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酒蔵めぐりのススメ~酒蔵でできることやマナーについて~

記事投稿日:2021/10/23最終更新日:2021/11/11

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酒蔵

日本全国に1,300以上もの日本酒の酒蔵があること、あなたは知っていましたか? 中には、実際に蔵の中に入って、製造工程の見学や試飲などが楽しめる酒蔵もあります。お酒が好きな人は、酒蔵見学を旅程に加えてみるのも良いですね。

「酒蔵」とはどのような場所なのか、また実際に酒蔵を見学する方法や見学にあたってのマナー、一度は訪れてみたい有名な酒蔵などについて紹介します。

目次

<1. 酒蔵(さかぐら)とは何を指す?>

<2. 酒造、蔵元などと酒蔵はどう違う?>

<3. 酒蔵見学では何が楽しめる?>

<4. 酒蔵を見学する方法とマナー>

<5. 酒蔵の多い地域はどこ?>

<6. 見学可能な有名酒蔵をいくつか紹介>

1. 酒蔵(さかぐら)とは何を指す?

酒蔵とは「酒を醸造または貯蔵するための蔵」のこと。「酒造(しゅぞう)」と混同されることも多いですが、酒造が行われる場所が酒蔵、つまりは場所や空間を指します。

ただし、文脈によっては「酒蔵さん」「お蔵さん」など「さん」をつけて、「酒蔵」が「酒の製造元」の意味合いで使われることもあります。

2. 酒造、蔵元などと酒蔵はどう違う?

酒造りに関しては、「酒蔵」「酒造」「蔵元(くらもと)」など似たような用語があり、混乱しやすいですよね。「酒蔵」が「酒を醸造・貯蔵するための蔵」である一方、「酒造」は文字通り「酒を造ること」。つまりは、お酒を造る作業そのもののことをいいます。「酒蔵」の中で「酒造」が行われる、と覚えてください。

「蔵元」は、酒を造るための蔵をもつ製造元(メーカー)の意味。つまりは、「酒蔵」を所有しているのが「蔵元」です。「蔵元」という表現は、日本酒や焼酎だけでなく醤油や味噌、酢などの醸造品の製造元にも使われます。

少々ややこしいのが、「蔵元」は「酒蔵の経営者」の意味でも使われるということ。特に「蔵元さん」と「さん」を付けて呼ぶ場合には、「オーナー一家」を指すことが多くなります。

「酒蔵」「酒造」「蔵元」の3つの用語をまとめると、「酒造」を行うのが「酒蔵」で、その「酒蔵」を所有しているのが「蔵元」という構図になります。

3. 酒蔵見学では何が楽しめる?

ひと味違った旅行の楽しみとして取り入れたいのが、酒蔵見学。全国各地に見学を受け付けている酒蔵があり、製造工程の見学や試飲、こだわりの製法や酒蔵の歴史についての解説など、楽しくお酒に親しむひとときを過ごすことができます。

3.1 お酒の製造工程が見学できる

酒蔵見学では、蔵元の歴史や酒造りのこだわり等の解説を交えながら、お酒の製造工程を見て学ぶことができます。

製造元によって酒蔵の外観や雰囲気は異なりますが、中には酒蔵そのものが歴史遺産のようなところも。歴史ある酒蔵では、昔ながらの蔵で木製の仕込み桶や道具類が見学できることもあります。

一般に酒蔵でお酒の製造が行われるのは11~2月頃。その時期に足を運べば、実際の仕込みの様子が見られるかもしれません。

3.2 お酒の試飲ができる

酒蔵見学の一番の楽しみがコレという人も多いかもしれません。酒蔵見学では、お酒の製造工程を見学した後、その蔵で造られたお酒の試飲ができることが多いです。

色々なお酒を少しずつ飲み比べられることもあり、自分好みの1本を知る絶好の機会。そのお酒が造られた蔵や製造工程を目の当たりにすることで、1杯1杯がよりおいしく感じられるはずです。

蔵元によっては、併設のカフェやレストランでお酒とともに本格的な食事ができたり、お酒を使ったオリジナルスイーツを楽しんだりできることもあります。

3.3 スタッフからの解説が聞ける

酒蔵見学では、一般的な酒造りのプロセスに加えて、その蔵元独自の製法など、おいしいお酒を造るためのこだわりを聞くことができます。

蔵元によっては、酒造りの最高責任者である杜氏(とうじ)自らが解説してくれることも。酒蔵の雰囲気を肌で感じ、造り手の想いにふれることで、お酒が飲める喜びがよりいっそう深いものになるでしょう。

