【葛西臨海公園】真冬の醍醐味「23区最大規模のスイセン畑」と「日本最大級の大観覧車から眺める富士山」。四季の花情報もお伝えします

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<1~2月に5万球・20万本の和スイセンが開花する葛西臨海公園>

四季折々の花が咲き、レジャー施設も充実している葛西臨海公園。東京と近郊の知られざる花名所情報を無償提供する葛飾区金町「花の写真館」館長・松山忠徳さんも頻繁に足を運ぶ場所です。年間を通じて旬の風景を写す松山さんならではの、この公園のとっておきの楽しみ方を解説してもらいました。まずは真冬の見どころであるスイセン畑と、富士山のシルエットなど日没以降の劇的なシーンから紹介します。

目次

2月の特別なライトアップが見逃せないスイセン畑

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<葛西臨海公園のシンボル「ダイヤと花の大観覧車」と「水仙まつり」にライトアップされるスイセン畑>

1~2月の見どころは何といっても東京23区内で最大規模を誇るスイセン畑です。花の少ない真冬の時季に、甘い香りとともに大観覧車の下で咲き誇ります。

毎年「水仙まつり」が催されていますが、2019年は2月2日(土)と3日(日)の11時~19時に開催予定。今回はスイセンの三大群生地として知られる越前海岸がある福井市から寄贈されたエチゼンスイセンの球根の開花が進み、さらに楽しみが増えたそう。この両日は17時30分~19時にスイセン畑の一部をライトアップ(荒天中止)。大観覧車のイルミネーションともども、まるで夢を見ているような幻想的なシーンは必見です。

日没後に輝く「ダイヤと花の大観覧車」

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<日没後1時間は純白の間接照明により、大観覧車全体が夕空にくっきりと浮かび上がる>

直径111m×高さ117mという日本最大級の大観覧車「ダイヤと花の大観覧車」。1周するのに約17分。相席をおこなっていないので、家族や友人、カップルだけでゴンドラを独占し、ゆっくりと空中散歩を満喫できます。

地上117mの上空からはレインボーブリッジ、都庁、東京タワー、東京スカイツリー、東京ゲートブリッジなど東京の有名な観光名所を見渡せます。また、1~2月は眼下に広がるスイセン群の全体が視界に収まります。

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<大観覧車上部から撮った富士山。日中は見えなくても真冬は日没後にシルエットが浮かび上がってくることが多い>

空気が澄む晴れた真冬の日没後には富士山のシルエットが浮かび上がることも多く、東京の高層ビル群の背後に優美な稜線が浮かび上がる様子に息を飲みます。

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<ライトアップされる東京ゲートブリッジと羽田空港に向かう飛行機。これは望遠レンズで捉えたもの>

東京ゲートブリッジ上空は羽田空港から離陸、着陸する飛行機の航路になっていて、次々とジェット機が行き来するシーンはずっと目で追いたくなります。

双眼鏡や単眼鏡を持参すると、富士山と飛行機が迫力たっぷりに迫ってきて、携行をお勧めします。カメラ好きな方は200mm以上の望遠レンズがあると、インパクトあるビジュアルを撮影できますよ。

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<純白の間接照明で光る大観覧車の夜景は手前の蓮池から眺めるのがベスト。その輝く情景をiPhone XSとアプリ「NightCap」を光跡モードにしてスナップした。日没後1時間を経過すると光の色はフレッシュグリーンに変わる>

ダイヤと花の大観覧車 基本情報

  • 営業時間:10:00~20:00(土・日・祝・GW・春&夏休みは10:00~21:00)
  • 休業日:1月の第4・第5水曜日、2月の全水曜日(祝日にあたる場合は翌日)
  • 料金:一般(3歳以上)700円、団体(20名以上)630円、シルバー(70歳以上、年齢を証明する身分証明書を要提示)400円
  • HP:http://www.senyo.co.jp/kasai/index.htm

東京湾に親しむ

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<海上には葛西渚橋で結ばれた人工渚「葛西海浜公園」がある。園内の「西なぎさ」は春から夏に水遊び客で賑わう>

葛西臨海公園は野鳥の楽園「東なぎさ」と水遊びや釣り、バーベキューなどを楽しめる「西なぎさ」という2つの人工渚を擁する葛西海浜公園につながっています。そのため、とくに海の風景が素晴らしい公園といえましょう。砂浜や渚からは東京ゲートブリッジのほか、真冬に気象条件が良ければ、富士山のシルエットも眺められます。

