日本のワイナリー巡りのススメ~ワイン醸造所の基礎知識&スポット紹介~

ワイナリー

ワインの産地といえばフランスやイタリアなどを思い浮かべる人も多いと思いますが、近年は日本でも国際的に高い評価を受けるワインが増え、日本ワインへの注目が高まってきています。

そんななかで人気上昇中なのが、ワインの魅力を深堀りできる「ワイナリー見学」。ワイナリーとはどういった場所か、ワイナリーを見学する方法や、実際に見学できる国内の有名ワイナリーなどを紹介します。

※新型コロナウイルス感染症の影響で、紹介しているスポットが休業・休館、あるいは内容を変更して営業している場合があります。公式ホームページ等で最新情報をご確認のうえお出かけください。

目次

<1. ワイナリーとはどういった場所?>

<2. ワイナリー見学では何が楽しめる?>

<3. ワイナリーを見学する方法とマナー>

<4. 日本でワイナリーの多い地域はどこ?>

<5. 見学可能なワイナリーをいくつか紹介>

1. ワイナリーとはどういった場所?

ワイナリーとは「ワイン醸造所」のこと。通常、ワイナリーではワイン職人を雇い、発酵や圧搾(あっさく)、樽熟成を経てブドウからワインを製造します。

ワインはコーカサスの国ジョージアが発祥ともいわれ、古代ギリシアや古代ローマがヨーロッパ各地に広めたため、現在もとりわけヨーロッパでワイン醸造が盛ん。一方、日本においても明治時代以降にワイン醸造が普及し、日本ワイン市場も年々盛り上がりを見せています。

国内にも見学できるワイナリーはたくさんあるので、ワイン好きな人はワイナリーめぐりを旅行の楽しみに加えてみてはいかがでしょうか。

2. ワイナリー見学では何が楽しめる?

ヨーロッパやアメリカなどではワイナリー訪問は娯楽として確立しており、ワイナリーをお目当てに旅行の計画を立てる人もいるほど。奥深い魅力にハマってしまう人も多いワイナリー見学では、どのような楽しみが待っているのか解説します。

2.1 ワインの製造工程が見学できる

ワイナリーは実際にワインを造っている場所なので、多くのワイナリーで製造現場の見学が可能です。

見学の内容は、ブドウ畑が自由に散策できたり、醸造室や樽熟成庫、セラーなどを見学できたり、歴代のラベルや瓶などの展示を見ることができたりと、ワイナリーによってさまざま。生ワインのボトル詰めや、世界にひとつだけのオリジナルのワインラベル作り体験ができるワイナリーもあります。

2.2 ワインの試飲や食事ができる

ワイナリー見学といえば、試飲を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。実際に多くのワイナリーでは、自社ワインのテイスティングの機会を用意しています。

発酵してワインになる前のぶどうジュースが飲めたり、ボトル詰めされる前の樽に入ったワインが飲めたり、数種類のワインを少しずつ飲み比べられたりと、製造現場ならではのお楽しみが満載。

試飲して気に入ったワインは、ぜひショップでお土産に購入して帰りましょう。ワイナリーによっては、ワイナリーでしか買えない限定ワインを販売していることもあります。

レストランを併設しているワイナリーでは、そこで造られたワインとワインに合う料理のマリアージュを楽しむこともできますよ。

2.3 スタッフからの解説が聞ける

ワイナリー見学では、ワインに詳しいスタッフがワインの歴史や、そのワイナリーで使用しているブドウの品種、ワインの製造工程、醸造設備等についてわかりやすく解説してくれることがあります。ワイナリーによっては実際にワインを製造している醸造家から話を聞けることも。

実際に製造現場を見ながら話を聞くことで、より具体的なイメージが湧きますし、ワイン造りへの興味も高まります。造られている現場を見た後に飲むワインは、ひときわおいしく感じられそうですね。

2.4 景観が楽しめる

ワイナリー見学では、非日常を感じる美しい景観も見どころ。ブドウ畑を併設しているワイナリーは高台の丘陵地にあることが多いため、ブドウ畑と周囲の山々や、場所によっては海との絵のようなコラボレーションが楽しめます。

また、ヨーロッパのお城のような建物や、レトロな古民家を思わせる建物を備えたワイナリーもあり、建物そのものがフォトジェニックなワイナリーも少なくありません。

3. ワイナリーを見学する方法とマナー

日本にあるすべてのワイナリーが見学可能というわけではないので、まずは興味のあるワイナリーが見学可能かどうかを確認しましょう。見学できる場合は、たいてい公式ホームページに見学に関する情報が載っています。

見学できる場合でもそのスタイルはさまざま。予約なしで随時ワイン貯蔵庫やワイン畑などを見学できるワイナリーもあれば、特定の日時や曜日にガイドツアー方式で見学会を開催するワイナリーもあります。ガイドツアー方式の場合、事前に予約が必要な場合が多いので、参加方法を確認し、早めに申し込みましょう。

ワイン本来の香りを邪魔しないため、ワイナリー見学当日は香りの強い香水などは控えるのがマナー。また、色々な種類のワインを飲めるからといって、過剰に試飲するなどして酔っぱらったり、大声を出したりしないよう、節度を守って見学しましょう。

当然のことながら、ドライバーの飲酒はNG。ぶどうジュースの試飲を用意しているワイナリーも多いですが、せっかくのワイナリー見学。ワインの試飲を楽しみたいなら、前もって交通機関やタクシー等の利用を検討すると良いでしょう。

4. 日本でワイナリーの多い地域はどこ?

