プーリア州で発見!イタリア唯一のD.O.P.認定パンが名物の町アルタムーラとは

アルタムーラ-イタリア-町-サムネイル

南イタリア・プーリア州に位置する小さな町「アルタムーラ」。日本ではまだあまり知られていない場所ですが、イタリアでは「パンの町」として有名です。そして、パンだけではなく美しい町並みも一見の価値あり。それほど観光地化されていないローカルな雰囲気の強い町ですが、古く美しい建物たちをただゆっくり眺めるだけでも、楽しい時間を過ごせます。

そんな、穏やかな時間が流れている丘の上の町「アルタムーラ」は、パン好きにはたまらないスポットであると同時に、バーリやマテーラなど近郊の観光地から足を伸ばせる、ショートトリップの行き先としてもおすすめです。

目次

<1. 南イタリアにあるアルタムーラってどんな町?>

<2. アルタムーラは「パンの町」>

<3. アルタムーラの観光はここをチェック!>

<最後に>

1. 南イタリアにあるアルタムーラってどんな町?

アルタムーラ-イタリア-町-01
<撮影:La luce del Sud>

アルタムーラ(Altamura)は南イタリア・プーリア州に位置する人口約7万人の町。州都であるバーリに次いで、第2位の人口を有しています。長い歴史と高貴な文化を持つアルタムーラの町は、"プーリアの雌ライオン"と呼ばれていたそうです。

町の起源は正確には分かっていませんが、「アルタム―ラの男(Uomo di Altamura)」と呼ばれる有名な化石の発見によって、紀元前4万年前にはこの土地で既に人が存在していたことが証明されています。

1.1 マテーラからのショートトリップにも!

アルタムーラはプーリア州とバジリカータ州の国境近くに位置しており、バーリから約40キロ、マテーラから約19キロのところにあります。同じプーリア州といえど、町ごとの違いや特徴を楽しめますよ。

2019年に欧州文化首都に選ばれたマテーラにも近いので、マテーラ観光の際に立ち寄ってみては。

関連記事

2. アルタムーラは「パンの町」

アルタムーラ-イタリア-町-02
<写真はイメージです。Photo by Pixabay

アルタムーラは別名「パンの街」と呼ばれ、D.O.P.(またはDOP)に認定されたパンの生産地としても知られています。D.O.P. (Denominazione di Origine Protetta)とは、EU法に準拠したイタリア国内の原産地名称保護制度のこと。産地や材料・生産、調理方法等が規定されたものにしたがって製造されている特産品に対して与えられるもので、これらはDOPマークを付けて販売することが認められています。

パンとしてのD.O.P.認定は、2019年11月時点イタリアで唯一。 "アルタムーラのパン(Pane di Altamura)"と呼ばれ、マテーラやバーリなどでも食べられています。

町には多くのパン屋やフォカッチェリア(フォカッチャ専門店)があり、今でも薪を使って焼き上げる昔ながらのパン屋さんがたくさんあります。アルタムーラのパンに関しては、他の記事で詳しくご紹介しているので、参考にしてみてくださいね!

関連記事

3. アルタムーラの観光はここをチェック!

アルタムーラのおすすめ観光スポットは、町を囲む壁やお店が並ぶメイン通りと、町の象徴である大聖堂。これらは全て旧市街にあります。美しい旧市街は小さなエリアなので徒歩で見てまわることができ、楽しい散策の時間を過ごせますよ。

3.1 見逃せない!アルタムーラの旧市街地

アルタムーラ-イタリア-町-03
<撮影:La luce del Sud>

イタリア語で"歴史的市街地・旧市街"を意味する「チェントロ・ストーリコ(Centro Storico)」。アルタムーラの中心には、高く頑丈な壁で囲まれたチェトロ・ストーリコがあり、壁の内側には歴史が刻まれた古い町並みが残されています。

趣きのある美しい旧市街は、「ボルギ・アウテンティチ・ディタリア(Borghi Autentici d'Italia)」にも選ばれています。Borghi Autentici d'Italiaとは、"旅人を、仲間として歓迎する"ことをコンセプトにした、イタリア国内の小さな村を推進する団体。各村の実行委員が主となって運営されており、イタリアの村が持つ魅力の再発見を目的としています。

公式サイトでは、イタリア国内のあまり有名ではないけれど、伝統的な郷土料理、習慣、工芸品などが残る小さな町や村を紹介していますので、旅行の参考にしてみてはいかがでしょうか?

>>>Borghi Autentici d'Italia公式サイト(外部サイトに遷移します)

3.2 旧市街をぐるりと囲む壁

アルタムーラ-イタリア-町-04
<撮影:La luce del Sud>

アルタムーラの町の中心部にある、壁で囲まれたエリアが旧市街地です。入り口をくぐって町へ足を踏み入れると、タイムスリップしたような古い町並みが姿を現します。

イタリアでは旧市街と新市街がある町は珍しくありませんが、アルタムーラの場合は旧市街だけが壁で囲まれているため、町の中にもう一つの小さな町が存在するような、独特の印象があります。

3.3 旧市街のメイン通り、フェデリコ2世通り

アルタムーラ-イタリア-町-05
<撮影:La luce del Sud>

町を囲む壁の入り口から真っ直ぐに続くのが、メイン通りである「フェデリコ2世通り」。通りに沿って真っすぐ歩いていくと、サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂(後述)の鐘楼が見えてきます。

通りの左右には、レストランやバール、雑貨店などが並び、距離は長くないものの「こんなところにこんなお店が?」と思うほど、おしゃれな雰囲気のレストランや老舗バールなどもありますよ。セレクトショップやエノテカなどもあるので、ショッピングにもおすすめ。

また、アルタムーラを代表するクルミの食後酒"パードレ・ペッペ(Padre Peppe)"発祥のバール「カッフェ・ロンキ」もこの通りにあります。ランチの後やディナーを食べ過ぎた時は、立ち寄って1杯飲んでみるのもいいかもしれませんね。

<参考>フェデリコ2世通り付近のGoogleマップ:

3.4 サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂

アルタムーラ-イタリア-町-06
<撮影:La luce del Sud>

サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂は、1232年にフェデリコ2世によって創建された、プーリア・ロマネスク様式の建築。建物の大部分は1316年の地震で崩壊し再建され、その後も幾度も修復をされています。

見逃せないのは、入り口の扉周りに施された繊細な彫刻たち。2頭のライオンが扉の左右に鎮座し、聖書のシーンやマリア様、天使などが彫られています。比較的簡素な外観とはうって変わり、内部は多くの絵画や彫刻で装飾されており圧巻です。

サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂の基本情報

  • 名前:サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Assunta)
  • 住所:Corso Federico II di Svevia, 70022 Altamura BA,
  • 開館時間 : [月-日] 7:00〜12:00 / 16:00〜20:00(※2019年12月時点)

最後に

アルタムーラは半日あれば回れる大きさで、こじんまりとした町。バーリやマテーラなど、周辺の観光地とセットで訪れるのがちょうどいいかもしれません。有名観光地に比べると観光客も多くありませんが、だからこそ南イタリアのローカルな雰囲気と町並みを楽しむことができます。ぜひ、名物の美味しいパンと美しい町並みを堪能してみてくださいね。

イタリア」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『イタリア』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Rankingイタリア記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

La luce del Sud

人々の生活スタイルや風景に魅せられ、イタリアへ。現在は南イタリア・アマルフィ海岸にある小さな町に住んでいます。個人旅行のアテンド・各種視察のコーディネートや通訳をしています。

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!