ミラノのスカラ座 といえばオペラのイメージが強いと思いますが、バレエの公演もとても素敵で、オペラとはまた違った魅力で楽しむことができます。特にオススメなのは、年末年始に必ず上演されるヨーロッパにおける冬の風物詩ともいえる「くるみ割り人形」の公演です。

バレエ鑑賞については、言葉が分からなくても視覚と聴覚で楽しめるので、家族連れのお客さんが一気に多くなることもオペラ公演との違いのうちのひとつ。家族でミラノを旅行する方で、バレエを習っているお子さんがいらっしゃる場合などは、ぜひ本場の雰囲気を味わっていただきたいですね。

可愛い舞台衣装に華やかな音楽、ゲストの方々のドレスアップ、会場の豪華な装飾はきっと年齢を問わず感動する体験になることでしょう。今回の記事では、ミラノ・スカラ座でバレエ鑑賞する際のドレスコードやマナーについてご紹介した後、実際にくるみ割り人形のプログラムを鑑賞したときのレポートをお届けしたいと思います。

※ 編集部註：掲載写真は全てイメージです

目次

＜1.　ミラノのスカラ座でバレエ鑑賞！どんな服装で行くべき？＞

• 1.1　女性のバレエ鑑賞におすすめな服装
• 1.2　オペラ鑑賞でNGのドレスコードはある？

＜2.　ミラノで手に入る、スカラ座へ行くときにおすすめのブランド＞

＜3.　男性のバレエ鑑賞におすすめな服装＞

• 3.1　バレエ鑑賞におすすめの男性用ブランド

＜4.　バレエ鑑賞初心者こそ「くるみ割り人形」を見て欲しい理由＞

＜5.　ミラノのスカラ座でバレエ鑑賞するときのマナー＞

• 5.1　劇場を問わず守るべきマナー
• 5.2　ミラノのスカラ座で「くるみ割り人形」を鑑賞したときのお話

1.　ミラノのスカラ座でバレエ鑑賞！どんな服装で行くべき？

＜写真はイメージです。撮影：Italyii（イタリィ）編集部ライター＞

世界三大オペラ劇場に挙げられるスカラ座で鑑賞する場合、どのような服装が良いか、バレエ鑑賞に特化して紹介しましょう。男女別に解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

1.1　女性のバレエ鑑賞におすすめな服装

スカラ座は大きく分けてプラテア 、パルコ、天井桟敷という、3種類の席種があります。もっとも見やすくてお値段も高いのが「プラテア席」。こちらはアリーナ席をイメージしてください。舞台を正面から見ることができるので、鑑賞しやすいというのが最大のポイントです。特にバレエの場合はバレリーナの動きを見たいですよね。

お値段は張りますが、プラテア席を取ることをおすすめします。 プラテア席に座る場合、フォーマルなドレスアップが基本スタイルです。中にはフルレングス のドレスを着てくる人もいますし、日本人だと和装で来られる方もいます。バレエの演目に合わせてフンワリした可愛いドレスを着てくる方もいます。

とは言え、旅行者の方は荷物になりにくいコーディネートがいいですよね。そんなときに大活躍するのがリトルブラックドレス。シンプルで上質な黒いワンピースがあれば安心です。そのときは大ぶりのアクセサリーやヘアスタイルのアレンジでスペシャル感を出しましょう。 一番安い席の天井桟敷の席ではカジュアルめの服装の方も多いですが、雰囲気も含めて楽しむなら「ちょっといいレストランに出かける服装」ぐらいのイメージで行くと、気後れすることなく集中して公演を楽しめます。

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1.2　オペラ鑑賞でNGのドレスコードはある？

まったくのNGというわけではないですが気をつけたいのが、ヘアを高く盛ること。国籍を問わず時々見かけますが、後ろの席の方からすると、ものすごく迷惑です。マナーは他人への気遣いとして、意識したいものです。また、きつすぎる香水なども日本人としては控えて欲しいところではありますが、イタリアでは香水 が文化として根付いているため、香りが強く感じられる方もいるでしょう。もし、香水の香りが気になる方は、念のためマスクを持参していてもいいかもしれません。

