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【京都の世界遺産巡り3】比叡山をまたぐようにある延暦寺のおすすめ観光ルート
京都の世界遺産巡り第3弾。今回は世界遺産「延暦寺」のおすすめの巡り方をご紹介します。
ここで少し不思議なのが、滋賀県のお寺である延暦寺が、京都の世界遺産に含まれていることではないでしょうか。延暦寺は京都市と大津市にまたがる比叡山全域を境内とするお寺なので、所在地は滋賀県大津市ですが、境内は京都市にも含まれます。また延暦寺は京の都の鬼門を守護すべく最澄が開いたお寺でもあります。そのため「古都京都の文化財」の構成資産の1つとして世界遺産に登録されています。
目次
- 世界遺産「延暦寺」は比叡山をまたいで3つのエリアに分かれている
- 世界遺産「延暦寺」を巡るのにどのくらいの時間が必要?
- 世界遺産「延暦寺」のおすすめ観光ルート
- 延暦寺「東塔」エリアの見どころ
- 延暦寺「西塔」エリアの見どころ
- 延暦寺「横川」エリアの見どころ
- 最後に「梵字ラテ」でほっこり休憩
世界遺産「延暦寺」は比叡山をまたいで3つのエリアに分かれている
延暦寺は比叡山をまたぐように
- 東塔エリア:国宝「根本中堂」がある延暦寺の中心
- 西塔エリア:杉木立や苔が美しく、現在も修行僧がおられる静寂境
- 横川エリア:おみくじ発祥の地
の3エリアがあります。
それぞれの移動時間(車の場合)は、次の通りです。
- 東塔〜西塔:約4分
- 西塔〜横川:約10分
- 東塔〜横川:約14分
山道ということもあり、比叡山内はシャトルバスが運行されていますので、車でない方はシャトルバスの利用がおすすめです。
ICOCAなど全国交通系ICカードを利用できますし、比叡山内をぐるり観光されるなら、「比叡山内バス1日乗車券」(大人1,000円 / 子供500円) がお得。1日乗車券はシャトルバス車内(江若バスのみ)や延暦寺バスセンター売店などで購入できます。
世界遺産「延暦寺」を巡るのにどのくらいの時間が必要?
延暦寺の観光にかかる時間ですが、3エリアすべてを参拝するには丸一日かかります。参考までに、私の場合は主要なお堂を巡るだけでも、各エリア約2時間ずつかかりました。もしも座禅体験や写経体験をされるなら、さらに時間的余裕を見ておいた方がいいですね。
なお延暦寺を参拝する際は、延暦寺諸堂巡拝券(大人1,000円/中高生600円/小学生300円)が必要です。1日券になっており、東塔・西塔・横川の3エリアを巡ることができます。
世界遺産「延暦寺」のおすすめ観光ルート
丸一日かかる比叡山巡りにあたり、確認しておきたいのが昼食を食べられる場所ですが、以下の4カ所に限られています。
- 東塔:鶴喜そば(延暦寺バスセンター、一隅を照らす会館の2ヶ所)
- 東塔:延暦寺会館(精進料理/3日前までに要予約)
- 峰道:峰道レストラン
峰道レストランでは美しい琵琶湖を一望しながら昼食をいただけます。そのため朝一から巡る場合、比叡山のおすすめ観光ルートは「東塔→西塔→峰道で昼食→横川」です。
延暦寺「東塔」エリアの見どころ
絶対に外せないのが、比叡山延暦寺の総本堂である根本中堂(国宝)。最澄が自ら刻んだといわれている薬師如来が本尊として祀られており、その前には最澄が延暦寺を開いてから1,200年ものあいだ灯り続けている「不滅の法灯」が輝いています(撮影禁止)。
なお2016年より、根本中堂は約60年ぶりの大改修が行われています(10年間の予定)。参拝後は誰でも自由に、根本中堂の屋根の高さに特別に設置された「修学ステージ」から文化財の修復現場を間近で見ることができます(撮影OK)。
7ヶ所にARポイントが設置されているので、アプリをダウンロードすると、極彩色豊かな根本中堂外観や色鮮やかに蘇った蟇股など、本来の根本中堂の姿を体感できます。
その他、東塔エリアには以下のような重要な堂塔が集まっています。
- 三面出世大黒天が祀られている大黒堂
- 大講堂(重要文化財)
- 「開運の鐘」と呼ばれる鐘楼
- 文殊楼(重要文化財)
- 阿弥陀堂と法華総寺院東塔
延暦寺「西塔」エリアの見どころ
山内を進むと、杉木立と美しい苔の間から見えてくるのが「にない堂」(重要文化財)です。「常行堂」と「法華堂」という同じ形の2堂が渡り廊下でつながっており、弁慶が渡り廊下を天秤棒にないぼうに見立てて担いだという伝説が残されていることから、俗に「弁慶のにない堂」と呼ばれています。当日、法華堂では四種三昧の修行が行われていました。
にない堂の奥に進むと、杉木立の間から「釈迦堂」(重要文化財)が見えてきます。釈迦堂は西塔の中心のお堂で、堂々とした風格があります。織田信長の焼き討ち後、豊臣秀吉が大津の園城寺(三井寺)の金堂を移築したもので、天台建築様式の代表とされる、山内最古、鎌倉時代の建物です。
にない堂や釈迦堂とは反対側にある山道をしばらく登って行くと、「浄土院」(重要文化財)があります。延暦寺山内では最も清浄荘厳な聖域で、最澄の御廟でもあります。綺麗に掃き清められており、案内によると掃除地獄と呼ばれているほどだそう。
延暦寺「横川」エリアの見どころ
「横川中堂」は横川エリアの本堂となる建物。舞台づくりが特徴で、堂内のご本尊の聖観音菩薩(重要文化財)を祀る内陣の周囲には、おびただしいほどの黄金色に輝く小さな観音様が祀られています。
横川中堂の奥へと進んでいくと「元三大師堂」(重要文化財)があります。元三大師は法力がとても強かったとされ、おみくじの元祖とも伝えられています。ただし元三大師堂のおみくじは、他と違い、気軽にひけるものではありません。事前予約の上、まずは住職に悩みを打ち明け、おみくじをひくと決まれば、祈祷後に住職がおみくじをひき、その内容を教えてもらうという流れになっています。
最後に「梵字ラテ」でほっこり休憩
以上、世界遺産「延暦寺」のおすすめ観光ルートと、3つのエリアの見どころ紹介でした。最後に、歩き疲れた足を休めるなら、東塔エリアにある延暦寺会館内「喫茶れいほう」で梵字ラテをいただいてはいかがでしょうか。
比叡山延暦寺
- 住所:滋賀県大津市坂本本町4220
- 参拝時間:東塔エリア8:30~16:30、西塔・横川エリア9:00~16:00(12月〜1月は時間が短くなります)
- HP:比叡山延暦寺
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Mami
- 世界遺産巡りの旅が大好き。ふらっと海外ノマドに出かけ、気に入った異国の街で、暮らすように旅することも。古代遺跡・異文化交流・お茶・博物館があれば、わくわく。旅ブログ(soreseka.com)も運営中。