南アフリカとコロナウイルス ― 21日間のロックダウン(2020年3月30日現在)

2020年に入ってから世界中に猛威を振るう新型コロナウイルスこと、COVID-19。

中国の武漢で地域的に流行し、アジア各国に広まったと思ったら、あっというまにヨーロッパやアメリカなど欧米諸国にも広がりました。そして、3月に入って、南米やアフリカなどにも急速に広がってきています。

アフリカ大陸で初めて感染が確認されたのは、エジプト。ヨーロッパとの関わりが強く、観光客も多い、エジプトやモロッコなどで感染が確認されるようになりました。

今回は、南アフリカのヨハネスブルグに在住する私ばんが、2020年3月30日現在の南アフリカの様子についてお伝えします。

目次

アフリカで一番感染者が多い南アフリカ

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ここ南アフリカも3月6日に初めての感染者がでました。そのころ既にコロナが流行していたスペインへ旅行に行っていたグループが感染し、あれよあれよという間に広がっていきました。

そして3月30日現在、アフリカ大陸でもっとも感染者が多い国となってしまったのです。

歴史的にも経済的にもヨーロッパとのつながりが強く、親族がヨーロッパにいる人や、外国とビジネスをしている人が多いのも、アフリカの中でも感染者が多い要因の一つだといわれています。

3月27日には初の死者も出てしまいました。

国家緊急事態宣言

そんな状況なので、南アフリカでは3月16日に国家緊急事態宣言がなされました。

100人以上の集会は禁止。レストランは18時には閉店。平日の夕方や土日の昼過ぎからはお酒の提供は禁止。

土日、いつも人でにぎわっているエリアに行ってみても、人が少なく閑散としていました。

カフェやビルの一部では、訪問者の名前とコンタクト先を紙に書いて記録。おそらく訪問者の中から感染者がでたときに、円滑に連絡できるようにするためだと思います。

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<ボタンを肘で押すことが推奨されているエレベーター>

挨拶はハグや握手が一般的なのですが、肘と肘を合わせるあいさつが主流に変化しています。

とあるビルでは、エレベーターのボタンまで肘で押すことが推奨されていました。

コワーキングスペース(共有型のオフィススペース)では、シェアされていたカップや食器類は、すべて使い捨てのものに変わっており、フォンブース(電話ボックス型のようなプライベート空間)など密閉空間は使用禁止になっていました。

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<1メートルの社会的距離を保つように引かれたライン>

「社会的距離」と日本語では訳されますが、1.5メートルから2メートルのSocial Distance(ソーシャルディスタンス)をとることも推奨されており、カフェのテーブルの距離が広げられており、スーパーマーケットのレジ前には、お客さん同士距離を保って並ぶようにラインが引かれています。

そして21日間のロックダウン(都市封鎖)へ

緊急事態宣言後の努力もむなしく、一日に100人以上の感染者が発生する状態となってしまったため、ついに南アフリカも、3月27日から21日間のロックダウン(都市封鎖)に入ることが大統領会見で伝えられました。

レストランやカフェはデリバリーも含めて禁止。ランニングも禁止。お酒の販売も禁止。営業が許されるのは、生活に極めて重要な仕事のみで、食料品店、薬局、銀行、ガソリンスタンドなどのみ。

公共交通機関も基本的にはストップし、上記の重要サービスに関わる人のみ、その通勤時間に限って利用可能です。

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先日ロックダウン中にスーパーマーケットに行ってみましたが、思ったよりも品薄になってはおらず、何とか生きていけるような気もしています。

現在住んでいるアパートでも、必要最低限のマネジメントスタッフや警備員はいますが、清掃員の人などはなし。プールや会議室、シアタールームなど、共有スペースの利用は制限されています。

ヨハネスブルグの中心部にあるので、住人の半分くらいは実家などに帰ってしまった模様。普段は金曜日の夜など騒がしいエリアなので、少し気味が悪いくらい静まり返っています。

治安の維持や貧困層へのサポートが課題

世界各地でロックダウン(都市封鎖)が起こっていますが、心配されるのは経済への影響です。南アフリカの通貨は大幅に下落しています。

また、南アフリカは世界で最も貧富の格差が大きい国です(ジニ係数という所得の格差を表す数値が世界最悪)。ホームレスや日雇い労働者も多くおり、格差から治安が悪いことでも有名です。

ホームレスの人に対しては、公立学校が解放されているそうですが、そうした経済基盤が弱い人たちや小規模企業が、この21日間を無事生き延びることができるのかどうか、そして治安や経済が今後どうなっていくのかは、注意してみていかないといけないと思っています。

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ばん

南アフリカヨハネスブルグ在住。コワーキングスペースでリモートワークをしながら、南アフリカ人のパートナーとの南アライフを満喫中。

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