東京&近郊でちょっと特別な桜のお花見スポット12選!巨木や名木など、名所とは少し視点を変えてみました

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<京王高尾駅から見える大光寺の桜>

3月は待望のお花見シーズン。あちこちから桜前線の便りが聞こえてきますが、今年は例年より気温が大幅に高い予想で、早めに開花するかもしれません。今回は、メディアやインターネットで紹介される桜の有名な名所ではなく、少し視点を変えて、誰もが驚く巨木や名木(樹齢を経た大木)、珍種の桜や品種の原木、行事に携わる桜などを取り上げてみました。

目次

1. 東京都八王子市「大光寺」のしだれ桜(名木)と江戸彼岸桜(巨木)

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<樹齢約400年のしだれ桜。毎年3月中旬過ぎに開花>

樹齢約400年のしだれ(枝垂れ)桜と、樹齢約200年の江戸彼岸桜の巨木が素晴らしい大光寺(だいこうじ)。京王高尾駅のホームからも境内の立派な桜が見えます。しだれ桜は長寿な江戸彼岸桜のしだれ桜で、実に見事なかたち。その可憐な花びらが風に揺れるさまは思わず溜め息が出るほどの美しさ。また、本堂の前で悠然と佇む江戸彼岸桜の巨木も、ほかでは見られない迫力があります。毎年、開花したころからライトアップされ、巷のお花見にはない幽玄の世界が立ち現われます。江戸彼岸桜は3月中旬から3月下旬に開花し、染井吉野(ソメイヨシノ)よりひと足早く桜を愛でられるのも魅力です。境内の随所に配置されたカエルを見るのも楽しみのひとつ。ご住職が皆様を六カエル(迎える)という意味をこめて置かれているそうです。

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<樹齢約200年の江戸彼岸桜>

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<江戸彼岸桜のライトアップ>

大光寺 基本情報

2. 東京都八王子市「金南寺」のしだれ桜(名木)

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<樹齢約100年といわれるしだれ桜>

八王子には名木と讃えられるしだれ桜が多いのですが、この寺院の桜もかたちが良く、深い感銘を覚えます。JR高尾駅前から国道20号線を下り、南浅川を渡り、すぐ右へ川沿いの道を進むと、高台に大きな桜が見えてきます。本堂と桜の間にはお釈迦様ゆかりの象の石像が置かれ、母象の背中に乗り、手を合わせる小象がとてもかわいいです。花開くのは例年ですと、前出の大光寺の桜が開花のピークを迎えた後、春彼岸明け(2019年の彼岸入りは3月18日、彼岸明けは3月24日)から4月第一週までが花期となります。

金南寺(こんなんじ) 基本情報

※週末と春彼岸中のお花見は遠慮ください。駐車不可、公共交通機関の利用を

3. 東京都足立区「西新井大師」の寒桜(珍樹)

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<2月上旬から3月上旬に咲く寒桜>

西新井大師は厄除けの霊場として栄えてきた寺院。境内では四季の花が迎えてくれますが、早春は寒桜のふっくらと華やかな花が心を温めてくれます。2月上旬には咲き始め、花付きが良く、そばには「珍樹」と表した立札が添えられています。また、梅の花や早咲きの桜も同時期に楽しめますので、参拝を兼ねて安らぎのひとときを過ごされてはいかがでしょうか。寒桜のあとは、大本堂、光明殿、宝照殿周辺の染井吉野やしだれ桜、八重桜のほか、安行桜、河津桜、緋寒桜、うこん桜、大島桜、大師桜と多彩な桜で境内が春色に染まっていきます。

西新井大師 基本情報

4. 埼玉県加須市「旧河野邸」のしだれ桜(名木) 

