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ベルギーの物価は高い?安い?日本では見かけない諸費用も紹介します
近年、ヨーロッパ圏の旅行先として注目を集めているベルギー。現在、こちらへ行くための計画を立てている人もいるのではないでしょうか。その際に気になるのが、現地の物価。
この記事ではベルギーの首都ブリュッセルを対象に、滞在中にかかる食費や宿泊費、観光地の入場料など、ベルギー旅行で知っておきたい物価事情について解説していきます。
※編集部註:各種物価は2019年11月頃の情報です。価格は変動する可能性がありますので、最新情報をご確認ください
目次
<1. ベルギーの物価は高い?安い?首都ブリュッセルの傾向を解説>
1. ベルギーの物価は高い?安い?首都ブリュッセルの傾向を解説
今回はベルギーの首都、ブリュッセルの物価を検証していくことで、現地へ行く前にその感覚をつかんでみましょう。
ベルギーはヨーロッパ圏ということで、なんとなく日本よりも物価が高いという印象を持ったことはないでしょうか?実は、ブリュッセルの物価は日本と比べてもあまり変わらないか、場合によっては少し安いくらいです。もちろん、ものにより物価は異なりますがまずはその感覚をおさえておくと良いでしょう。
1.1 ベルギーのブリュッセルは何の物価が高い?それとも安い?
<撮影:Sepo>
ベルギーの場合、日常の食品は安くレストランなどお出かけに関するものは高い、という傾向が見られます。まず、野菜や果物などの生鮮食品は大容量で売られており、日本よりも割安。日用品はメーカーにもよりますが、大体日本と変わらないぐらいの値段です。特にスーパーが販売するプライベートブランドの商品を購入すれば、より出費を抑えることができます。
一方、外食に関しては日本に比べてベルギーの値段設定はやや高め。一回の食事で2,000円以上はかかるイメージです。ただし、一皿当たりのボリュームが多いので、シェアすることを考えれば妥当な金額とも言えるでしょう。
そしてベルギーへ行った際にはぜひトライしたい特産品、ベルギービールの物価はというと、現地では日本の半額ほどの値段で飲むことができます。レストランやバーでベルギービールを飲むと、市販のミネラルウォーターよりも安いなんて事もあるぐらいなのです!
【関連記事】ベルギーのスーパーマーケットって?
1.2 ベルギーの付加価値税について知っておこう
ベルギーを含むヨーロッパでは、買い物をする際に必ず「付加価値税(VAT)」がかかります。これは日本でいう消費税に相当するもの。原則として、すべてのサービスや商品に対して「標準税率」が課されており、21%の付加価値税がかかっています。
一部の商品・サービスには、日本でも最近話題となった「軽減税率」が適用されています。たとえば食品や運賃は6%。おむつやマーガリン、石炭などは12%とそれぞれ決められています。ベルギーのみならず、欧州連合(EU)に加盟するすべての国々が、このVATを共通税制として導入しています。
これだけ聞くと、消費税が10%になったばかりの日本と比べ更に高く感じてしまいますが、ベルギーは税率が高い代わりに、失業保険や医療費、教育費などの社会保障が手厚いことで知られています。
また、帰国時には、免税の自己申告を忘れずに行いましょう。免税の購入対象額は、1店舗内で50.01ユーロ以上です。免税対象店舗で商品を購入した際に、「タックスフリー、プリーズ」と店員さんに伝えることで、免税書類を発行してもらえます。空港での申請時に必要となりますので、レシートも忘れずもらうようにしましょう。
2. ベルギーの物価、旅行者はここをチェック!
先ほどの項目では、全体的なベルギーの物価事情と税制について解説いたしました。続いては、筆者が現在暮らしているブリュッセルを例に、さまざまな分野の物価について詳しく見ていきながらご紹介します。
2.1 食べ物の物価は?