3.4 酒蔵の歴史がわかる

日本の老舗企業のトップ10には、日本酒造メーカーがランクインしており、500年以上の歴史を持つ蔵元もあります。日本酒の蔵元は歴史の長いところが多いだけに、日本各地にタイムスリップしたかのような気分を味わえる酒蔵も。

実際に酒蔵の中に入って蔵の解説を聞けるところもあり、数世紀にわたって脈々と受け継がれてきた酒蔵の歴史を知ることで、その蔵元のお酒への思い入れがいっそう深まります。

4. 酒蔵を見学する方法とマナー

酒蔵見学にあたっては、まずは訪ねたい酒蔵が見学可能かどうかを確認しましょう。予約なしで自由に展示の一部を見学できる酒蔵もありますが、多くの場合、酒蔵の見学には事前予約が必要です。

特定日のみ見学を受け付けている酒蔵や、不定期で見学会を開催している酒蔵もあり、見学可能な酒蔵であっても、いつでも自分の好きなときに見学できるとは限りません。最初に公式サイトなどで酒蔵見学の情報を確認し、不明な場合はあらかじめ電話で確認するようにしましょう。予約なしでいきなり訪問して、蔵元を困らせないように。

また、酒蔵は飲食物を製造する施設なので、見学にあたっては衛生面の配慮が欠かせません。見学時には衛生服や衛星帽の着用が必須の酒蔵もあります。酒蔵見学の日は、できるだけ清潔感のある服装や髪形を心がけましょう。

酒造りは微生物の力を借りるため、酒蔵では微生物環境を最適に整えることに神経を遣っています。見学者が余計な微生物を持ち込んでしまうことで、おいしいお酒造りの妨げになることも。酒蔵見学当日は、納豆やヨーグルト、漬物などの発酵食品は控えるようにしてください。

当然のことながら、試飲を伴う場合、ドライバーの飲酒は厳禁。「せっかく酒蔵見学に行ったのに試飲ができなかった!」ということのないよう、公共交通機関やタクシー等の利用を検討すると良いでしょう。

5. 酒蔵の多い地域はどこ?

日本各地に1,700以上もの日本酒の酒蔵が散らばっていますが、日本酒の酒蔵数が全国で最も多いのが新潟県。次いで、兵庫県、長野県となっています。

日本酒造りの条件として、良質な原料が手に入ることや、良質な水が大量に得られることなどが挙げられます。また、麹の発酵過程で気温が上がりすぎるとおいしいお酒が造りにくいことから、伝統的に寒い土地で日本酒造りが盛んです。

新潟、長野、兵庫以外でも、名水の地に酒蔵が多いという特徴があり、京都伏見の御香水(ごこうすい)、富士山の伏流水(ふくりゅうすい)など、名水と酒造りは切っても切れない関係にあります。兵庫県西宮市、広島県西条町、京都市伏見区など、酒造りの盛んな町には「酒蔵通り」と呼ばれる酒蔵の集まる通りがあることも。通りの名前からも土地の歴史がうかがえますね。

一方、焼酎に目を向けると、国内にある焼酎の酒蔵のうち半数近くが九州地方に存在しています。その背景として、焼酎を含む蒸留酒作りは、南方から沖縄・九州に伝わったこと、古くから焼酎造りに用いられる「黒麹(くろこうじ)」が温暖な場所で活発に育つこと、九州は焼酎の原料となるさつまいもの生産が盛んであることなどが挙げられます。

九州地方の中でも特に鹿児島は焼酎の酒蔵の数が圧倒的に多く、さつまいもの生産量も全国トップクラス。一口に「酒蔵」といっても、日本酒と焼酎ではずいぶん事情が異なるのが面白いところですね。

6. 見学可能な有名酒蔵をいくつか紹介

ここまでくると「実際に酒蔵に行ってみたい」という思いがふくらんできたのではないでしょうか。酒蔵見学の意欲が高まってきたところで、見学できる有名な酒蔵をいくつか紹介します。