2.　ミラノで手に入る、スカラ座へ行くときにおすすめのブランド

普段ファッションにはそんなに予算をかけないけど、スカラ座のドレスコードに合う服装がしたい。その場合、どうしたらいいの？という方もいることでしょう。この項目では、ミラノで手に入るファッションブランドについて、予算別にいくつかご紹介しますね。お手頃価格からハイブランドまで、4つご紹介します。
※編集部註：イタリア発ではないブランドも含みます。

1）COS
イタリアのブランドではないですが、ちょっとモダンで着やすく面白いデザインのドレスを見つけることができるのがCOS 。日本にも数店舗ありますが、実はこちらH&Mの高級ラインです。多くのイタリア人は上手にこちらのブランドを取り入れています。カジュアルなものもありますが、コーディネート次第で、スカラ座のプラテア席にも十分通用するデザインをお手頃価格で見つけることができますよ。
＞＞＞COS公式サイトはこちら（イタリア語・英語、外部サイトへ遷移します）

2）MASSIMO DUTTI
こちらはスペインのブランドです。ミラノにも店舗があるので、スカラ座へ行くドレスを探してみてはいかがでしょうか。100ユーロ（＝約12,000円）前後で、ちょっと変わったデザインのワンピースを見つけることができます。
＞＞＞MASSIMO DUTTI公式サイトはこちら（外部サイトへ遷移します）

3）LIU JO
こちらはイタリアのブランドです。やはりミラノに店舗があるのでぜひチェックしてみてください。LIU JOにはキッズラインがあるので、小さなバレリーナを連れて、家族でバレエ鑑賞、というときにも役立ちそうです。価格帯はゴールドレーベル、ホワイトレーベルなど同じブランド内でもレーベルが分かれているので幅広いですよ。
＞＞＞LIU JO公式サイトはこちら（外部サイトへ遷移します）

4）BLUMARINE
こちらは、ミラノコレクション参加ブランド。バレエ鑑賞にピッタリの、ロマンチックでガーリーなテイストのブランドです。繊細なレース使いや美しいプリント柄などは、思わずウットリとさせられるのではないでしょうか。また、シンプルなブラックドレスやスーツもカットが美しく、女性らしいシルエットを上品に見せてくれるブランドです。キッズラインもあるので、親子でのペアコーディネートも可能です。

価格帯は500ユーロ〜2,000ユーロ（＝約59,000円～240,000円）と高級ですが、ここぞというときのフォーマルウェアを日本よりもお得に購入することができるので、選択肢のひとつとして考えてみてください。
＞＞＞BLUMARINE公式サイトはこちら（外部サイトへ遷移します）

3.　男性のバレエ鑑賞におすすめな服装

男性は基本的にジャケット着用を忘れずに。思い切り正装している方もいるので、きちんとした身だしなみを意識しましょう。 スーツがあれば問題なしですが、ポケットチーフやネクタイでおしゃれを楽しめると華やかです。モダンな装いにするか、クラシックな装いにするか、パートナーと相談して揃えるとおしゃれ度合いがアップするはず。

イタリアで見かける人は、フォーマルな場のドレスアップもとても上手な方が多いように感じます。ですので、この機会にしっかり現地の雰囲気や着こなしを学ぶつもりで参加すると、バレエ以外の楽しみも増えるのではないでしょうか。

靴については、できればきちんと磨かれた革靴を選択してくださいね。多くのホテルでは靴磨きのサービスもありますし、シューシャインキット （靴磨きセット）を用意してくれていることもありますので、部屋に置いてない場合は聞いてみましょう。

3.1　バレエ鑑賞におすすめの男性用ブランド

女性用ブランドのご紹介に続き、男性用ブランドでもおすすめしたいものを3つご紹介しましょう。

1） MASSIMO DUTTI
女性編でもおすすめに挙げましたが、イタリアではカップルで買い物を楽しむ人も多いブランドです。気軽な値段で、ちょっとしたお出かけ用に使えるものを発見することができます。

2）ISAIA
ナポリ仕立てのスーツのブランドです。お値段はかなり張りますが、イタリア人にも間違いなく一目置かれる一流ブランドのひとつです。
＞＞＞ISAIA日本公式サイトはこちら（外部サイトへ遷移します）

3）（番外編）D-MAGAZINE OUTLET
3,000以上のブランドを扱う、ミラノ市内に3店舗あるアウトレットです。女性に人気のショップですがメンズの製品も扱っています。スーツやジャケット、靴などもあるのでハイブランドをお得にトータルで手に入れたい人はチェックしてみてくださいね。D-MAGAZINE OUTLETについては、別の記事でも紹介していますので、そちらもお読みいただけたら嬉しいです。
＞＞＞D-MAGAZINE OUTLET公式サイトはこちら（外部サイトへ遷移します）