<撮影:Sepo>
まずはレストランでの食べ物について。地元の人達が通うような、カジュアルレストランのランチは10〜15ユーロ程度が目安。ディナーはレストランのランク次第ですが、カジュアルなお店だと20〜30ユーロで、高級レストランになると30ユーロ以上が一般的です。
また、ベルギー料理と言えば肉料理がメイン。海に面している地域が少ないため、シーフード系の料理はどうしても価格が高くなりがち。日本食レストランは、日本と比べて2倍ほどの価格設定です。
カジュアルなファストフードやカフェではどうでしょう。ファストフード店で有名なハンバーガーチェーンの「Quick」は、マクドナルドなどとあまり変わらないクオリティ。セットで注文すると10ユーロ以内にはおさまります。
カフェでの食事はサンドイッチなどの軽食がポピュラー。3~5ユーロ前後でボリュームたっぷりの美味しいサンドイッチを食べられます。なお、ベルギーのカフェでは店舗での飲食と持ち帰りの場合とで、それぞれ値段が違うことがあります。店で食べる場合は「席料」として、1ユーロ程追加で支払う必要があるのです。そのためお天気が良い日などには、テイクアウトして近くの公園で食べると節約になるのでおすすめ。
お手頃なカフェと言うと、ベルギー発祥のベーカリーカフェ「Pano」では、パンやトッピングを選べるサンドイッチがあり、手軽に軽食をとることができます。
個人的にオススメなファストフード店は、健康志向のカフェ「EXKi(エクスキ)」。サラダやキッシュ、スープなどメニューが豊富で、それぞれ4~6ユーロ前後とリーズナブル。ヘルシーで味もしっかりしているので、ベルギーに来たら是非試してみてくださいね。
<撮影:Sepo>
スーパーのお惣菜やサンドイッチなら、3~5ユーロ程度で購入することができます。またオリーブやサラミ、チーズなどのおつまみは、安いものなら2~4ユーロほど。手軽に購入できるので、是非お酒と一緒に試してみてください。
それから、ベルギー人のソウルフードである「フリッツ(フライドポテト)」は、屋台で購入することも可能。2~3ユーロで、ボリュームたっぷり!食べ歩きにピッタリです。また、ワゴンで巡回しているベルギーワッフルはできたてのアツアツが1ユーロほど!ベルギーの美しい風景と共に食べるベルギーワッフルは、想い出に残る味です。
【関連記事】ベルギーで絶対に食べてほしい「フリッツ」
2.2 飲み物の物価は?
<撮影:Sepo>
何をどれくらい飲むのかにもよりますが、レストランで飲み物をオーダーすると5~30ユーロ程度が目安です。カフェのドリンクメニューは3~4ユーロ前後。日本での値段とあまり変わりません。ミネラルウォーターは0.5~2ユーロ、ジュース等のソフトドリンクは3ユーロ前後、お茶やコーヒーは約2~3ユーロです。ワインはランクにも寄りますが、スーパーで購入すると6~15ユーロが相場です。
2.3 日用品の物価は?
<撮影:Sepo>
生理用品は通常のナプキンが2~4ユーロ、タンポンが3ユーロ前後。日本のものよりも個数が多く入っているのでお得感があります。保湿リップや保湿クリームも、ニベアなどの代表的なもので2~4ユーロほど。歯磨き粉や歯ブラシも2~4ユーロ程度と、日本とあまり変わらない値段です。
2.4 ブリュッセルにおける交通費・博物館などの入場費用は?
電車のメトロ、トラム、バスの値段は共通チケットとなっていて一律2.1ユーロです。公共交通機関を多く使うのであれば、ブリュッセルで使えるチャージ式カードの「MOBIBカード」がおすすめ。MOBIBカードは、駅窓口で購入できます。カード自体の価格は5ユーロで、窓口や自販機などで5回券(8ユーロ)、10回券(14ユーロ)をそれぞれチャージできます。
観光においては、首都のブリュッセルで使える「ブリュッセルカード」という観光者向けのパスがあります。こちらはブリュッセルにある41個の美術館・博物館を巡れるパスで、有効期限内であれば何度も同じ施設に入場可能です。
ブリュッセルカードの価格は、24時間有効で27ユーロ。ブリュッセルでの平均的な美術館の料金は8ユーロ前後ですので、3~4箇所巡れば元がとれる計算に!ブリュッセルカードは、美術館や博物館を中心に多く巡りたい方におすすめです。
ブリュッセルで有名な美術館・博物館の入場料を挙げると、下記のようになっています。こちらを全て巡るのであれば、ブリュッセルカードは購入した方が良いでしょう。なお、王立美術館とマグリット美術館は同じ敷地内にあり、セットでチケット購入することで15ユーロとなります。
- 王立美術館:10ユーロ
- マグリット美術館:10ユーロ
- 楽器博物館:8ユーロ
- ベルギー漫画センター:8ユーロ
- 市庁舎:8ユーロ
参考:Brussels Card公式サイト(外部サイトへ遷移します)
少しでも節約しながらベルギー(ブリュッセル)旅行を楽しみたい方へ。無料で楽しめるブリュッセルの観光地については、関連記事で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください!