3月下旬まで運休(予定)していますが、葛西臨海公園とお台場間を直通する水上バス「東京水辺ライン」の発着所も海辺にあります。親水護岸に沿うゆるやかな勾配の「芝生広場」と「汐風の広場」、展望レストハウス「クリスタルビュー」からは渚と東京湾の景観を見渡すことができます。

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<都内ではあまり見られないハマボウの花が7~8月、「西なぎさ」に渡る葛西渚橋の手前で咲く>

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<「西なぎさ」から見る夕陽>

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<東京ディズニーランドを望む鳥類園奥の大きなソテツ。南国のような風景>

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<スケルトンのデザインが美しい展望レストハウス「クリスタルビュー」。夕陽に染まる時間帯が絵になる>

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<ここは初日の出を撮影するにも最高の場所。朝陽が対岸のシンデレラ城にからむ光景は実にファンタスティック!>

大水槽のクロマグロ群泳に興奮する葛西臨海水族園 

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<ガラスドーム前の貯水池。レストランのテントが東京湾に浮かぶヨットの帆に見立てられておもしろい>

2,200トンのドーナッツ型大水槽で群泳するクロマグロが有名な葛西臨海水族園。JR葛西臨海公園駅を出て中央園路を進むと、水族園の入口があります。入園してまず目に飛びこんでくるのが地上30.7mにもなる大きなガラスドーム。このドームの下でクロマグロの巨体や泳ぎ回るペンギンなど600種を超える世界中の海の生き物たちを観ることができます。

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<水族園のレストラン「シーウインド」外側に設置されたテントデッキ>

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<ドーナッツ型大水槽を群泳するクロマグロ。この水槽内側を「アクアシアター」と呼んでいる>

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<海藻に擬態するウィーディーシードラゴン>

葛西臨海水族園 基本情報

  • 開園時間:9:30~17:00
  • 休園日:水曜日(祝日にあたる場合は翌日)、年末年始(12月29日~翌年1月1日)
  • 料金:一般700円(560円)、中学生250円(200円)、65歳以上350円(280円)
    ※カッコ内は20名以上の団体料金
  • HP:https://www.tokyo-zoo.net/zoo/kasai/

野鳥が集まり、ワイルドな植物も茂る鳥類園

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<鳥類園の淡水池「上(かみ)の池」>

かつて葛西沖は魚介類が豊富な干潟が広がり、多くの鳥類が飛来、繁殖する場所だったそうです。その良好な自然環境を創出すべく、淡水池と汽水池、森を人工的に造成したのが葛西臨海公園内の鳥類園。各所に野鳥の観察ポイントが設けられていて、「ウォッチングセンター」からは群茂するクズの葉の山を見下ろすことができます。

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<2階から鳥類園の2つの池と「東なぎさ」を見渡せるウォッチングセンター>

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<ウォッチングセンターから見るクズの葉。まるで小山のよう。これは夏の風景だが、冬も葉は茂っている>

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<9月頃に咲くクズの花。葉の陰に隠れるように咲くので、近寄らないと見えにくい。甘い香りを放つ>

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<9月後半~10月、鳥類園の石垣の下や石垣の間に咲く彼岸花。よくある平地に咲くパターンより独特の風情を感じさせ、この花を目当てに葛西臨海公園を訪れる人も多い>

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<昔の自然を取り戻す活動の一環としてニホンコウノトリとタンチョウを飼育・展示している>

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<観察窓から汽水池「下(しも)の池」を観察。葛西臨海水族園のガラスドーム脇に陽が沈む>

童心に還れるパークトレイン

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<パークトレインと松山忠徳さん、泰子さん>

「パークトレイン」は葛西臨海公園内を走る汽車型の乗り物。園内の5つのエリア、全長約3.1kmを約25分かけ、自転車並みのスピードで一周。窓の無い開放的な座席から悠然と流れていく景色を眺めていると、おのずと童心に還れて大人も愉快な気分になれるはず。

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<子供も大人もウキウキ。ゆっくりとした移動感覚が妙に心地いいのだ>

パークトレイン 基本情報

  • 運休日:水曜日(水曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始
    ※天候・路面状況などにより運休となる場合がある
  • 料金:大人(中学生以上70歳未満)1回300円、70歳以上・3歳以上1回150円
  • HP:http://www.senyo.co.jp/kasai/park_train.html

レストランがお勧めのホテルシーサイド江戸川

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<葛西臨海公園内、大観覧車近くに立つホテルシーサイド江戸川。レストランシーサイドは1階にある>

松山さんが葛西臨海公園を訪ねるときに楽しみにしているのが、ホテルシーサイド江戸川内の「レストランシーサイド」での食事。このレストランはホテルオークラグループが運営し、定評ある味わいを提供しているのです。西洋料理と中国料理をメインに、多様なメニューが揃います。ランチのメニューもいろいろ選べて、ドリンクバーも利用可能です。花の穴場を調べ尽くす情熱をもって本当においしい店を探し出している松山さんが太鼓判を押すレストランですから、間違いなしですよ! 

