【イタリア】パン好き必見♪プーリア州・アルタムーラの老舗パン屋をご紹介!

南イタリア・プーリア州に位置する町「アルタムーラ」は、日本ではまだあまり知られていない小さな町。良質な小麦が穫れることから、古くから"パンの町" として知られています。パン好きな人なら、もしかすると聞いたことがあるかもしれませんね。

そんなアルタムーラにはたくさんのパン屋があり、どこがいいのか迷ってしまうほど。そこで、この記事ではアルタムーラで180年以上も続く、老舗のパ二フィーチョ(パン屋)をご紹介します。パンが大好き!という方はぜひ、アルタムーラの名物パンを食してみてはいかがでしょうか?

目次

1. イタリア国内のパンで唯一D.O.P.の認定を受けた、アルタムーラのパン

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<山のような形をした大きな「アルタムーラパン(Pane di Altamura)」>

町の特産品であるこのパンは、欧州連合(EU)の定めたD.O.P. (Denominazione di Origine Protetta)という表示の認定を受けています。D.O.P.とは保護指定原産地表示の意味で、農産物や食品に対しての商標のこと。義務付けられた細かい規制のもとに管理され、指定の生産地および、生産者によって作られています。

D.O.P.の認定を受けている製品は、チーズではパルミジャーノ・レッジャーノ、ハムではパルマハムなどが知られています。その他にもオリーブオイルやワインなど多くの食品が認定されていますが、パンでD.O.P.の認定を獲得したのはアルタムーラのパンだけなのです。

2. デュラム小麦の名産地、プーリア州

"イタリアの納屋"とも呼ばれるプーリア州は、パスタやパンの原料になる「デュラム小麦」の生産地としても有名です。デュラム小麦は乾燥した土地での栽培に適しており、イタリアの主な小麦の生産地はバジリカータ州、プーリア州やシチリアなどに集まっています。

黄色が美しい「デュラム小麦」

デュラムとは小麦の品種のこと。デュラム小麦は知らなくても、"セモリナ粉"といえば聞いたことがある人も多いのでは?セモリナ粉はデュラム小麦を粗挽きにしたもので、パスタ用の小麦粉としても知られています。アルタムーラの町にはパン屋だけではなく、これらの小麦を粉にする古くからある製粉所が現役で稼働しています。

デュラム小麦は粒が大きく硬いのが特徴で、グルテンを多く含むため柔軟で弾力性が強いので食感の強いパンやコシがあるパスタに向いています。また胚乳自体が黄色味を帯びているため、きれいな黄色の小麦粉になります。この小麦を使うことで、黄色みを帯びたアルタムーラのパンに仕上がるのです。

3. アルタムーラの老舗パン屋「ディ・ジェス」

イタリア国内でも、"パンの町"として有名なアルタムーラには多くのパン屋さんがありますが、今回はライターが実際に訪れた、「ディ・ジェス」というパン屋さんをご紹介します。

ディ・ジェスについて

「パ二フィーチョ・ディ・ジェス(Panificio Di Gesù)」は1838創業、180年以上も続く老舗のパン屋さんです。アルタムーラの観光スポットである、旧市街地の入り口「バーリ門(Porta Bari)」から徒歩3分。住宅街の狭い道の一角にあるため少し見つけにくいかもしれませんが、入り口には店名の書かれたのぼりが立っています。

店内では早朝から薪で窯を暖め、昔と変わらない製法で一つ一つ丁寧にパンやフォカッチャを焼いています。地元アルタムーラはもとより、バーリなど近郊のお店やレストランにもパンを卸しているのだそう。

4. ディ・ジェスの窯焼き!アルタムーラ流パン作りを拝見

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パンやフォカッチャ等を販売している店舗の奥には、製造場があります。それらがあるお部屋のすぐ横には、パンを焼くための窯専用の部屋が。普段は見学等は行っていませんが、今回は特別に中を見せてもらうことができました。

昔から使われている大きな窯に薪をくべて、パンを焼いていきます。私が訪れた時は昼過ぎだったので、全てのパンは焼き上がっていましたが、まだ窯には火が残っておりパンの香りを感じることができました。

アルタムーラの名物パンはどっしりとしており、500グラム以上の重さ。また、表面には十字の切れ目が入っているのですが、これは焼く前に切れ目を入れておくことで、焼きあがったときに四方へ開け、独特の形に焼きあがるのです。

ディ・ジェスの名物おじいちゃん

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窯を見せてもらった後にお店に入ると、元気でおしゃべりなおじいちゃんが迎えてくれました。アルタムーラのパンのことについて教えてくれたり、ジョークを飛ばしたりと、南イタリアらしい気さくな雰囲気。地元の人達とのちょっとしたふれあいも、旅を豊かにしてくれます。

5. お土産にもなる♪パン以外の商品も豊富

出来立てのパンはその場で食べるに限りますが、その他にも塩味の固焼きパン「タラッリ」や、甘いビスケットなども売られています。タラッリはプーリアの名物でもあり、日持ちもするのでお土産にもいいですよ。

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ボリューム満点!切り売りフォカッチャ

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こちらはお土産ではありませんが、ぜひ食べてほしいのがフォカッチャ。パンやタラッリと並んでアルタムーラの名物であり、地元の食卓にも頻繁に登場する欠かせないパンです。切り売りで販売しているので、散策中に楽しめるほおばってみては。生地は厚めでボリュームがあるので、小食の方なら一切れでもお腹いっぱいになります。

アルタムーラの歴史と共に生きる、老舗パン屋へぜひ

日本人がお米を食べるように、イタリアの食卓には無くてはならない存在のパン。オリーブオイルにつけたり、パスタのソースをぬぐったり、おかずと一緒に食べたり......。色々な食べ方があり、たかがパンとは言えない歴史を感じられます。

そしてディ・ジェスには、愛情込めて作られるパンの数々が並んでいます。アルタムーラの名物パンを頂くときは、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

基本情報

  • 名前:パ二フィーチョ・ディ・ジェス(Panificio Di Gesù)
  • 住所:Via Pimentel Eleonora Fonseca, 17 | 70022 Altamura (BA)
  • HP:https://www.digesu.it/site/

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人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。

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