【関連記事】ベルギーへの旅行費用はいくら?最低予算の計算方法から節約テクニックも紹介
2.5 タバコやビールなど嗜好品の価格
<撮影:Sepo>
ベルギーのタバコは6~7ユーロ前後。ヨーロッパの中では比較的安い方らしく、タバコの値段が高い近隣国から買いに来る人もいるのだそう。ベルギーの喫煙事情として、レストランやカフェでは全面禁煙なので注意して下さい。観光地などでは、屋外に喫煙場所が設けられています。
ベルギービールはブランドにより値段が変わりますが、バーなどで飲む瓶ビールやドラフトビールは日本のおよそ半額で2~4ユーロ。缶ビールは1~2ユーロで購入することができます。日本で購入することを思うと、半額ぐらいの値段になるのでとてもお得です。また、タバコもビールも16歳以上から購入可能。20歳以上の日本とは大きく違いますね。
3. ベルギーで知っておきたい!お金のアレコレ
観光におけるベルギーの物価が分かってきたところで、今度はベルギー観光でかかるお金のあれこれについて、解説します。ベルギーにおけるチップ文化や、公衆トイレの利用料、決済方法について、日本とどれくらい違うのか見てみましょう。
3.1 ベルギーでチップは必要?
ベルギーでは、基本的にチップの文化はありません。しかし、良いサービスを受けた時や、お釣りが1ユーロ以下だった場合は、受け取らずにチップとして残すこともあります。筆者の知人でレストランに勤める人に聞いてみると、サービスに対してチップを1~2ユーロ分残す人が多いようでした。
筆者自身も、レストランでのサービスや、タクシーでの接客が気持ち良ければお釣りを残すことはあります。必ずではありませんが、良いサービスを受けたら相手への心づけとして意識できれば素敵ですよね。
3.2 レストランの水はタダではない?
ベルギーのレストランでは、有料のミネラルウォーターを注文することがマナーです。値段は1~2ユーロ程度。炭酸入りと炭酸無しの2種類があるので、好みの方を選びましょう。
3.3 公衆トイレで利用料は必要?
ベルギーの公衆トイレは日本と違い、利用料を払う必要があります。トイレの前にいる、管理担当の清掃員に50セント前後の小銭を渡してトイレへ入る、というシステムです。行く前には小銭を用意していきましょう。
公衆トイレの数は日本ほど多くはありませんが、カフェやレストラン、バーではほとんどのお店でトイレを無料利用できます。一部の店舗では有料の場所もありますので、確認してください。
外出時に「公衆トイレがどこにもない!」といった場合は、バーやカフェへ入ってトイレだけを利用することもできます。その際は心づけとして、50セント程を店員に渡すようにしてください。なお、美術館や博物館等だと無料の清潔なトイレを利用することが可能ですので、観光ついでに利用するとよいですね。
3.4 クレジットカード決済は普及している?
ベルギーでのクレジットカード決済は、日本よりも普及しています。スーパーでちょっとした買い物をしたときにクレジットカードで購入する人も多いですし、地下鉄の自動販売機ではコインかクレジットのみで、お札で払うのは不可ということもあるので注意が必要です。
とはいえ、一部のレストランやバーなどでは現金のみの取り扱いの場所もありますので、念のために多少の現金を両替して持っておくと安心ですね。
4. ベルギー在住者も気になる、物価アレコレ
ここまでは、ベルギー(ブリュッセル)を短期的に観光される方向けの物価事情を解説していきました。では、長期でベルギーに滞在する場合、日常に必要な食べ物や生活用品の物価はどれくらいでしょうか。このほか、在住者の方やちょっと変わったアクティビティを楽しみたい方向けの物価情報も紹介します。
4.1 野菜やお肉、魚はいくらぐらい?