4.　バレエ鑑賞初心者こそ「くるみ割り人形」を見て欲しい理由

さて、スカラ座でバレエを見るにあたり、バレエ初心者におすすめの演目が「くるみ割り人形」です。この演目をおすすめしたい理由のひとつとして、くるみ割り人形の楽曲があります。 誰もが数曲は知っている曲が入っているので（某携帯電話k会社のCM曲も、くるみ割り人形 です）、年齢、性別、バレエファン歴を問わず楽しむことができるはず。

さらに、ストーリーのシンプルさ。セリフが伴わないバレエだからこそ見て理解できるストーリー性は重要です。 ストーリーがなんとなくしか分からなかったとしても十分に楽しめる、見た目のインパクトの大きさ、場面ごとに変わる華やかさはバレエ演目随一とも言えるかもしれません。なお、くるみ割り人形は毎年クリスマス時期に上演されるので（2019年時点まで）、この時期に訪れたらスカラ座のエントランスホールにある、豪華なクリスマスツリーも見ることができますよ。

5.　ミラノのスカラ座でバレエ鑑賞するときのマナー

最後に、バレエ鑑賞の全体的なマナーについてご紹介したいと思います。せっかく素晴らしい劇場で鑑賞するのですから、マナーを守って気持ちよく楽しみたいものです。

5.1　劇場を問わず守るべきマナー

私語を慎む、お手洗いは先に済ませておき途中入退場を控える、騒いだりガサガサ音を立てたりしないといった、映画館でのマナーを守っておけば、大方問題ありません。 またスカラ座に限らず、どの劇場でも守るべきマナーはズバリ、スマートフォン問題です。これはどこの国のどの劇場でもそうですが演出の妨げになるだけでなく、本人が思っている以上に後ろの人たちは全員大迷惑です。これについては私の実体験を書いておきたいと思います。

5.2　ミラノのスカラ座で「くるみ割り人形」を鑑賞したときのお話

私が当時「くるみ割り人形」を鑑賞したのは、2019年の1月上旬でした。まだクリスマスムードが残るミラノで、家族揃ってバレエ鑑賞をするミラネーゼがたくさん来場していました。冬休みということもあり、日本人をはじめ、観光客の姿も多かったです。華やかに着飾った人たちで溢れていて優雅な気持ちになります。 しかし、ある事件が勃発。 「くるみ割り人形」の演目における、最大のハイライトともいえるのが「金平糖の精の踊り」。誰もがその踊りを楽しみにしていたはずで、私ももちろんその中のひとり。いよいよ「金平糖の精の踊り」が始まる......というときに、最前列に陣取っていた女性がスマートフォンを高く掲げて撮影を開始したのです。

その数列後ろでは、イタリア人と思われる女性団体のひとりが、同じくスマートフォンで動画を撮影。舞台は照明で明るいですが、客席は暗いので撮影中の画面のライトが後ろの席の人たちにとっては全員間違いなく迷惑なのです。 必ず視界に入ってきますから、集中して見ていたのに現実へフッと引き戻された感覚です。「迷惑だな......」と思っていた私ですが、最前列の女性はおとがめ無しで最後まで動画を撮影。 問題は何列か後ろに座っていた方の女性です。まず、他の観客が肩を叩いて注意されると、「あ〜、ハイハイ」といったリアクション。彼女は撮影を止めようとしないので、注意した観客はさらに怒りがヒートアップ。彼女のスマートフォンを叩き落としたのです。

その様子が気になってしまったため、演目のメインともいえる「金平糖の精の踊り」をほとんど覚えていないという散々な結末になってしまいました。 マナーを守るということは、自分自身を含めて気持ちよく鑑賞を楽しむことにも繋がります。ミラノ・スカラ座でバレエ鑑賞をされる際は、ドレスコードに加えてマナーを守った上でお楽しみください。

スカラ座の基本情報

• 名前：スカラ座（Teatro Alla Scala）
• 住所：Via Filodrammatici, 2, 20121 Milano MI,
• HP：http://www.teatroallascala.org/en/index.html#
  ※スケジュールについては、公式サイトをご確認ください