空に花に古代ロマン、知られざる佐賀県の魅力を紹介

佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

みなさんは佐賀県と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?きっと多くの人が何も思いつかないのではないでしょうか。もしかすると場所すら怪しい人も。

全都道府県を自転車で旅した私ですら、佐賀のイメージは薄く、これといって観光もせず、すっと通過しただけで終わってしまった県でした。

しかし、2019年の夏から佐賀で暮らしてみると、今まで知らなかった他県には無い独自の魅力にあふれる県でした。今回は佐賀の魅力を多くの人に知ってもらおうと、おすすめのイベントや観光地を紹介させていただきます。

目次

佐賀インターナショナルバルーンフェスタ~大空を彩るカラフルなバルーン~

佐賀インターナショナルバルーンフェスタ~

旅好きのみなさんがバルーン(気球)と聞いてい最初にイメージするのは、カッパドキアの奇岩地帯に無数に浮かぶバルーンの光景ではないでしょうか?いつか見てみたい憧れの光景の一つと考えながらも、カッパドキアは遠くてなかなかチャンスがないと諦めている方もいるかもしれません。

カッパドキアのような奇岩はありませんが、佐賀にもカッパドキアの光景にも負けないほどバルーンが飛ぶ日があるのです。

それが毎年10月下旬から11月上旬に、佐賀駅の西方5kmに流れる嘉瀬川の河川敷で開催される、『佐賀インターナショナルバルーンフェスタ』です。

県庁所在地のすぐ近くで巨大なバルーンを飛ばせるのも、高い建物が少ない佐賀平野ならではです。

佐賀インターナショナルバルーンフェスタの歴史は古く、1980年から毎年行われており昨年で40回目を迎えました。2年に一度世界各地で行われる熱気球世界選手権は、過去三回佐賀県で行われており最早日本の熱気球のメッカと言っても過言ではないほどです。

ここ数年では観客動員数が80万~100万人と、佐賀県の人口約80万人を超える動員数を記録していることからも、県内外から注目されていることが伺えます。

開催期間は5日間で、朝夕二回競技フライトが行われ、フライトのない日中は動物型などの特殊な形をしたバルーンの係留やトライアルバイクショー、屋台村や物産展などもあるので一日居ても飽きることはありません。

佐藤琢磨選手のドリフト

2019年はレーシングドライバーの佐藤琢磨選手が、2017年にアジア人初となるインディ500で優勝した時のマシーンで河川敷を100km/h以上で走行したりドリフトをしたりと観客を沸かせてくれました。

バルーン大会の見どころは何といっても朝夕の競技フライトの時間で、朝焼けの河川敷をゆっくりと膨らんだバルーンがふわりと上昇していく景色はどこか幻想的で、日常では味わえない空気に包まれています。

夕方になると朝の飛行とは反対にバルーンが会場に向かって飛行してくるのですが、手で触れそうなほど土手の上を低く飛ぶバルーンや、色とりどりのバルーンが川面に鏡のように反射して映る光景は、日本各地から毎年見に来る人がいるのも頷ける心に残る素敵な景色です。

日没後は夜間係留が行われ、ガスの火で内部から照らされたバルーンが夜の河川敷に浮かびあがる光景は、ロマンチックな童話の国に紛れ込んでしまったかのようです。

残念ながら2020年はコロナのため中止になりましたので、来年の開催に期待です。

佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

>>>佐賀インターナショナルバルーンフェスタ 公式サイト

シチメンソウ祭り ~湿地に広がる赤い絨毯~

最大で干潮差6mと日本一干満差の激しい有明海。

そんな干潟には有明海とごく限られた海域にしか生息していない貴重な生き物がおり、代表的な生き物としてはハゼの仲間ムツゴロウがあげられます。

メスの気を引くため、ムツゴロウのオスが干潟の上で飛び跳ねるシーンをテレビや写真で見たことがある人もいるでしょう。

ムツゴロウ

他にも目が退化しギザギザの歯をむき出しにしたエイリアンのようなワラスボや、片手だけ大きくなったハサミを上下に振るしぐさがかわいいシオマネキなど、子供が見たら喜びそうな風変わりな生物が多く生息しています。

動物だけではなく、干潟にはシチメンソウと呼ばれるアカザ科の塩生植物が群生しており、シチメンソウは現在絶滅危惧種Ⅱ種類に指定されており、佐賀の干潟が国内最大の群生地になっています。

秋が深まる10月下旬から晩秋の11月下旬にかけ、シチメンソウの株全体が赤く紅葉し、群生地はまるで赤いじゅうたんを広げたような光景が広がるそうです。

広がるそうです、と書いたのは実はこのシチメンソウ去年一昨年と発育が悪く、昨年は湿地にぽつぽつと生えているだけで、赤いじゅうたんを見ることができなかったのです。

嬉しいことに今年は発育状態がよく、10月中旬の段階でだいぶ染まりだしてきているので、今年は期待できそうです。

シチメンソウ

例年はバルーンフェスタと同じ時期に、佐賀市南部の干潟よか公園でシチメンソウ祭りが開催され物産展やシチメンソウのライトアップが行われるのですが、こちらも残念ながらコロナの影響でお祭りは中止になっています。