<撮影:Sepo>
ベルギーの野菜やフルーツは、日本よりも安めです。上記の写真でいえば、野菜は玉ねぎが1キログラム分入って1.1ユーロ、人参は1キログラムで1.5ユーロ。ブロッコリーは1.5ユーロ前後、この日のズッキーニは広告商品で0.4ユーロでした。
お肉は日本と同じくらいか、ちょっと高いぐらい。なかでも牛肉は高めです。ただし、ベルギーはソーセージをよく食べる国なので、種類が豊富で価格も2~4ユーロほどで購入できます。
ベルギーチェーンのスーパー「Delhaize(デレーズ)」では定期的にお得なプロモーションもあり、例えば1キログラムパックの手羽元が4.9ユーロのところ、2パックで1パック分の価格といった、嬉しいサービスなどもあります。
前述の通り、魚は日本よりも高めです。スーパーで売っているサーモンなどは7~9ユーロ近くするので、少し手が出しづらい印象。しかしベルギーでは鱒など川魚も食べられるため、サーモンやマグロなどと比べると、手頃なお値段でお求めやすい価格です。食費が高くかかる印象のあるベルギーですが、自炊で上手に工夫をすることで、かなり安く抑えることができますよ。
4.2 雑誌や新聞はいくらぐらい?
雑誌は5ユーロ前後、新聞は2ユーロ前後と、日本と同等ぐらいの値段です。またベルギーでは漫画やコミック文化が根づいており、ブリュッセルの市内には、本屋さんやセカンドブック(中古本)の店舗が多くあります。
日本の漫画もこちらでは人気で、ソフトカバーだと日本よりも高い5~7ユーロ前後。サイズやページのボリュームにもよりますが、ハードカバーだと10~25ユーロ程の価格です。
4.3 蚤の市はいくらぐらいあれば楽しめる?
<撮影:Sepo>
ブリュッセルでも最も有名なジュ・ド・バル市場では、ヴィンテージの掘り出し物や、日用品まで様々なものが売られています。
どんなものを買いたいのかによりますが、例えばスプーン等のカトラリーや、イヤリング等のちょっとした小物であれば10~20ユーロ前後。ヴィンテージの食器や陶器、洋風などであれば20~40ユーロ程で見つかります。
ただし、明らかに観光客と分かる相手には値段を吹っ掛けてくることもありますので、3分の1~半分ほどの値段をめざして、値段交渉をしてみるのも手。ですが、あまりにも大きな値下げを要求すると相手にされなくなることもあります。欲しいものにプラスで何か別のものをまとめ買いして、値下げをお願いしてみると応じてくれやすくなりますよ。人と人とのコミュニケーションですから、あまり横暴な態度を取らないように気をつけて下さいね。
4.4 オペラ鑑賞やナイトクラブはそれぞれいくらぐらい?
ベルギーは音楽の文化が発展しています。首都のブリュッセルの他に、ナミュールやルーヴェンといった地域にも、音楽系の大学が数多くあり、世界中から留学生が集まってきます。そんなベルギーではオペラ鑑賞も人気。特にブリュッセルのモネ劇場(La Monnaie)では、安ければ10ユーロから鑑賞ができます。無料の内部見学のみは不可なので、是非現地でのオペラ鑑賞を堪能してみて下さいね。
夜のベルギーを楽しむのであれば、ナイトクラブという方法も。ランクにも寄りますが、入場料は10~15ユーロ程度です。ドリンクは5ユーロ前後と安くはないですが、日本のライブハウスやバー、ナイトクラブの相場とそうかけ離れてはいないと思います。現地の若者に交じっての、非日常な体験はいかがでしょうか。
最後に
税金や物価が高いと思われがちなベルギーですが、意外と日本と変わらないものもあったり、生鮮食品などは日本よりも安かったりするケースもあります。ぜひベルギーへ旅行に来た際には、スーパーや日用品店も覗いて、現地の雰囲気を感じてみて下さい。
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Sepo
- 東京とベルギーを行き来する生活を送った後、ベルギー移住。現在はフランス語を学ぶ学校に通っています。ベルギーの旅情報や、ヨーロッパを中心とした現地の情報や現地のグルメ情報の執筆を得意としています。