ワイナリーは日本各地にありますが、特に山梨や長野、山形、北海道などでワイン造りが盛んなため、ワイナリーの数も多いです。ワイン用ブドウの栽培には、降水量が少なく、一日の寒暖差が激しく、日照時間が長い気候が適しているため、それらの条件にあてはまる土地がワイン産地として発展してきました。

日本ワインの主要ブドウ品種として「甲州」が挙げられるように、日本のワイン産地というと山梨を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

山梨が日本を代表するワイン産地になったのは、もともとブドウ栽培が盛んだったことに加え、山梨県の青年2人がフランスに留学してワイン造りを学んだ後、日本で最初の国産ワイン会社を設立したことにあります。当時の明治政府はブドウ栽培やワイン醸造を奨励したため、山梨から日本各地にワイン造りが広がっていったのです。

5. 見学可能なワイナリーをいくつか紹介

最後に、国内の主要なワイン産地において実際に見学できるワイナリーを紹介します。まだまだ日本ワインにはなじみが薄いという人もいるかもしれませんが、ワイナリーを訪ねてみると知らなかった日本ワインの魅力が発見できるはずです。

5.1 サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県)

山梨県甲斐市にある「サントリー登美の丘ワイナリー」は、勇壮な富士山と甲府盆地を望む、丘の上のワイナリー。その名の通り、日本を代表する飲料メーカー「サントリー」の運営で、晴れた日にはブドウ畑の向こうに富士山が見える絶景が広がります。

多数の品種を「垣根仕立て」と「棚仕立て」で栽培する広大なブドウ畑は自由に散策可。5月末~6月中旬には珍しいブドウの花を、7月下旬~8月中旬には「ヴェレゾン」と呼ばれる色づきはじめたブドウの実を目にすることができますよ。

工場見学ツアーもあり、当日ワインショップで申し込み可。木樽が並び神秘的な雰囲気が漂う樽熟庫、ヴィンテージワインが眠る瓶熟庫などをガイドとともにめぐり、ツアーの最後には試飲も楽しむことができます(有料)。

また、ツアーに参加しなくても、ワインショップのテイスティングカウンターで、数十種類の日本ワインを1杯から気軽に試すことが可能(有料)。希少な貴腐ワインもあるので、この機会に普段なかなかお目にかかれないワインとの出会いを楽しんでみては。

※新型コロナウイルス感染症の影響で、2021年11月現在、工場見学ツアーは休止中。また、有料テイスティングは金、土、日、祝の10:00~16:00のみ営業しています。お出かけ前に公式ホームページで最新情報をご確認ください。

山梨の名物グルメ・お土産については「山梨の名物はこれ! 行って食べたいグルメ&買いたいお土産」の記事も、ぜひお読みください。

5.2 サンクゼールの丘(長野県)

長野県北部飯綱町(いいづなまち)の「サンクゼールの丘」は、全国に店舗を展開する食品会社「サンクゼール」が運営する施設。

なだらかな山々と田園を一望する高台に、ブドウ畑やレストラン、ショップなどが点在しており、「サンクゼール」や「久世福商店」の本店もここにあります。創業者夫婦がフランスの田舎の風景にインスピレーションを受けたというだけあって、日本にいることを忘れるかのようなロマンティックな景色も魅力。

ブドウ畑や醸造所の見学ができるツアーも開催しており、予約不要で参加できる短時間の無料ツアーから、じっくりとサンクゼールの世界を満喫できるテイスティングセミナー付きやランチ付きのツアーも(有料)。テイスティングセミナー、ランチ付きのツアーは、5日前までに公式ホームページの予約フォームからの申し込みが必要です。

信州の食材を使った料理とワインやシードルなどが味わえるワイナリーレストランや、芝生のガーデンを満喫できるバーベキューランチなど、食事が充実しているのも嬉しいポイント。長野のおいしい空気とともに、自然の恵みを堪能しましょう。

5.3 八剣山ワイナリー(北海道)

「八剣山ワイナリー」は、北海道札幌市南区で個性豊かなワインを造っているワイナリー。札幌市内とはいっても、そこは八剣山(はっけんざん)のふもと。切り立った山々に囲まれ、北海道らしい雄大な自然美が広がっています。

自社のブドウ畑などで育てたブドウやリンゴから造るワインのほか、地元産にこだわったジャムやジュースなども製造。2020年にオープンした「八剣山キッチン&マルシェ」では、地元の野菜や卵、ソーセージなどを使った食事のほか、八剣山ワインやジャム、近隣で採れた野菜などのショッピングも楽しめます。

ワイナリー敷地内にはブドウ畑やビオトープをめぐる散策路が整備されているほか、2021年9月には焚き火キャンプ場もオープン。忙しい日常を忘れて、自然に親しむひとときが過ごせます。

日本ワインといっても、地域やワイナリーによって香りや味わいは多種多様。ワイナリーをめぐって飲み比べをすることで、お気に入りの1本に出会えるかもしれません。

ワインやワイン造りに少しでも興味のある人は、ぜひワイナリーめぐりにトライしてみてください。どこかに旅行する際は、その周辺で見学できるワイナリーがないか確認してみるのも良いですね。

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