お祭りは中止ですが、シチメンソウ自体はいつでも見ることができますし、一帯はラムサール条約に指定されており、冬は多くの渡り鳥が飛来するのでそれも見どころの一つです。

干潟よか公園

  • 住所:〒840-2221 佐賀県佐賀市東与賀町大字下古賀2885-2
  • 営業時間:9:00~17:00
  • 定休日:月曜日、年末年始
  • 入場料:無料
  • 公式サイト:干潟よか公園 (佐賀市観光協会)

吉野ケ里遺跡 ~気分はもののけ姫!~

吉野ケ里遺跡

佐賀市の北にそびえる背振山地、その麓の吉野ケ里丘陵に吉野ケ里遺跡は広がっています。

50ヘクタールにもなる広大な敷地には弥生時代の集落跡や墳墓が残されており、濠に囲まれたむらの中には物見櫓や主催殿が復元されています。

丘陵に建つ床高6mの物見櫓からはむらだけでは無く佐賀平野も一望でき、草原が広がっていたと思われる弥生時代はさぞ見晴らしが良かったでしょう。

村内に目をやると茅葺の家々を敵の侵入を防ぐ板垣がぐるりと囲み、今にもイノシシが出そうな背振山など、もののけ姫のワンシーンに出てきそうな光景が広がっています。

歴史や映画に想いを馳せつつ園内を歩くと当時の王様を埋葬した北墳丘墓があり、ドームに覆われた墳丘墓は当時の甕や装飾品が展示されており、まるで大きなタイムカプセルの中にいるような気分になります。

佐賀県民の遠足、観光スポットになっている人気の遺跡ですが、休日でもタイミングと時間によってはひとけのないスポットもあるので、彼岸花が揺れる中佇む茅葺屋根の居住区を静かに見つめたりと、自分だけのお気に入りのポイントを見つけるのも面白いですね。

吉野ケ里歴史公園

吉野ケ里歴史公園

  • 住所:〒842-0035 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町田手1843
  • 営業時間:9:00~17:00(4月1日〜5月31日、9月1日〜3月31日)、9:00〜18:00(6月1日〜8月31日)
  • 定休日:12月31日、1月の第3月曜日とその翌日
  • 入場料:大人(15歳以上)460円 中学生以下は無料
  • 公式サイト:吉野ケ里歴史公園

佐賀の日本酒を堪能

佐賀と言えば忘れてはいけないのが日本酒です。

九州のお酒といえば芋や黒糖の焼酎のイメージが強いですが、佐賀県は焼酎よりも日本酒の消費が多く、最盛期に比べ減ったとはいえ今でも多くの酒蔵が残っています。

焼酎より日本酒の生産が多かった理由としては、江戸時代に佐賀を治めていた鍋島藩が日本酒造りを奨励したとか、広大な佐賀平野と良質な水を生み出す山があったことで、酒造りに必要なお米と水に恵まれたためとも言われています。

少し前まで佐賀のお酒はあまり知られていませんでしたが、酒蔵さんや佐賀のお酒好きの人たちの努力もあり、現在は県外でも佐賀のお酒は人気があり他県では手に入りにくい銘柄もあります。

そんな佐賀のお酒を多く揃えているのが、佐賀城のすぐ近くにお店を構える石丸酒店。

石丸酒店

小さなお店ですが、店内にはずらりと佐賀のお酒が並び何を買えばいいのか悩んでしまうほど。そんな時は店主の石丸さんに相談すれば、好みに合ったお酒を親切に教えてくれます。

おいしそうなお酒が多すぎてついつい買いすぎてしまった時でも、お店から発送もできるので安心です。

買ったお酒をすぐ飲みたい!宿まで我慢できない!そんな時はお店の隣が角打ちになっているので、ちょっとしたおつまみと一緒にお酒を飲むことができます。

お酒好きの常連さんがいればお酒談議に花を咲かせ、盃を交わして仲良くなるのも旅の醍醐味の一つですね。

ズラリと並んだ日本酒

石丸酒店

  • 住所:〒840-0041 佐賀県佐賀市城内2-12-15
  • 営業時間:(酒 店)10:00~21:00
         (角打ち)平日16:00~21:00
              土日16:00~20:00
  • 定休日:1月1日
  • 公式Instagram:石丸酒店

佐賀の素敵なスポットはこれだけではありません。

今後も佐賀の知られざる魅力的なスポットを紹介していきますので、佐賀旅行のきっかけになれば幸いです。

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