の用明天皇の相手に迎えられることになったのが、豊後国の満野長者の娘、般若姫。彼女が天皇がいる都に向かう途中で、この地で休むことになりました。

井戸

この際に姫が、この地の里人に井戸の清水をもらったのですが、そのお礼にと楊枝を井戸の傍らに差します。そして一晩経ったときに芽が出て、柳の木になったというもの。

こうして柳と井戸が合わさり、江戸時代に柳井という地名になりました。般若姫がもらった清水の井戸は、今も水が湧き出ており、これを飲むと美人になると言われています。

柳井の魅力3:柳井市街並み資料館

柳井市街並み資料館

柳井市街並み資料館は、柳井の白壁の通りに隣接した近代建築物です。元々は周防銀行本店として1907(明治40)年に建築されたもの。数々の銀行建築を残した長野宇平治(ながのうへいじ)の弟子で、日本近代建築の父とされる辰野金吾(たつのきんご)の孫弟子にあたる佐藤節雄が手がけました。

柳井市街並み資料館

1998(平成10)年に、山口銀行から柳井市に寄贈され、その2年後には国の登録有形文化財に登録されます。

そして現在は1F街並み資料館として一般公開し、街並み保存地区の模型などを展示。さらに2Fには柳井市出身の歌手、松島詩子(まつしまうたこ)の記念館になっています。

いずれも無料で公開していますので、柳井に来たときには、情報収集もかねて最初に訪れましょう。

柳井の魅力4:むろやの園の歴史的な建物

むろやの園

むろやの園は、柳井市町並み資料館の向かいにある古い商家(室屋)です。ここは、柳井はもちろん、西日本でも有数だった油商人・小田家の屋敷です。

小田家は商売人として成功した後、領主である吉川家にも多大の献金を行ったことで、名字帯刀を許され、武士の身分(大組藩士)になりました。

むろやの園

屋敷は入り口から縦長に続いており、その長さは119mもの奥行き、総面積は800坪もあります。これは国内に存在する町家の中でもトップクラスの大きさ。

小田家に伝わる貴重な資料をはじめ、当時の生活様式などが残されており、建築に関心がある人はもちろん、そうでない人もぜひ訪れたい施設です。

柳井の魅力5:国木田独歩の旧宅とワンワン寺

国木田独歩の旧宅

柳井の町には青年時代の文豪、国木田独歩(くにきだどっぽ)の旧宅が残されています。独歩の父が山口氏の裁判所勤務の頃に県内各地を転々とした中のひとつが柳井。実際に住んでいたのは2~3年です。

青春時代を柳井で過ごした独歩は、その後柳井を舞台にした作品を作りました。その中でも「置土産」という先品の中には、柳井のお土産品のひとつ、藤坂屋の三角餅(みかどもち)を紹介している部分があります。

光台寺

さらに独歩の旧宅から少し歩いたところに、中国の明王朝様式の楼門を持つ光台寺があります。楼門の下で手を叩くと「ワンワン」と反響することからワンワン寺という異名を持ちます。

そして楼門の右手側には「国木田独歩曽遊の地」と呼ばれる碑があります。1951(昭和26)年に建てられました。

柳井の魅力6:オルゴールの館グリム

オルゴールの館

柳井駅から白壁の街並みに向かう途中、麗都路(レトロ)通りの中ほどに、レンガ造りの建物があります。これはオルゴールの館グリムという施設で、1999(平成11)年に完成しました。日本で初めて50弁のオルゴールが備え付けられています。

そして日本で唯一のオルゴール作曲家・橋本勇夫氏のオリジナル曲が流れるようになっています。流れる曲は5曲。「愛の贈り物」「天使の夢」「星の賛美歌」「花束」そして「そよ風のロンド」です。