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<美しい立ち姿はまさに名木>

藤(フジ)で有名な加須市の玉敷公園内にある旧河野邸は文学博士、河野省三の旧宅を庭園にしたもの。中央には、しだれ桜が枝を伸ばしています。ほかに大きな木が無いためでしょうか、堂々とした姿はひときわ目立ちます。藤の季節には賑わう場所ですが、春は訪れる人が少なく、ゆったりと観賞できます。花期は3月中旬から4月上旬です。

旧河野邸 基本情報

5. 東京都調布市「神代植物公園」の神代曙(原木)

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<神代曙の原木>

神代曙(じんだいあけぼの)は染井吉野と同じく江戸彼岸系の桜。花の色が濃く、早咲きの種類です。ほかではあまり見られない種で、この植物園にあるのが原木となります。神代曙の周辺はとくに桜の木が多い場所で、古木の桜が豪勢に咲いています。その色彩も実に多様で、目に賑やかなお花見を楽しめます。帰りは「深大寺口」を出て、名物の深大寺そばを味わうのもお勧め。花期は3月中旬から4月中旬です。

神代植物公園 基本情報

  • 住所:東京都調布市深大寺元町5-31-10
  • 開園時間:9:30~17:00(入園は16:00まで)
  • 休園日:月曜(祝日の場合は翌日)
  • 入園料:一般・大人500円、65歳以上250円、中学生200円、小学校以下無料
  • HP(東京都公園協会):http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index045.html

6. 東京都府中市「東郷寺」のしだれ桜(名木)

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<山門の前に咲く桜>

東郷寺(とうごうじ)は黒澤 明監督の名作『羅生門』のモデルになった山門を持つお寺。もとは東郷平八郎の別荘地でした。この門前には府中市の名木百選にも選ばれている巨大なしだれ桜の並木があり、訪れる人を驚かせています。山門としだれ桜のバランスも抜群で、これだけスケールの大きなお花見をできる所は東京では、あまり無いでしょう。花期が3月中旬から4月上旬です。

東郷寺 基本情報

7. 東京都文京区「小石川後楽園」のしだれ桜(名木)

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<池に映るしだれ桜>

都内で名園の桜といえば六義園(りくぎえん)が知られ、劇的なライトアップもなされ、メディアでもよく報道されます。しかし、ここ小石川後楽園のしだれ桜もかたちの良い名木でなかなかの見ごたえがあります。7本あるしだれ桜のなかでも、入口を入って左方向にある数本のしだれ桜が大きくて絵になり、近くの池に優美な姿が映る情景にも感動します。さまざまなほかの花々を観ながらの散歩には深く心なごむことができるでしょう。花期は3月中旬から4月上旬です。

小石川後楽園 基本情報

8. 千葉県松戸市「戸定が丘歴史公園」のしだれ桜(巨木)

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<東屋を覆うしだれ桜>

戸定が丘(とじょうがおか)歴史公園は徳川慶喜の弟、徳川昭武の屋敷跡で、歴史を感じさせる庭園です。ここには巨大なしだれ桜があり、東屋(あずまや)に覆いかぶさるさまに息を飲みます。ほかにも梅園があるので、花期が合えば、双方の花を愛でることができます。また、徳川家の住まいが公開されているのは、城などの歴史的建造物を除けば、全国でもここだけです。花期は3月中旬から4月上旬になります。

戸定が丘歴史公園 基本情報

  • 住所:千葉県松戸市松戸714-1
  • 開園時間:9:30~17:00(入園は16:30まで)
  • 休園日:月曜(祝日の場合は翌日)
  • 入園料:無料(戸定邸、戸定歴史館への入館は有料)
  • HP(松戸市観光協会):https://www.matsudo-kankou.jp/tojogaokakouen/

9. 千葉県印西市「吉高」の大桜(山桜)(巨木)