6.1 見学コースもあり!「朝日酒造」(新潟県)

「朝日酒造」は、水田と里山の風景が広がる新潟県長岡市にある日本酒の蔵元。1830年に「久保田屋」の屋号で創業して以来、200年近くにわたって品質本位の酒造りを続けてきました。

朝日酒造の歴史や酒造りのこだわりが学べる酒造見学は、10~4月の季節限定で実施される「60分製造工程見学コース」と通年実施の「20分見学コース」の2種類。

いずれも参加は無料で、「60分製造工程見学コース」はインターネットまたは電話で3日前までの申込みが必要。「20分見学コース」は事前申込み不要で、「酒楽の里 あさひ山」(朝日酒造前の物販店)にて受付を行っています。

「60分製造工程見学コース」に参加すれば、蒸米に麹菌を繁殖させた「麹米」に触る体験や、発酵過程のもろみの観察ができるほか、その日搾ったばかりの原酒の試飲も楽しめます。

朝日酒造の向かいにある「あさひ山 蛍庵」は、新潟の旬の味覚をふんだんに採り入れた料理と、朝日酒造自慢のお酒が味わえるレストラン。中でも指定契約農園のそば粉を100%使った名物そばは必食です。

※2021年10月現在、新型コロナウイルス感染症の影響で「20分見学コース」のみ実施しています。詳細については公式サイト等でご確認ください。

6.2 日本最古の酒蔵「須藤本家」(茨城県)

「須藤本家」は、およそ880年の歴史をもつ日本最古の酒蔵。「茨城県名発祥の地」と呼ばれる茨城県笠間市小原にあり、樹齢800年以上の欅(けやき)の木に囲まれた武家屋敷のような建物は、老舗の風格満点です。

家訓は「酒・米・土・水・木」。「良い酒は良い米から、良い米は良い土から、良い土は良い水から、良い水は良い木から」という意味で、地元産の新米一等米以上の米で作る須藤本家の日本酒は、すべて無濾過(むろか)の大吟醸(だいぎんじょう)。原材料にも製法にもととんこだわった日本酒は、海外のワイン評論家からも高い評価を受けています。

酒造見学では、スタッフが酒造りの工程や、須藤本家のお酒、酒蔵の歴史などを紹介。地元で「杜(もり)の蔵」と親しまれる酒蔵で、歴史と趣を体感することができます。

試飲は3銘柄で1,500円~。酒造見学は完全予約制のため、見学担当係まで早めに電話で申し込みましょう。

6.3 焼酎の歴史がわかる「焼酎資料館(田苑酒造)」(鹿児島県)

焼酎の酒蔵見学なら、なんといっても鹿児島。鹿児島県薩摩川内市にある「田苑(でんえん)酒造」は、1890年に「塚田酒造場」として創業した蔵元。焼酎造りの工程でクラシック音楽を聴かせる「音楽仕込み」、3年貯蔵は当たり前の「長期貯蔵」、職人がひとつひとつ手作りした樽を使った「樽貯蔵」など、こだわりの製法が生み出す焼酎は、鹿児島県本格焼酎鑑評会で常に「優等賞」の栄誉を受けてきました。

本社敷地内にある「焼酎資料館」は、日本初の焼酎に関する資料館。熊本県北部にあった江戸時代の清酒蔵を移設し、1986年にオープンしました。

美しいなまこ壁の蔵の中には、塚田醸造場時代の木桶や古式蒸留機(チンタラ)、製法を記した古文書などを展示。焼酎造りに試行錯誤してきた作り手の情熱にふれることで、焼酎文化をより深く知ることができます。

焼酎資料館の見学は無料で、予約なしで訪問可能。館内では田苑酒造の焼酎の試飲販売も行っているので、気に入ったものをぜひお土産に持ち帰りたいものです。

※2021年10月現在、新型コロナウイルス感染症の影響で見学には予約が必要になっています。詳細については公式サイト等でご確認ください。

酒蔵めぐりをすることで、きっとこれから口にする1杯1杯がもっとおいしく感じられるようになるはず。酒蔵見学を目的に旅行をするのも良いですし、どこかに旅行する際にその地域で見学できる酒蔵がないか探してみるのも良いですね。日本のお酒をもっと楽しみたいなら、酒蔵見学デビュー、してみませんか。

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