オルゴールの館

毎日10時から16時の間、15分おきにオルゴールの音色が館から町に聞こえてきます。

それだけではありません。このオルゴールの館にはディスクオルゴールがあります。100円を投入するとその場でディスクオルゴール演奏が聴けます。

実際に100円で聞いてみましたが、オルゴールから奏でるメロディは、ほかの楽器と違い、優しくおとぎの国にいざなってくれるような素敵な音楽でした。

ちなみに、オルゴールの館グリムを管理する地元の駅通り共栄会は、投入された100円でオルゴールの館を花いっぱいにしたいそうです。

柳井の魅力7:醤油蔵で本場の味をお土産に

佐川醤油店

柳井には金魚の提灯をはじめ、三角餅などいろんな名産品がありますが、忘れてはいけないのが、甘露(かんろ)しょうゆです。甘露しょうゆは、完成したしょうゆに再度麹(こうじ)を加えて仕込んだもの。

白壁の街並みの中に、現役の醤油蔵の佐川醤油店があります。地下70mからくみ上げたという琴石山からの伏流水を使用した手作業での醸造。昔ながらの30石桶を使った製法を使っています。

佐川醤油店

醤油蔵は甘露醤油資料館となっており、蔵の中には自由に見学が可能です。蔵の中では仕込まれたのちに、熟成している最中の甘露しょうゆの様子が、ガラス越しから確認できます。

醤油蔵の様子を見学した後は、お土産コーナーに立ち寄りましょう。甘露醤油をはじめ柳井のいろんなお土産品を販売していますので、ここでまとめてお土産を購入すると効率的です。

佐川醤油店

  • 住所:山口県柳井市柳井古市3708-1
  • TEL:0820-23-1830
  • 営業時間:8:00~17:00
  • 定休日:無休
  • URL:佐川醤油店

柳井の魅力8:柳井のソウルフード「台湾」

台湾

柳井には市民がソウルフードとして親しんでいる味があるとか。それは「台湾屋」の汁そばです。ちょうどお昼を柳井で食べようということで、かつ白壁の通りのすぐ近くにあるので立ち寄ってみました。

市民のソウルフードであって観光客向けではありません。注意してください。店内に入ると近所の常連客っぽい人の姿が目立ちます。

汁そば

名物の汁そばを注文しました。茶色い麺と上に乗っている野菜類は、中華そばというよりちゃんぽんのようにも見えます。しかし味わってみると不思議と箸が進むおいしさ。結構なボリュームに見えましたが、あっという間に平らげられました。

柳井の宿泊施設について

柳井グランドホテル

柳井観光は、急げば半日で回れます。しかし、もっとゆっくりとこの街の雰囲気を味わいたいのなら宿泊をしたいところ。柳井の白壁の街並みとは柳井川を挟んで対峙している柳井グランドホテルは、柳井観光の滞在としては非常に便利がいいです。

観光やビジネス利用をはじめ、合宿や結婚式、あるいは子供向けの鉄道おもちゃプランや地元漁師がガイドを務める釣りパックなど、様々なアクティビティを用意。柳井滞在を前提に、観光とセットで楽しむのには最適です。

柳井グランドホテル

  • 住所:山口県柳井市中央2丁目2-22
  • TEL:0820-23-0030
  • チェックイン15:00、チェックアウト10:00
  • URL:柳井グランドホテル

半日で回れる柳井に立ち寄ってみましょう

柳井

柳井の町は駅からも徒歩10分と近く、かつ見どころは狭い範囲に密集しており、急いで回れば半日あれば十分です。

ただ伝統工芸に体験できる施設もあり、そういうところを入れるとすれば一日あるいは宿泊を兼ねて回りたいところ。

旅のスケジュールに合わせて自由にアレンジできますので、柳井の観光を計画に入れて、ぜひ気軽に立ち寄ってみましょう。

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万代正平

旅行が好きな旅人。日本国内は、北海道の網走、道東周辺から沖縄の八重山諸島・与那国島まで47都道府県すべて行ったことがあります。2020年2月までは毎年東南アジアに渡航しており、東南アジア10か国すべて訪問しました。海外では他にヨーロッパ(英国、ベルギー、アイルランド)アメリカ、中国、香港、マカオ、台湾、韓国への渡航経験があります。2020年春以降は、主に国内の旅行を中心に活動しています。

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