ちなみに松山さんは自分の家からそれほど離れていないこのホテルによく泊まるそう。宿泊料金がリーズナブルながら、とてもリラックスできる穴場のリゾートとのことです。

レストランシーサイド 基本情報

  • 住所:東京都江戸川区臨海町6-2-2 ホテルシーサイド江戸川
  • 営業時間(シーサイド):朝食7:30~9:00、昼食11:00~14:30(ラストオーダー14:00)、夕食17:00~21:00(ラストオーダー19:30)
    ※2019年3月28日までホテルの大規模改修工事に伴い休館
  • HP:http://www.h-seaside.jp/gourmet/index.html

葛西臨海公園の基本情報

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<9月下旬~10月中旬まで大観覧車や展望レストハウス前の芝生広場で咲くコスモス。まさに「咲き乱れ」の雰囲気で、野趣に満ちた姿は手入れされて整然と咲く都会のコスモスとは違った魅力がある。花期が長いのも嬉しい>

四季を通じて多様な花が咲く葛西臨海公園。足を運んで記録した松山さんの情報を表にまとめて最後に公開します。近年の温暖化現象で花期が早まることもある点に留意ください。

葛西臨海公園 基本情報

  • 住所:東京都江戸川区臨海町6丁目
  • 開園日:常時(サービスセンター及び各施設は年末年始に休業)
  • 入園料:無料(一部有料施設あり)
  • HP(東京都公園協会):http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index026.html
  • Twitter(葛西臨海公園 園長の採れたて情報):@ParksKasai

葛西臨海公園で咲く花、咲く場所

1~2月に咲く花と咲く場所

  • スイセン・・・大観覧車の下
  • ロウバイ、紅梅・・・鳥類園・バーベキュー広場
  • フサアカシア・・・汐風の広場

3月に咲く花と咲く場所

  • 梅・・・バーベキュー広場
  • ソメイヨシノ・・・桜並木・芝生広場
  • トサミズキ・・・鳥類園
  • 菜の花・・・展望広場
  • サンシュ・・・ホテルシーサイド江戸川近く

4月に咲く花と咲く場所

  • セイヨウシャクナゲ・・・芝生広場・バーベキュー広場
  • サトザクラ・・・芝生広場
  • オオシマザクラ・・・鳥類園

5月に咲く花と咲く場所

  • ポピー・・・展望広場
  • ハマナス、シャリンバイ、ライラック・・・鳥類園
  • フジ・・・ホテルシーサイド江戸川近く

6月に咲く花と咲く場所

  • ザクロ・・・鳥類園の芦ヶ池近く
  • ヒメシャラ、ネムノキ、トケイソウ・・・鳥類園
  • アジサイ・・・第一駐車場近く

7月に咲く花と咲く場所

  • ノウゼンカズラ・・・わくわく広場近く
  • ハマボウ・・・西なぎさ入口
  • アメリカディゴ、インドハマユウ・・・鳥類園

8~9月に咲く花と咲く場所

  • ハナズオウ、ムクゲ・・・芝生広場
  • ハギ・・・汐風の広場
  • ハマゴウ、フヨウ、クズ・・・鳥類園

9~10月に咲く花と咲く場所

  • キバナコスモス・・・展望広場・芝生広場
  • ハマギク・・・展望広場
  • センセーション(コスモス)・・・芝生広場

11~12月に咲く花と咲く場所

  • イソギク、ナワシログミ・・・鳥類園
  • コフクサクラ・・・日本庭園近く
  • サザンカ・・・汐風の広場
  • 紅葉・・・園内各所

※東京都公園協会のHPは園内マップがとても見にくいので、園内で無料配布している紙のマップを確認しながら、咲いている場所を目指してください

撮影・情報提供/「花の写真館」(平成・万葉集の館)松山忠徳さん

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取材で撮影した花を「花の写真館」でデータベース化する松山さん。このギャラリーでは松山さんが長年蓄積した、東京と近郊の花情報を提供。精力的な花の名所めぐりのレポートはSNSで配信中。

花の写真館

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ヤスヒロ・ワールド

東京佃島生まれ育ちの江戸っ子。旅行ガイドの編集者。
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