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<まるで小山の大桜>

樹齢300年以上の山桜は小山のような巨木。木の下に咲く菜の花とのコントラストにも目を惹きつけられます。これだけ大きくて、かたちの良い山桜は日本中でもさほど多くは見つからないと思います。ひと目見たら、たぶん生涯忘れられないほどのインパクト。ぜひ体験してみてください。花期は染井吉野より遅く、4月中旬から4月下旬まで。最盛期も短いです。開花時期は付近への車進入が禁じられています。ホームページで情報を確認してからお出かけしましょう。

吉高の大桜 基本情報

10. 東京都小金井市「小金井公園」の衣通姫(名木)&大島桜(巨木)

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<衣通姫とショカッサイ>

衣通姫(ソトオリヒメ)は染井吉野と大島桜の掛け合わせで誕生した品種。花びらは染井吉野よりも白く透き通っています。その可憐な美しさから、絶世の美女だったと伝わる衣通姫の名を付けられました。この公園のものは、木の下に紫色のショッカッサイが植えられていて、色の組み合わせが絵心を強く刺激します。近くには昨年紹介した、とてつもなく大きな大島桜があり、4月中旬から4月下旬と、双方とも花期が遅いので、同時に楽しむことができます。

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<あまりの巨大さに圧倒される大島桜>

小金井公園 基本情報

  • 住所:東京都小金井市桜町3丁目、関野町1・2丁目、小平市花小金井南町3丁目、西東京市向台6丁目、武蔵野市桜堤3丁目
  • 開園時間:常時
  • 入園料:無料(一部有料施設あり)
  • HP(東京都公園協会):https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index050.html

11. 東京都台東区「浅草観音裏」の一葉桜(行事)

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<小松橋通りの一葉桜>

私が生まれ育った浅草観音裏にも特別な桜が咲きます。浅草・小松橋通りには樋口一葉記念館の近くまで一葉桜の並木が続くのです。ここでは毎春、「一葉桜まつり」が開催され、桜だけでなく、艶っぽい「江戸吉原おいらん道中」を見物できます。屋台も多く出て、江戸情緒を堪能できる桜に関連した催しです。一葉桜の花期は4月中旬から4月下旬になります。

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<艶やかなおいらん道中>

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<街角のステージで披露されるおいらんショー>

浅草観音裏 基本情報

  • 住所:東京都台東区浅草5丁目・小松橋通り、浅草4丁目・柳通り
  • 開催日(一葉桜まつり):2019年4月13日(土) ※急な荒天の場合、江戸吉原おいらん道中は中止になる可能性がある
  • 開催時間:10:00~16:00
  • HP(台東区):http://www.city.taito.lg.jp/index/event/kanko/itiyouzakuramatsuri.html

12. 神奈川県鎌倉市「大船フラワーセンター」の玉縄桜(原木)

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<玉縄桜の原木>

玉縄桜(たまなわざくら)は染井吉野の早咲きのものから選出され、花びらは染井吉野よりもややピンク色が濃い品種です。大船フラワーセンターでは玉縄桜の原木が観られますが、近くに玉縄城があったために、この名前が付けられたそうです。桜以外にもいろいろな花を楽しむことができます。玉縄桜の花期は2月中旬から3月上旬です。

大船フラワーセンター 基本情報

  • 住所:神奈川県鎌倉市岡本1018
  • 開園時間:11~2月/9:00~16:00、3~10月/9:00~17:00
  • 休園日:第2・第4月曜(祝日の場合、翌日)
  • 入園料:20歳以上(学生以外)400円、学生・20歳未満200円、高校性・65歳以上150円、中学生以下・障がい者は無料
  • HP:http://www.fcofuna-kanagawa.jp/

撮影・情報提供/「花の写真館」(平成・万葉集の館)松山忠徳さん

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取材で撮影した花を「花の写真館」でデータベース化する松山さん。このギャラリーでは松山さんが長年蓄積した、東京と近郊の花情報を提供。精力的な花の名所めぐりのレポートはSNSで配信中。

花の写真館

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ヤスヒロ・ワールド

東京佃島生まれ育ちの江戸っ子。旅行ガイドの編集者。
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